政治・経済
2026年07月28日 03:09
プーチン大統領によるウクライナ侵攻が始まって以来、数年間にわたり世界は「ロシアという国のリーダーは頭がおかしくなったのか」という話題で持ちきりでした。ところが、二度目のトランプ大統領就任以降、謎の関税制度をぶち上げる等の暴走を見せ、イランへの軍事攻撃開始で、「アメリカのリーダーもロシアと変わらず頭がおかしいらしい」という方向の話題が各所で出ていました。
原油価格の高騰、ホルムズ海峡封鎖への懸念、世界経済への影響・・・。先週まで世界の関心は、間違いなくアメリカ・ロシアの両リーダーが引き起こした軍事作戦による原油価格の行方へ向いていました。
ところが、その話題を一気に吹き飛ばすほどの出来事が起きました。中国のAI企業「Moonshot AI」が公開した生成AI「Kimi K3」です。
「また新しいAIが登場しただけでは?」そう思われる方も多いでしょう。しかし、今回の衝撃はこれまでとは少し次元が違います。
世界中の巨大IT企業が数十兆円規模とも言われるAI投資を続ける中で登場したKimi K3は、世界最高水準の性能を持ちながら、オープンウェイトで公開されました。
つまり、高性能AIを従来とは比較にならないほど低コストで利用・運用できる可能性が一気に広がったのです。まさに「AIの価格破壊」です。
もし高性能AIが安価に利用できる時代になれば、これまで巨額の設備投資やデータセンター投資を前提としてきたビジネスモデルは、大きな見直しを迫られることになります。
市場は敏感に反応しました。韓国では半導体関連株が売られ、KOSPIが下落。その流れは世界の半導体株にも波及し、AIブームを支えてきた関連銘柄には利益確定売りが広がりました。
もちろん、Kimi K3だけが株価変動の原因ではありません。しかし、「高性能AIには莫大なコストが必要」という前提が揺らぎ始めたことは、市場参加者に大きな衝撃を与えたのは間違いないでしょう。
DeepSeekショックから、わずか数か月。今度は「Kimiショック」です。AIの世界では、半年も経てば「世界最先端」が塗り替えられる時代になりました。
気が付けば、トランプもプーチンも、原油価格もホルムズ海峡も、一時的とはいえAIの話題の陰へ隠れてしまいました。それほどまでに、Kimi K3の登場は世界へ大きなインパクトを与えた出来事だったのです。
これまで「AIはアメリカ企業が圧倒的にリードする」と考えられていました。しかし現在では、中国企業が世界トップクラスのモデルを次々と投入し、その差は急速に縮まりつつあります。
OpenAI、Google、Anthropicだけが世界を引っ張る時代ではなくなりました。中国勢はDeepSeekに続き、Kimi K3という新たなゲームチェンジャーを送り込み、AI開発競争は完全に新しい局面へ入ったと言えるでしょう。
そして、この変化は単なるチャットAIの話ではありません。AIは軍事、情報分析、サイバーセキュリティ、兵器開発、物流、金融、市場分析、行政など、安全保障そのものを左右する基盤技術になりつつあります。つまり、AIの性能差は、そのまま国家競争力の差になる時代が始まったのです。
その意味では、Kimi K3の登場は単なる新製品ではなく、AIを巡る世界の勢力図が変わり始めた象徴的な出来事なのかもしれません。
一方で、現在の世界経済を支えているものは何でしょうか。一つはAI開発への莫大な投資。もう一つは、防衛産業への巨額支出です。
世界中でAIデータセンターが建設され、GPUが大量に購入され、半導体メーカーはフル稼働しています。同時に、ウクライナ戦争や中東情勢を背景に各国は防衛費を大幅に増やし、兵器や弾薬の開発&生産能力を急速に拡大しています。こうした巨額の資金が、現在の景気や株式市場を押し上げる大きな原動力になっているのは間違いありません。
だからこそ、私は一つ気になっていることがあります。もしAIがさらに進化し、国家の意思決定にも深く関わるようになったらどうなるのでしょうか。AIは感情ではなく、数字と確率、コストと利益を基準に判断します。
もし「戦争を続けるより停戦した方が国益になる」という結論を示すような時代になれば、これまでとは違う形で国際政治が動き始める可能性もあります。
