EV
2026年08月28日 04:25
なぜか日本メディアは、電気自動車(以下EV)の話になると「日本は出遅れた」といった論調で話を構成するのですが、日本はどちらかというと、EV先進国だと私は思っているのです。というのも、私が40年前に卸売市場でアルバイトをしていた際に乗っていたターレ(ターレットトラック)という車両は当時からEVでしたし、同様に40年前からゴルフの際に使うカートも結構な確率でEVでした。
今も豊洲市場へ行けば、荷物を載せたターレが縦横無尽に走っています。小回りが利き、頻繁に発進と停止を繰り返し、重い荷物を運ぶ。しかも屋内や半屋内で使うため、排気ガスを出さず、騒音も少ない電動車との相性が非常に良い乗り物です。
同様にゴルフ場に行けば、電動カートも当たり前のように走り回っています。ヤマハ発動機は1975年からゴルフカートを製造しており、現在では累計生産100万台を超えています。つまり日本には、乗用EVが話題になる何十年も前から、電動の小型モビリティを作り、運用し、修理し続けてきたメーカーが存在するわけです。
あと、倉庫などでよく見かけるのが電動フォークリフト。三菱ロジスネクストにつながる日本輸送機(いわゆるニチユ)は、なんと1939年に日本初のバッテリーフォークリフトを開発しています。毎日長時間、重い荷物を持ち上げ、発進と停止を繰り返す世界で使われ続けているのです。
ましてやダイハツは、1969年には「フェロー バンEV」の販売を開始し、1970年には軽商用車「ハイゼット バンEV」の販売を開始。同年開催された大阪万博では、来場者用のエキスポタクシーをはじめ、警備用や迷子移送用など、さまざまなEVを会場内で走らせていました。ある意味、実用EVの老舗なのです。
しかも日本には、もう一つ大きな財産があります。それが鉄道です。
電車は、広い意味ではEVそのものです。電気を受け取り、インバーターで制御し、モーターを回して車輪を駆動する。しかも数百人、場合によっては千人以上を乗せ、毎日朝から晩まで加速と減速を繰り返します。何より鉄道では、「故障したので今日は動きません」では済みません。
モーター、インバーター、制御装置、回生ブレーキ、電力変換、熱管理などについて、日本には長年蓄積してきた膨大な技術があります。電源を外部から受け取るかバッテリーに頼るかの違いはありますが、逆に言えば、バッテリー以外の技術はしっかりあるとも言えます。
そんなわけで、私自身は「日本のEVにはかなり可能性がある」と思っています。その理由は、日本が得意としてきたEVが、巨大なバッテリーを積んで500km、600km走る単なる乗用車ではなく、「必要な距離を、必要な大きさで、毎日確実に走ることが求められる業務用電動車」だったからです。
ターレ、フォークリフト、ゴルフカート、軽商用車のすべては、毎日同じ場所を行き来する業務用電動車です。毎日決まった範囲を走り、使用が終われば決まった場所へ戻ってきます。一充電で500km走れる必要などありません。
そんな利用場面は、郵便、宅配、介護、営業、工場、農業、自治体、商店、建設現場・・・といった形で山のように存在するわけです。
狭い国土の日本だからこそ、こういう用途が大量にあり、小さく、軽く、安く、壊れず、狭い道をスイスイ走り、毎日確実に仕事をこなせる車両というニーズを生かせば、かなりの量産効果も見込め、それは世界でも競争力を発揮できるのではないかと思うのです。
中国やアメリカと同じ土俵で「巨大なバッテリーを搭載した高性能EV」を競うだけが、日本のEV産業の進む道ではないと思います。
日本には昔から「小さな電動車を、毎日確実に働かせる技術」が蓄積されてきたことに気付きます。世界中で物流のラストワンマイルが電動化され、工場や空港、ホテル、観光地、農場、巨大施設などでも小型モビリティの需要は増えていくでしょう。
高齢化が進めば、低速で安全に移動できる地域交通用モビリティの需要も増えるはずです。そう考えると、日本が狙うべきEVは「テスラやBYDと同じもの」だけではないのかもしれません。
むしろ日本がこれまで蓄積してきた技術を、「乗用車」という枠だけで考えずに組み合わせていけば、世界とは少し違った日本らしいEV産業が生まれる可能性があります。
「EVで日本は出遅れた」と結論付けるには、まだ早いのではないでしょうか。日本はEVを知らなかったのではありません。実はずっと昔から、目立たないところでEVを使い続けてきた国だけに、起死回生の一打でEV先進国へと一気に逆転できる可能性もあると思っている私です。
2026年08月26日 01:34
スズキの行動理念にある「小・少・軽・短・美」をご存じでしょうか。「小さく、少なく、軽く、短く、美しく」という、スズキが長年大切にしてきたモノづくりの考え方です。その「小・少・軽・短・美」を具現化した電気自動車(以下EV)「e SKY(イースカイ)」が、この秋デビューすると発表されました。昨年のジャパンモビリティショーに展示されていた「Vision e-Sky」を、そのまま市販車へ仕上げたといった形の車両です。
スズキは、2023年のジャパンモビリティショーにも軽ワゴンEVのコンセプトモデル「eWX」を展示していましたので、何年もかけて「スズキらしい軽EVとは何なのか」を研究してきたのでしょう。
このe SKYですが、すでにメディア向け試乗会も行われています。量産試作車を出す段階にまで至っているということでしょう。
私はこのクルマ、結構売れるのではないかと思っています。なぜならスズキという会社は昔から、「みんなが欲しがっているクルマを作る」というより、「世の中に必要なのに、まだ手頃な商品が存在していない市場」を見つけるのが非常に上手な会社だからです。
例えばアルト。日本にモータリゼーションが到来し、高度経済成長の中で生活が豊かになるにつれ、消費者はより大きく、より高級なクルマを求めるようになりました。その結果、1970年代半ばには軽自動車市場が急速に縮小し、存在感を失いつつありました。
