住宅価格
2026年08月06日 06:01
2026年8月1日に、ひろゆきさんは大手銀行の住宅ローン固定金利引き上げのニュースを引用し、Xで次のように投稿しています。「住宅ローンを5000万円借りると、毎月16万円支払いをしても、元本が増え続ける時代になりました。都内23区で平均年収の人がマンション買うのは不可能なのでは?」
私は住宅ローンを10年固定で契約し続けていますが、今年5月が更新のタイミングでした。従来の固定金利1.05%から4.0%へと上昇したことは、以前のブログでも書いたとおりです。
その記事を書いた3か月前には、「年利4%なんて本当ですか?」「そんな高い金利の銀行があるのですか?」というコメントを複数いただきました。しかし現在では、住宅金融支援機構のフラット35でも、イオン銀行や楽天銀行で3%台前半、銀行によっては固定金利が5%台という商品も珍しくありません。もはや住宅ローン金利が変動で5%という数字も、決して非現実的なものではなくなっています。
では、ひろゆきさんの言う「毎月返済しても元本が増え続ける」という状況は、本当に起こり得るのでしょうか。
そこで、変動金利で「5年ルール」「125%ルール」が適用される住宅ローンを想定し、シミュレーションしてみます。
【シミュレーション条件】
・借入額:5,000万円(2024年1月契約)
・返済期間:35年(元利均等返済/ボーナス払いなし)
・5年ルールあり(返済額は5年間据え置き)
・125%ルールあり(5年後の返済額は最大1.25倍まで)
・借入時適用金利:0.3%(2024年1月)
・2年目:1.75%
・3年目:3.0%
・4年目:4.0%
・5年目以降:5.0%で固定
【シミュレーション結果】
・1年目(0.30%)返済月額:約12.5万円/年末元本残高:約4,864万円
・2年目(1.75%)返済月額:約12.5万円/年末元本残高:約4,798万円
・3年目(3.00%)返済月額:約12.5万円/年末元本残高:約4,792万円
・4年目(4.00%)返済月額:約12.5万円/年末元本残高:約4,792万円/未払利息:約41万円
・5年目(5.00%)返済月額:約12.5万円/年末元本残高:約4,792万円/未払利息:約130万円
・6年目(5.00%)返済月額:約15.7万円/年末元本残高:約4,792万円/未払利息:約182万円
このシミュレーションでは、金利が4%に達した時点で毎月発生する利息が返済額を上回り、支払い切れなかった利息が「未払利息」として積み上がることが分かりました。
変動金利には「5年ルール」と「125%ルール」があるため、金利が急上昇しても返済額はすぐには増えません。一見すると家計に優しい制度に見えますが、その間も利息は増え続けます。結果として、返済額が利息にも届かない期間は未払利息が積み上がり、元本はほとんど減らないという状況が生まれます。
さらに、多くの金融機関では5年ごとの見直し時にも125%ルールが適用されるため、返済額は段階的にしか増えません。
このシミュレーションでは、
・11〜15年目:返済月額 約19.6万円
・16〜20年目:返済月額 約24.5万円
・21〜25年目:返済月額 約30.6万円
・26〜30年目:返済月額 約38.3万円
・31〜35年目:返済月額 約47.8万円
と、5年ごとに返済額は増えていきます。
しかし、それでも20年間近くは元本がほとんど減らず、返済期間の終盤になってようやく元本返済が本格化します。そして今回の条件では、35年間返済を続けてもなお約387万円の元本が残るという結果になりました。これは最終回に返済が必要となるのでしょう。
もちろん、実際の住宅ローンは金利の動きや各銀行の未払利息の扱いによって結果は変わりますし、このような極端な金利上昇が現実に起こるかどうかも分かりません。しかし、「5年ルール」「125%ルール」があるから安心とは言い切れないことは、このシミュレーションから見えてきます。
住宅ローンを組むときは、現在の返済額だけではなく、「もし金利が5%まで上がったらどうなるのか」という最悪のケースも、一度シミュレーションしておくことをおすすめします。
ご利用は計画的に。









