マーケティング
2025年12月19日
日本のEV普及率が低い問題について
日本でEV普及率が低い理由について、賃貸駐車場率の多さ/リセールの悪さ/充電インフラ不足/車両価格/航続距離・・・といった課題はよく挙げられています。ただ、世界と比べて圧倒的に普及率が低いのは政治的指導力と大企業の努力不足が大半なのでは無いでしょうか。
2012年にホンダがGoogleとの協業を発表した時、「2015年Androidプラットフォームの自動車搭載」「Googleアシスタントで音声のみで各種操作を完結」などと言ってましたが、その発表が行われたサンノゼのGoogle本社に多数ある駐車場には、あり得ないほどのEVが並んでいました。
分かりやすかったのが普及方針で、「自分の車で通勤してもいいけどガソリン代は自腹だし車も傷む。EVなら無料で自分の車は傷まない。選択は自由」というものでした。
日本には多数の自動車&バイクメーカーがあります。その1社でも無数のEVを社員向けに用意してる会社がありますか?充電設備でさえ大した量は用意されていないのが現実。公用車だってガソリン車が大半。ハイブリッド車ですら義務化している自治体はありません。
広告マーケティング業界で昔から使われている「イノベーター理論」という物があります。全体の2.5%が新商品好きの「イノベーター」、13.5%がイノベーターに感化されやすい「アーリーアダプター」で、一般的に「オピニオンリーダー」「インフルエンサー」と呼ばれます。
この合計16%を超えると「アーリーマジョリティ」という普及を決定づける34%の層が動き出すとされ、広告をやる前のプロモーションではイノベーターとアーリーアダプターをつかまえるのが基本とされます。
ただ、EVプロモーションについては圧倒的にプロモーションが効いておらず、新し物好きのイノベーターの心すら掴めておらず、一部がテスラを買っている程度にとどまってます。
こんなの自動車メーカーが率先して社用車や通勤用車をEVにしていけばいいし、公用車はEV比率を義務付ければいいじゃないですか。いまEVが一番普及してるのって日本郵便ですからね。
世界では新車販売台数で16%を超えた国も出て来ました。そういった国々では一気に普及が進むでしょう。でも日本では全くといっていいほど普及していません。
だから「日本では普及しない」と断言する方もいますが、そう言われていた電動アシスト自転車もスマホも普及してますよね。絶対普及しないと思われたマイナンバーカードですら政治主導で持っている方が8割を超えました。
臨時国会が終わって次は通常国会です。日本は海外に物を売って生活してるわけで、日本国内だけで生活してる私達や大多数の政治家は海外に物を売ってる会社の利益をくいつぶしてるわけで、その主たる物が自動車やバイクである以上、それを必死に開発し売っていくことが大切なと思うのです。
テスラやBYDは先進的だけど人気なのはトヨタ。そんな時代はすぐに過ぎ去るかもしれません。今先進的なメーカーは来年はもっと先へ行くでしょう。老人票を狙っておこめ券を配るより、輸出産業の未来を考えるべきかなーと思ってます。
自動車&バイクを売って暮らしてる日本人が自家用車通勤すら出来ないってことに疑問も持たないことすら問題なんですけどねー。まずは無料駐車場整備や路上駐車の無料化なのかもしれませんね。

gq1023 at 07:14|Permalink
2025年12月07日
値引きによる買い控えとブランド価値の棄損に注意
とんかつ・かつ丼の全国チェーンに「かつや」という店があります。ここは一度行くと翌月末まで使用可能な100円引券をくれるのですが、ケチな私はこれを忘れたら店に入りません。出張が続いたりして翌月末まで1度も行かない事態になると、100円引券が無いので誰かにもらうまで行かないと言うのが結構ありました。今はかつやアプリで常にクーポン保有状態になるので一安心しております。(ただ食券自販機がアプリクーポンのQRを認識しやがらないのですが・・・)
値引きというのは販促プロモーションの武器として使えるのは事実ですが、このように逆の効果を生み出す場合も多く、たびたびミスタードーナツが陥いる「ミスドクラブスクラッチの時しか売れない」「100円の時しか売れない」「100円&120円の時しか売れない」は逆効果の良い事例かと思います。
昨日、日経新聞にフォルクスワーゲン(以下VW)の折込チラシが入っていました。見ると在庫車一掃セールで車種によって35万円から55万円の値引きがある感じ。BYDは楽天スーパーセールで20%OFFをやっていて、こちらも車種によっては100万円を超える結構な値引き額となっています。
これ以前BMWの値引きがすごすぎる話しでも書きましたが、さすがにココまで値引いちゃうと定価で買う人なんていなくなるわけですよ。もはや定価がウソってレベル。
以前は自動車の大幅値引きって「限定1台」って書いたんですよ。あとは「抽選で各10名様にご購入サポート100万円/50万円/30万円が当たる!」とかね。ところが今は売れなさ過ぎて何台でも値引いちゃう感じ。これだと売る時も価値が下がっちゃうので買う人が減りますし、もっと安くなるまで待というって人も増えるでしょう。
トヨタなんて値引きしてくれても10万円以内の端数だけですし、値引きキャンペーンを待ってるとそのうち定価が上がっちゃうのでえらい差です。
