中止

2026年08月16日 07:33

tyuushiなにやらテレビメディアで騒ぎになっているらしい「琵琶湖三市同時花火大会」が突然中止になったという話についてですが、すでに5人ほどから「そんなことあるの?」という質問をいただいたので、私の公式見解を書きたいと思います。

公式見解:「特に意見はありません」

「突然中止なんてことあるの?」と聞かれれば、「イベント業界ではあります」というのが答えです。長年イベント業界におりますが、この世界では「イベントを開催します」と発表されたからといって、本当に開催されるとは限りません。

会場を押さえ、出演者を押さえ、行政や警察、消防などとの協議を行い、必要な許認可を取り、警備会社、施工会社、音響・照明会社、電源会社、運営スタッフなどを手配し、それぞれに発注をかけ、お金を支払い、初めてイベントは開催できます。

逆に言えば、そのどこか一つでも大きく崩れれば、イベントそのものが成立しなくなることがあります。特に怖いのがお金。イベントという仕事は、本番当日に突然大金が必要になるわけではありません。会場費、制作費、広告宣伝費、出演料、施工費、警備費と、本番前に次々と支払いが発生します。

チケットを販売して数千万円、場合によっては億単位のお金が集まっていたとしても、それ以上の支払いが必要なら資金はショートします。巨大な音楽コンサートなどでは、チケット収入だけですべての経費を賄えず、スポンサーや関係企業からの協賛・支援などを含めて収支を組み立てるケースも多々あります。

イベント業界には昔から、壮大な企画をぶち上げ、スポンサーを集め、チケットを売り、関係各社へ発注したものの、最後になって資金が回らなくなり、開催できなくなるという事例が多々あります。業界では昔から、半ば自嘲的に「ヤルヤル詐欺」などと呼ばれることもあります。

実際、全国公立文化施設協会がまとめた公立文化会館のトラブル事例には、公演前日にチケットの売上代金を回収した主催者が、公演当日になっても会場に現れず、主催者が手配していたはずの楽団、照明、音響スタッフも来なかったため、開演1時間前に中止となったケースまで紹介されています。

ほかにも、タレント事務所への契約金が支払われず、主催者と連絡が取れなくなり、公演中止になった事例も紹介されています。ですから「そんなこと本当にあるの?」と聞かれれば、「残念ながら、あるんです」としか言いようがありません。

私自身、とあるホテルのクリスマスディナーショーにタレントを連れて行っていた際、本番開始前までにギャラを用意しなかったブッキング会社に対し、ショーの開演拒否を伝えたことがありました。1993年12月24日のことなので、もう時効だと思って書きます。

その時は、すでに2回公演のうち1回目のお客様が入っていて、食事もスタートしていたのですが、開演10分前になってもギャラが用意できなかったので、すでに着替えて舞台袖に来ていたバンドを控室に返し、ホテルの総支配人に「フロントでも売店でもエエから、館内にある金まとめて持って来んかったら中止や」と静かに通達しました。

念のために書きますが、ホテル側には何の落ち度もありません。間に入っているブッキング会社の問題です。でも、ホテル側がギャラの半額に近い394万円を集めて持ってきたので、事なきを得ました。(2回目公演開始までに全額回収)

もちろん、今回の「琵琶湖三市同時花火大会」が詐欺の類だと言っているわけではありません。ここは非常に重要なので、はっきり書いておきます。

私は今回の主催者の内部事情を知りませんし、中止に至った本当の理由も知りません。ですから、今回の件について「詐欺だ」「最初から開催するつもりがなかった」などと判断する材料は何も持っていません。

ただ、「イベントが直前になって突然中止になることなんてあるの?」という質問に対しては、「イベント業界では、残念ながら珍しい話ではありません」と答えるほかありません。

イベントというのは、ポスターを作って、ホームページを公開して、チケットを売れば開催できるものではありません。むしろ、そこからが本番です。特に今回のような大規模な屋外イベント、それも花火大会となれば、通常のイベント以上にハードルは高くなります。

花火そのものだけでなく、観客導線、警備、交通規制、救護、消防、仮設トイレ、電源、照明、スタッフ、近隣対策、荒天対策など、膨大な準備が必要になります。

それを複数の地域で同時に実施するとなれば、相当な運営能力と資金力が必要になるでしょう。ですから私は、このニュースを聞いても「そんなことあるの?」とは思いませんでした。

むしろイベント屋として気になるのは、「なぜ中止になったのか」よりも、「どの段階まで準備が進んでいたのか」という部分です。ここが分からない限り、外から今回の中止について評価することはできません。

特に花火大会については、行政との調整だけでなく、消防や警察との事前協議が非常に重要になります。

花火は、好きな場所から好きな大きさの玉を打ち上げられるものではありません。打ち上げ場所を決めれば、使用する花火の種類や大きさ、打ち上げ地点から観客までの安全距離などを検討する必要があります。大きな玉を使おうとすれば、それだけ広い保安距離が必要になります。