そんな1979年にスズキが発売したのが初代アルトです。その価格はなんと47万円。しかも全国統一価格となっていました。
徹底した工程の合理化、部品点数の削減、ワングレード化などによってコストを削り、「豪華なクルマ」ではなく「安くて日常の足として使えるクルマ」という価値を真正面から打ち出したところ、大ヒットを収め、低迷していた軽自動車市場が息を吹き返したのです。
また1993年には、「単に安いだけではなく、家族で使えて、もっと広く快適なクルマが欲しい」というニーズに対して、天井を大幅に高くした軽自動車ワゴンRを登場させ、こちらも大ヒット。「軽トールワゴン」という巨大な市場を生み出しました。
今、世界の自動車メーカーはEVへ向かっています。しかし日本では、なかなかEVが普及しません。その最大の理由の一つが価格でしょう。補助金を使えば安くなると言われても、一般の人からすれば「軽自動車にそこまで払うの?」という感覚があるのも当然だと思います。
今回のe SKYを見ていると、スズキらしい「小・少・軽・短・美」を、EVでも表現しようとしていることが感じられます。クルマを小さく、使う部品や資源を少なく、車体を軽く、製造工程や移動距離を短く、そしてシンプルで美しく仕上げる。実はEVほど、この考え方と相性の良いクルマはないのかもしれません。
私はe SKY、200万円を大きく切る価格で出てくるのではないかと思っています。もし150万円台から購入できる価格設定になれば、状況はかなり変わります。国や自治体の購入支援を組み合わせれば、地域によっては実質負担が100万円前後まで下がる可能性もあるでしょう。
その時に一気に飛びつくのは、一般家庭だけではないでしょう。自治体や大企業です。今や自治体も大企業もカーボンニュートラルへの対応を求められています。当然、公用車や営業車もEVへ切り替えていきたい。
ところが、何十台、何百台と保有している車両を高価なEVへ一気に入れ替えるとなれば、莫大な予算が必要になります。しかし、200万円を大きく下回る軽EVなら話が変わります。
市役所や区役所の公用車、企業の営業車、工場内の連絡車、介護事業者の訪問車、電力会社やガス会社などの巡回車。こういうクルマは、一日に何百kmも走るわけではありません。朝に事業所を出て近距離を走り、夕方になれば同じ駐車場へ戻ってくる。だったら夜間に充電すればいいわけです。
1979年のアルトが「47万円」という価格で、それまでクルマを所有することが難しかった人たちに新しい選択肢を提供したように、e SKYは「高くてEVを導入できなかった事業者」に新しい選択肢を提供するクルマになるかもしれません。いわば「令和の47万円アルト」です。
そして、私がもう一つ期待しているのが地方での普及です。現在、地方ではガソリンスタンドの廃業が相次いでいます。人口減少によってガソリン販売量が減る一方、地下タンクをはじめとする設備更新には大きなお金がかかります。さらに経営者の高齢化や後継者不足もあります。
それがEVになれば、自宅で充電できるわけで、日常的にガソリンスタンドへ行く必要がなくなります。家へ帰ったらコンセントにつなぎ、寝ている間に充電する。翌朝になれば、また走れる。一日に数十km程度しか走らないのであれば、それで十分です。
これまでEVについては、「地方は充電設備が少ないから普及しない」と言われてきました。しかし私は、これから逆転する地域が出てくると思っています。「充電スタンドがないからEVに乗れない」のではなく、「ガソリンスタンドがないからEVに乗る」。そんな時代が来るかもしれません。
そして今回のe SKYを見て、私自身、EVに対して少し間違った見方をしていたことにも気づきました。
EVは充電時間が長い。長距離移動には向いていない。価格が高い。だから満充電で何km走れるのか、充電にどれくらい時間がかかるのか、ガソリン車と比べて本当に得なのか。これまで私は、そんな尺度でEVを見ていました。
でも、e SKYの考え方は少し違います。そもそも日常のクルマ移動の多くは、何時間も走り続けるものではありません。買い物、送迎、通勤、通院など、1時間以内の短時間移動を何度も繰り返している人が圧倒的に多い。だったら、そこに焦点を合わせたEVを作ればいい。
一日に数十kmの日常移動を十分こなせて、夜になれば自宅で充電できる。豪華な装備も、EVらしさを強調する演出も必要ない。ガソリン車から乗り換えても、これまでと同じ感覚で普通に使える。
実際、スズキもe SKYの開発コンセプトを「Easy to Switch」として、ガソリン車から違和感なくEVへ乗り換えられることを目指しています。通勤、通学、買い物、送迎といった日常使いに「ちょうどよい」EVという考え方です。
スズキからすれば、「EVが環境負荷を減らすためのクルマなら、必要以上に豪華な装備を付けて重く、高くしてしまうのは少し違うでしょう。シンプルで十分なのではないですか?」という発想なのかもしれません。
必要なものはちゃんとある。しかし、必要以上のものは付けない。無印良品的な視点でEVを作ったら、こういうクルマになりました、という感じがします。
先進性を必要以上に主張するのではなく、日常の生活道具として普通に使える。そして、ガソリン車から乗り換えても大きな違和感がない。だからこそ、EVであることを意識せずにEVを使える。私は、そこがe SKYの一番面白いところなのではないかと思います。
スズキが変える国産EVの世界。
スズキが昔から得意としてきたのは、豪華さや高性能を競うことではなく、「多くの人が日常で使える生活の足とはどうあるべきか」という視点から、新しい市場を創り出すことでした。
47万円のアルトで軽自動車を蘇らせ、ワゴンRで新しい軽自動車市場を切り開いたスズキが、今度は「小・少・軽・短・美」を武器に、EVの常識を変える。そんなスズキの真骨頂が、今回のe SKYでも見られるのではないかと思っている私です。
2026年08月17日 05:52
