水没

2026年08月28日 18:00

tateyama今はモビリティリゾートもてぎで全日本ロードレース選手権が開催されているのですが、昨日不在だったのは、富山出張のためでした。そう、あの線状降水帯の現場へ行ってしまいました。

車で向かったのですが、昨日の夜遅くから雷が鳴り始め、やがて雨も強くなり、よくある土砂降りの豪雨という状態になりました。さすがにこの状態で走り続けるのは危険だと判断し、土砂降りになった時点で前進するのをあきらめ、上越妙高で雨が収まるのを待つことにしました。

そして朝になり、小雨とまではいかないものの、普通の雨といえる程度まで弱まった午前10時頃から、再び富山へ向かいました。

途中、糸魚川あたりでは再びかなり強い雨に見舞われましたが、少なくとも私が走った時間帯については、ハンドルを取られるとか、前が見えなくなるほどの雨という状態ではありませんでした。

とはいえ、周辺では大雨による警戒レベル5に相当する情報が出るような状況だったのは確かです。そんな中で目的地へ向かい、打ち合わせを終え、さらに目的地から帰ってきたわけですから、振り返ってみれば、決して褒められた行動ではなかったのかもしれません。

ただ、今回実際に自分が豪雨の中を運転してみて、少し考え方が変わったことがあります。

これまで私は、豪雨で冠水した道路へ車で入っていき、水没してしまうニュース映像を見るたびに、「なぜそんなところへ突っ込むのだろう」と思っていました。でも、実際には誰も「冠水路へ車で突っ込んでみよう」と思って走っているわけではありません。

仕事だったり、家へ帰る途中だったり、誰かを迎えに行く途中だったり、それぞれに目的地があって運転しています。

そして予定より時間が遅れて焦っていたり、長時間の渋滞にイライラしていたり、「ここまで来たのだから、もう少し進みたい」という気持ちになっていたりするわけです。私自身も今回、「富山へ行って打ち合わせをする」という明確な目的がありました。

土砂降りになった時点で上越妙高にとどまる判断はできたと思うのですが、雨が弱まったと同時に再び走り始めてしまっています。結果として何事もなく帰ってこられたから、「大丈夫だった」と言えるだけなのかもしれません。

道路が冠水していたら引き返す。前が見えないほどの雨なら止まる。危険だと思ったら予定をあきらめる。文字にすれば当たり前のことなのですが、実際に目的地があり、約束の時間があり、そこまで何時間もかけて走ってきた状況になると、その「当たり前の判断」が難しくなることもあるのだと、今回あらためて感じました。

ちなみに私が訪問したのは富山市と射水市です。大きな被害が伝えられている氷見市は、そこからさらに能登半島側へ向かった地域になりますので、私が走った場所と被害の大きかった地域がまったく同じだったわけではありません。

それでも、実際に激しい雨の中を走りながら、自然災害の怖さと、災害時に冷静な判断を続けることの難しさを身をもって感じる出張となりました。

なお、さすがに帰りは上信越道の一部区間で通行止めがあったため、約20kmほど高速道路を降りて山道を走ることになったのですが、予想外にロスタイムは少なく、往復ともに休憩時間を入れて7時間ほどで移動できました。

最後になりましたが、今回の水害で被害を受けられた方々が、一日も早く元の生活に戻れることを心よりお祈りしております。

写真は富山インター降りてすぐのますのすしで有名な「源」さんが運営している「立山そば」で、白エビうどんとますのすしセット1240円です。なおかけそばorうどんは380円から食べられます。

2026年08月18日 06:00

スクリーンショット 2026-08-18 051549私共の事務所がある五反田駅前は大雨で浸水するリスクが高い場所として知られていて、1989(平成元)年8月1日は、1時間に50ミリを超える激しい集中豪雨による目黒川の氾濫で五反田駅前は水浸しになりました。

そんなわけで、その際に水没した旧荏原市場跡地に、総貯水容量約20万トンを誇る巨大な地下調節池である荏原調節池が建設され、以降は同様の氾濫・浸水被害の防止に大きな効果を発揮していますが、あくまでこれは、1時間に50ミリを超える程度の雨に対応している程度です。

実際には、近年のゲリラ豪雨では排水能力が限界に達する内水氾濫が発生していて、五反田駅近くの遊楽街や不動前駅近くのかむろ坂交差点でマンホールから高々と水が吹きあがってる映像が、時々ニュースでも採り上げられています。

先日の千葉県豪雨では、千葉市を例に挙げると、1時間解析雨量100ミリ以上の場所もあり、わずか半日で348ミリも降っています。さすがに五反田駅もこの雨だと荏原調節池の容量を超え浸水以外がおこりえるとされていて、うちの会社ではゲリラ豪雨が予想される場合は早く事務所を閉めてます。

以前事務所があった戸越銀座商店街も五反田同様にハザードマップに堂々と記される浸水想定エリアで、店舗兼事務所が1階にあったため、台風の接近や豪雨のたびに土嚢を積むのと共に、側溝にある蓋を開けていました。ただ、今の各店は蓋を開けないようで、昨年の浸水被害になったようです。