もちろん、戦争が終わること自体は歓迎すべきことです。しかし経済という視点だけで見ると、AI投資と軍事投資という二つの巨大な資金需要が同時に縮小した場合、市場から一気にマネーが引き上げられ、世界経済が急激に冷え込むリスクも考えられます。
歴史を振り返れば、株価は楽観論が最高潮に達したところで最後の上昇を見せ、その後に大きな調整へ向かうことが少なくありません。
現在、世界の株式市場は高い水準で推移しています。だからといって明日暴落するとは思いません。しかし、「AIブームは永遠に続く」「軍事作戦は今後も続く」と考えるのも危険でしょう。
現実には、各国がAIをさらに軍事利用しようと競争を激化させる可能性の方が高いのかもしれません。AI搭載ドローン、自律型兵器、ロボット兵器、サイバー戦能力・・・、これらへの投資は、むしろ今後さらに加速する可能性があります。
そう考えると、Kimi K3の登場は単なる一つの生成AIではありません。AI時代のルールそのものを書き換え、世界経済や安全保障、さらには地政学まで変えてしまう可能性を秘めた「ゲームチェンジャー」なのです。
AIの進化スピードは、私たちの想像をはるかに超えています。数年前には「アメリカ一強」と言われていたAI業界は、今や中国企業が世界最先端を競い合う時代へ突入しました。
これから数年で世界はどこまで変わるのか。今回のKimi K3は、その始まりを告げる歴史的な出来事として記憶されるかもしれません。
2026年07月26日 05:39
円安が日本にとって本当に良いことなのか悪いことなのか、正直なところ私には分かりません。ただ総理の高市早苗さんが円安容認派で日銀の金利上昇に否定的であることは分かります。確かに、日本は輸出で成長してきた国です。円安になれば日本製品の価格競争力が高まり、輸出企業の利益が増え、法人税などの税収増につながるという説明も理解できます。
しかし、その代表例として挙げられるトヨタ自動車の利益を見ていると、そんな単純な話ではないように思うのです。
現在のトヨタは、日本で作った車を海外へ輸出して利益を上げている企業ではありません。世界中から部品を調達し、世界各地の工場で生産し、それを世界中で販売しています。
つまり、発表される巨額の利益には、海外で生み出された利益も数多く含まれています。それらを円に換算すれば、円安の局面では利益が大きく膨らんで見えるのは当然です。
もちろん、日本から輸出している分については円安の恩恵があります。しかし、現在の利益全体を見ると、「円安のおかげで商業的に大成功を収めている」というほど単純ではないように感じます。
だからこそ、円安による為替差益で一時的に利益が大きく見えたからといって、その分をそのまま恒久的な賃上げに回すのは簡単ではありません。
もし将来、円高へ戻れば、その為替による押し上げ効果は一気に消えてしまいます。その時に賃金を下げられるのかと言われれば、現実には難しいでしょう。
確かに、円安になれば日本で生産した製品は海外で売りやすくなります。しかし、今の日本企業や日本人に「さあ海外へ進出しよう」という勢いがあるでしょうか。
海外旅行でさえ以前より大きな負担になっている今、現地へ行って市場調査を行い、新たな販路を開拓することは、昔よりはるかに高いハードルになっています。
また、「インバウンドで日本は潤っている」とも言われます。もちろん、日本の文化や食、治安などに魅力を感じて訪れる外国人も数多くいます。その一方で、円安によって「日本は安く旅行できる国」になったことが、訪日客増加を後押ししているのも間違いありません。
私は、この「安い日本」というイメージが世界に定着してしまうことに、強い危機感を覚えています。賃金が低く、物価も安い国だから観光客が集まる。それが日本の競争力になってしまうことを、本当に喜んで良いのでしょうか。
私がカナダに引っ越した1988年1月は、1カナダドル=102円でした。その時のホームステイ(下宿)代は朝・夕2食付きで475ドル。つまり5万円以下でした。7月から借りた都心のマンションは680ドル=約7万円。自由に海外へ働きに出られましたし、留学もできました。
その頃の日本は「豊かな国」という印象を持たれていました。私自身も、日本での稼ぎで気軽にカナダへ引っ越し、学校へ行くことも仕事をすることもできました。