BYDから、日本専用に開発された軽EV「RACCO(ラッコ)」が発売されました。軽自動車、それも日本で圧倒的な人気を誇るスーパーハイトワゴン市場へ、中国メーカーが真正面から乗り込んできたわけです。そもそも日本の本格的なEV市場は、2009年の三菱i-MiEVの法人向け販売から始まったと言っていいでしょう。2010年には個人向け販売もスタート。さらに2010年末には日産リーフが発売され、その後も三菱と日産を中心に普及促進が図られましたが、残念ながら日本国内では思うように普及しませんでした。
BYD Auto Japanによると、7月28日の発売からわずか2週間で、RACCOの累計受注台数は1000台を突破したとのこと。「中国メーカーの軽自動車なんて日本で売れるのか?」そんな見方も少なくなかったと思いますが、少なくとも最初の1000人が実際に購入を決めたことになります。
新しい商品やサービスが社会に普及するメカニズムを説明するものに「イノベーター理論」というものがあります。これは消費者を5段階に分類する考え方で、その区分は以下のようになっています。
・イノベーター(革新者):全体の2.5% 新しいものをいち早く取り入れる人
・アーリーアダプター(初期採用者):全体の13.5% 流行に敏感で、周囲にも影響を与える人
・アーリーマジョリティ(前期追随者):全体の34% アーリーアダプターなどの動向を見て採用する人
・レイトマジョリティ(後期追随者):全体の34% 周囲に広く普及してから採用する人
・ラガード(伝統採用者):全体の16% 新しいものに慎重で、最後まで従来のものを使い続ける人
イノベーターとアーリーアダプターを合計すると16%になります。このあたりまで普及すると、その後の多数派へ広がる可能性が高まるとされます。
世界全体で見ると、新車販売に占めるEVの比率はすでにこの水準を超えています。少なくとも世界市場全体では、EVはもはや一部の新しいもの好きだけが購入する商品ではなくなったと言っていいでしょう。
世界の自動車メーカーは、この成長市場でシェアを獲得しようと巨額のEV投資を進めてきました。しかし実際には、EVで先行したテスラやBYDなどとの価格競争が激しく、想定したほど収益を上げられないメーカーも出てきました。
その結果、EV投資計画の縮小や延期、戦略の見直しが相次いでいます。日本メーカーでもホンダがEV戦略を大幅に見直し、EV関連で巨額の損失を計上しています。そんなEV市場ではありますが、今回BYDが参入してきたのは、日本独自の市場である「軽自動車」という領域です。
ホンダの国内四輪販売はN-BOXをはじめとする軽自動車の存在感が非常に大きく、ダイハツやスズキにとっても軽自動車はまさに主力商品です。ここは日本メーカーにとって、海外メーカーに簡単に譲るわけにはいかない市場でしょう。
軽自動車のスーパーハイトワゴン市場における絶対王者「ホンダN-BOX」は、2025年度に19万8893台を販売しています。月平均にすると約1万6500台、単純計算すれば1日約550台です。RACCOが叩き出した2週間で1000台という数字も、N-BOXと比較してしまえば大した量ではありません。
しかし、日本における輸入車のシェア自体が決して大きくないうえ、BYDは中国メーカーであり、さらに日本ではまだEVに対して航続距離や充電環境、リセールバリューなどへの不安を持つ人も少なくありません。
そんな悪条件が揃う中で、発売直後とはいえ2週間で1000台を受注したということは、「軽EVのスーパーハイトワゴン」に少なからずニーズがあることを見せてくれたとも言えます。
BYD自身は、RACCOの販売目標について「2026年末までに1万台」としています。仮にこれを達成すれば、BYDにとって日本市場進出後の大きな成功と言っていいでしょう。
ただ、私がもっと興味を持っているのは、RACCOそのものがどこまで売れるかではありません。RACCOが売れることによって、日本メーカーがどう動くのかです。特に気になるのがホンダです。
ホンダにはすでに軽商用EV「N-VAN e:」があります。N-VAN e:はWLTCモードで245kmの航続距離を持ち、普通充電だけでなく急速充電にも対応しています。
このベース車となったN-VANは、N-BOXのプラットフォームを最大限活用して開発された車です。つまり、その気になれば「N-BOX e:」のような乗用軽EVを開発するための技術的な土台は、すでにかなり整っていると考えることができます。
では、RACCOが月2000台、3000台と増えていったらどうでしょう。月3000台なら年間3万6000台、つまり4万台近い規模になります。これはもう「中国メーカーが変わった車を持ってきた」というレベルではありません。軽スーパーハイトワゴン市場の一角を、本格的に奪われ始めたということになります。
そうなればホンダが「N-BOX e:」のようなEVモデルを投入してきても、まったく不思議ではないと思います。
さらに面白いのがダイハツです。軽スーパーハイトワゴンというジャンルを切り開いたのは、もともと2003年に登場した初代タントでした。ところが現在はN-BOXやスズキ・スペーシアの後塵を拝しています。
ここで次期タントに、ハイブリッドシステムが搭載されるのではないかという情報が出ています。特に注目されているのが、ダイハツがロッキーなどで実用化している「e-SMART HYBRID」の考え方です。
これはエンジンで直接タイヤを駆動する一般的なハイブリッドとは異なり、エンジンは基本的に発電に徹し、モーターで走行するシリーズハイブリッド方式です。もしこれを軽自動車向けに小型・軽量化できれば、非常に面白い車になると思います。
ただし、現時点でダイハツから「次期タントにe-SMART HYBRIDを搭載する」という正式発表はありません。あくまでも今後の展開として報じられたり予想されたりしている段階です。
私は以前ブログにも書いたように、「軽自動車こそEVとの相性が良い」と思っています。そもそも軽自動車で東京から大阪まで走ろうという人は、それほど多くありません。買い物や通勤、子どもの送り迎え、病院への移動など、毎日数十km程度の移動に使われるケースが多いでしょう。そう考えると、航続距離が200km程度でも実用上困らない人はかなりいるはずです。