そして花火は火薬類ですから、一定量以上を消費する場合には都道府県知事等の許可が必要になります。消防との関係でも、地域の火災予防条例などに基づき、打上げ花火を含む煙火を消費する際の届出が必要になる場合があります。

イベント現場では、消防署の予防課などと事前に協議し、火気を使用する場所、消火器の配置、観客との距離、緊急時の対応などを一つずつ確認していきます。飲食ブースでガスコンロなどの裸火を使う場合も同様です。

さらに大規模な花火大会では、消防だけでなく警察との調整が極めて重要になります。何万人もの観客が集まるとなれば、「花火を安全に打ち上げられるか」だけでは足りません。

どこから観客を入れて、どこから帰すのか。駅や道路に人が集中した場合にどうするのか。車両と歩行者をどう分離するのか。交通規制をどこで行うのか。事故や急病人が発生した場合、救急車をどのルートから入れるのか。こうしたことを盛り込んだ膨大な警備計画書を作り、警察や行政、消防、警備会社などと調整しながら詰めていきます。

明石花火大会歩道橋事故のように、花火そのものではなく、会場へ向かう観客の群集事故によって多数の死傷者が出た過去もあります。だから現在の大規模イベントでは、「花火が安全に上がるか」だけではなく、「何万人という人間を安全に移動させられるか」までがイベントの安全管理です。

警備計画が成立しなければ、いくら花火業者を押さえていても、チケットが売れていても、イベントを開催することはできません。

今回、楽しみにされていた方々にとっては本当に残念な結果となってしまったわけですが、現時点で外部から分かる情報だけをもとに、誰が悪い、何が原因だと決めつけることは、私にはできません。

だからこそ、今回の件についての私の公式見解は、最初に書いた通り「特に意見はありません」です。ただ、「そんなこと本当にあるの?」という質問に対してだけは、長年イベント業界にいる人間として答えることができます。「残念ながら、イベント業界ではあります」

最後になりましたが、楽しみにしてチケットを購入された皆様へ、1日も早くチケット代が返金されることを祈っております。

2025年05月21日 06:20

miho航空自衛隊は、今週25日(日)開催予定だった「美保基地航空祭」の中止を発表しました。

また今月31日(土)開催予定だった「千歳基地航空機見学会」も中止が発表されております。

すでに参加予定だった方々は旅行手配済みだとは思いますが、各基地ホームページ等で詳細はご確認ください。

航空自衛隊美保基地HP
航空自衛隊千歳基地HP

2025年03月17日 05:11

スクリーンショット 2025-03-17 041559写真の記事は共同通信が先週配信(リンク)したものです。決して私が勝手に書いているブログ記事レベルの話しでは無く、ちゃんと取材しての内容だと思います。

そこには「海外パビリオンの建設工事で完了証明を取得した国は2割弱」と書いてあります。この言葉の意味は分かりませんが、仮にこれが「完了検査を通過して検査済証が交付された」の意味だとすると、建物が完成したのが2割と言うことになります。

「当初は3月13日までにすべての展示物を設置」となっていました。理由は単純で、建物が完成して完了検査を終えてからでないと展示物の設置はできませんし、展示物の設置が完了しないと保健所の興行場法許可や飲食店営業許可が取れませんし、そもそも消防の検査をしてもらえません。

法律に基づいて万一の際の避難動線が2方向に確保されているかや、スプリンクラーが設置され稼働するかや、通路用の客席誘導灯や避難路の避難誘導灯が必要な照度で設置されているか等を細かく検査されるのですが、いつやるつもりなのでしょう。

それに、避難訓練は各パビリオンでやる必要がありますし、会場全体でも大規模避難訓練が必要かと思いますが、そんな余裕はなさそうなので、ぶっつけ本番ってことになるのでしょう。

その昔に開催された花博では開幕2日目にウォーターライド(ジャスコ・イオングループ出展)という乗り物が落下しました。こうなると出展企業はイメージ的に大損害を被るわけですよ。

今も必死に職人さん達は作業されてると思います。それでも間に合わない物は間に合わないんですよ。開幕早々から現地へ行く予定の方は残念ですが、現状でフルスペック状態になるのは6月ぐらいですかねえ。

私がいつも言っている言葉「人が死ぬかもしれないイベントは即中止」を聞いたことある方はお取引先を含め多いと思います。安全第一なんてレベルではありません。たかがイベントですので、危ないとか不確実な点があると思ったら、大丈夫になるまでやらなきゃいいだけ。

個人的には安全最優先の視点で言わせてもらうなら、現時点で大阪府知事&市長が「視察しましたが我々の判断で開幕を2ヶ月遅らせる判断を下しました」と言うべきかもなーと思ったりしました。

ただ、ここに書いたのはあくまで共同通信の記事を信じたらの話しであって「ぜんぜん4月13日開幕でバッチリです」「視察に行きましたが展示物にワクワクしました。みんな来てねー!」と言っていただければ、それはそれで心強いとも思ってます。

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