今の日本人には簡単に留学なんてできないでしょう。ここ数年の急激な円安によって、海外の大学に留学中だったものの、卒業をあきらめて帰国したという方もいます。日本での稼ぎで海外生活すること自体が困難な時代です。
つまり、今の日本は世界から「貧しい国」と思われている可能性があります。そのことを、日本の政治家や日銀は分かっているのでしょうか。
政府が円安を容認し続けた結果として今起きている現象は、日本の国際的な存在感や購買力がどんどん失われているだけに見えます。
円安は決して「善」でも「悪」でもありません。ただ、円安を是正するための施策が講じられず、日銀の政策金利の引き上げすら遅々として進まない状況が正しいのかどうかは、一度冷静に考えてみる必要があるのではないでしょうか。
アメリカとイランの戦いはまだまだ続きそうです。大半の原子力発電所を止めている日本では、電気を作るにも何か燃料を燃やすしかありません。そのすべてが輸入である以上、今後さらなる物価上昇が起きるのは確実でしょう。
我が社の海外出張手当は1日5千円(国内は3千円)。1ドル=164円なら約30ドルです。アメリカ出張だと、水のボトルを買ってビッグマックセットを食べたらなくなってしまいます。これは行き過ぎた円安だと思いますので、ビッグマックセットを2回食べられる程度の1ドル=130円ぐらいにしてほしいと思っている私です。
最後に、購買力や総合的な通貨の相対実力を示す日本円の実効為替レート(リンク)で見ると、1ドル=360円だった固定相場時代(1970年前後)の水準まで円の価値が低下しています。そこまで円の価値が下がっているという現実を高市政権が一大事だと受け止めない限り、今後も円安は進むと思っています。
2026年07月24日 06:25
じつは、現在の1ドル=160円台という円相場は、私にとって初めて見る水準ではありません。1986年は、私が初めてカナダ・バンクーバーを訪問した年です。当時開催されていたバンクーバー万博を見るためだったのですが、シアトル経由で現地へ向かった頃が、まさに1ドル=160円前後でした。
つまり、報道で「円39年ぶり163円台」と出ているように、為替レートだけを見れば今とそれほど変わりません。ところが、実際にアメリカで物を買うとなると、話はまったく違います。
例えば、マクドナルドのビッグマック。1986年当時、アメリカのビッグマック単品は約1ドル60セントでした。1ドル=160円で計算すると256円です。ところが、今のビッグマックは6ドル以上。仮に6ドルとしても960円になります。同じ1ドル=160円でも、円換算した価格は約3.75倍です。
1985年にはプラザ合意ってのがありまして、それまで1ドル=250円ぐらいが当たり前だったドル円相場が、一気に円高方向へ動きました。私がアメリカを経由してカナダへ行った1986年には、1ドル=160円前後まで円高が進んでいたわけです。ですから、当時アメリカの物が何でも安く感じられたのは事実です。
仮にビッグマック1.5ドルをプラザ合意前の1ドル=250円で計算しても375円。それが今では6ドルとして960円ですから、それでも約2.56倍になります。
コカ・コーラでも比較してみます。スーパーマーケットでコカ・コーラの16オンス(=約473ml)サイズの6本パックを買う場合、1986年は約3ドル、今は約5.4ドル。1本あたりにすると50セントと90セントです。1ドル=160円で計算すると、80円と144円。こちらは約1.8倍です。
「昔も1ドル=160円だったのだから、今の円安もそれほど異常ではない」そんな話を時々耳にします。しかし、為替レートだけを40年前と比較しても、あまり意味がありません。重要なのは、その160円で何が買えるのかということです。
40年前と比較して、日本人の平均年収が3.75倍/2.56倍/1.8倍になっているのであれば、海外の物価が上がっていても、それほど恐れる必要はないのかもしれません。しかし、1986年の平均年収は約361万円。それに対して2025年は478万円ですから、上昇幅は約1.32倍でしかありません。
では、今の日本円1万円をアメリカへ持って行ったら、何ができるのでしょうか。1ドル=163円なら、1万円は約61.3ドルです。しかし、実際に現金へ両替する場合のレートなども考えて、ここでは60ドルとしてみましょう。
