米騒動

2026年09月03日 06:27

komebanare今年1月30日のブログで「とうとう始まったコメ価格下落」という記事を書きました。

その時に書いたのが、政府備蓄米がまだ大量に残っている一方、高い価格で買うことを約束してしまった2025年産米も次々と入荷し、さらにはコメ価格高騰によって消費者が「米を食べない生活」に慣れてしまったという話です。

その時は「価格が下がるのは時間の問題」と書いたのですが、それから7カ月。とうとう「JAですら、いくらで買えばいいのか分からない」というところまで来てしまいました。

今回、JA晴れの国岡山が、2026年産米について農家へ支払う「概算金」の設定を当面見送ることを決めました。概算金とは、JAが農家からコメを集荷する際に支払う前払い金のようなものです。

当然、その後いくらくらいで販売できるのかを予想して金額を決めます。ところが、その価格が読めないわけですよ。

今年は各地のJAで概算金の大幅な引き下げが相次いでいます。わずか1〜2年前まで「コメがない」「コメが高い」と大騒ぎしていたのに、今度はコメが余り始め、いくらで売れるのか分からない。完全に逆回転が始まりました。

私は今回の米騒動で一番怖かったのは、価格が上がったことそのものではなく、消費者が「米を食べなくても別に困らない」と気付いてしまったことだと思っています。

5kg2000円程度だったものが4000円、5000円となれば、当然ほかの食品へ逃げます。朝はパン、昼は麺類、夜も必ずしもご飯でなくていい。そして一度生活習慣が変わってしまうと、コメが安くなったからといって、簡単には元へ戻りません。

実際、私自身もそうです。夫婦2人でコメを5kgも買えば半年くらいは持ちます。週に1回程度しかご飯を炊かない生活に慣れてしまいました。

つまり米騒動は、コメ価格を高騰させただけではなく、「米離れ」を加速させてしまったのではないでしょうか。

もちろん、だからといってコメ価格は安ければ安いほどいい、という話でもありません。肥料も燃料も農機具も人件費も上がっています。農家が再生産できない価格まで下がれば、今度は本当にコメを作る人がいなくなります。

高すぎれば消費者が離れ、安すぎれば生産者が離れる。本来必要だったのは、その間で生産者も消費者も納得できる安定した価格を維持できるよう、政治が農政としてしっかり支えることだったはずです。

ところが実際には「コメ不足だ!」と大騒ぎした翌年には、JAですら概算金を決められないほど先行きが見えなくなっている。

今年1月には「とうとう始まったコメ価格下落」と書きました。7カ月後の今は、「とうとうJAもコメ価格を提示できなくなった」というところまで来てしまいました。

令和の米騒動。もしかすると最大の後遺症は、コメが高くなったことではなく、日本人の米離れを一段と進めてしまったことなのかもしれません。

これまで私は、平日の昼食だけはなるべくコメを食べるようにしていました。というのも、夜はお酒が入るとコメを食べる機会が無くなるし、朝はパンやシリアルで十分なので、昼食ぐらいしか食べる機会が無いためです。

そんなわけで、そば屋に行ってもおにぎりを注文したり、丼物をセットで頼んだりしていたのです。それは、ほんの少しでいいからコメ農家を支えるという気持ちから続けていた行動でした。

ところが、コメ価格高騰時に「どうせ頼んでも残すなら、もったいないから食べるのをやめよう」と思って頼まなくなったら、すっかりその生活に慣れてしまいました。

これでは自分自身も「米離れ」を加速させている一人になってしまいます。そんなわけで最近は、事務所近くのお弁当屋さんで、ご飯の入ったお弁当を食べるようにしております。

一人が昼食に食べるコメの量などたかが知れています。それでも週5日なら年間ではそれなりの量になります。ささやかな行動ではありますが、コメ農家支援になれば幸いです。

2025年03月18日 04:46

kome先日、地域ボランティア活動中に「お米が無い」という話しが出ました。これ昨年も同様の話しがあったと思うのですが、無いと言っても店頭にはあるじゃないですか。私が経験した1994年の米騒動とぜんぜん違う。あの時は米農家がお米を買うほどひっ迫しました。