じつは1989(平成元)年の五反田駅周辺浸水被害は結構大きく語られる機会があるのですが、この場所はそんなレベルではない大浸水に何度も遭遇していて、昔は全国各地で大雨の浸水に対する恐怖について語られる際に多用されていました。

その写真がネットで検索しても見つからないのですが、昔は山手線の高架近くまで水没したそうで、高さ5m以上になるまで水没したのでしょう。結構な恐怖がある場所なので、豪雨予想の際に地下の店で食事なんてのは注意した方が良さそうです。

まだまだ大気が不安定な状態が続いていますので、これからもゲリラ豪雨には気を付けて行きましょう。なお、事務所内に最低限の備蓄食料と水はあります。大雨で水没している場合は、落ち着くまで事務所内で待機することをおすすめします。スタッフおよび来客者へ向けの注意喚起でした。

2026年08月16日 05:08

kansui大雨のニュースを見ると、道路が完全に水につかり、車が立ち往生している映像が繰り返し流れます。こうした映像だけを見ていると、「この地域一帯が水没しているのだろう」と思ってしまいがちですが、実際にはそうとは限りません。

道路冠水というのは、意外なほど局地的に発生します。なぜなら、水は低い場所へ流れるからです。

同じ道路でも、わずかな高低差によって水が集まる場所と、ほとんど水がたまらない場所があります。そのため、冠水している場所の10m、20m手前までは普通に車が走れていて、そこだけ突然「池」のようになっていることがあります。

テレビでは、当然ながら最も冠水している場所を中心に撮影します。水につかった車、立ち往生する車、タイヤの半分以上まで水につかりながら走る車。映像としては非常に分かりやすいのですが、カメラを少し引いて「その道路の前後がどうなっているのか」まで映すことはあまりありません。

しかし、車を運転する側にとって重要なのは、むしろ映っていない前後だと思います。「ここまで普通に走って来られたのだから、この先も大丈夫だろう」これが危ないのです。

私の家の近所にある戸越銀座商店街は、もともと川が流れていた低地です。大雨が降ると周辺の高い場所から水が集まりやすく、昨年9月11日の豪雨では、側溝に流れ切らなかった雨水で、東急池上線の線路付近に水が大量に溜まったことがありました。

幸い、その時の猛烈な雨は1時間ほどで収まり、水没車は出ませんでしたが、車がバンバン走る場所だったら、何台か水没していてもまったく不思議ではない状況でした。

そして重要なのは、そこへ至るまでの道路すべてが冠水していたわけではないということです。普通に走って来たら、突然目の前に深い冠水箇所が現れる。都市部の内水氾濫では、こういうことが起こりえます。

例えば渋谷。地名の通り渋谷駅周辺は谷底に位置しています。宇田川と渋谷川が合流する場所で、川は暗渠になって見えませんが、地形は昔のままなので、大雨のたびに駅周辺やスクランブル交差点付近が冠水するのは日常茶飯事です。

また五反田駅周辺も同様です。大雨のたびに目黒川が氾濫し、大規模な浸水被害が多発したため、1991年から2002年にかけて旧荏原青果市場の跡地を活用した荏原調節池を約320億円かけて整備したことで、水害の発生は抑えられていますが、今でも豪雨になるとたびたび氾濫警戒サイレンが鳴ります。

普段は大量の車や人が行き交っている場所でも、猛烈な雨が降れば、周囲から流れ込んだ雨水によって短時間で状況が一変することがあります。

当たり前ですが、道路が冠水するほどの雨なら、冠水前からとんでもない量の雨が降っているわけで、車を運転していればワイパーを最速にしても前が見えないぐらいの状態です。つまり、普通に考えれば「この雨なら冠水している場所があってもおかしくない」と思えるはずなのです。

ところが、悲しいかなそうはなりません。「ここまで通れたから大丈夫」「前の車が走っているから大丈夫」となるのです。

しかも、冠水場所は窪んだ場所だったり、各所から水が流入してくる交点だったりするので、その前後は高い場所に位置していますから、冠水場所の手前からその先に車が走っているのを見ると、平らな道に見えるのです。

そして、「向こう側にも車がいるのだから、この程度なら通れるだろう」と考えてしまうわけです。

冠水した道路は、外から見ただけでは水深が分かりません。普段から走り慣れている道路であっても、水面が道路を覆ってしまえば、どこから急に深くなっているのかも分かりません。さらに、マンホールの蓋が外れていたり、側溝との境目が見えなくなっていたりする可能性もあります。

そして、一度冠水箇所へ入ってしまえば、途中で「やっぱり深い」と気付いても、簡単には引き返せません。エンジンが水を吸い込めば停止する可能性がありますし、水深が20cmに達すれば車体が浮き、ハンドルやブレーキが効かなくなる危険もあります。

常識を超えた大雨に遭遇したら、絶対的に安全が確認できる状況でなければ車を走らせない。

これから全国各地で突然の豪雨が増える時代、このことだけでも頭の片隅に置いておけば、冠水道路へ突っ込んでしまうリスクはかなり減らせるのではないかと思ってます。

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