丸亀製麺
2026年10月11日 06:23
私はセルフうどん店が大好きです。これは、かつて岡山支社に勤務していた時代、仕事で香川県と岡山県を行き来する機会が多く、そこで出会ったうどん文化に惚れ込んだことが大きく影響しています。
香川には、早朝から営業しているうどん店もあれば、製麺所の片隅でうどんを食べさせてくれる店もあります。自分でうどんを温め、好きな天ぷらを取り、ネギやショウガを加えて食べる。しかも安くてうまい。そんな合理的で庶民的な食文化が、私は大好きでした。
ちなみに岡山にも独自のうどん文化があります。その代表格が「ぶっかけうどん」。濃いめのつゆを直接うどんにかけて食べるもので、岡山県倉敷市はその発祥地の一つとして知られています。香川の讃岐うどんとはまた違った魅力があり、当時は両県でさまざまなうどんを楽しんでいました。
その後、私は東京へ引っ越してきたわけですが、近年は全国に大手セルフうどん店が広がり、どこでも気軽に讃岐うどんを食べられるようになりました。私も当然のように利用していました。
ところが、今年になって衝撃的な出来事があり、それ以来、私は大手セルフうどん店へ一切行かなくなりました。理由は、衛生面に対する不安です。
ある日のランチタイムのことでした。いつものようにうどんを注文し、天ぷらなどの揚げ物が並んでいるコーナーへ向かったところ、私の前にいた60代くらいと思われる男性客が、天ぷらを取ろうとしてトングを床に落としてしまいました。まあ、誰にでもあることです。
ところが、その男性は床に落ちたトングを拾い上げると、何事もなかったかのように、そのトングで天ぷらを取り、さらに使い終わったトングを元の置き場へ戻したのです。
「えーっ! ちょっと待ってよ!」思わず声が出そうになりました。
当然、店員さんに伝えようと思ったのですが、店内はランチタイムの大混雑。注文カウンターには長い行列ができ、店員さんたちは、まさにてんてこ舞いの状態でした。私が声をかければ、ただでさえ混雑している店の流れを止めてしまう。かといって、そのまま見過ごしてよいものか。
結局、その場では何も言えず、天ぷらを取る気にもなれなくなり、その日は素うどんだけを食べて店を出ました。ただ、一度こうした光景を目にしてしまうと、今まで気にも留めなかったことが、次々と気になり始めます。
大手セルフうどん店には、無料の天かす、ネギ、ショウガなどが用意されています。好きなだけ使えるのはありがたいサービスですし、私自身も長年、その恩恵を受けてきました。しかし、よく考えてみれば、これらは不特定多数のお客さんが共用するものです。
外から入ってきたお客さんが、全員手を洗ってから利用するわけではありません。電車のつり革を握ってきた人もいれば、スマートフォンを操作していた人もいるでしょう。そんな手で、共用のトングやスプーン、容器のふたなどを次々と触っていくわけです。
もちろん、触ったからといって直ちに食中毒になるわけではありませんし、店舗側も衛生管理には気を配っているのでしょう。
それでも、床に落ちたトングを平然と元に戻す人を目撃して以来、「自分が見ていないところでも、同じようなことが起きているのではないか」と考えるようになってしまいました。
そして、これは何もセルフうどん店に限った話ではありません。例えば、ファミリーレストランのドリンクバー。子どもから大人まで、不特定多数のお客さんが同じ機械のボタンを押して飲み物を注ぎます。最近では、水もセルフサービスという飲食店が増えました。
もちろん、これらが直ちに不衛生だというわけではありません。しかし、利用者の扱い方によっては、衛生上の問題が生じる可能性があります。だからこそ、店舗側が定期的に確認し、必要に応じて清掃や備品の交換を行うことが大切なのだと思います。
ところが、今の飲食業界は深刻な人手不足です。私がトングの落下を目撃した店も、以前と比べて日本人店員の姿が減り、気が付けば少人数の外国人店員が忙しそうに切り盛りする状態になっていました。
もちろん、店員さんの国籍が問題なのではありません。むしろ、限られた人数で次々と来店するお客さんに対応している姿を見ると、気の毒にすら思えます。問題は、そうした状況で、果たしてセルフコーナーの衛生管理にまで十分に目を配る余裕があるのか、ということです。
コロナ禍の頃、大手セルフうどん店には使い捨て手袋が用意されていました。現在も設置している店舗はあるのかもしれませんが、そもそも手袋を使うかどうかも、お客さん自身の判断に委ねられています。
もちろん、セルフサービスという仕組みそのものを否定するつもりはありません。人手不足や人件費の高騰が続く中、飲食店が価格を抑えるためには、合理化も必要でしょう。ただ、その合理化によって、衛生管理までお客さんの良識任せになってしまうのであれば、少し考えさせられます。
そんなわけで、最近はうどんやそばを食べたくなると、注文したものをカウンターで提供してくれる立ち食いそば店などを利用するようになりました。幸いにして、ゆで太郎も富士そばも事務所の近所にありますしね。
