オートバイ
2026年06月21日 03:45
私のような60歳前後の人々は、10代の多感な時期にバイクブームを過ごしました。1982年度のバイク年間出荷台数は約328万台。2025年度は約32万台ですから、とんでもないほどバイクが街中に蔓延していたわけです。新車がこれだけ出るってことは中古車も大量に出回るわけで、そのおかげで「いらないバイクあるからあげるよ」なんて話も大量にあり、かくいう私も最初に保有したバイクは、近所の新聞販売店からモトクロス用にもらったスーパーカブでした。
さらに素晴らしかったのは構造が簡単な2サイクル車が大量にあったこと。50ccから250ccまでは2サイクル車の天下で、分解整備は簡単でハイパワーな2サイクル車を通じて様々な知識を身につけることが出来ました。しかも格安の中古車がいくらでもありましたしね。
バイク店に行ってもお店の人が「エンジンは空気とガソリンと火花があれば動くから自分でやって見ろ」なんて無茶ぶりしてくれたりして、店先で工具を借りつつ作業をしては不明点をお店の方に教えてもらって、少しづつ知識を学んだものでした。
今のオートバイって難しいですよね。バイクレースをやろうと思っても、ホンダで言えば最初がグロム。次がCBR250RR。そしてCBR600RRやCBR1000RRへと行ってしまいます。すでにグロムの時点で電子ガソリン噴射装置が搭載された4サイクルエンジン。CBR250RRともなればスロットル・バイ・ワイヤや各種電子制御も満載です。
私の時代はガソリン噴射装置はキャブレターという霧吹きみたいなものでしたし、2サイクルエンジンは構造が超簡単で、走行しては分解して組み立てるなんてのも楽々できました。
もちろん技術の進歩そのものは素晴らしいことです。始動性は良くなり、燃費も向上し、排出ガスもクリーンになりました。昔のように朝からプラグを外してかぶりを直したり、キャブレターを分解して清掃や部品交換したりする必要はほとんどありません。
しかし、その代償として構造を覚えるチャンスはほぼゼロとなりました。我が家にある2008年式ホンダトゥデイという50ccスクーターは、何の問題も発生させないまま18年間走り続けています。その間にやったことはオイル&タイヤ交換と給油だけ。すごい時代です。
ただ、レースをやるための整備知識をつけるのは相当難しくなってしまったのも事実。グロムはスーパーカブと同じ縦に割れるエンジンですが、コンピューター制御が入っているので電気的知識が必要ですし、そもそもの車体価格が高すぎて、おいそれと購入することすらできません。
基礎無くして応用無しなのですが、今のバイクいじりは難しすぎるし高すぎると感じます。だからこそ、メーカーには「学ぶためのバイク」をもう一度作ってほしいなと思います。性能や環境性能を犠牲にしろという話ではありません。
もっと手頃な価格で、構造が分かりやすく、壊しても直しても財布へのダメージが少ない。そんな入門用のバイクがあれば、若い人たちも機械の仕組みを楽しみながら学べるのではないでしょうか。
最近、トヨタが普及型カートの製造に向けて専用工場を建設するという話を目にしました。モータースポーツや機械に触れる入口を広げようという取り組みは、本当に素晴らしいことだと思います。
バイク業界にも、若い人たちが気軽に購入できて、分解したり組み立てたりしながら機械の仕組みを学べるような車両や環境を増やそうという動きがもっと出てくると嬉しいですね。
もっと手軽にバイクいじりができる車種が増えてほしい。そして、失敗しながら学ぶ楽しさを次の世代にも味わってほしい。そんなことを願いながら、私は今日も「良い時代にたくさん学ばせてもらったなあ」と感謝している私です。
2026年06月19日 04:40
先日、飲食店で隣に座った方から、「レッドブルでチャンピオンを獲ったホンダのF1エンジンって、なんで今年は遅いんですか?」と聞かれました。私は即座に、「バイクはずーっと遅いっす!」と返したのですが、相手はかなり驚いていました。F1ファンでもない限り、ホンダが現在MotoGPで苦戦していることを知らない人は意外と多いようです。
現在のホンダは、収益面では二輪事業が圧倒的な稼ぎ頭です。世界中で売れるバイクのおかげで高い利益を生み出しており、その利益が会社全体を支えていると言っても過言ではありません。そう考えると、F1で勝とうが負けようが事業への直接的な影響は限定的です。
しかし、二輪メーカーであるホンダにとって深刻なのは、二輪のブランドイメージを形成してきたレース部門の長期低迷ではないでしょうか。
現在、オートバイロードレースの最高峰はMotoGPです。ホンダが最後にチャンピオンを獲得したのは2019年。その翌年にはコンストラクターズランキング5位に転落し、そこから長い低迷期に突入しました。2025年シーズンのコンストラクターズランキングは以下の通りです。
1位 ドゥカティ 768ポイント
2位 アプリリア 418ポイント
3位 KTM 372ポイント
4位 ホンダ 285ポイント
5位 ヤマハ 247ポイント
ホンダは多少持ち直したとはいえ、かつての王者の姿とは程遠い状態です。日本メーカー同士で最下位争いをしているのが現実です。
