ハイブリッド

2026年08月10日 06:51

スクリーンショット 2026-08-10 063156昨年11月にステップワゴンを売却した際、「驚くような価格で売れた」というブログ記事を書いたと思います。今日は、なぜそんなことが起きたのか、その理由について改めて書いてみたいと思います。

ステップワゴンを購入する際、私は最初からハイブリッド車を選択肢から外していました。理由は海外市場です。

日本国内では燃費性能に優れたハイブリッド車が人気ですが、海外まで視野を広げると事情が少し変わります。国や地域によっては、故障した際の修理や部品調達が容易なガソリン車の方が好まれ、中古車価格も安定しやすい傾向があります。

さらに重視したのが、同じ右ハンドル国であるマレーシアの中古車輸入規制でした。マレーシアでは輸入できる中古車の車齢に制限があります。そのため、「程度の良い高年式ガソリン車を購入して、1回目の車検を迎える3年以内に売却する」という前提で車選びを進めました。

知り合いのホンダディーラーが見つけてくれたのは、登録からわずか4か月しか経っていないディーラー試乗車でした。純正ナビ付きで諸費用込み365万円。しかも、この5年間で3台目の購入だったこともあり、さらに5万円値引きしていただきました。ほとんど新車に近い状態のステップワゴンを、かなり良い条件で購入できたわけです。

購入したのは2023年5月。翌月には40系アルファード/ヴェルファイアが発売されるというタイミングでした。

一方、世界に目を向けると、ロシアによるウクライナ侵攻から約1年が経過し、西側の自動車メーカーがロシア市場から相次いで撤退していました。その結果、ロシア国内では新車不足が深刻化し、日本から高年式中古車が大量に輸出される状況になっていました。

そんな中、私がステップワゴンを購入してからわずか3か月後の2023年8月、日本政府がロシア向け自動車輸出規制を強化します。規制対象が拡大され、排気量1,900ccを超えるガソリン車やディーゼル車、ハイブリッド車などが輸出禁止の対象になりました。

これによって、ロシアで人気の高かったアルファード/ヴェルファイアなどの大型ミニバンの多くが、日本から輸出できなくなります。

ステップワゴンもで言えばハイブリッドのe:HEVは2,000ccエンジンなので規制対象。ところがガソリンモデルは1,500ccターボです。こちらは輸出可能でした。

つまり、「日本製の程度の良いミニバンが欲しい」というロシア側の需要に対して、ステップワゴンの1,500ccガソリンモデルが非常に都合の良い存在になったわけです。

そこへ、さらに追い風となったのがロシア側の「リサイクル税」です。ロシアでは輸入車に対してリサイクル税が課せられており、その負担額は中古車価格にも大きく影響します。そして制度変更によって、エンジン出力も重要な基準となりました。

ここでもステップワゴンのガソリンモデルは絶妙でした。というのも、最高出力150PSでロシア側の高出力規制にも引っかからなかったのです。まるで最初からロシアへの中古車輸出を想定して設計したのではないかと思ってしまうほど、条件にピタリとはまってしまったのです。

こうした複数の要因が重なったことで、ステップワゴンのガソリンモデルに海外からの需要が集中し、中古車相場が上昇していきました。

もちろん、こんなことは購入した時には全く予想していません。私が考えていたのは、せいぜい「海外需要を考えるならガソリン車」「マレーシアなどへの輸出を考えるなら高年式のうちに売却した方がいい」という程度でした。

その後に起きる日本政府による対ロシア輸出規制や、ロシア国内の制度変更まで予測できるはずもありません。そこは完全に偶然でした。

そして2025年11月。1回目の車検を迎える直前、当初の予定通りステップワゴンを売却することにしました。2023年5月に購入していますから、所有期間は2年6か月です。2年半も乗った中古車ですから、普通に考えれば購入した時より安くなって当然です。

ところが、実際に査定に出してみると、想像を超える金額が提示されました。なんと、購入した金額を15万円以上も上回る価格で売却できたのです。2年半クルマを使って、それでも購入した時より高く売れた。普通の商品なら、なかなか考えにくい話です。

もちろん、購入した車両そのものが登録4か月のディーラー試乗車で、最初から割安に購入できていたことも大きかったと思います。しかし、それだけで説明できる値段ではありません。

中古車は「買うタイミング」と「売るタイミング」、そして為替、海外需要、戦争、経済制裁、輸出規制、輸入国の税制など、世界情勢が驚くほど価格に影響する商品なのだと改めて実感しました。

ミニバンのリセールバリューについては、長年、「アルファード/ヴェルファイアなら、買った時より高く売れる」という話がまるで常識のように発信され続けてきました。ところが、実際には何でも良いわけではありません。

海外輸出を強く意識するのであれば、ボディカラーは白か黒が有利だったり、仕向け地によってはハイブリッドよりガソリン車が好まれたり、年式、グレード、排気量などによっても査定額は大きく変わります。「アルファードなら何を買っても高く売れる」というほど単純な話ではなかったわけです。