そもそも、食事というのは楽しむためのものです。衛生面を気にしながら、わざわざ行列に並んでまで食べる必要もありません。世の中には、ほかにも安くておいしい店がいくらでもあるわけです。
これまでも、迷惑系YouTuberなどによる不適切な行為の動画が拡散され、大手飲食チェーンが被害を受けた事例は何度も報道されてきました。しかし、私自身はそうした報道を見て、そのチェーン店に行かなくなるということは一度もありませんでした。
にもかかわらず、あれほど大好きだったセルフうどんから、たった一度の出来事で、すっかり足が遠のいてしまいました。
「見ていなければ気にならない。でも、一度見てしまうと、もう元には戻れない。」
結局のところ、飲食店に求めるのは、おいしさや安さだけではなく、安心して食事ができることなのだと、改めて感じている私です。
2026年09月27日 05:57
「株式会社刀」という会社があります。「マーケティングの神様」と呼ばれる(らしい)森岡毅さんが率いる会社で、USJの再建に携わったことで有名になったそうです。その後、丸亀製麺を展開するトリドールホールディングスの既存店客数16ヵ月連続前年割れからのV字回復を手掛けた、という実績も発表されています。
私が刀の存在を知ったのは2023年。地域の日帰りバス旅行の候補として「西武園ゆうえんち」が挙がり、現地へ実施踏査(ロケハン)に行った時でした。
昭和の街並みを再現したリニューアルを手掛けたのが刀でしたが、現地で案内してくださった方によると、刀による集客効果は限定的で、当時は「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂 ザ・リアル」の人気が圧倒的とのことでした。
そんなわけで私にとって刀の第一印象は、西武園ゆうえんちのリニューアルを手掛けたコンサル会社でした。
調べてみると、創業者の森岡さんはP&G出身で、USJ再建などで手腕を発揮したとされ、自伝的な著作も多数出版。メディアを使って自分自身を売り込むのが上手い方だという印象を持ちました。
その後、旧ヴィーナスフォートを利用した「イマーシブ・フォート東京」を自社で手掛け、沖縄では「ジャングリア沖縄」をプロデュースするなど、名前を聞く機会が増えました。
私はイベントプランナーを仕事にしていますが、施設や地域のプロデュースにも関わっています。そのためジャングリアには開業前から興味を持っていました。ただ、まだ行けていません。ちなみにイマーシブ・フォート東京も興味があったのですが、行く前に無くなってしまいました。
私は、こうした施設を行きもしないで評価するのは好きではありません。アクセス、スタッフオペレーション、飲食、物販、客の反応、リピーター、地域への波及効果など、現場を見なければ分からないことがたくさんあります。
ただ、ジャングリアについて調べていて驚いたのが「お金」です。
刀という会社は、とにかく巨額のお金を集める力があります。
・2020年 大和証券グループが刀へ140億円出資
・刀はジャパンエンターテイメントへ30億円出資
・ジャングリアは総事業費約700億円の巨大プロジェクトへ
・金融機関から366億円の協調融資を調達
700億円。私のような小さな会社を経営している人間には想像もできない金額です。これだけのお金を集められること自体、ものすごい能力だと思います。
ジャングリアは2025年7月に開業。当初の年間来場者計画約150万人に対し、初年度は約100万人。意外と悪くないようにも見えますが、テーマパークにとって重要な初年度としては厳しいスタートだったことは分かります。
開業直前の2025年6月期、運営会社ジャパンエンターテイメントは約51億円の最終赤字で、利益剰余金はマイナス約86億円。一方で総資産は約627億円あり、巨額の資金は施設や設備などに姿を変えていたことになります。
そして開業後の2026年6月期は約89億円の最終赤字。親会社ジャパンエンターテイメントホールディングスも、子会社株式の評価損などから約173億円の最終赤字になったと報じられました。
初年度ですから広告宣伝費などが膨らむこと自体は理解できます。しかし今年4月には20億円の追加融資を受け、さらに沖縄振興開発金融公庫が30億円を融資する方向だと報じられています。
しかも後者は新しいアトラクションへの成長投資ではなく、新たなスポンサーへ事業をつなぐまでの「つなぎ融資」とされています。
約700億円規模でスタートした巨大プロジェクトが、開業から1年あまりでさらに50億円規模の追加融資を必要としている。一体、お金はどこへ行ったのでしょうか。
もちろん、お金が本当に「消えた」わけではありません。建設費、設備、アトラクション、人件費、広告宣伝費、金利、企画、マーケティング、コンサルティング・・・さまざまなところに使われています。問題は、その全体像が外から非常に見えにくいことです。
新たなスポンサーや追加資金を巡る話の中では、ジャパンエンターテイメントから刀へ支払われたコンサルティング料なども含め、これまでの資金の流れを明らかにする必要があるとも報じられています。
