ローン
2026年07月12日 05:44
先日、残価設定型ローン(以下、残クレ)で車を買うことについてのブログを書いたところ、「多額の金利を支払うことになるリスクが書かれていない」というご指摘をいただきました。そこで今回は、その点だけにテーマを絞ってみたいと思います。例えば600万円の車を、通常ローンと残クレの金利をどちらも年5.0%、ボーナス払いなしの60回均等払いで比較してみます。なお、5年後の残価は246万円(41%)と設定します。
・月々の返済額:約113,200円 vs 約77,100円
・利息総額:約79万円 vs 約108万円
・総支払額:約679万円 vs 約708万円
残クレは月々の返済額が約3.6万円安くなる一方で、利息は約29万円多く支払うことになります。
「ローンの対象は残価を差し引いた金額なのだから、利息も少なくなるのでは?」と思われる方も多いでしょう。実はここが残クレの仕組みです。
残クレは5年後の残価246万円を最終回の支払いとして残しておくため、その246万円にも契約期間中ずっと金利がかかり続けます。通常ローンのように元金が毎月均等に減っていくわけではないため、借入残高が大きい状態が長く続き、その結果として支払う利息も増えてしまうのです。
つまり、残クレは「金利が高いローン」なのではなく、「元金が減るスピードが遅いローン」だから、同じ金利でも支払う利息が多くなるということです。
もちろん、毎月の支払いを抑えられるメリットはありますので、家計や資金繰りを重視する方には有効な選択肢でしょう。一方で、契約によっては定期点検をディーラーで受けることが条件になっていたり、返却時には走行距離や車両状態に関する条件が設けられていたりする場合もあります。
「月々の支払額が安い」という点だけで判断するのではなく、「最終的にいくら支払うことになるのか」まで含めて比較した上で、自分に合った購入方法を選ぶことが大切だと思います。
最後になりましたが、どちらの買い方を選んでも、5年間で支払う利息は約79万円または約108万円です。でも、その金額があれば未使用の軽自動車を1台買えてしまうという現実もあります。
趣味は人それぞれ。鉄道模型、カメラ、釣り、盆栽・・・さまざまな趣味がありますが、車好きには他の趣味にはない多彩な購入方法や支払い方法が用意されているのも事実です。
だからこそ、身の丈に合った返済方法を選び、無理なくカーライフを楽しめる人は素晴らしいなあと感じている私です。
ちなみに、私の周りには50万円もしない軽ワゴンに100万円以上するバイクを積み込み、サーキットへ行ってぶっ壊すことを趣味にしている方々が結構います。私もそうですが、まことに趣味とは奥深いものですね。
2026年07月07日 06:16
最近よく耳にする残価設定型ローン。動画サイトでは「残クレアルファード」という歌まで流されているそうで、私の知人には「残クレと思われるのが嫌でアルファードを買い替えた」という人までいます。私がこの仕組みを初めて見たのは今から30年近く前でした。当時、「新車が半額で買える」というインパクトのある広告を全国展開していたのが中古車販売チェーンの「TAX」。当時は「残価設定型ローン(以下残クレ)」とは呼ばず、「下取り価格を50%に設定してローンが組める」といった説明だったように記憶しています。
とはいえ1990年代は、そこまでして新車に乗りたいという人も少なく、バブル崩壊でハイソカーブームが終わり、パジェロやハイラックスサーフといったRV車や、エスティマやオデッセイといったスタイリッシュなミニバンが人気となっていて、新車へのこだわりも今ほど強くなかった気がします。
そんなわけで、当時TAXさんが大々的に宣伝していたのは軽自動車が中心。「新車のワゴンR RX(新車価格102.8万円)が51.4万円」といった具合で、「中古車と変わらない価格で新車に乗れる」というイメージを前面に押し出していました。
