ペアローン
2026年06月23日 06:45
私が住宅ローンを組んだのは2002年。ありがたいことにサッカーワールドカップが日本と韓国で開催され、Jリーグ開幕前から長年サッカー作業に限りなくボランティアに近い状態から関わって来たのが、2001年に花開いたのがキッカケでした。簡単に書くと貯蓄の無い私に頭金を払える状況が出来たってこと。33歳の私は生命保険を解約しても300万円程度しか現金が用意できない状態だったのに、サッカーワールドカップ関連作業で奇跡的に300万円ほどの臨時収入があり、一撃必殺で600万円の現金が用意できたのです。
住宅ローンを組むには物件価格の2割ほど現金が必要です。現金が600万円用意できるってことは、3千万円の物件が買えるってことになります。でも3千万円ではさすがに都内でマンションや一戸建ては買えない感じでした。
当時住んでいた武蔵小山の2LDK賃貸マンション家賃は15万円で駐車場が2万5千円だったので、月々17万5千円が返済上限。当時の10年固定金利は3%程度でしたので、35年フルローンなら借入可能額は約 4,650万円となります。
そんなわけで未公開新築戸建てに焦点を絞り、5千万円前後の物件を探し、5500万円の物件に1100万円の頭金を用意したように見せかけて、4500万円のローン申し込みをする作戦に出ました。
毎朝近所を30分ほどジョギングして新築物件を探してみつけたのが今の家。4450万円で売り出されていたのですが、ここに大きなテラスを加えたり1個だったトイレを2個に増やしたり、屋根と外壁塗装の仕様を上げたりして500万円ほど仕様変更を加え、ローン審査にチャレンジしました。
それでも今もメインバンクの信用金庫さんでは担保不足の烙印を押され、同じくメインバンクの一つである三井住友銀行にも却下され、電通時代に給与振込口座として作らされたみずほ銀行も却下。奇跡的にローン審査を通してくれたのが、不動産屋さんの紹介してくれたりそな銀行でした。
組めたローンは団信付きで4350万円。手数料と火災保険で別途150万円。これを10年固定金利の年利3%の35年で月々17万5千円返済でのスタートでした。
ところが返済開始から数年で金利低下の波が来て他行への借り換えを画策。その話しをりそな銀行さんに持って行くと、「印鑑があれば借り換え先と同じ金利にします」と言われ、10年固定の金利が1%に変わり、月々の返済が12万5千円と5万円も下がりました。
10年経過してまた10年固定にした際に金利が1.05%となって月々13万2千円程度の返済が続きまして、金利3%で4年、1%で10年、1.05%で10年の返済でした。
・当初4年間 17.5万円 × 48か月=840万円
・次の10年間 12.5万円 × 120か月=1,500万円
・直近10年間 13.2万円 × 120か月=1,584万円
・繰り上げ返済 200万円
ここまでで、4124万円を払って残債が1500万円、ここから完済までの金利が10年固定で4%の月15万3千円が2036年1月まで続くので、最終的な支払総額は約5,700万円となります。
苦しい時もつらい時も続いたローン返済ですが、今まで返し続けて来られたのは、お仕事を下さった全ての皆様のおかげであり、社員の皆様の頑張りのおかげでもあり、さらに日本を平和に運営してくださった政府関係者のみなさまのおかげでもあります。
私は1度も変動金利を選択したことが無いのですが、今の変動金利制住宅ローンには金利上昇局面になると即死するような謎の仕組みがいくつも用意されています。でもその謎の仕組みのおかげで多くの方々は変動金利を選択。今や8割の方は変動金利を選んでいるそうです。
その仕組みは「金利見直しは半年ごと」「返済額の見直しは通常5年ごと(5年ルール)」、返済額を見直す際も、「前回返済額の125%を超えてはいけない」となっていて、例えば月10万円返済なら、次回見直し後の上限は12万5千円、その次は15万6千円が上限です。
つまり、一見すると返済額が急激に上がることは無いように見えるのですが、金利が上昇しても返済額が変わらないってことは借金は増え続けるってことです。
例えば、2024年4月に5000万円を変動金利0.4%で借りたとします。均等払いなら月々の返済額は約12.7万円。これが現在1.65%、来年4月に2%、再来年4月に2.5%となった場合でも、2029年4月までは
返済額は月額約12.7万円のまま。そうするとローン残高が以下のように全然減らなくなるのです。
・2025年4月残債 約4,867万円
・2026年4月残債 約4,733万円
・2027年4月残債 約4,657万円
・2028年4月残債 約4,597万円
・2029年4月残債 約4,558万円
しかも、このシナリオで2029年4月を迎えると、4,558万円を30年ローンで返すなら月の返済額は約18万円になるはずなのに、125%ルールで15万9千円にしかならないのですよ。
金利上昇が2.5%で止まったとしましょう。そして2029年4月の返済額見直し後は、2034年4月にさらに25%上昇して18万6千円になって止まったと幸せなシナリオに設定します。そうすると以下のような数字になります。
・2029年4月 月返済額 約15.9万円 残債約4,558万円
・2034年4月 月返済額 約18.6万円 残債約4,146万円
・2039年4月 月返済額 約18.6万円 残債約3,510万円
・2044年4月 月返済額 約18.6万円 残債約2,789万円
・2049年4月 月返済額 約18.6万円 残債約1,973万円
・2054年4月 月返済額 約18.6万円 残債約1,048万円
・2059年4月 月返済額 約18.6万円 ほぼ完済
2024年に35年ローンを組んでいるわけですから完済は2059年。2034年の返済額見直しで必要返済額まで引き上げられれば、当初予定どおり2059年ごろに完済できます。それでも、当初12.7万円だった返済額は最終的に18.6万円程度まで上がるのですよ。
もし2029年以降も15.9万円のまま据え置かれた場合は、2059年時点で残債が約1,100万円残る計算です。そのまま完済まで行くには約47年かかる計算になり、総返済額は金利0.4%で約5,360万円だったのが、このシナリオで35年返済の場合約7,300万円、47年返済だと9千万円近くになります。
こんな危険な話なのに、今はさらに長期の50年ローンを組み、しかも夫婦でペアローンを組んで1億円近い借入をしているケースも珍しくありません。
もちろん、その選択が間違っていると言うつもりはありません。都心部の住宅価格が高騰する中で、そうしなければ希望する住まいを手に入れられない事情もあるでしょう。
ただ、私が4350万円を借りた2002年当時は、金利3%でも「高いなあ」と思いながらローン契約書に判を押しました。そしてその後、20年以上にわたって歴史的な低金利の恩恵を受けることができたのは、今振り返ればかなり幸運だったのだと思います。
住宅ローンは人生最大の借金です。だからこそ私は、「今払えるか」よりも「金利が上がっても払い続けられるか」を重視してきました。
幸いにも私の住宅ローンは2036年1月で完済予定です。あと10年足らず。23歳で加入した個人年金が2年後の60歳から毎月6万円ほど入ってきますし、65歳から年金受給が始まれば12万円超は入るので、なんとか払えるとは思いますが、それでも68歳まで返済は続くのです。
残りの返済も気を抜かずに続けながら私も頑張りますが、今まさに住宅ローンを組もうとしている方には、これがいかに長く大変なものかということをこのブログ記事から読み取っていただければ幸いです。









