徴税

2026年06月04日 01:50

20260601_1350335月になると、全国の経営者や人事労務担当者のもとへ、次々と「恐怖の封筒」が届き始めます。

社員が住む全自治体から届く、バラバラのサイズ、バラバラの様式の封筒。中身は、社員全員分の「住民税決定通知書」と「振込用紙(納付書)」です。

この振込用紙は各自治体内にある金融機関でしか払い込めないようになっています。都市銀行の支店がない自治体も多いため、結果として全国対応できる「郵便局」に会社の担当者が毎月、大量の紙の納付書を持って並ぶ羽目になるのです。

令和の時代に「DX」だの「生産性向上」だのと言っている国が、民間企業にこんな超アナログな労働を強制している。今どき、こんなのあり得ると思います?

本来、国や自治体が自力で全国民から直接税金を徴収しようとすると、莫大な人件費と「取りっぱぐれ(滞納)」のリスクが発生します。そこで国は「そうだ、企業に天引きさせれば、100%確実に、しかもコストゼロで回収できるじゃん!」と考えたのでしょう。

私は現在カナダで働き始めたのですが、あちらでは確定申告(Tax Return)が基本であり、個人が自分の税金に責任を持ちます。給与からの仮天引き(Withholding)は一部のみ。日本のように「会社が各地方自治体の細かい窓口業務まで完全代行させられる」というシステムは、世界的にも極めて異例です。

そもそも住民税の事務負担だけでも怒り心頭なのに、企業には「社会保険料の徴収事務」も義務付けられています。しかも手続きだけでは無く「社会保険料の労使折半」という謎の仕組みによって、企業側は結構な額の金銭的コスト負担まで強いられています。

ここまで国や自治体の徴収事務を肩代わりしているのだから、何かメリットがあってもいいはずですよね。しかし、事務手数料をもらえるどころか、徴収のための人件費(税理士や社労士への報酬、自社スタッフの給与)もすべて会社持ちなのが現実です。

国は「スタートアップ育成」「起業家を増やそう」と口では言います。でも現実は、会社を作った瞬間に「国と自治体の集金係」として、各種徴収事務を延々とやらされる。しかもその業務内容はまったく直感的ではなく結構面倒です。

なんだか悲しいことの連続ですが、こんな不条理を20年以上も続けています。そろそろ本当に、なんとかならないかと思っている私です。

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