特に地方ではガソリンスタンドの閉鎖が相次いでいます。ガソリン車の場合、給油するためには当然ガソリンスタンドまで行かなければなりません。しかしEVなら、自宅に充電設備さえあれば、帰宅して充電器につないでおくだけで、翌朝には充電されています。
「地方は充電設備が少ないからEVに向かない」と言われることがありますが、自宅充電を前提に考えると、むしろ日常の足として使われる軽自動車こそEV化のメリットが大きい地域もあるのではないでしょうか。
もちろん課題はあります。車両価格、バッテリーの耐久性、集合住宅での充電設備、寒冷地での航続距離、そして中古車価格など、ガソリン軽自動車と同じ感覚で購入できるようになるまでには、まだ解決しなければならない問題があります。
それでもRACCOが売れれば、日本メーカーも黙ってはいないでしょう。ホンダから「N-BOX e:」。ダイハツからハイブリッドの「タント」。そしてスズキも当然、何らかの対抗策を考えてくるはずです。もしかすると数年後には、「軽自動車はEVも当たり前」という時代に入っているかもしれません。
そう考えると、RACCOの発売は単なる中国製軽自動車の日本進出ではなく、日本の軽自動車が次の時代へ移るきっかけになるのかもしれません。
RACCOがN-BOXを脅かすほど売れるのか。それとも最初の話題だけで終わるのか。そしてRACCOの販売台数がどの水準に達した時、日本メーカーが本格的に動き始めるのか。これから半年から1年、RACCOの販売台数にはかなり注目しておきたいと思います。
これまで日本に参入してきた輸入車メーカーの多くは、基本的に世界市場向けに開発した車を日本でも販売するというスタイルでした。ある意味、輸入車メーカは日本の輸入車オーナーを軽く見て来たとも言えるでしょう。
その点、BYDがわざわざ日本の軽自動車規格に合わせ、日本専用車としてRACCOを作ってきたという事実は、この会社が真面目に正面から日本市場と向き合おうとしている姿勢の表れだと感じます。これはこれまでの輸入車メーカーにはあまり見られなかったアプローチだけに、今後投入されるPHEVも含め、BYDが日本市場でどんな展開を見せるのか、楽しみにしている私です。
2026年07月25日 02:38
中国の自動車メーカー「BYD」が、日本市場向けに専用開発した軽EV「ラッコ」の発売を間近に控えています。BYDはEVの基幹部品と駆動用バッテリーに「8年・16万km保証」を設定しており、購入後の高額修理に対する不安は比較的小さいと言えそうです。
軽EV市場で先行するのは、2022年に発売された日産サクラ(兄弟車の三菱eKクロスEV)。そして2025年にはホンダがN-ONE e:を投入しました。航続距離を見ると、サクラは180km、N-ONE e:は295km。
今回発表されるラッコは、この2車種を明らかに意識した構成になっています。バッテリー容量を2種類用意し、航続距離はエントリーモデル「200」が約200km、上位グレード「300」が約300km。ちょうどサクラとN-ONE e:の中間ではなく、それぞれを真正面から狙った設定です。
しかも、日本メーカーの軽EVが比較的背の低いスタイルなのに対し、ラッコは人気の高いハイトワゴン。後席は電動両側スライドドアを採用し、ファミリー層を強く意識したパッケージとなっています。
価格は一番安い「200」が250万円前後、最上級グレードの「300 Premium」が300万円程度と予想されており、「中国車だから安い」というイメージとは少し異なります。
高度運転支援システムを標準装備し、軽自動車としては珍しい4輪ディスクブレーキまで採用するなど、装備面はかなり充実。すでに各所の展示会に出て来ていた量産試作車を見る限り、クオリティは非常に高く、いい意味で軽自動車ならこの程度でいいという割り切りが分かって無い感じです。
BYDはすでに全国77拠点まで販売網を拡大しており、購入後のメンテナンス体制も以前とは比べものにならないほど整備されました。その意味では、日本市場への本気度は十分伝わってきます。
ただし、ここからがBYDにとって本当の勝負でしょう。軽自動車は世界でもほぼ日本だけの規格です。つまり、このプラットフォームは海外へ横展開することが難しく、開発費を回収するには日本国内で一定の販売台数を確保しなければなりません。
一般的に、自動車メーカーが新しい専用プラットフォームへの投資を回収するには、世界全体で50万〜100万台規模の販売が一つの目安と言われています。しかし、軽自動車は日本専用車であるため、設備投資をどこまで抑えられるかが採算性を大きく左右することになります。
仮に軽自動車専用ラインへの投資を2,000億円と仮定し、1台あたり10万円ずつ投資を回収するとすれば、単純計算では20万台の販売が必要になります。
一方で、既存設備を活用するなどして投資額を1,500億円程度まで抑え、1台あたり30万円を回収できると仮定すれば、必要販売台数は約5万台まで下がります。では、日本市場はどうでしょうか。
2025年の軽自動車販売を見ると、年間10万台を超えたのはホンダN-BOX、スズキ・スペーシア、ダイハツ・タント、ダイハツ・ムーヴの4車種のみ。10位のダイハツ・ミラでも約5万6千台でした。
一方、EV市場に目を向けると、2025年のBYD乗用車の国内新規登録台数は3,742台。輸入EVではテスラが約10,600台、一番売れた軽EVの日産サクラでも約14,000台でした。
こうした数字を見る限り、ラッコが年間1万台販売できれば大成功と言えるのではないでしょうか。逆に言えば、それだけ日本市場は簡単ではないということです。
もっとも、私はBYDがこの軽EVだけで終わるとは思っていません。もし日本市場で一定の販売実績を積み、軽自動車の生産・販売ノウハウを蓄積できれば、その先の展開も考えられます。
