中東情勢
2026年03月07日 05:47
イスラエルとアメリカのトップ同士が自身のスキャンダル隠しのために始めたと思われるイラン攻撃は拡大の一途。イランの最高指導者で聖職者の人物を殺害しといてすぐ終わるわけないですもんね。よく国際大会前に飛行機が欠航とかコンテナが届かないなんてことはあるのですが、今回のように何もかも分からず情勢分析からやる作業は生まれて初めて。AIさんのおかげで助かってます。どちらも無事に始まって良かった。
邦人救助機は民間機のチャーターでリヤド(サウジアラビア)&マスカット(オマーン)から東京へ飛ぶと発表されました。それとは別に自衛隊機1機をモルディブで待機させるとしているので行くのは写真のC130かもですね。
とはいえ昨日時点でリヤドからは結構な数のフライトが飛んでましたし、マスカットも少しは飛んでいるので、政府救援機が無くても国外へ脱出するのはできるでしょう。ちょっと記憶に新しいプチ情報だけ以下にメモ。
キプロス) EU加盟国
・イギリス空軍アクロティリ基地がイラン製ドローンの攻撃を受ける(3/2)
・イギリス軍が防空駆逐艦やヘリを派遣
・フランスが迎撃システムを提供
・EU理事会議長国として和平交渉に意欲的だったが意気消沈
トルコ) NATO加盟国/EU未加盟
・NATO防空網がイランミサイルを迎撃(3/4)
・トルコ国防省が「初めてNATOがこの戦争に直接巻き込まれた」と警告
・トルコ政府が「イランの地域戦争を拡大させる行動は容認できない」と警告
ギリシャ) EU&NATO加盟国
・空母ジェラルド・R・フォードが作戦開始直前にクレタ島から出航
EU)
・EU首脳が「イラン情勢は極めて憂慮すべき」と声明
スペインvsアメリカ)
・トランプ氏が「基地を使わせなかったスペイン嫌い」と言った
・スペイン国王が「戦争にノー」と言う
・トランプ政権報道官が「スペイン側と基地使用について合意」と発表
・スペイン外相が「全くのデタラメ。彼女は報道官で私は外相だどっちを信じる?」と発言
EUとかNATOまで絡み合って世界大戦的な様相を見せて来ました。すでに東欧はロシアvsウクライナをやっているので、ユーラシア大陸は本気で大変な状況になってます。
世界耐久選手権は3/28決勝予定だった開幕戦カタールが延期。3/22-23の公式テストも中止でしょう。F1は3/27-29鈴鹿のあとが4/10-12バーレーン、4/17-19サウジアラビアなので、代替開催地の検討も始まってます。日本で2戦連続とかなったら一大事です。
まずは落ち着きつつあるので一安心。
2026年03月05日 06:16
アメリカ政府から「中東にいるアメリカ人は全員国外へ退避せよ(Depart Now)」が出されてます。幸いエティハド航空/エミレーツ航空/フライドバイといった一部の旅客機は運行再開。各地で足止めだった人々もヨーロッパ各国/トルコ/フィリピン等には脱出できたようです。そこから目的地までは自腹で頑張れですけどね。カタール航空やロイヤルヨルダン航空や日系航空会社はまだです。
トランプ氏は「攻撃は成功した」「イランはもはや防空能力を持たない」「監視施設を完全に失った」「ホルムズ海峡のタンカーを護衛する」等と言っていますが、国防総省は「すみやかに追加部隊を派遣して戦力増強を図る」としていて、結構なレベルで予想外の展開になっている様子。
アメリカ政府にとって最も予想外と思われるのは、イランがアメリカ軍基地のある国すべて(バーレーン・イラク・カタール・クウェート・アラブ首長国連邦・ヨルダン・サウジアラビア)と港湾施設の利用を許可したオマーン、そして直接的な対立相手であるイスラエルへドローン攻撃を仕掛けていて、全9カ国でとんでもない数の迎撃ミサイルが消費されています。
迎撃ミサイルはイスラエルのアイアンドームで1発1億円弱、PAC3パトリオットミサイルだと安い物で1発6億円。イージス艦に搭載される迎撃ミサイルは1発30億円以上。これを150万円から300万円のドローン攻撃を防衛するために撃ちまくっているわけです。