そして、もっと知られていなかったのがステップワゴンでした。ステップワゴンはアルファードほど新車販売台数が多くありません。普通に考えれば「人気がないから売れていない」と考えてしまいます。ところが中古車輸出の世界では、それが逆にメリットになる場合があります。

新車販売台数が少ないということは、数年後に中古車市場へ出てくる台数も少ないということです。そこへ海外から特定仕様の需要が集中すれば、当然ながらタマ不足になります。「欲しい人はいる。でも売り物が少ない」となれば、買取店や輸出業者は車両を確保するために仕入れ価格を上げざるを得ません。

特にステップワゴンの場合、e:HEVではなく1,500ccガソリンモデルという条件まで付けば、対象となる中古車はさらに限られます。これがステップワゴンのガソリンモデルの買取価格を押し上げた大きな要因の一つだったのだと思います。

私自身、購入する際には「海外へ売るならガソリン車」という意識はありました。しかし、新車販売台数が少ないことまでが後々こんな形でプラスに働くとは、全く考えていませんでした。

最後に、今回いくつもの中古車買取専門店を回っていて面白かった話を一つ。

担当者と「これから値落ちしにくいクルマは何ですか?」という話をすると、意外な車名が何度も出てきました。それはホンダ・ヴェゼルのガソリン車です。アルファードでもありません。

ランドクルーザーでもありません。「一番値上がりが期待できるのはヴェゼルのガソリン車」という話を複数の買取店で聞きました。理由は、やはり海外需要だそうです。

もちろん、将来の中古車価格など誰にも分かりません。私自身、その話がどこまで正しいのかを検証したわけでもありませんので、「ヴェゼルを買えば必ず儲かる」などという話ではありません。ただ、中古のヴェゼルが驚くほど高い価格で取引されているケースがあるのは確かなようです。

今回のステップワゴンもそうでしたが、中古車の価格というのは、日本国内での人気だけで決まっているわけではありません。

「海外のどの国で人気があるのか」
「その国へ輸出できる年式なのか」
「排気量やエンジン出力の規制に引っかからないか」
「ガソリン、ディーゼル、ハイブリッドのどれが好まれるのか」
「右ハンドルなのか左ハンドルなのか」

そして、「その仕様の中古車が日本国内に何台存在するのか」

こうした様々な条件が組み合わさって、時には新車価格を超えるような中古車相場が生まれます。

今回のステップワゴンは、購入時からある程度「売る時」を考えて車種を選んだとはいえ、最終的には世界情勢の変化によって想像もしなかった高値になりました。もし車を買おうと思っている方がいれば、日本車の海外売却に詳しい方へ相談することをお勧めします。

2025年11月02日 05:47

スクリーンショット 2025-11-02 053952アメリカでショッピングモール(以下SC)が死の瀬戸際に瀕しているという話しをブログに書いたのが2012年6月。あれから10年以上が経過して、その波が日本にもやって来ている感じがしてます。

都市型の高層ビル低層階に商業施設を入れるパターンも岐路に立っており、全力で富裕層に振った麻布台ヒルズは一般人の中では話題にも上がらず、今年に入っても高輪ゲートウェイ駅直結のニュウマン高輪以外の新規ショッピングモールの話題は全くといっていいほど耳に入ってきません。

主役であるららぽーとやイオンモールですら2024年は国内の新規開業がゼロだったかも。今年になって4月にららぽーと安城が、今月になってイオンモール須坂とイオンモール仙台上杉が開業しましたが、こちらもあまり話題に上ってきません。

都心では自家用車保有比率が下がり続け東京23区内では4割を切っていて、現実には複数台持ちがいるので世帯で言うと2割以下しか自家用車を持っていない感じ。車が無ければ郊外型SCに行くわけが無いので、おのずと主要駅前商業施設しか行かなくなります。

そうは言ってもSC内のイベントスペースや広告スペースを開発してセールスするのが弊社の仕事ですから、生死にかかわる話しではあるのですが、だからといって現状に目をつぶって未来が明るいとウソぶくのは自分のポリシー的に無理なんですよねー。

BYDがイオングループと組んで新車展示・販売を特別値引きをつけて実施するそうです。面白い動きではありますが、逆の書き方をすると国産自動車メーカーや既存のメルセデス・BMW・VWといった海外大手がイオンに興味を持たなくなったとも言えるでしょう。

ただ、今回のジャパンモビリティショー2025ではBYDの本命であるハイブリッドエンジンを搭載した「SEALION 6」を日本初公開&先行予約受付を開始していて、これの実車と来年夏発売開始の軽自動車「RACCO」がイオンモールに展示されるとなると、相当な集客効果を発揮するとは思いますけどね。

大店法改正以降の大規模SC開業で中心市街地がボロボロになった地方都市だらけの日本。そこにやって来ているSC淘汰の嵐。将来は今のガソリンスタンドがそうであるように、簡単な買い物ですら車で30分以上走らないと行けない場所が激増するのはないかと思ってます。

man

2025年10月31日 05:16

スクリーンショット 2025-10-31 044223ジャパンモビリティショー2025でトヨタゾーンに位置するダイハツに展示されている「K-VISION」というコンセプトカーがあるのですが、ほとんど妄想で勝手に書かせていただくと来年発売の新型車でしょう。だって市販前提レベルの仕上がりですから。

