生活保護
2026年06月14日 06:34
私の世代は大学進学率が低く、高卒で就職するのが一般的でした。例えば1967(昭和42)年生まれを例に挙げると、高校卒業が1986(昭和61)年3月となり、当時の文部省データによると4年制大学進学率が約24%。短期大学を含めても約37%です。ここで重要なのが、当時は大学受験する際に浪人というのが当たり前でして、1浪や2浪は普通だったのですが、現役で4年制大学に合格すると1990年卒業となり、バブル景気最高の時の就職となりました。ところが浪人や留年した世代は、その後の就職氷河期にブチ当たることになりました。
高卒で就職する場合、学校が1社だけ会社を選んでくれる(実は今も)のです。そして、公務員試験に受かるとか知り合いの会社に就職する場合を除いて、学校が選んでくれた会社にはほぼ100%の確率で入社出来るので、私のように神戸市だと今の川崎重工・神戸製鋼・三井住友銀行・住友ゴムといった結構有名な会社に入れていました。
ところが4年制大学を卒業してしまうと自分で就職試験を受けないといけないので、なかなか一流企業に入るのは難しい。高卒で就職した大半の友達や、現役合格してストレートで大学卒業した高校同級生たちの就職先と比べ、浪人や留年経験者の内定先はバブル崩壊後のため極端に見劣りする形になり、フリーターを選んだ者が少なくなかったのも事実です。
あと、当時はインターネットなんて普及していなかったので、都市伝説を真に受ける人が多数おり、年金のことを「どうせ払っても我々がもらう年齢になった時は制度が無くなっているから払わない方が良い」といった話が、まことしやかにささやかれていました。
私はこれについて、一貫して「働かずにお金がもらえる不労所得の仕組みは最高」であり、「年金ほど確実に手元に入る不労所得は無い」という姿勢でしたので、年金に否定的な知人・友人には常に「納めた方が良い」と言い続けていました。
そして数十年の時が流れ、いよいよ私達も年金受給が視野に入る年齢になりました。同年代が集まると、病気自慢や共通の知人が倒れたとか亡くなったという話に加え、結構な確率で年金が話題に入るようになりました。
そして、その中に一定の確率で「無年金者がいる」ことに気づくようになりました。
私の場合、23歳で就職して現在の58歳になるまで35年間のうち、国民年金加入していたのが2年8カ月あるだけで、それ以外の32年間はサラリーマンです。ザックリ35年間の平均年収を出すと年500万円程度でしょう。
65歳から年金を受け取るとすると、老齢基礎年金(国民年金部分)が年間約83万円で月額約6.9万円。サラリーマンが加算される老齢厚生年金(厚生年金部分)が標準報酬月額を約41万円として計算すると、「41万円×420か月×0.005481≒94万円/年」となり月額約7.8万円。つまり公的年金だけでも月額14万円から15万円程度になる計算です。
さらに日本生命や第一生命で加入している個人年金の月額約6万円を加えると、月々は20万円ほど入って来る計算になります。
これなら月々15万円の住宅ローンが65歳を過ぎても残っていても、手元に5万円ほど残りますし、時給1,200円のアルバイトを1日3時間、週3日程度でも出来れば、月に4万円ほどの稼ぎも得られるので、なんとかギリギリ生活できそうです。
若い方なら「えー働かないで20万円もー!?」と思うかもしれません。「今の私の手取りより多いよー」という方もいるでしょう。ただこれが年金の現実です。
でも、無年金だと65歳を超えても毎月生活費を稼ぎ続けるしかありません。できなければ生活保護を受けるという選択になるのでしょうが、借金があると生活保護は受けられないので、結構なハードルであることが分かります。
この話し、私達の世代は若い時代にインターネットが無かったからこうなってると思っていたのですが、じつは現代でも「どうせ年を取ったらもらえない」という理由で年金を納めていない若者がいるそうです。正直「えっ?ネット検索すればお得なの分かるのに!?」って感じなのは私だけでしょうか。
確かに将来制度改正はあるでしょう。受給開始年齢が変わる可能性もありますし、受給額が調整されることもあるでしょう。しかし、それと「まったくもらえなくなる」という話は別です。
むしろ私達の世代が若かった頃に言われていた「年金なんてもらえない」という話は完全に外れました。実際には制度は存続し、受給年齢が近づいた今になって具体的な受給見込み額まで確認できる時代になっています。
もちろん投資で大きな利益を出す人もいるでしょう。しかし投資は元本保証ではありませんし、長生きリスクまではカバーしてくれません。
一方で年金は、生きている限り受け取ることが出来ます。90歳まで生きれば90歳まで、100歳まで生きれば100歳までです。
働かなくても毎月決まった日にお金が振り込まれる。若い頃の私は単純に「それって最高の不労所得じゃないか」と思っていましたが、60歳が見えてきた今になると、その考えは間違っていなかったと思います。
若い頃は65歳なんて遥か先の話に思えます。しかし振り返ってみると、社会人になってから35年なんて本当にあっという間でした。
だからこそ、今の若い人達には声を大にして言いたいのです。年金は国がくれたお得な不労所得制度です。制度に文句を言うのは自由ですが、利用できる制度を自ら放棄する必要はありません。しっかり納めて、出来るだけ長生きする。
そして年をとったら年金の恩恵に授かれば良いのではないでしょうか。
「年金制度はいずれ破綻する」というのは私が若い頃から言われていました。そしてまだ破綻していません。限りなく破綻に近いのは健康保険制度です。将来無年金者になる危険を冒すよりは、ある程度の額を収めた方がいいんじゃね?と思っている私です。