現時点のラッコはEV専用設計であり、エンジンを搭載するスペースはありません。しかし将来的には、軽自動車市場で得た知見を生かして、ガソリン車やハイブリッド車、あるいはPHEVなど、別のパワートレインを採用した新たな軽自動車を投入してくる可能性は十分あると私は見ています。
これまで日本の軽自動車市場は、海外メーカーがほとんど参入できない「最後の聖域」と言われてきました。しかし、その市場へ世界最大級のEVメーカーが本気で乗り込んできます。
ラッコが成功するのか、それとも日本市場の壁に跳ね返されるのか。その結果次第では、日本メーカーの軽自動車戦略にも少なからず影響を与えることになるでしょう。
まずは発売後の反応を見守りたいと思いますが、少なくとも私は、自宅にも置けるサイズのEVということもありこの1台には非常に興味を持っています。そんなわけで試乗してみます。
2026年04月16日 06:27
すでに各所で報道が出ていますが、あの万博用EVバスの多く(約190台超)を納入した株式会社EVモーターズ・ジャパン(北九州市)が負債57億円を抱え民事再生法の適用を申請したようです。2019年 法人設立
2022年 EVバス1号車納入
2023年 22台納入(富士急/伊予鉄/東急/那覇バス/宮城交通/北九州市交通局 他)
2024年 大阪・関西万博向けに約190台を納入
2026年 民事再生適用申請(負債債権者約280名に対し約57億円)
自動車ブログではないので詳細を書くのは避けますが、万博で使われていた車両は、バスとしての骨格を維持するための基本的部品が無かったり、見るからに明らかな強度不足が確認できると言うヒドイ車両で、信頼性が未知数の自動運転装置が搭載されてる車両もある状態。
これを大阪市は「国産だから」という理由で信頼あるBYDで一度は決定していた車両を、この会社からの調達に切り替えたようですが、中身は中国のバス会社経営者ですら聞いたこと無いメーカーからの調達。
OEMと言っているが日本で設計して中国で生産させているのではなく、中国から調達したバスに日本で必要な装備をつけ足しているだけ。確かにそれでも最終組み立てが日本なら国産になるのですが、目で見て分かる貧弱な車両が国交省の認可を受け登録まで出来た理由も分かりません。
民事再生法の適用を申請していますが、今後待ち受けているのは納入した各社からの損害賠償請求でしょうし、EV補助金は5年間乗らないと返還する義務があるので、この返還分もこの会社へ請求されることでしょう。
公共交通機関の車種選定は、市議会や都道府県議会と言った政治に出来る物ではありません。選択を誤ると誰かの命を危険にさらす可能性もあるのです。
その昔、広島電鉄がドイツのシーメンスから画期的な路面電車を導入したことがありました。初代グリーンムーバーと名付けられ、2000年には鉄道車両としては栄誉あるローレル賞を受賞。2003年度には「バリアフリー化推進功労者表彰・内閣官房長官賞」も受賞しました。
結論からいえばこれがとんだシロモノでして、日本の高温多湿の環境には合わず早々のうちから故障続出。それでも騙し騙し使っていたものの廃車となりました。まだ京都市電や神戸市電の廃車車両が50年以上も走ってますから、とんでもない寿命の短さです。
そんなわけで公共交通機関については、旅客機は海外製しか選べないから仕方ないにしても、電車やバスは実績ある国産があるなら、そっちを選んだ方がいいんじゃないかと思っている私です。
2026年04月02日 02:11
大阪・関西万博で使用された自動運転できるとされたEVバスが、クソみたいな代物だったため駐車場にまとめて放置されているのは有名でしたが、3月31日に所有者の大阪メトロから活用断念の発表がありました。大阪市議会での答弁では「150台の購入費は約75億円で約半分以上を国と大阪府が負担」としているので、1台あたりの平均は約5千万円。BYDの大型バスで約4千万円前後、信頼感のあるいすゞエルガEVが約6千5百万円前後であることを考えると、決して安くない金額です。
当初、大阪メトロは世界的なシェアを持つBYD製の採用を検討していました。しかし「国産推進」の追い風によって選ばれたのは北九州市のベンチャー企業「EVモーターズ・ジャパン」でした。ですが、その実態はあまりに杜撰なものだったのです。
EVモーターズ・ジャパンは、中国から輸入して来たバスを確認・点検・整備して納入したとしていますが、実際は中国のバス会社関係者でも知らないという「ウィズダム(Wisdom)」や「ヤンチェン(Yancheng)」という謎の会社から輸入したバスをそのまま登録しています。
調べてみても、中国本土での営業運行実績はおろか、現地で車検を通って公道を走っている実績すら確認できないようなメーカー。なぜ国土交通省がこんな会社のバスの輸入を許可し、車検を通して登録させ、日本の公道を走らせたのかも大いなる謎です。
様々な事故が報告されていますが「真っすぐ走らない」「止まらない」「突然ハンドルが効かなくなる」と致命的なトラブルのオンパレード。
各部の部品も溶接や金属パーツの仕上げは粗悪で、そもそもの素材も強度不足な物が多数。それどころか、あるべき部品が装着されて無いといった例もあり、新人レベルの車検官でもこのバスを登録させたり車検を通したりすることは無いと思われます。
現場の運転手からは「真っ直ぐ走らせるだけで必死」「いつ操作不能になるか分からず怖くて乗れない」という切実な声が上がっていて、実際に操縦不能による自損事故も発生しており、これが大惨事にならなかったのは単なる「幸運」に過ぎないと言えます。
この問題は、単なる機材トラブルではありません。不適格な車両を納入した「EVモーターズ・ジャパン」の責任はもちろん、その選定に関わった大阪市議会、そして安全を担保すべき立場なのに責任を怠った国交省の責任は極めて重いでしょう。
まずは国交省がまだ営業を続けている「EVモーターズ・ジャパン」の立ち入り調査を実施すると同時に、今後このようなバスの納入が実施されないようにするのが第一だと思いますが、そんな動きも無く、今後も納車予定がある感じ。
