サーキット
2026年09月20日 05:44
全日本ロードレース選手権に長年トップライダーとして参戦し続けている名越哲平(SDG Team HARC-PRO. Honda)選手が、2026年シーズン限りでの現役引退を発表しました。まだ29歳と若く、今年も表彰台に上がる活躍を続けているだけに、あまりにも早い引退表明に驚きました。報道によると、昨年の全日本ロードレース選手権第5戦オートポリスラウンドで負ったケガの影響が大きく、最終的に引退を決意したとのことです。
名越選手は2015年から全日本ロードレース選手権ST600クラスに参戦。ちょうどその年、MOTO BUMから榎戸育寛選手を参戦させていたこともあり、榎戸選手を見る際には、常に同世代の名越選手の活躍が刺激になっていました。
2015年は榎戸選手がランキング9位、名越選手が15位。そして翌2016年には、榎戸選手がST600チャンピオンを獲得し、名越選手もランキング3位まで躍進。2人とも短期間で一気にトップライダーへと成長していきました。
その後、榎戸選手はJ-GP2へステップアップ。一方の名越選手もST600からJ-GP2へと進み、2018年にランキング3位、そして2019年にはついにJ-GP2年間チャンピオンを獲得しました。
榎戸選手は2023年を最後に年間フル参戦からの引退を発表しました。その時も「まだ早いのに」と寂しく感じたのですが、今度は長年その榎戸選手と競い合ってきた名越選手まで、29歳で現役を退くことになりました。
私にとってこの2人は、単に全日本で活躍していたライダーというだけではありません。2015年のST600時代から、榎戸選手を追いかけていると必ずそこに名越選手がいて、順位表を見ても、予選を見ても、決勝を見ても、ずっと気になる存在でした。
だからこそ、名越選手の引退は一人のトップライダーが去るという以上に、ひとつの時代が終わっていくような寂しさを感じます。
そして、もうひとつ寂しいことがあります。2026年シーズン限りでの引退を表明している中須賀克行選手も、名越選手と同じ「目玉ヘルメット」のライダーです。
全日本ロードレースを見ている人なら、サーキットを走るマシンを遠くから見ても、ヘルメットの大きな目玉で「あ、中須賀選手だ」「名越選手だ」と分かるほど印象的なデザインです。
もちろん、2人のキャリアはまったく違います。長年JSB1000の頂点で戦い続けてきた中須賀選手と、まだ29歳で、これからもトップカテゴリーで活躍し続けると思っていた名越選手。その2人が、同じ2026年を最後に全日本のグリッドから姿を消すことになります。
榎戸育寛選手が年間フル参戦を終え、今度は名越哲平選手、そして中須賀克行選手まで。私にとっては、ひとつの時代が終わるというだけではなく、全日本ロードレースの景色そのものが変わってしまうような感覚があります。
来年、スターティンググリッドを眺めた時、「目玉がいない」。その時になって初めて、本当に引退したんだなと実感するのかもしれません。
とはいえ、まだ2026年シーズンは終わっていません。最後のチェッカーを受けるその瞬間まで、名越哲平というライダーの走り、そして見慣れた「目玉ヘルメット」を、しっかり目に焼き付けておきたいと思います。
2026年09月12日 06:22
GAZOO Racing(以下GR)が、入門用レーシングカート「GR KART」を9月10日から発売しました。以前このブログでも、長年にわたって日本のレーシングカートを支えてきたヤマハが、2027年末をもってレーシングカート事業から撤退すること、そして、その一方でトヨタが入門用レーシングカートの量産を計画していることについて触れました。
ヤマハは1973年から約50年にわたってレーシングカート事業を続けてきたメーカーです。そのヤマハが撤退するというニュースには寂しさを感じましたが、そのタイミングでトヨタが新たにカートの世界へ入ってくる。これは非常にありがたい話だと思っていました。
ただ、まさかこんな価格で出してくるとは思いませんでした。GR KARTのメーカー希望小売価格は、なんと税込385,000円です。
もちろん38万5000円という金額自体は決して安い買い物ではありません。しかし、これは遊園地などにあるレンタルカートではなく、自分で所有してサーキットを走るためのレーシングカートです。
しかも、単に価格を安くしただけではありません。私が「これはすごい」と思ったのが、徹底的に「普通の家族が所有すること」を考えて作られていることです。
まず、子どもから大人まで1台を共有できます。ペダル位置をワンタッチで動かせるペダルスライドと、ステアリングの角度を変えられる機構を採用し、身長135cmから185cmまで対応。つまり、お父さんが乗ったあとにポジションを調整して子どもが乗る、といった使い方ができるわけです。