こういう値引きプロモーションって誰が提案するんですかね?以前なら広告代理店のプロモーション(ストラテジック)プランナーでしたが、こんな爆発的値引きをチラシやウェブで大々的にやってしまうようでは1年間を通した販促施策があるとは到底思えませんし、複数年レベルでブランド価値を高めるなんて目線も無いのでしょう。
自動車の場合は「ロイヤルカスタマー」という「ブランド&商品に惚れ込み愛着と信頼を寄せる人」を育てる必要があり、これがF1やWRCといったモータースポーツをやる理由でもあったりします。
そこを育成するにはまず「買ってくれる人=カスタマー」が必要で、そこから「よく買ってくれる人=グッドカスタマ―」を作っていかなければなりません。それは今値引きして「安ければ買う人」を引き寄せるのとは真逆の発想が必要なんです。
VWにはビートル&ゴルフファン。BMWには2002&初代3シリーズファン。比較的低価格だが高品質でジャーマンクラフトマンシップが感じられる車を愛するというロイヤルカスタマーがしっかりいたのですが、今ってここに刺さる車が無いような気がするのは私だけでしょうか。
ましてやBYDともなると海の物とも山の物とも分からないわけで、そこをブレイクスルーするには「5年後50%買取保証(無事故の場合)」や「バッテリーを含めた主要機関10年保証(無事故の場合)」といったものが必要でしょうし、「電気自動車初購入の方にご自宅用充電設備無料設置」なんてのも効果があるでしょう。
ちなみに私はVWだとゴルフ2とポロ2(初代正規ディーラー物)に、BMWだとBMW520i(E28)とBMW528i(E39)に乗ってました。すべていい車だったのですが、高温多湿の日本で乗るには日本車が最高だし、日本車って新車価格が安いのに下取り価格が高いんですよねー。
値引きプロモーションは戦略的にやらないと、激しい買い控えを誘発したりブランド価値を棄損してしまうと思うので、うまくやったほうが良いかもと思いました。1年は52週間なので、まず52週間のマーケティングプラン作成が必要でしょうね。
(やっぱりブログが長くなってすみません。明日こそは短くしたいと今は思っております)
gq1023 at 06:59|Permalink
2025年08月16日
座席が最初から倒されているピーチがスゴイ件
前回の台湾出張にはピーチというLCC航空会社を使用しました。決して価格で決めたわけではなく、羽田発着で朝一番に台北着の便を選んだらピーチでした。国際線なので窓口でのチェックイン手続きが必要。ピーチのチェックイン時間は120分前から50分前までとなっていたので、6時前出発の便でしたから始発電車でも間に合わず乗り合いタクシーのニアミーを利用。
じつは前々夜に予約したのですが、スカイスキャナーという航空券比較サイトで検索し、一番安い価格だったのが「サプライス!」というHIS系の格安航空券販売サイトでして、ピーチ公式より往復で1500円ほど安かったのでそれに決めました。
そこが落とし穴で、公式サイトから予約しないと追加料金を払っての事前座席指定がオンラインで出来ないことになってました。旅行代理店経由の予約は座席指定も旅行代理店経由じゃないとダメということなのですが買うまで気づかなかったなー。
チェックイン窓口で運命の座席は!? というと、LCC利用時に普段は絶対選ばない足元の広くない窓側座席でした。しかもすでに足元の広い座席も通路側座席も埋まっているとのこと。
片側3列席の窓側ってトイレ行く時は出るのが大変だし、そもそも飛行機も新幹線も窓側席って頭上は狭いし横に壁があるしで嫌なんですけど仕方ないと搭乗すると、使用機材はエアバスA320neoで座席は全席「電源ナシ」「モニターナシ」「リクライニングナシ」。
でもこのリクライニングですが、ピーチの説明によると「背もたれがあらかじめ15度に倒れた状態に固定されているプレリクライニングシート」とのことで、自分も倒せないけど前の人も倒して来ないので、じつは結果的に快適であることに気づきました。
昨年4月にドバイ経由バルセロナへ行った際は、出張決定が前日夕方だったしF1鈴鹿ラウンド決勝日の深夜羽田発だったこともあり座席が超満席。まさかの羽田ードバイ/ドバイーバルセロナがどちらも真ん中の刑なのに全席の人がフルで座席を倒して来て、トイレも行けない17時間を過ごしたのですが、それよりは全然マシ。
調べてみると、これ「近年の航空関連におけるマーケティング業界の勝利作品」であると分かりました。今やこれが新常識だそうです。
このシートは座席が固定されているので「安全」で、機内エンタメ/電源/リクライニング機構が無いので「壊れない」「軽量」、前後の間隔が変わらずしかも少し倒れているので「快適」、さらにCAさんは「離発着時の背もたれ位置確認不要」なのだそうです。スゴイ!
マーケティングプランナーの私としてはこういうことを考えないといけないのですが、飲料の試飲会とか新車展示をやる程度のことしか企画しておらず情けない・・・。
LCCや新幹線の普通座席はプレリクライニングシートでいいじゃん!と思ったことを忘れた頃に思い出しました。ちなみにこの体験は昨年6月のことです。遅くなってすみません。
gq1023 at 06:48|Permalink