ビッグマック・フライドポテト・ドリンクのセットは税別約10ドルなので1,630円。たった6回で1万円です。
ファーストフードではない店内飲食のレストランになると、さらに負担は大きくなります。アメリカでは州や地域によって異なる売上税がかかり、テーブルサービスのレストランでは一般的に15〜20%程度のチップも必要になります。
例えば、ラーメン店で15ドルの比較的安いメニューを注文したとします。税金などを含めて17ドル程度になり、さらにチップを加えれば20ドル前後。ラーメン3杯で1万円です。
「39年ぶりの1ドル=163円」こう聞くと、単純に「39年前と同じ水準まで円安になった」と考えてしまいます。しかし、実際にはまったく違うのではないでしょうか。
1986年の1ドル=160円と、現在の1ドル=160円台。
為替レートという数字は同じでも、その間にアメリカの物価は大きく上昇しました。一方、日本人の平均年収は約361万円から478万円と、約1.32倍の上昇でしかありません。つまり、日本人から見た海外での「円の購買力」という意味では、39年前とは比較にならないほど厳しくなっているわけです。
だから私は、「39年ぶりの1ドル=163円」という数字だけを見て、「昔も同じくらいだったから大丈夫」とは、とても思えません。
問題は、円の価値を決めるのは「1ドル=160円」という数字だけではありません。その160円で「世界で何が買えるのか」「世界の物価が上昇する間に日本人の給料はどれだけ増えたのか」この二つを一緒に考えて初めて、今の「円の本当の価値」が見えてくるのだと思います。
こんなことを書いていますが、今日にも1ドル=164円台も見える相場になっています。昨年末は156円でした。すでに5%以上の変化。日本は燃料も食料も輸入頼りの国ですから、今後もインフレは進み、5%の賃金上昇効果は瞬殺されるでしょう。
とっとと日銀が基準金利を5%ぐらいまで上げないと、この国は壊滅するんじゃないかと思っている私です。
2026年07月23日 06:04
今年4月末、財務省の三村財務官は、「断固たる措置を取るタイミングが近づいている」「これは最後の退避勧告」といった非常に強い警告(口先介入)を発し、その後、実際に大規模な為替介入(ドル売り・円買い)が行われ、円相場は一気に円高方向へ動きました。この一連の動きで見えたのは「日本政府・財務省は1ドル=160円という水準を相当意識している」ということ。
私レベルの普通のオッサンにも分かる「壁」を丸見えにさせてしまったわけですから、世界中の投機筋や機関投資家だけでなく、実需でドルを必要としている企業や個人までもが「為替介入が入って1ドル=150円台まで円高になったら、そこでドルを買おう」と考えるようになりました。ちなみに私も、その一人です。
ブルームバーグでは、今後さらに円安が進み、1ドル=190円に達する可能性まで指摘(有料記事)しています。
本当にそんな時代が来るのかは分かりません。ただ、1ドル=163円という水準を実際に目の前にしていると、「そんなバカな」と笑って済ませることもできなくなってきました。そんな時代になって、ふと思い出すのが、2017&2018年に2年続けて家族3人で行ったディズニーワールドです。
私は2007年末、2008年の鈴鹿8時間耐久ロードレース参戦にあたって、妻が郵便貯金に預けていた150万円に手を付けました。「いずれ返す」という条件付きでした。これは妻がディズニーワールドへ行く資金として貯めていたものです。
そして月日は流れ、バカな亭主のレース物語は延々と続き、鈴鹿8耐だけでは飽き足らず、全日本ロードレース選手権の年間参戦等にも手を出していました。
2016年、全日本ロードレース選手権ST600クラスで榎戸育寛選手がチャンピオンに輝くと、妻から「そもそも夏休みにディズニーワールドへ家族で行くという約束はどうなっとるんじゃい!」と言われる事態となりました。
8年前に借りた150万円の返済条件「いずれ返す」は、いつしか「夏休みに家族でディズニーワールドへ行く」という約束に変わっていました。
さらに「2019年は大学受験なので、来年or再来年しかない」と期限まで区切られました。ビジネストークなら素晴らしい話法です。