そして、さらに素晴らしいのが運搬方法です。レーシングカートを始めようとすると、カート本体だけ買えばいいという話ではありません。どうやってサーキットまで運ぶのか?家のどこに置いておくのか?整備はどうするのか?こうした問題が次々に出てきます。
ところがGR KARTは、ノアやヴォクシーといった普通のミニバンに、分解せずそのまま積載できるように設計されています。さらに自宅では立てた状態で保管することもできます。
しかも、単に「立てられます」という話ではありません。立ててもガソリンやエンジンオイルが漏れにくいように考えられていて、エンジンオイルキャッチタンクやダイヤフラム式キャブレターを採用するなど、縦置き保管まで最初から想定されています。
そして駆動にはチェーンではなくベルトを採用。チェーンオイルによる汚れをなくし、オートテンショナーによって張り調整も不要にするなど、メンテナンスの手間まで減らしています。これはモータースポーツの底辺を広げるために考えられた本気のレーシングカートだと思います。
そして、もう一つ「これは本気だな」と感じたのが、購入後の講習システムまで用意されていることです。
GR KARTは、販売店で車両を買って「では、あとは自分でどうぞ」という商品ではありません。初めてカートに乗る人のために、動画による学習やオンラインテスト、さらにカートコースでの実技講習まで用意されています。
考えてみれば、これも非常に重要です。今までレーシングカートに縁のなかった親子が「面白そうだから買ってみよう」と思っても、最初に困るのは「買ったあと、どうすればいいの?」ということだと思います。
どこで走ればいいのか。どうやってカートを扱うのか。走行前に何を確認するのか。そしてサーキットでは、どんなルールやマナーを守ればいいのか。経験者にとっては当たり前でも、初めての人には分からないことだらけです。GR KARTは、そこまで含めて入口を作っています。しかも、車両価格には1名分の実技講習料も含まれています。
販売についても面白い仕組みです。全国すべてのトヨタ販売店で売るのではなく、発売時点では全国36カ所のカートコースと7カ所のGR Garageが販売拠点となっています。
関東では、クイック潮来、レオンサーキット、井頭モーターパーク、フェスティカサーキット栃木、榛名モータースポーツランド、サーキット秋ヶ瀬、本庄サーキット、新東京サーキット、茂原ツインサーキット、大井松田カートランド、中井インターサーキットなどで購入できます。
GR Garageでは、MTG日の出町、つくば、浦和美園、高辻、京都伏見、観音、沖縄の7店舗が販売拠点となっています。
つまり、売る場所についても「カートを買ったことのない人が普通のディーラーで車両だけ買ってしまう」のではなく、実際にカートやモータースポーツに接することのできる場所を入口にしているわけです。これも非常によく考えられていると思います。
そしてこれの凄いところは、世界企業トヨタが手掛けているということ。そしてTOYOTA GAZOO Racingは、WRC、WECをはじめ世界のモータースポーツで活動しています。
今のところGR KARTは国内での販売ですが、もし将来これを世界で販売するようになったらどうなるのでしょう。同じGR KARTで子どもから大人までモータースポーツを始められ、世界各地のカートコースで走るようになる。
さらに同じ車両を使ったワンメイクレースやイベントが各国で開催されるようになれば、かなり面白いことになると思います。
もちろん、現時点で世界販売が発表されているわけではありません。でも、世界中でクルマを販売し、世界中でモータースポーツを戦っているトヨタだからこそ、そんな未来をちょっと期待してしまいます。
もしかすると将来は世界へ。いやぁ、これは素晴らしいです。モータースポーツの裾野を広げるというのは、こういうことなのかもしれませんね。モリゾウさんの行動力に脱帽です!
2026年04月25日 05:12
一昨日の業務終了で宮城県に移動しまして、昨朝からスポーツランドSUGOに寄せていただいています。本日からゴールデンウイーク突入ということでホテルの料金が結構なレベルに達しているので、日替わりでペンション等に宿泊しております。
サーキット内駐車場で移動用車両内に泊まろうかと思ったのですが、最低気温が仙台市でも連日7度以下で、サーキットは5度以下予報。先ほど4時の時点で3度との報告がありました。現地で泊っているライダー達は極寒の中で戦ってもおります。
本日は朝から予選になりますので、6時には宿を出て現地へ向かいます。本日もよろしくお願い申し上げます。(リンク)









