ホルモン
2026年05月27日 02:02
私は兵庫県宝塚市出身で、3歳から17歳までの13年間を神戸で暮らし、22歳から27歳までと31歳の時の足掛け6年間を大阪で働いていました。関西と言っても住んだのは宝塚・神戸・西宮・大阪・尼崎といった場所だけで、京都や奈良も同じかどうかは分かりません。しかし東京に来た頃、私が驚いたことのひとつが焼肉屋の多さと、その商品構成の違いでした。
まず驚くのは、異常なまでの店舗数。今住んでいる武蔵小山だけでも10店舗以上あります。そして結構な確率で、メニューの中に豚や鶏があるのです。
大前提として、私の育った環境では「肉=牛」という感覚がありました。東京で言う肉まんは、関西では豚まん。だから焼肉屋で豚や鶏を頼んだ記憶がほとんどありません。もしかするとメニューにはあったのかもしれませんが、少なくとも意識したことはありませんでした。
間違いないのは、焼肉といえば牛ロース・牛ヒレ・牛タン・牛ホルモン各種という構成だったこと。私が通っていた店ではロースやバラという呼び方が一般的で、カルビという言葉を強く意識した記憶もありません。
ところが東京へ来ると、カルビが焼肉の主役のような扱いを受けています。しかも脂身がかなり多い。
先日も大手チェーンの焼肉店で上カルビを注文したのですが、あまりに脂が多すぎてハサミを借り、自席でトリミングさせてもらいました。大げさではなく、半分近くは切り落としたと思います。それでも脂が多く、結局残してしまいました。
もちろん、これは私の好みの問題なのかもしれません。関東には脂の甘さや口どけを楽しむ文化があるのでしょう。
一方で私が慣れ親しんだ焼肉は、どちらかと言えば肉そのものの旨味を味わうものでした。ロースの旨味。ヒレの柔らかさ。ハラミの食感。そしてホルモンの奥深さ。そういう世界です。
個人的には牛ホルモン好きなので、ミノ・テッチャン・アカセン・マメ・せんまい・ハチノス・ギアラ・ハツ・・・煙モクモクの店でホルモンを焼きながら食べるのが当たり前だった関西時代をたまに思い出します。
それにしても東京という街は不思議です。人生の中で東京生活も28年になりました。最初は「なぜ焼肉屋で豚や鶏を出すのだろう」「なぜこんなに脂の多いカルビが人気なのだろう」と首を傾げていました。
ところが28年も住んでいると、自分も普通に豚トロを注文し、カルビを食べるようになっています。昔の自分なら「焼肉屋で豚を食べるなんて」と言っていたはずなのに、人間とは慣れる生き物です。徐々に東京に毒されているのかもしれません。
それはさて置き、いま私が武蔵小山で気に入っているお店は「ばぶ」。バングラデシュ出身のオーナーが営む小さなお店ですが、出てくる肉が本当に美味しい。
実はこの場所、かつて「みやこや」という老舗焼肉店があった場所。肉の仕入れやトリミングのノウハウが受け継がれていて、伝統のタレについても当時のまま。素敵なお店です。
メニューを見て悩む必要もありません。まずはおすすめを聞いてみてください。たぶん、その日に一番美味しい肉が出てきます。私のようなホルモン好きでも満足できる、数少ないお気に入りの一軒です。
店はかなり狭いですが、2階にはお座敷もあります。あえてリンクは貼りません。もし興味があれば探して行ってみてくださいねー。








