「アルコール依存症」とは「お酒の飲み方(量/状況)を自分で制御できない状態」とは分かっていましたが、祭礼準備から終了までの4日間で見た1人の知人の状況は驚くべきものでした。肝臓は沈黙の臓器と言われる「相当なレベルまで痛んでいても自覚症状が出ない臓器」なのですが、この方はすでに顔は土色になり、1年以上も激しい腰痛を訴えていて、今年に入ってからは激やせして頬はこけ、最近は下腹が出て来たので腹水が貯まって来ているのでしょう。典型的な肝硬変末期の症状です。
酒をやめなきゃいけない状態なのは本人が良く分かっていて、ご家族も周囲の方々も飲むなと言ってるし、何度も直接「飲んじゃダメだ」とも伝えているにもかかわらず飲んでいる感じ。
木曜日は19時の作業開始時点で酒臭い上にろれつが回っていないのに「飲んでない」と言う。当然周囲はドン引き。
金曜日は私が会った17時の時点ではノンアルコールのレモンチューハイ缶を持ってはいましたが明らかに酔っている感じ。普通の医者なら果糖ぶどう糖液の入った物なんて絶対に飲むなと指導しますから、ノンアルでもレモンチューハイなんて厳禁のはずですがねえ。
土曜日は700mlのサントリー角瓶をソーダ割りで1本開けただけでなく生ビールも自分で注いで飲む姿が何度も目撃され、日曜日には周囲の誰もが何の指摘もしないようになってしまいました。
悲しいですねえ。アルコール依存症は脳の病気だと言いますから、我々が指摘した程度ではやめられないのでしょうが、病院に入院を勧められてもそれに応じないらしいので、そうなると医療従事者でもない私程度にできることなんて何もありません。
幸いにして星薬科大学や昭和大学といった医療系や薬科系大学が徒歩圏内にあるので、知人友人に知識のある方々が多いので参考意見はいただきやすい環境なのですが、どの方も同様に「すべての依存症で一番体へのダメージが大きいのがアルコール」と言われます。
とある方は「すべての依存症の中で人の命を一番奪っているのがアルコール」とまでおっしゃってました。理由は「合法のため摂取しやすい」「容易に死に至るほどのいさかいや争いを誘発させる」「脳・内臓に深刻なダメージを与える」からとのこと。
アルコール依存症の治療は精神科の領域なので本人が決断して受診するしかない。近所のお医者さんによると「肝硬変や糖尿病で禁酒を指導した患者さんの大半は通院しなくなる」とも言ってました。
つまり本人が改善したいと思って行動するしかないのですが、その本人が進んで酒を飲んじゃってるので、この先に待っているのは死しかないと思うので悲しくて仕方ないのですが、ご自身の決断次第なので今後を見守りたいと思っております。