150万円を借りたのは確かですが、家族3人でディズニーワールドとなると話は大変です。しかも夏休み。風雲急を告げるとはこのことです。
翌2017年の鈴鹿8時間耐久ロードレースの日程は7月27日から30日でした。22日(土)から24日(月)を備品積込み日として設定しており、25日(火)を鈴鹿搬入日、31日(月)東京帰着、8月1日(火)荷物おろしというスケジュールを空けていました。
休むとしたらココしかない。8耐に出なければ結構なお金も浮くはずです。そんなわけで密かに調整を始めました。そして実際に「行ける」と決定したのは、出発4日前の7月19日(水)でした。
22日(土)夕方に成田を出発してロサンゼルスへ。時差の関係で現地着は22日(土)朝。そのままディズニーランドで1日遊び、深夜便でオーランドへ移動。
23日(日)午前4時にオーランドへ到着し、朝9時にはウォルト・ディズニー・ワールド入り。そこから4日間現地に滞在し、27日(木)午前にオーランドを出発。ワシントンを経由して29日(土)に東京へ戻って来ました。今振り返っても、かなり無茶なスケジュールです。
当時の為替レートは1ドル=112円前後。現地では500mlサイズのペットボトルの水が3ドル50セントほどで、「水が400円もするんかい!」と思ったものです。
じつはこの年、私は重大なミスを犯しました。というのも、4日間あればディズニーワールドを十分回れると思っていたのですが、全く日程が足りなかったのです。
そもそもフロリダのウォルト・ディズニー・ワールドは、東京ディズニーリゾートとは規模が違います。さらに初日のトランジット時にロサンゼルスのディズニーランドへ行ってしまったため、時差ボケもなかなか治りません。妻以外の2名は、ほぼヘロヘロの状態で過ごすことになりました。
そこで反省を込め、回り切れなかった場所へ行くためのリベンジ旅行を翌2018年に計画しました。
さすがに前回の反省から、この時はオーランドに到着した日は何もせず一晩休み、翌日からパークだけで6日間を確保。さらに予備日を1日設定しました。この時も円ドルレートは前年と同程度でした。今になって考えると、2017年と2018年に行っておいて本当に良かったと思います。
例えばペットボトルの水。仮に現在の価格を4ドル50セントとしても、1ドル=163円で約733円。コカ・コーラ社が販売している「DASANI」という水ですから、日本で言えば「い・ろ・は・す」。何の変哲もないペットボトルの水が約733円。東京ディズニーランドは250円ですから、えらい差です。
私たちが行った2017年との比較だと、水500ml1本が392円から733円になってるってこと。現地価格の値上がりと円安が重なると、日本円で考えた負担は2倍近くになります。そして恐ろしいのは、これが水だけの話ではないということです。
ホテルも同じです。旅行予約サイトで、私たちが宿泊した(写真の)ディズニー・オールスター・スポーツ・リゾートの料金を検索してみると、日程によって当然変動しますが、3人1部屋で1泊約3万5,000円という価格が出てきます。
2017年&2018年に私たちが泊まった時は、1泊約1万2,000円でした。単純比較はできませんが、私たちが支払った金額と比べれば約3倍です。
航空券も大変です。今年の日程で検索してみると、エア・カナダのモントリオール経由で約25万円/人。ユナイテッド航空では50万円を超える便も出てきます。もちろん航空券は日程や予約時期によって大きく変わりますが、私たちが2017年&2018年に利用したユナイテッド航空は約35万円でした。
そして現地で毎日必要になるのが食事です。私たちは一番安いオフィシャルホテルに宿泊(というかそこに泊まる以外の選択肢が無い)していたのですが、できるだけ安い食べ物を探し、毎日のようにフードコートで1切れ約8ドル=896円のピザを、「ココは食事も高いなあ」と思いながら食べていました。
ところが、今なら同じようなピザが10ドル超えだそうです。10ドル×163円=1,630円。家族3人なら、ピザを食べるだけで約5,000円。さらに水が1本4ドル50セントとして3本買えば約2,200円。ピザと水だけで7,000円を超えます。まじかー!