だったら政府が介入して「なぜこのようなオンボロバスに国交省が許可を与えたか」を調べて明らかにしてもらいたいところですが、そんなこともしなさそうな雰囲気。
誰が、いつ、どこで、この「実績なき中国製バス」をねじ込んだのか。その経緯が白日の下に晒されるまで、追及を緩めてはならないと思うのは私だけでしょうか。まあこの国のことなんで、いつものように単純に誰かが接待を受けてネジ込んだって構図なんだろうなーって思ってますけどね。
まずは1台5千万円の動く時限爆弾が破裂する前に廃車が決定して良かったと思っております。
2026年03月26日 03:50
三部社長就任後から突き進んできた本田技研工業のEV戦略に、ここへ来て大きな疑問符がついている。それは、「当初から現在に至るまで、実態として十分な開発が進んでいなかったのではないか」という点だ。同社はこれまでEV(電気自動車)分野において出遅れが指摘されながらも、ソニーグループとの提携などを通じて巻き返しを図っているかのように見えてきた。
特に両社による新会社設立は、「次世代モビリティの象徴」として大きな期待を集めていた。しかし、その実態については以前から市場関係者の間で、「もし開発が順調に進んでいるのであれば、過渡期であっても一定の技術開示があって然るべきではないか」と疑問視する声もあった。
EV開発は、ソフトウェア・電池・プラットフォームの三位一体で進める必要があり、従来の内燃機関車とは全く異なる難しさを抱える。特に後発メーカーにとっては、想定以上に時間とコストがかかるケースも珍しくない。
そのため、「計画通りに進んでいる」と示すプレッシャーが現場に強くかかる構造は、どのメーカーでも起こり得る問題だ。
ソニーグループとの協業は、ホンダにとって“ソフトウェアとブランド力の補完”という意味で極めて有効だったと考えられる。一方で、開発の責任主体が曖昧になれば、双方の認識にズレが生じ、「相手側に課題がある」といった構図に陥るリスクも否定できない。
自動車開発においては、「いつまでに何を出せるか」というスケジュールの信頼性が極めて重要であり、ここが揺らげば事業全体の再検討に至るのは当然の流れである。
ホンダが今後巻き返すためには、実現可能性の低い大風呂敷を広げるのではなく、足元の技術や製品を着実に積み上げ、それを将来の大きな事業へと育てていく姿勢が求められるだろう。
また、一部で指摘されているEV郵便バイク火災の多発などを踏まえると、いきなり最先端の新型EVで勝負するのではなく、まずは電動スクーターやバイクといった分野で量産・品質の実績を積み上げる戦略も現実的ではないか。
少なくとも、現時点ではそうした堅実なアプローチが必要だと私は考える。
2026年03月13日 06:14
ホンダは「2040年に脱ガソリン」と宣言していましたが、「脱脱ガソリン」を発表しました。採算が取れる見込みが無いだけでなく、ちゃんと開発も出来ていなかったので、まずは一安心といった感じです。ホンダは稼ぎ頭のアメリカで大赤字を垂れ流していて、しかもEV(電気自動車)企業になると言いつつも自社開発できずGMから調達したOEM生産車も大不振。GMとの各種事業も次々と取りやめて行ってます。
今回はアメリカで生産予定だったHonda 0 SUV/Honda 0 Saloon/Acura RSXの白紙撤回を発表。2026年3月期(2025年度)の連結業績予想を2,700億〜5,700億円の赤字(当初見通し5,500億円黒字)に下方修正しました。
日産との経営統合が話題上がった時に上手く立ち回れば電気自動車事業を日産の技術で建て直せたかも知れなかったのに、逆に日産に「無条件降伏すれば吸収してやるかも」的な大上段からの提案をして袖にされ、自社開発EVは原付ですらすぐ電池切れというレベルの低さ。どうにもならなくなってのギブアップです。
利益の大半はバイク事業で、自動車事業全体が赤字の塊。今年から「F1にワークス体制で再度参戦」とか言ってましたが、先日の開幕戦ではまともに走ることすらできず、供給チームのアストンマーチンにも見限られちゃったらF1撤退を発表するのかもと思ったりしております。
2001年から「The Power of Dreams(夢の力)」を企業スローガンとしているホンダ。でも自社スタッフが手を動かして各種開発していたのは遠い昔。エンジニアはパワポ資料作りに明け暮れ、その夢物語資料を下請けに丸投げ。今や「The PowerPoint of Dreams」と言われるほどになっています。
ところが今どきパワポ資料なんてチャットGTP等のAIに投げれば5分とかからず完成するわけで、今ホンダのエンジニアに必要とされているのは「自分で考える力」ではないでしょうか。つまりAIに依存する前にAIへ投げるテーマを考えることが求められていると思います。
AIに「2040年完全EV化の課題」ってのを書かせると一瞬で以下のようにまとめて来ました。
・世界の電力インフラがEV100%に対応できない
・EV需要の成長が鈍化している
・原材料供給の制約
・EV単体では利益構造が成立していない
・政策依存が極めて高い
「したがってEV中心だがマルチパワートレイン戦略を維持する」方針へ修正することが合理的である」なんてまとめまで作成してくれましたよ。時間にして20秒で課題抽出文章5行に結論1行。
それどころか、「最重要課題はEV100%社会の実現には膨大な電力が必要で、2040年までに世界的に整備される可能性は低いという点。ホンダは最適な動力で世界のモビリティを支えるという方向に転換すべき。現在の企業スローガン"The Power of Dreams - How we move you."を活かす形で新スローガン"The Power of Dreams - Dreams drive the world."を打ち出し、Dreamsの中にEVやF1といったプロジェクトを内包することで、夢のある企業/夢が企業の原動力といったイメージを打ち出すのが現実的で持続可能なおすすめ戦略です。」なんてまとめまで書いて来ました。さすがAI!