今年からホンダはF1でワークス体制での参戦を再開しました。MotoGPもF1も実際に運営しているのはホンダのレース専門子会社であるHRC(Honda Racing Corporation)です。つまり、HRCという組織は現在、「F1でも苦戦」「MotoGPでも苦戦」という状況に置かれているわけです。
もちろんレースは勝負事ですから勝つ年もあれば負ける年もあります。しかしMotoGPに関しては、もはや一時的な不振とは言いにくい。気が付けば6年近く低迷が続いています。
バイクメーカーにとってレースとは広告塔です。そこで勝つからこそ「ホンダってすごいな」「次はホンダを買おうかな」というイメージが生まれるのだと思うのです。
逆に言えば、世界最高峰の舞台で毎週のように後方を走る姿を見せ続けることは、少なからずブランド価値を毀損しているはずです。私はまさかホンダがこんな姿を何年も見せ続ける日が来るとは思ってもいませんでした。
ところが6年も続くと不思議なもので、ホンダやヤマハが優勝争いではなく、中団グループで戦っている光景にすら慣れてしまいました。世界中のホンダファンも、ガッカリを通り越して「またか」と思うようになっているのかもしれません。
レースの成績不振が、たちまちバイクの販売台数に影響することはないでしょう。しかしブランドというものは、積み上げるのに何十年もかかる一方で、失うのは驚くほど早いものです。
ホンダが長年築いてきた「世界最強の二輪メーカー」というイメージは、少しずつではありますが着実に削られているように見えます。販売不振になってから慌てて立て直そうとしても、失ったブランド価値を取り戻すにはさらに長い時間が必要になるでしょう。
プロ野球やJリーグのクラブなら、これだけ結果が出なければ監督交代どころかフロントの責任問題に発展してもおかしくありません。
では、6年近く最高峰カテゴリーで低迷を続けるホンダのレース活動について、誰が責任を負っているのでしょうか。
もちろん外部から見える情報だけで単純に判断できる話ではありません。しかし、ホンダが世界最高峰の舞台で勝てなくなった理由を検証し、組織として改善しようとしているのかどうかは、多くのファンが気になっているところだと思います。
F1の不振が話題になるたびに、私は「実はもっと深刻なのはMotoGPではないか」と考えてしまいます。なぜならF1は参戦と撤退を繰り返しても、ホンダという会社の土台は揺らぎません。
しかし二輪は違います。ホンダの原点であり、今なお最大の収益源でもあります。その最高峰カテゴリーであるMotoGPで勝てない状態が6年も続いていることの方が、私ははるかに重い問題だと思うのです。
ホンダは今も世界最大級の二輪メーカーです。四輪のEVシフト失敗で作り出した巨額の赤字も、二輪の利益で消そうとしています。しかし、その地位は過去の栄光によって永遠に保証されるものではありません。
もし最高峰カテゴリーで勝てない状態がさらに続くなら、ホンダは稼ぎ頭である二輪事業そのものを支えてきたブランド価値と収益力を共に失う可能性すらあるのではないかと思っています。
レース無くしてホンダ無し。レースでの勝利無くしてホンダ無し。4月には4代目社長の川本信彦氏(90)が本社を訪れ、現社長の三部氏に辞任を直談判したとの報道も出ています。それだけ強い危機感を持っているのでしょう。
急にホンダの四輪車が売れ出すなんて事は無いでしょう。F1で最後尾を走っていればなおさらです。だったらMotoGPぐらい上位争いできるようになって欲しいなと思っている私です。
2026年06月18日 05:23
昨日発生した交通事故に関する報道「ミキサー車と2人乗りバイクがすり抜け時に衝突 後部座席の男性が落ち死亡 一時逃亡のミキサー車運転手を逮捕へ バイク運転の19歳を現行犯逮捕 東京・葛飾区」を見ました。この件ですが、午前7時ごろに葛飾区奥戸の環七通りという大きな道路で発生したものです。すり抜けをしなくても普通に走れば良いと思うのですが、二人乗りで走っていたバイクの若いライダーはすり抜けを選択し、失敗して接触したようです。
すり抜けようとした車はミキサー車だそうで、結果として後部座席の方が落下。ミキサー車の後輪に巻き込まれて死亡したとされています。
大型車の横を走ることがいかに危険かは、多くのライダーが知っているはずです。しかし、実際には毎年のように同様の事故が発生しています。今回の事故は「すり抜け文化」の危険性を改めて考えさせる出来事と言えるでしょう。
それよりも驚くのが、「ミキサー車は現場から逃走しましたが、数時間後に戻って来たところで運転していた49歳の男の身柄も確保し、ひき逃げなどの疑いで逮捕する方針」と言う部分です。
後ろから来て、すり抜けようとして接触され、さらに後部座席の人を後輪に巻き込ませられるって、ミキサー車のドライバーからしたら迷惑でしかないと思うし、そのバイクが転倒していれば事故に気付くかもしれませんが、そうでなければ気づくことも無いと思うのですよ。
私もオートバイに乗る身なので、すり抜けをするなとか、私はすり抜けしないとか書くつもりはありません。ただ、この49歳のドライバーさんが逮捕されるというのは不憫でしかありません。
このような痛ましい事故を防ぐためにも、できるだけすり抜けはしないようにしょうと思った次第ですし、同時に49歳のドライバーさんが早めに釈放されることを祈っております。
最後になりましたが、亡くなられた後部座席の方のご冥福をお祈りしております。









