マイケル

2026年06月15日 04:44

640映画『マイケル』を観てきました。あくまでも私個人の感想ですので、「そういう見方をした人もいるんだな」程度に読んでいただければ幸いです。感想は人それぞれですので、どうか優しくお願いします。

もちろんネタバレになるような内容は書きません。予告編などで公開されている範囲での感想です。

物語は、ジャクソン家の子どもたちが家族バンドとして活動していた1960年代半ばから、1987年にスタートした「BADツアー」前後までが描かれています。

いきなり私が生まれる前の時代から物語が始まるのですが、その頃から父ジョセフによる厳しい指導のもと、マイケルが家族バンドのメインボーカルとして鍛えられていたことに驚かされました。

正直なところ、私は「マイケル・ジャクソン=世界的スーパースター」というイメージしか持っていなかったので、あれほど幼い頃からプロとして活動していたことを改めて知り、衝撃を受けました。

私が生まれる前に活動を開始し、私が生まれた年にはモータウンからデビュー。映画の中では、ダイアナ・ロスに送り出されながら大舞台へと歩み出していくシーンが描かれています。

「こんな風に一気にスターダムへ駆け上がっていったのか!」

そんな感動を覚えながらスクリーンを見つめていました。

私自身が初めてマイケル・ジャクソンを生で見たのは1987年9月、西宮球場で行われた「BADツアー」の公演でした。今回の映画は、ちょうどその時代までを描いています。

今では信じられませんが、当時は「マイケル・ジャクソンが日本に来るらしい」という話だけで大ニュースでした。そして、その会場が住宅街のど真ん中にある西宮球場だったことにも驚いた記憶があります。

当時の球場は今のスタジアムのような設備ではなく、人工芝もフワフワしただけの素材で、搬入・搬出は本当に大変でした。

マイケルは、愛猿のバブルス君を連れて来日。大阪市役所を訪問した際には、「出された日本茶をバブルス君が飲んで大喜びした」といったニュースが連日報じられ、日本中が大騒ぎになっていました。

念のため書いておきますが、この映画には、私が搬入・搬出でヒーヒー言っているシーンも、バブルス君が日本茶を飲むシーンも出てきません。

ただ映画を観ていると、自分自身の記憶が次々によみがえってきました。
公演期間中、たまたま一日だけ母と客席からライブを観る機会があったのですが、隣の席には文珍師匠ご夫妻がおられたことまで思い出しました。

映画全体を通して印象的だったのは、「家族愛」が一貫して描かれていることです。それはジャクソン家の家族愛だけではありません。

動物たちへの愛情、ファンへの感謝、病気や苦しみを抱える子どもたちへの思いやり。そして数多くの慈善活動。マイケルがなぜ世界中の人々から愛され続けているのか、その背景が丁寧に描かれていたように感じました。

もちろん主演俳優は本人ではありませんから、歌やダンス、顔立ちの再現度だけを細かく見れば完璧ではありません。それでも、彼の演技は圧巻でした。仕草や表情、立ち居振る舞いに至るまで、「マイケルが憑依したのではないか」と思えるほど見事だったのです。

もし『ボヘミアン・ラプソディ』のようなライブシーン中心の作品をイメージして観に行くと、少し印象が違うかもしれません。本作はコンサート映画ではなく、マイケル・ジャクソンという人物の歩みを描いた伝記映画です。そのためライブシーンの比重はそれほど高くありません。

しかし、その分だけマイケルという人物の人生や苦悩、そして成功への道のりがしっかりと描かれています。

今回描かれたのは、世界的スーパースターへと駆け上がるまでの物語。もし続編が制作されるなら、『BAD』以降の全盛期が舞台となり、数々の伝説的なステージも描かれるのではないでしょうか。ぜひ期待したいところです。

映画『マイケル』は、とても見応えのある作品でした。マイケル・ジャクソンを知る世代の方はもちろん、名前しか知らない若い世代にもおすすめできる一本です。機会があれば、ぜひ映画館の大きなスクリーンでご覧になってみてください。

最後に、映画を観ながら思い出した個人的なエピソードをひとつ。

今はなきキャピトル東急ホテルで、私がエレベーターに乗ろうとした瞬間、中にはマイケル・ジャクソンとボディーガードが乗っていました。

ボディーガードが「No!」と制止する中、マイケル本人は、あのいつもの優しい笑顔のまま、「ソーリー、ソーリー」とエレベーターが閉まるまで何度も声を掛けてくれました。

映画の中で再現されていた、あの口角の上がった穏やかな笑顔を見ているうちに、その時の光景が鮮明によみがえってきました。そんな思い出も含めて、私にとってはとても感慨深い映画でした。

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