しかも豪華なディナーを食べているわけではありません。家族3人でピザを食べて、水を飲んだだけです。これが朝・昼・晩と続くわけです。
ホテル代は大幅に上昇。食事も値上がり。ペットボトルの水も高い。そして何より1ドル=163円という円安。アメリカ国内のインフレと円安が同時に進んだことで、日本人にとってアメリカ旅行のハードルは、この10年足らずで一気に高くなってしまいました。
なんだかんだで、私たちは2017年と2018年、2年続けて合計17日間ほどアメリカ旅行をしました。当時も決して安い旅行ではありませんでした。「家族3人でアメリカへ行くなんて金がかかるなあ」と思っていました。それでも今と比べれば、まだ「頑張れば家族で行ける」という時代だったのだと思います。
もし、あの時に妻への借金を現金で150万円返して、「ディズニーワールドはまたいつか行こう」なんて話にしていたら、どうなっていたでしょう。そして今になって、「ところで、そろそろ家族でディズニーワールドへ連れて行ってくれるじゃなかったっけ?」なんて言われたらエライコッチャでした。
私が2年間のディズニーワールド訪問で使った費用は合計284万円。生命保険会社から借り入れて8年がかりで返しまして、今年3月に全額返済できました。
最後になりましたが、家族間での証文の無い金銭の貸し借りは危険ですので気をつけましょう。そして返すと約束したお金はしっかり返しましょう。
2026年07月22日 06:47
私の世代から見ると、VW(フォルクスワーゲン)は単なるドイツの自動車メーカーではありませんでした。その昔は、ドイツのクラフトマンシップが感じられる素晴らしい車を製造していた企業でした。私が初めてVW車を保有したのは1987年のカナダ・バンクーバー。14年落ちの1973年型TYPE1、いわゆるビートルでした。初代フューエルインジェクション車で、ボッシュのコンピューターが壊れまくっていましたが、キャブレターに換えると見事なまでの走りを見せてくれました。
南米ブラジルで生産されたTYPE1は「Fusca(フスカ)」として国民車のような存在になり、TYPE2(バス)のKombi(コンビ)も、人や荷物を運ぶ生活の足として長年親しまれ、メキシコでもTYPE1は「Vocho(ボチョ)」と呼ばれ、タクシーなどで大量に使われました。
VWの強さは、ドイツで作った車を世界中へ輸出したことではありません。VWの凄さは、海外への現地生産対応の早さにもありました。その国へ入り込み、その国で作り、その国の人たちが使う車になったことです。それは中国でも同様でした。
上海汽車と組んでサンタナを現地生産。以前の中国では、タクシーも社用車もVWだらけという時代がありました。「自動車と言えばVW」と言っても大げさではないほどの存在感だったのです。
日本でも同じです。長年、輸入車No.1と言えばVWという時代がありました。その成功を支えたのが、輸入車販売の帝王とも言えるヤナセです。「ヤナセで買った輸入車は安心」そんな時代に「VWはヤナセで一番安い車」として日本市場へ深く浸透していきました。
ところが、VWは日産と組んでサンタナの国内生産に乗り出しました。さらに、ヤナセに依存しない独自の販売網を作った上、あろうことかトヨタ系販売店と組んだDUOという販売網も展開しました。
日産製サンタナは商業的には失敗でした。VWとの関係が薄くなったヤナセは、当時GM系だったオペルの販売へ力を入れるようになります。そして気が付けば、ヤナセで売っていたオペルは日本市場から撤退し、VWもかつてと比較すれば影の薄い存在になってしまいました。