私が当時乗っていたのは1988年型BMW520i(E28)で、1991年末に走行距離9,000kmの3年落ちを190万円で購入しました。これはイベント会社勤務時代、中古車フェアで音響スタッフが誤ってスピーカーをボンネットへ落としてしまい、格安で譲ってもらったためです。
へこんだ瞬間、車屋さんから「今日売るつもりで出店してるのに・・・」と言われ、まだ23歳だった私は完全にパニック。「私が買うので許してください」と、とっさに口にしてしまいました。すると車屋さんは「現状なら仕入れ値185万円に5万円だけ乗せて190万円でいいよ」と言ってくれ、その価格で購入することになりました。
新車価格500万円以上だった車が、初回車検を迎えただけで200万円以下になることを知ったのは、この時が初めてでした。
その経験があったので、「購入時に下取り価格分を差し引くから半額で買える」という広告を見るたび、「もし実際の査定額が想定より安かったら、その差額を払うことになるのでは?」という印象を持ち、私は手を出しませんでした。
通常の自動車ローンは車両価格の全額を分割で支払いますが、残クレは契約終了時の車の価値(残価)をあらかじめ設定し、その残価を除いた金額だけを分割で支払います。例えば300万円の車で3年後の残価を120万円と設定した場合、毎月支払うのは180万円分です。
この仕組みはディーラー側にも大きなメリットがあります。
毎月の支払額を低く見せられるため、高価格帯の車でも販売しやすくなります。また、ローン金利収入が得られ、契約期間中はディーラーでの点検や車検を利用するケースも増えます。さらに契約満了後には比較的新しい中古車が安定して戻ってくるため、中古車販売にもつなげられます。
つまり、新車販売・整備・ローン・中古車販売という、自動車販売店の主要な収益源を一つの仕組みで循環させられる非常に優れたビジネスモデルなのです。
そんなわけで、今人気のトヨタ車に乗る方法の一つとして、この残クレで買うと言う方法があります。というのも、今トヨタディーラーが一番気にしているのは、購入即売却で利益を得ようとする転売ヤーの存在。残クレやディーラーローン契約を条件に、一般販売より早く納車されるケースもあるようです。
私は車を入手する方法として、残クレを否定するつもりはありません。物を自分のステイタス表現の一つとして考える人は一定数いるでしょう。パテックの時計やエルメスのバーキンを残クレで買う事はできませんが、アルファードならできるのですから。
唯一間違いないのは、この販売手法は以前から存在していて、それを昔から認識していた私は利用したことが無い(現金一括のみ)ってことだけです。
残クレ車には返却までの条件として、走行距離制限(例:年間1万km)、無事故、無改造、車内の著しい汚れNG、タバコ・ペットによる臭いNG、指定された点検・車検等があるそうで、これを守らないと大幅減額もあるとのこと。私の車はイベント現場で不特定多数が乗るし、常に荷物で車内は傷だらけなので、そもそも残クレは無理かもです。
ただ、私の周りの企業経営者や個人事業主で現金一括で買う人は見たことありません。なぜなら、経営者にとって手元資金は最も重要で、車は簡単にローンが組めるというということと、車検やタイヤ交換まで含めてリース契約すれば、支払いを毎月定額化でき、経費処理もしやすいからです。
あと、トヨタには「クレジット一体型保険」という商品があり、保険料をローンと一緒に支払えます。契約期間中は事故を起こしても月々の保険料が変わらず、保険等級の低い若い人は保険料が高額になりがちなのと比較して、有利になるケースもあります。これもトヨタの残クレが支持される理由の一つでしょう。
最後になりましたが、残クレはローン商品です。これには審査があります。スマートフォン端末代の分割払いや各種ローンで延滞があると審査に影響する場合があります。残クレで延滞しちゃうと、その後の住宅ローンを組めない可能性もあります。
車は安く手に入っても、駐車場代や自動車税は必要です。ローンは悪いものではありません。仕組みを理解した上で、自分に合った買い方を選ぶことが大切だと思います。ご利用は計画的におねがいいたします。









