ロッキン

2026年09月21日 04:52

rock本日9月21日、関東地方には台風25号が接近しています。今年は夏から秋にかけて、イベント業界にとって週末のたびに大雨や台風という、本当に厳しい天候が続いていますが、シルバーウイークも大変な状況になりました。

もちろん安全が最優先ですから、危険が予想される状況でイベントを強行するわけにはいきません。私共のようにイベントに関わる仕事をしている側からしても、危険があれば中止するのは当たり前です。しかし、それに伴う金銭的なダメージはハンパなものではありません。

とはいえ、大雨予報だとか台風接近予報だからといって、軽々しく中止にできないのも事実です。来場客の皆さんは日本各地だけでなく世界中から来ているわけで、事前に中止を決めたものの、当日になったら天気が回復していたなんてことになると、大批判を浴びる可能性もあります。

そんなわけで、このような状況下では寝る暇もなくウェザーニュースや気象庁のホームページを見つめつつ、ギリギリまで状況判断を迫られることになります。

ただ、昨今は大雨で鉄道や高速道路が早めに止まる場合もあるだけに、天候回復が見込めるので実施しようと思っても、スタッフや機材が現地に到着できないといった場合もあります。とくに関東圏では東京からスタッフを当日移動させる場合が多いので、そうなると実施そのものが不可能です。

秋は一年の中でもイベントが非常に多い季節です。企業イベント、展示会、音楽フェス、スポーツイベント、地域のお祭り、商業施設の催事、屋外キャンペーンなど、毎週末のように全国各地でイベントが開催されています。

今回の台風25号では、ついに日本を代表する巨大イベントまで中止になりました。

まずは「東京ゲームショウ2026」。世界中からゲーム関係者やファンが集まる世界最大級のゲーム展示会で、今年は30周年。9月17日から21日まで、過去最長となる5日間の開催が予定されていました。ところが台風25号の接近により、本日21日の最終日は開催中止となりました。

さらに、夏フェスを代表する「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2026」も、本日21日の最終日を中止しました。こちらも台風25号による大雨と強風が予想され、会場内外の安全確保が困難になることからの判断です。

もちろん、どちらも中止という判断そのものは正しいと思います。問題は、イベントという商売は「中止になったから、今日の経費はゼロ」という世界ではないことです。むしろ逆です。

イベント当日までには、会場費、企画費、制作費、施工費、機材費、運搬費、警備費、人件費など、すでに莫大な経費が動いています。ステージもブースも作ってしまっている。機材も運び込んでいる。スタッフも手配している。出演者も押さえている。警備員もアルバイトも発注している。

中止になったからといって、それらが全部なかったことになるわけではありません。特に直前中止の場合、本来発生するはずだった売上は消えるのに、支出のかなりの部分はすでに発生しています。

そして影響を受けるのは主催者だけではありません。イベント制作会社、施工会社、音響・照明・映像会社、警備会社、運送会社、レンタル会社、人材会社、ケータリング会社など、ひとつのイベントの裏側には驚くほど多くの会社と人が関わっています。

さらに来場者が来なくなれば、周辺のホテル、飲食店、交通機関、タクシー、駐車場などにも影響します。ロッキンのような巨大フェスになれば、会場内で営業する飲食店や物販などへの影響も当然大きくなります。

つまりイベントが一日中止になるというのは、単純に「チケット代○億円がなくなりました」という話ではありません。その周囲にある巨大な経済活動が、一日分まとめて消えてしまうということです。

しかも今年の関東は、これが一度ではありません。「また週末に雨か」イベントに携わっている人なら、このところ何度そう思ったことでしょう。

多少の雨なら実施できるイベントもあります。しかし、強風が加わると話は別です。テント、ステージ、看板、トラスなどの仮設物を扱う屋外イベントでは、風は特に怖い存在です。設営できない、予定していた演出ができない、場合によっては設営したものを撤去しなければならない。

イベント業界にとって天候は、どれだけ努力してもコントロールすることのできない最大級のリスクのひとつです。こうした中でも、とりわけダメージが大きいのがフードイベントだと思います。

今日だけを見ても、芝公園・豊洲・横浜・立川のオクトーバーフェストが開催中止。「東京カレー万博2026」(新宿・大久保公園)は屋外イベントということもあり、昨日と本日の開催が中止。「餃子祭り2026」(東京ビッグサイト)は本日が中止となり、昨日1日だけの開催となりました。

さらに、海浜幕張駅周辺で6年半ぶりに復活する予定だった「海浜幕張NEO屋台横丁」は、18日から21日までの開催そのものが中止となりました。

出店者の方々は高額な出店料を支払った上で、何カ月も前から準備を進め、食材を仕入れ、仕込みを行い、移動販売車でなければ店舗装飾も用意し、臨時スタッフを雇ってイベント当日を迎えます。

イベントそのものが中止になれば売上はゼロ。それでも、それまでにかかった経費がゼロになるわけではありません。しかも食材には賞味期限や消費期限がありますから、別の日にそのまま売ればいいという単純な話でもありません。ダメージのレベルはハンパありません。

ニュースでは「イベントが中止になった」たった一行で終わってしまいます。しかし、その一行の裏側では、ものすごい数の人たちの仕事と、ものすごい金額のお金が動いているのです。

イベントを生業にしている側としては、そろそろ週末だけでも、気持ちよく晴れてくれないものかと思わずにはいられません。気持ちよく寝て、気持ちよく起きられる日が来るまで、今日一日は天気図や台風の進路予報図とにらめっこが続きそうな朝です。

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