私はビートル以降も様々なVW車を保有してきました。ゴルフ2のDというディーゼル車、2代目ポロ(日本初導入モデル)、ゴルフ4カブリオレなどにも乗ってきました。母は私の2代目ポロを受け継ぎ、その後もゴルフ4バリアント、ポロ4と、現在までVW車に乗っています。
つまり、私は決してVW嫌いではありません。むしろ長年VWを見続け、実際に乗り続けてきたからこそ、最近のVWが気になるのです。
現在のVWグループは、アウディをはじめ、ポルシェ、ランボルギーニ、ベントレー、シュコダ、セアト、クプラなど、多くのブランドを傘下に持つ巨大グループです。一時はトヨタと世界販売台数トップを争うまでの規模に成長しました。まさに自動車帝国でした。
ところが、そのVWが長年大きく揺れています。最初の大きなほころびは、2015年に表面化したディーゼル車の排ガス不正問題でした。VWは排ガス試験時だけ規制値を満たすよう制御するソフトウェアを使用していたことが発覚し、世界的な信用問題へ発展しました。
そして次に中国です。かつて圧倒的な強さを誇った市場で、中国メーカーが急成長しました。昔のように「中国で作ったVWだから売れる」という時代ではありません。中国メーカーが、EV、PHEV、ソフトウェア、運転支援、価格の全てで競争力を高めていて、今の中国には、VWが簡単に入り込める隙間はほとんどないように見えます。
南米も同じです。かつてフスカやKombiで市場を席巻したブラジルにも、中国メーカーが急速に進出しています。VWが得意としてきた「現地生産」と「価格競争力」という戦略を、今度は中国メーカーが使い始めているわけです。
そして日本。私は現在の日本市場を見ると、VWというブランドの存在意義そのものが分かりにくくなっているように感じます。
車好きから積極的に選ばれない、リセールバリューも強くない、輸入車としてのプレステージ性もそれほど高くない。若い人の言葉を借りれば「ビミョー」といった感じでしょうか。
もともとVolkswagenとは「大衆の車」という意味です。ところが、その大衆車が今では決して安くありません。日本で新車を買う場合、ポロでも300万円近い価格帯から、ゴルフなら350万円を超える価格帯からになります。
この価格になれば、日本車ならハイブリッド車やSUVを含めて選択肢は一気に広がります。もう少し予算を増やせば、プレミアムブランドのエントリーモデルも視野に入ってきます。では、その中であえてVWを選ぶ理由は何なのでしょうか。
昔のゴルフには明確な存在意義がありました。「日本車より少し高い」「ベンツやBMWよりは圧倒的に安い」「ドイツ車らしい高速安定性や剛性感がある」。つまり「少し頑張れば買えるドイツ車」という絶妙なポジションにいたのです。
今は大衆車としては高い、しかしプレミアムブランドではない。ここが非常に難しいところだと思います。
そして、さらに大きな問題がEV戦略です。VWは巨額の資金をEVへ投入しました。EV専用プラットフォームを開発し、工場をEV生産へ転換し、ソフトウェア開発にも大規模な投資を行いました。しかし、VWが期待したほどEVは売れませんでした。特に最大市場だった中国では、VWのEVより中国メーカーのEVが支持されています。
巨額の先行投資を行った一方で販売が計画通りに伸びず、VWは今、大規模なコスト削減、人員削減、生産能力の縮小を進めています。
もちろんVWグループは、明日なくなるような会社ではありません。世界最大級の自動車グループであり、アウディもポルシェもランボルギーニもあります。しかし問題は、「VWブランドそのものが、これからどこで成長するのか」が見えにくいことです。
中国では中国メーカーが強い。南米にも中国勢が入ってくる。日本では大衆車としては高く、プレミアムブランドとしては中途半端。そしてEVでは巨額の先行投資を抱えながら、戦略の見直しを迫られています。
