受動喫煙

2026年05月22日 04:03

smo昨日のブログで「一般事務が消えていく時代」について書いたのですが、周囲から意外と反響があったので、昔の一般事務=女性社員の仕事について思い出話を書かせていただきます。

35年以上前、私が働き始めた頃。会社の中には、今では信じられないような「当たり前」がありました。そのひとつが、「コピーやFAXは女性社員の仕事」という空気です。

誰が決めたわけでもない。就業規則に書かれているわけでもない。それでも多くの会社で、ごく自然にそうなっていました。この感覚は、パソコンが普及し、事務所内全面禁煙が当たり前になっていく1990年代中盤頃まで、かなり色濃く残っていたように思います。

当時、女性社員が担っていた“会社の雑務”は本当に多く、コピー/FAX送受信/お茶くみ/灰皿掃除/来客対応/電話応対/会議室準備/書類整理……といった仕事を、当然のように任されていました。

男性社員が応接ソファで商談し、女性社員がお盆を持ってお茶を出す。そんな光景は、どこの会社でも普通に見られたものです。

そして当時は、今なら完全にセクハラとされるような言動も日常的にありました。

金曜日になると、
「今日は彼氏とデート?」
「若いんだから遊ばなきゃ」
「結婚したら辞めるの?」
そんな声掛けが、ごく普通に飛び交っていました。

もちろん、当時の男性社員全員に悪意があったわけではないと思います。本人たちは「コミュニケーション」のつもりだったのでしょう。ですが今の感覚で見れば、かなり踏み込んだプライベート干渉であり、十分セクハラと受け取られかねない内容です。

酷いケースでは、肩を触る、お尻を触る、酔った勢いで抱きつく――そんな男性社員も実際に存在していました。

しかも当時は、
「まあ昔の人だから」
「あの人はそういうキャラだから」
と、流されてしまうことも少なくありませんでした。今なら一発アウトです。

さらに、90年代前半までのオフィスは、今では想像できないほどの“喫煙社会”でした。
デスク、会議室、応接室、営業車……とにかくどこでも吸う。事務所の中は常に煙だらけです。

そして灰皿掃除も、当然のように女性社員の仕事でした。吸い殻が山盛りになった灰皿を洗い、机へ戻す。中には「灰皿いっぱいなんだけど!」と怒鳴るような人までいました。受動喫煙という言葉すら、まだほとんど浸透していなかった時代です。

当時はまだパソコンも普及しておらず、文書作成はワープロ専用機の時代でした。このワープロ入力も、多くは女性事務員さんの役割です。男性社員が手書きした原稿を、女性事務員が清書する。中には「解読」に近いレベルの悪筆を書く人もいて、事務員さんには超能力のような読解力まで求められていました。

90年代後半になるとパソコンが急速に普及し、女性事務員へ依頼する仕事は大きく減っていきます。同時に派遣社員の活用も一般化し、「女性事務職の正社員」という存在そのものが減っていきました。実際、私自身もサラリーマン時代の2000年前後には、女性事務員の方へ何かを頼む場面はほとんど無くなっていた記憶があります。

先日、昔勤めていた会社を訪ねたところ、当時の女性事務員さんが今も働いておられました。まだ雇用が続いていたことに驚いたのですが、事務専任ではなく、営業職を兼務する形へ移行したことで残れたそうです。もしかすると、「事務だけ」の仕事だったら、続けるのは難しかったのかもしれません。

今振り返ると、どこか懐かしくもあり、同時にかなり酷い時代でもありました。ただ不思議なことに、私自身には女性事務員さんと食事に行ったとか、お尻を触ったとか、そういう記憶がありません。

時代そのものはかなり危うかったですが、自分としてはギリギリ、最低限のコンプライアンス感覚は守れていた……と思いたいところです。触られた/抱きつかれた/キスされた……といったことを受けた方はコメントをお寄せください。懐かしませていただきます。

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