バイクレースのMotoGPもここ数年は全然勝てないんですよ。どのライダーが乗っても「前進しない」と言っているので、パワーはあるけど車体バランス/ステム角/フレーム/スイングアーム/アクスルシャフト回り/エンジン制御/ダウンフォース/トラクションコントロール等に問題があるのでしょう。
でも、それでもソコを走ってるホンダが好き。世界最高峰の舞台で打ちのめされても戦い続けるホンダを尊敬しています。八郷社長の6年間は厳しいリストラを断行して三部社長新体制の舞台を築きました。
三部社長の5年間はEV化への挑戦でした。あと残り何年あるかは分かりませんが、道半ばでの方針転換が功奏して、ドーンと跳ねる1年となることを祈っております。
最後になりましたが、昨年はホンダN-BOXジョイを買いました。今年はDio110を買う予定です。毎年1台ホンダパワー。これからもよろしくお願い申し上げます。(写真一番手前の電動SUVは発売するみたいです)
2026年02月25日 03:47
ホンダが新たな電動二輪車「ICON e:」を3月23日に発売すると発表しました。原付免許で乗れる電動スクーターとしては、やっとまともな商品が出て来たなという感じです。現在は2023年8月に発売開始した「EM1 e:」という車種があるのですが、カタログ値では一充電で53km走れるとしているものの、満充電にしてもあっという間にバッテリーが切れてしまうという問題がありました。
それでいてナゾに車体/バッテリー/充電器がバラバラに売られ、価格は車体が156,200円(税込)、バッテリーの「Honda Mobile Power Pack e:」が88,000円(税込)、充電器の「Honda Power Pack Charger e:」が55,000円(税込)と合計30万円弱もするんですよ。
しかも採用している着脱式可搬バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:」がシート下にあってメットインスペースが無く、さらに発火の可能性アリで昨年7月にリコールが出たりとなかなかに難しい車種でした。
新たに発売されるICON e:は価格が22万円(税込)で一充電走行距離が81kmと劇的に伸びました。しかも今回のはバッテリーの搭載位置が床フロアになったことで、ちゃんとシート下にメットインスペースがあるのです。
当然ですがバイクの安定性を考えても重量物が高い位置にあるより低い位置にあるほうが良いわけで、バッテリーがシート下から床フロアに変わったことで、劇的に走りも良くなっていると思われます。
じつはこの車種、2024年10月にインドネシアで発表され、ベトナムやパキスタンでも発売されていて、なんで日本だけ変なの売ってるのかな?と思っていたのですが、ホンダは日本でHonda Mobile Power Pack e:と互換性のあるGachaco(ガチャコ)という交換性バッテリーを普及させようとしていたので、無理やりそれが搭載できる車種を売っていたのだと思います。
このGachacoという交換性バッテリーですが、東京ですらほとんど普及していないので実用化には程遠い状態。もう普及をあきらめたのかもしれません。
個人的にはこの方式でメットインスペースのある原付二種スクーターが出て来れば買いたいのですが、まだホンダの原付二種電動バイクはHonda Mobile Power Pack e:を採用しているんですよねー。もうこの変なバッテリーパックをあきらめればいいのに・・・。
とはいえ、まずはホンダからもまともな電動スクーターが出てきたことに安堵。ただ東南アジアより遅れて発売される日本の位置づけにガッカリ。もはやホンダ二輪部門にとって日本は本社があるってだけで付録のような存在なのかもですね。
2025年12月19日 07:14
日本でEV普及率が低い理由について、賃貸駐車場率の多さ/リセールの悪さ/充電インフラ不足/車両価格/航続距離・・・といった課題はよく挙げられています。ただ、世界と比べて圧倒的に普及率が低いのは政治的指導力と大企業の努力不足が大半なのでは無いでしょうか。
2012年にホンダがGoogleとの協業を発表した時、「2015年Androidプラットフォームの自動車搭載」「Googleアシスタントで音声のみで各種操作を完結」などと言ってましたが、その発表が行われたサンノゼのGoogle本社に多数ある駐車場には、あり得ないほどのEVが並んでいました。
分かりやすかったのが普及方針で、「自分の車で通勤してもいいけどガソリン代は自腹だし車も傷む。EVなら無料で自分の車は傷まない。選択は自由」というものでした。
日本には多数の自動車&バイクメーカーがあります。その1社でも無数のEVを社員向けに用意してる会社がありますか?充電設備でさえ大した量は用意されていないのが現実。公用車だってガソリン車が大半。ハイブリッド車ですら義務化している自治体はありません。
広告マーケティング業界で昔から使われている「イノベーター理論」という物があります。全体の2.5%が新商品好きの「イノベーター」、13.5%がイノベーターに感化されやすい「アーリーアダプター」で、一般的に「オピニオンリーダー」「インフルエンサー」と呼ばれます。
この合計16%を超えると「アーリーマジョリティ」という普及を決定づける34%の層が動き出すとされ、広告をやる前のプロモーションではイノベーターとアーリーアダプターをつかまえるのが基本とされます。
ただ、EVプロモーションについては圧倒的にプロモーションが効いておらず、新し物好きのイノベーターの心すら掴めておらず、一部がテスラを買っている程度にとどまってます。
こんなの自動車メーカーが率先して社用車や通勤用車をEVにしていけばいいし、公用車はEV比率を義務付ければいいじゃないですか。いまEVが一番普及してるのって日本郵便ですからね。
世界では新車販売台数で16%を超えた国も出て来ました。そういった国々では一気に普及が進むでしょう。でも日本では全くといっていいほど普及していません。