もちろん、刀に不正があったという話ではありません。正当な仕事をして、契約に基づいて報酬を受け取ることには何の問題もありません。私自身もプロデュースを仕事にしていますから、それはよく分かります。
ただ、これだけ巨額の追加資金が必要になった以上、これから資金を入れるスポンサー候補が「これまでのお金が何に使われたのか明らかにしてほしい」と考えるのは当然でしょう。
沖縄には今まで200回(そんな少なくないとは思いますが)は行っていますが、とにかくあの場所に無いのは巨大プールのある施設。鈴鹿サーキットのプールみたいなのがあれば、美ら海水族館とプールに行くって方はかなりいると思うんですよねー。
そんなわけで、マーケティングの神様である森岡さんは、次の一手が大規模プールで、その次は星野リゾートのホテルじゃないかなーと思ってます。
そして、ここまで長々と書いてきましたが、一番大切なことがあります。
私はまだジャングリアへ行っていません。数字は単なるネット検索によるものです。ですから、まず現地へ行き、自分のお金を払って入場し、自分の目で見て来て評価を書きたいと思っています。
ただ、少なくとも私はマーケティング&プロモーションの世界で30年以上活動していますが、「成功は広告主の手柄、失敗はコンサルの失敗」は当たり前ですし、「手掛けた仕事は10年以上経過するまで一切明かさない」を原則にしています。
「私はスゴイので仕事ください」という方は結構おられるのですが、そういう姿勢はあまり好きになれません。私も高名なプロデューサーを起用する仕事はありますが、表面上はその方の企画になっていても、実際に企画を考えているのは私、ということも当たり前にあります。
安易に「実績がある」というだけで会社に発注するのではなく、最初は相手を疑いながら恐る恐る対話を重ね、少しずつ信頼を築いていく。その中で見つけるのが、本当のビジネスパートナーであり、それが結果的にベストコンサルになるのではないかと思っている私です。
2025年11月19日 05:11
うどん店ブームが来て何年になるのでしょう。気が付けば全国チェーンはトリドールの「丸亀製麺」と吉野家の「はなまるうどん」のみが残り、現状で圧勝と言えるのは丸亀製麺でしょう。そんな状況下でも、すかいらーくがブランド買収した福岡発祥の「資さんうどん」は常に話題に上がりますし、同じ福岡には「ウエスト」や「牧のうどん」もあり、お隣の山口には注文即提供で有名な「どんどん」と今後が期待される様々なチェーン店があるのも事実です。
関東ではロードサイド店の「山田うどん」が有名ですが、23区内にあった各店は閉店し都心展開は小休止中。そんな中で外食産業1位のゼンショーが手掛けていたのが「瀬戸うどん」。「そんなの知らねーよ!」と言われそうですが、知らなくて当たり前ですでに先月全店閉店してます。
私は奇跡的に大井競馬場向かい側のウィラ大井店、新橋は内幸町の西新橋2丁目店、横浜駅西口の横浜北幸店、京急川崎駅前の京急川崎駅前店、新横浜スケートセンター近くの新横浜店と5店舗も行った事があり、ランチセットがお得なのとコシのある麺が気に入ってました。
ゼンショーのうどんチェーンと言えば「なか卯」で、こちらは関西発祥らしくコシの無いのが人気ですが、ここにてっきりコシのある讃岐うどん市場には「瀬戸うどん」で勝負を挑むのだと思ってました。結果的にまさかの全店閉店となったのですが、いったい何があったのでしょう。
ゼンショーだと「はま寿司」でも麺類はうどん/そば/ラーメンと展開されていて、私も大崎駅近くにあるお店に行く時は「かけうどん(税込264円)」「まぐろ三種盛り(税込198円)」「かっぱ巻き(税込121円)」の合計583円でランチを済ますこともあります。さすがにはま寿司安すぎ!(以前は平日16時までうどん100円なんてキャンペーンもありました)
恐らくですが、瀬戸うどんは丸亀製麺の価格に勝負を挑むには無理があると判断したのでしょう。ウィラ大井って「はま寿司」「すき家」「瀬戸うどん」とゼンショーから3店舗も出店していましたが、ゼンショーじゃない「サイゼリヤ」が一番人気で、次が圧倒的に「はま寿司」でしたからね。瀬戸うどんが大行列なんてのは見たこと無いです。
都心型&郊外型の双方で勢いづく丸亀製麺。ただ、郊外型については「ゆで太郎」も勢いを増しています。そして関西圏店舗数圧倒的No.1の「都そば(店名はそばだがほぼ全員うどんを頼む)」がまだ本格的な関東進出していないのも不気味だったりするんですよ。
個人的には瀬戸うどんのランチセットってプラ容器に入ったおにぎりとうどんなんですが、ランチ時にうどんだけを食べて、おにぎりは持ち帰って夕方の小腹が空いた時に食べるのを楽しんでたんですよねー。残念。
ちなみにマイブームは新宿・御徒町・日本橋・有楽町・名古屋駅にしか無い本格的インドカレーが食べられる「よもだそば」のとろろ昆布うどん。日によって味にバラツキがあると感じますが、美味しい時は最高!朝定食のとろろ定食or朝カレー定食を悩むのも楽しんでおります。