当然ですが迎撃ミサイルなんて大量にあるわけが無く、この勢いで使い続けたら数日間で使い果たす国も出て来るでしょう。アメリカが1ヶ月に生産できる迎撃ミサイルは6〜50発程度。イランが1ヶ月で製造できるドローンは約200機でミサイルも100発は製造できるようなので、アメリカに残された時間は良く持ってあと一週間ぐらいしか無さそうです。
昨年イスラエルとアメリカの助けを借りながらイランを攻撃した時は、数日でイスラエル側の迎撃ミサイルが足りなくなることが判明。急にアメリカが無理やり停戦交渉開始。全く国家転覆もできず核施設の破壊もできず完全に失敗。
それでも停戦合意と同時にトランプ氏は「イランの核計画を完全に破壊した」とナゾの勝利宣言。当時イランがハッキリ勝利宣言を出してたし、今後も攻撃があった場合は報復すると宣言していたので、トランプ氏の勝利宣言は何の話しだろうと思ってたんですよねー。
20年以上前のブッシュJr.大統領時代にも大量破壊兵器がどうのこうのとか言ってイラク攻撃してたのを思い出しました。あれもフセイン氏は拘束できたけど核なんてどこにも無く、イラクは内戦でグチャグチャになって何千人も死者を出してアメリカ軍は撤退しました。
そもそも昨年の時点で迎撃ミサイルは最大4週間分しか無いって分かってたわけでしょ。今回は昨年と違ってもっと沢山の国にイランがドローン攻撃しまくってるので、もっと早く迎撃ミサイルは品切れになるでしょう。
イランは迎撃ミサイルが切れてから弾道ミサイルを撃つのかも。イスラエルに一発だけ撃ち込まれてるのですが、地下シェルターに逃げていた人々を全て吹っ飛ばす破壊力で、ネタニヤフ首相と国民に結構な精神的ダメージを与えている様子です。
すでに中東各国のアメリカ大使館は機能しておらず、エルサレムの大使館はホームページに「大使館は何もできません」「自分達で情報を集めて脱出してチョ」「サイレンが鳴ったら全部本物なんで上手く逃げてね以上」とか書いてます。
サウジアラビアやアラブ首長国連邦のアメリカ大使館も同じ状況でして、もうアメリカ大使館はアメリカ人を守れませんと言ってる状態。だってアメリカ大使館がイランの攻撃目標になることは間違いありませんから。
トランプ氏の言ってること分かります?昨年ミサイル拠点と核開発拠点は完全に破壊したと言ってたんですよ。ぜんぜん破壊されてない。今回も制空権を掌握したとかイランの防空能力は壊滅とか言ってますが、ミサイルもドローンも飛びまくってます。
しかもイラン国民に「今こそ立ち上がれ」と言ったかと思うと「外に出て抗議するつもりなら多くの爆弾が投下されている今は危険だからやるな」とか言う始末。もう制御不能状態なんでしょう。
間違いないのはイランが最初に攻撃開始したのでは無いと言う事。つまりイラン側からすれば自国を攻撃して来たアメリカ軍の拠点を攻撃するのは単なる正当防衛。それ以上でもそれ以下でも無いのですよ。
亡くなられたイランの最高指導者ハメネイ師は86歳。79歳のトランプ氏と76歳のネタニヤフ首相は、86歳の人を殺害するためだけにバカげた戦いを挑み、勢い余って政権幹部を皆殺しにしちゃって交渉相手がいないという最悪の状況。
交渉相手がいないんじゃ停戦なんて絶対無理なんで、最新のニューヨークタイムズには「イラン情報省工作員がCIAに停戦に向けた対話の用意があるとシグナルを送ってきた」なんて記事を載せてます。正しくは「CIAがイラン情報省筋とのラインで交渉窓口を築けるだろう」と希望的観測をトランプ政権の偉い人が言ってるだけだと思いますがね。
なんでも良いので、アメリカ人の方々はもうちょっとまともな大統領選んでください。こんな人がアメリカ軍や関税を使ってアホみたいなディールとやらを続けていると世界が滅びます。よろしくお願い致します。
2026年03月04日 04:49
私の場合、第二次世界大戦への日本参戦が宣戦布告ナシでの真珠湾攻撃でだまし討ちだったと教わって来たので、ちゃんとした国が戦争を始める時は宣戦布告する物だと思っていました。でもロシアのウクライナ進攻が何の予告も無く一方的だったように、アメリカとイスラエルによるイラン攻撃も何の予告も無く一方的でした。
ただロシアもアメリカも戦う相手を間違ったとしか思えません。というのもこれまでの両国トップが自制心で止めていられた相手に攻め込んでいるし、ウクライナもイランも大国が戦争にするには相手が大きすぎると思うのです。