おそらくBYDから新型軽自動車が出て来る前提で新型開発が進められたと思われ、将来的にはEV化を見据えた全体構造としつつ、ストロングハイブリッドの「e-SMART HYBRID」を軽自動車用に新開発して搭載。

ただ、全高が1,680mmなのでスーパーハイトワゴンよりは低く、現行タントが1,755mm(4WDは1,775mm)なので、そこは「新型タントじゃ無いかも」と思わせるポイントだったりもするのですが、コンセプトカーにしては現実的な部分がプンプン。

まずドアハンドルが流行りのボディと面一のフラッシュサーフェスになっているヤツでは無く市販モデル同様の物が取り付けられ鍵穴まで付いてます。さすがに鍵穴が付いてるコンセプトカーって無いですからね。

しかも窓にはウインドウモールのゴムが入ってるんです。これもコンセプトカーにしてはおかしい。普通のモックアップなら窓なんて開閉しませんし、モールゴムなんて入ってませんから。

さらにインテリアが室内照明に関する部分まで現実的な感じで仕上がってます。ドアミラーもデジタルじゃなく普通のアナログタイプ。そこまで現実的に仕上げるデザインスタディモデルは無いよなーって感じ。

唯一違和感があるのは前後に通常の「Dマークエンブレム」じゃなく「DAIHATSU」と文字だけ光るパーツが取り付けられている点。これは軽自動車にはムダな装備かもと思っちゃいました。

もしかするとこのまま6cmほど全高が上がったモデルもあって、それが新型タントとして出て来るのかもしれませんが、間違いないのはダイハツはストロングハイブリッドモデルを今後出して来るってこと。いよいよ軽自動車もリッター30km超え時代になるかもしれませんね。

スクリーンショット 2025-10-31 051012

2025年07月12日 05:12

seagalいま中国の自動車メーカーBYDが猛烈な勢いで人材募集(リンク)を行っています。本社は横浜駅近くですのでターゲットは社長交代やリストラ策で話題のあの会社だと思います。

BYDは今年4月に「2026年後半に軽自動車市場に参入」と公式に発表していて、現在中国本土で販売中の一番小さいサイズであるシーガルが全長3780mm/全幅1715mm/全高1540mmなので、これを軽自動車として売ることはサイズ的にできません。

軽自動車規格は「全長3.4m以下/幅1.48m以下/高さ2.0m以下」ですので、新しいサイズの車両を開発するのだと思いますが、この会社って電気自動車で有名になったのですが、ここ数年で完全にハイブリッド車中心の会社に変化しました。

今年はジャパンモビリティショー2025(旧東京モーターショー)が10月30日から11月9日で予定されているので、早ければここで新型軽自動車の発表と思いたいところではありますが、早々にネタバレとはしないでしょうから、ここは軽自動車コンセプトやデザイン案にとどまると思ってます。

最大の本命は来年4月24日のプレスデーから始まるAuto China 2026(通称:北京モーターショー)で、ここで1962年の東京モーターショーでホンダが初の4輪車を展示した時を思い起こさせる軽スポーツカー&軽トラックを出して来ると結構な衝撃度でしょう。

もちろん軽スポーツカーと軽トラックのプラットフォームは主戦場となる軽ハイトワゴン用で、こちらも同時発表され、自動車ジャーナリスト向け試乗会が(北京or横浜)で開催なら、来年後半発売開始へ向けた事前準備は完璧ではないでしょうか。

そもそもBYDは軽自動車参入より前に「2026年以降に日本でEVトラック発売」をリリースしていまして、軽電気自動車のトラックやバンを必要としているのは宅配業者さんですので、すでに三菱軽EV(ミニキャブ)を導入している日本郵便に対抗してヤマト運輸と提携なんてのが出てくるとさらにインパクト絶大。

フォーミュラEの東京大会は7月25・26日なので、ここで大々的に実車展示/ネットでの予約受付開始/全国ディーラー網発表。販売店へのデリバリーが9月から開始され、9月中旬から末にかけてBYD社長が来日して各種メディア対応をして、中華人民共和国の成立を祝う10月1日の国慶節が木曜日なのでココで販売開始かなーって勝手に思ってます。

ここまでアホなオッサンの空想によるローンチプランをお読みいただいてありがとうございます。でも、私がプロモーションやるなら早朝にボヤっと考えてもこの程度は思いつくので、ちゃんとギャラをもらう方々なら、もっとまともな企画を考える事でしょう。

まずは販売店がどうなるかですが、そこは今回の求人で日産・BMW系が多いと既存販売店が「BYDもやろうかな」となる可能性は意外とあるんじゃないかと思います。

応募期限は7月末となっておりますので、ご興味のある方は応募されてはいかがでしょうか。なんと職種によっては「各ポジションの選考は先着順」なんて記述もあるので、面白いなーと思っている私です。

最後になりましたが、お仕事のご用命もお待ちしております。

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