昨年一時的にスーパーマーケット等の店頭から米が消えましたが、あれは消費者が買い占めたから。我が家の近所にはお米屋さんが2つあるのですが常に店頭在庫はあり、先日も近所の「米本舗 清水屋」さんで好みの玄米を3kg買って精米してもらいました。

近所の定食屋さんで「米が無いので営業できません」なんて聞いたこともないし、米が値上がりしたのでランチのご飯無料サービス終了なんてラーメン屋さんも無い。米はあるって感じ。

しかも、農家さんがお米の売買契約するのは春だから、昨秋の出荷価格は昨春の価格だから値段が上がる要素なんて何もない。ってことは流通段階で値上げしてるだけだと思うのです。

それに、米の値段が上がったといっても牛乳や卵ほどじゃない。問屋やスーパーは消費者が付いて来る限りは値上げする。テレビで「農家を取材した」なんてのはせいぜい1軒とか2軒だけの話し。ぜんぜん実情が反映されてない。

その昔、米は戦時下で作られた食管法で管理されてました。米農家は(一部自主流通米を除いて)全量を国に売ることになっていて、国の買取価格も結構な高額に設定され、それが作付け面積に応じて振り込まれると言う品質もへったくれも無いムチャクチャな仕組みでした。

これが先述の米騒動でおかしいと指摘され95年に食管法廃止&食糧法施行となり。04年に改正食糧法となって完全自由化になりました。

今まで競争が無かった米農家がほんの9年間で自由競争に投げ込まれたので、その後の米は流通に買いたたかれて不当に値下がり続けて来て半分以下にまで至ったという歴史があります。だから今の2倍程度って価格は95年に戻っただけのイメージ。

それはさておき、日本農政の課題は稼げない小作農家が大量にあるという構造的な問題があって、その大半が兼業農家。それらの人々は農家といっても大半の時間をサラリーマンとして過ごしてます。

私が電通西日本岡山支社にいた時も、普通に兼業農家の先輩が複数いましたし、担当していた岡山県職員にも結構な数の兼業農家の方がおられました。信じられないと思いますが、稲刈りの時期になると、みんなで手伝いに行くんですよ。マジで!

サラリーマンとして800万円以上も所得があれば農家の仕事も片手間になる。そもそも赤字経営だけど「先祖からの農地を守る」「ご近所の眼があって辞められない」等でやってる方も多いですから、さすがに歳もとったし子供も継がないから農家は廃業するかって感じで離農する方も多い。そりゃあ農家が減って耕作放棄地が大量に出るわけですよ。

しかも今も兼業農家で米作なら、せいぜい20俵から30俵(1〜1.5トン)しか作らないでしょうから、ここまで値段が上がってくると「出荷せず親族用に取っておこう」となるのも当然。そうなれば流通量は減る。それで値上がりしてる部分はあるかもです。

それでも農機具が動いていれば米作を継続できますが壊れたらアウト。私のような50歳代後半にもなれば、トラクター/田植え機/稲刈り機のどれか1つでも壊れたら離農を考えると思います。だって新車で1機150万円、中古でも80万円はしますからね。今から投資しても絶対にペイしない。

今必要な米は少し高い金額を負担すれば買えるわけで、そんなことより「日本の農業における構造的な問題を解決していかないといけない」ってのを実行に移すのはいつなんだろうと思っております。

ちなみに私が小学校の時点で「日本は稼げる中規模から大規模農家を増やしていかなければならない」とか「農地の区画整理によって大型農機による効率化を進めなければいけない」と習いましたので、少なくとも45年は問題解決への着手が遅れているんですよねー。

今から着手すれば10年後には農地の区画整理にメドがつき、15年後には中規模農業の芽吹きが出てくると思いますので、まさに専門家である江藤農水大臣には頑張っていただきたいと思っております。

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