だから「日本では普及しない」と断言する方もいますが、そう言われていた電動アシスト自転車もスマホも普及してますよね。絶対普及しないと思われたマイナンバーカードですら政治主導で持っている方が8割を超えました。
臨時国会が終わって次は通常国会です。日本は海外に物を売って生活してるわけで、日本国内だけで生活してる私達や大多数の政治家は海外に物を売ってる会社の利益をくいつぶしてるわけで、その主たる物が自動車やバイクである以上、それを必死に開発し売っていくことが大切なと思うのです。
テスラやBYDは先進的だけど人気なのはトヨタ。そんな時代はすぐに過ぎ去るかもしれません。今先進的なメーカーは来年はもっと先へ行くでしょう。老人票を狙っておこめ券を配るより、輸出産業の未来を考えるべきかなーと思ってます。
自動車&バイクを売って暮らしてる日本人が自家用車通勤すら出来ないってことに疑問も持たないことすら問題なんですけどねー。まずは無料駐車場整備や路上駐車の無料化なのかもしれませんね。

2025年12月14日 06:03
中国BYDが来年には軽自動車EVを発売すると予告しているのですが、これを開発した経緯について創業社長であるワン・チュアンフー(王伝福)氏は分かりやすく「日本の地方にとって救世主になるから」と言っていました。実際には日産・三菱・ホンダから軽自動車EVは発売されていますが、どちらかというと先進性を
打ち出すアイテムに過ぎず、実用性メインでは無いように感じるのですが、ワンさんは「日本の地方の救世主になる車を作る」という明確な目標を定めているのがスゴイと感じてます。
地方に狙いを定めている理由に「ガソリンスタンドが消えて行っている」「自宅前車庫が当たり前」としていて、EVならガソリンスタンドは不要だし、自宅前車庫なら充電も自由自在。確かに分かりやすいターゲット設定だと言えるでしょう。
今月に入ってホンダが各ディーラーで「ホンダの電気自動車2泊3日試乗モニターキャンペーン」ってのを開始しています。仕組みは各社で異なるのですが、年内に申し込めば年明けに貸してくれるって感じのが多く、連休にお出かけって方にはうれしい話しかもしれません。
これ乗れば分かるんですけど、電気自動車って何の問題も無いレベルで完成してるんですよ。問題はリセールが悪いってことだけ。乗り潰す気になれば給油しないで良いってのはメリットでしかありません。ただ賃貸駐車場の方は充電設備が無いので厳しいでしょうけどね。
BYDがスーパーハイトワゴンEVで成功したら、ホンダはすぐN-BOX e:を出すんでしょうね。もしかしたら試乗キャンペーンはその布石かも。というか基本設計は同じだからすぐ出せるはずなんで、BYDより先に出すのかもですね。
そんな話しを書いてるのに何ですが「N-BOX JOY」購入しました。残クレアルファードでオラオラするのが流行りの時代に、現金一括購入のターボナシ軽自動車でチマチマ走ります。気が小さいので決してあおらないでください。
2025年03月20日 07:10
国会は米価格問題とか総理の10万円商品券の話しで忙しいみたいですが、世界は中国自動車メーカーBYDが先日発表した新バッテリーシステムに衝撃が走っています。その内容は「1000kWの大出力で5分で約400km走行分を充電」とのこと。テスラの急速充電器であるスーパーチャージャーのうち最大出力の物が「最大出力250kW/15分で約225km走行分を充電」なので、桁違いの出力で桁違いの充電速度です。
先日「ホンダがEV用バッテリーをトヨタから調達」と発表されていましたが、トヨタが電池会社を買収してトヨタバッテリーを設立したのは先日のことで、テスラとBYDは何年も先行しちゃっているので、その先行組が充電器インフラを押さえてしまったら、それに乗っかるしかないんですよねー。
充電器インフラを押さえた会社が「充電器バージョンアップ&対応バッテリー開発」を同時にできるのに対し、インフラを取れなかった会社は新しい充電器が出てから対応バッテリーを作るしかないわけで、相当遅れるのですが仕方ありません。
最近は知人の電気自動車を使う機会も増えましたが、確かにテスラはスーパーチェージャーのある店に立ち寄れば30分もしないうちに50%充電はできるので、残量40%で充電に行けばコーヒーブレイクのうちに満充電なので、都心で使うには全く不便を感じません。
さすがに地方にいくと厳しくて、ラリージャパンで行った豊田市では急速充電器が少なくて、豊田スタジアムや東横インにあったEV充電器が遅すぎて、近くのイオンにある遅いけど結構早い的な充電器を利用してました。あの日本中にある遅い充電器はいらなくね?
自動車産業が日本にとって重要な事業なのにEVで出遅れるって、完全に政府の失態だと思うのですが間違ってますかね?
事業投資を企業任せにしてたら大失敗があるってのを国は経験していると思うんですよ。華々しく散った液晶全振りのシャープとプラズマ全振りのパナソニックは両方憤死と凄まじかったですし、電池に全振りした三洋電機も吹き飛びましたよね。関係ないけど船井電機も吹っ飛んだので、関西の弱電メーカー全滅。パナがギリギリ生き残ってる感じ。
しかも失敗したのを拾い集めたゴミ溜めみたいなエルピーダとかジャパンディスプレー。絶対できない国産旅客機をやると手を挙げた三菱重工。初音ミク等のクールジャパン。まあまあヒドイのに国は巨額資金を投入してます。
ニコンやキャノンって世界に誇れる企業だったのですが、今どきカメラなんて買います?スマホカメラで十分ですよね。元気な世界企業に国が追加投資して新規事業を拡げさせないとダメだと思うのですがねえ。
国際競争力では楽器の世界も日本はトップレベルで、ヤマハ・カワイ・ローランド・タマ・パール・アイバニーズ・アリアプロ2・・・といろいろあるんですが、全く国がサポートしないまま老舗のフェルナンデスが消えてしまいました。
これで自動車とバイクが惨敗すると日本が誇る企業がユニクロってことになりかねないので、ぜひ政治家の皆さんは米価格問題とか総理の10万円商品券なんて話しをしてるヒマがあるなら、建設的な議論をお願いいたします。