ウクライナは東欧最大の工業国でロシア軍兵器や航空機の開発&製造拠点だし、イランはミサイルだって自国で開発&製造できてしまうレベルの国なわけで、大国に攻撃されたらビビって降参するなんて訳は無く、ガンガンにやり返して来ることが容易に想像できたはずですよね。
私の世代はイランvsイラク戦争を知っているので、アメリカが必死に武器と資金を供給したイラクですら先手を打って進攻したにも関わらず反撃され戦いは8年にも及び、最後は攻め込んでいるはずのイラクが毒ガス兵器を使用しての大量虐殺を仕掛けるほどに追い詰められました。
今回も簡単には終わらないでしょう。アメリカはイランに攻撃をして最高指導者ハメネイ師を殺害したわけですが、2月上旬から死ぬほどアメリカ軍が周辺に武力集結させていたのは分かっていたわけで、イラン国民は早々のうちに攻撃があると覚悟していたと思われます。
そもそも他の国とは何もかも違うのがイラン。アラビア語のアラブ諸国に対しペルシャ語。西暦は一切使わずイラン暦(太陽暦/今日はイラン歴1404年Esfand13日)。アラブ諸国/トルコ/イスラエルを全敵視して独自のペルシャワールドを構築。欧米の価値観とは全く違います。
さらにイランは革命の輸出作戦と称して周辺の親イラン武装組織に資金/訓練/兵器を提供し、レバノンのヒズボラ、パレスチナのハマス、シリアのアサド政権、イラクのシーア派民兵組織、イエメンのフーシ派といったネットワークを築いて来ました。
ここ数年で革命の輸出作戦ネットワークが超弱体化。いずれはイランとイスラエルが直接対決すると言われていましたが、広大な土地を持つイランに対しイスラエルは四国程度の面積。テルアビブとエルサレムに何発かミサイルを撃ち込めば結構なダメージになる国です。
しかもイランは大国意識が強く、アメリカに何を言われても屈する必要は微塵も無いというのがイラン国民全体の感覚。何を言われてもアメリカに奴隷のごとく屈し続ける日本人には全く理解できない部分だと思います。
今回もおそらく「ハメネイ師を殺られた以上は徹底的にアメリカと戦うしかない」という国民意識になっているでしょうし、政府批判をしていた国民たちまでもを反アメリカで団結させてしまったかもしれません。
アメリカの経済制裁でイラン経済が破綻していて、何も買えないという国民たちの怒りが昨年末の暴動という形で表面化したわけですが、諸悪の根源はアメリカだから徹底的に戦うしかないという感じになっていくことでしょう。
なによりも重要なのが「イラン人は超大国のアメリカと戦うイランが好き」と言う部分。「奴らを本気にさせてやったぜ!」って感じ。「ミサイル攻撃のみで陸上部隊が来ないなら余裕だからテロ国家呼ばわりされてるついでに世界中をテロ攻撃だ!」ってな感じかもです。
アメリカとイスラエルの両国トップは自身のスキャンダルから目線をそらすために今回の戦争を始めたのは誰にでも分かることです。そんなことのために大金を投じて自国の軍隊が持つ兵器の性能を開示してしまうなんて愚の骨頂ですが、現実が事実なので仕方ありません。
アメリカはベトナム(アメリカ側戦死者数58,220人)での泥沼化&撤退以降も、911ワールドトレードセンタービルテロ事件(被害者数約3千人)後のアフガニスタンやイラク(アメリカ側戦死者数約7千人)も泥沼化させ何も得られないまま撤退。第二次世界大戦で勝った時の幻想を追い続けて失敗を重ね続けています。
トランプ氏は昨年のイラン攻撃時に「イラン核開発計画の根絶に成功した」と言っていました。でも核開発能力も60%濃縮ウランも残存していたのでしょう。逆に追い込まれて核開発を急いだかもしれません。もし核弾頭を保有していたらイランが追い込まれた場合使うかもしれない。恐怖です。
戦争は宣戦布告ナシに始まる。そして始めてしまうと簡単には終わらない。そのことだけは良く分かりました。第二次世界大戦も、こうやって何年もかけて各国が巻き込まれ大戦に至ったのだということも体で感じることが出来てきました。
とにかく今週始まるパラリンピックやWBCがテロの標的にならないことを祈ると同時に、日本が戦争に巻き込まれないことを祈るばかりです。