かつて世界中で「大衆の車」を作り、その国の生活にまで入り込んでいったフォルクスワーゲン。長年VW車に乗ってきた一人としても、これからのVWがどこへ向かうのか。今後の動向から目が離せません。
2026年07月21日 06:05
「日銀が0.25%ずつ利上げしているのだから、自分の住宅ローンの変動金利も0.25%ずつしか上がらないはず」ここ最近の利上げ局面を見て、そう語っているYouTubeチャンネルを多数見かけます。しかし、この認識は非常に危険な誤解のように感じます。そもそも住宅ローンの「変動金利」は、日銀の政策金利と1対1で連動するものではありません。金利を最終的に決定するのは、あなたがお金を借りようとしている(あるいは借りている)金融機関のルールと経営戦略です。
今回は、この変動金利の仕組みを正しく紐解き、「新規借入を検討している方」と「すでに借りている方」の2つの視点から、これから直面するリスクと具体的な対策を考えてみたいと思います。
これから住宅ローンを組む方が最も警戒すべきなのは、銀行が提示する「金利引下げ幅(優遇幅)」の縮小です。なぜなら、住宅ローンの変動金利は、ローンの定価にあたる「基準金利」から、顧客ごとに適用される「金利引下げ幅」を差し引いた「適用金利(実際の支払金利)」で決まるからです。
銀行間で顧客獲得競争が激しい時期は、この金利引下げ幅が大きく設定されるため、私たちは超低金利の恩恵を受けられます。しかし、市場環境が変われば、銀行はこの「割引率」を変更します。
例えば「基準金利3.0%/金利引下げ幅▲2.0%/適用金利1.0%」の住宅ローンがあったとします。銀行が基準金利を0.25%引き上げるだけなら、「基準金利3.25%/金利引下げ幅▲2.0%/適用金利1.25%」です。
でも基準金利上昇時に、金融機関が「他で儲かるので住宅ローン比率を下げよう」と考えた場合、新規顧客向けの金利引下げ幅を縮小してくる可能性は十分にあり得ます。「基準金利3.25%/金利引下げ幅▲1.5%/適用金利1.75%」なんてのは、普通に想定内の事態でしょう。
日銀の利上げは0.25%なのに、これから住宅ローンを借りる人の適用金利は0.75%上昇するわけです。
新規借入向け金利は、各金融機関の経営戦略によって日常的に変動しているのが実態です。つまり、「日銀が0.25%しか利上げしていないのだから、住宅ローン金利も0.25%しか上がらない」という理屈は、少なくとも新規で住宅ローンを借りる人には当てはまりません。
しかも、住宅ローン商品によって金利引下げ幅のルールもバラバラです。借入期間中ずっと一定の金利引下げ幅が適用される商品もあれば、固定金利選択型などでは「当初5年」「当初10年」といった期間限定で大きな引下げ幅が設定され、期間終了後に引下げ幅が変わる商品もあります。
最初の返済額だけを見て住宅ローンを借りてしまい、数年後に優遇幅が縮小すれば、返済額が一気に上昇する危険もあります。
また、金利上昇局面では「本審査が通った時には低金利だったのに、実際の融資実行時には適用金利が大幅に上がっていた」ということも起こり得ます。住宅ローンは必ずしも「申し込んだ日の金利」が適用されるわけではなく、融資実行時の金利が適用される金融機関もあるからです。
そんなわけで、これからローンを組む際には、一つの金融機関だけに絞り込まず、複数の金融機関を比較しておくべきでしょう。
そして、「いつの金利が適用されるのか」「金利引下げ幅は全期間固定なのか」「当初期間だけの優遇なのか」「基準金利は何を基準に、いつ見直されるのか」こうした契約条件を必ず確認しておく必要があります。
一方、すでに変動金利で住宅ローンを借りている方については、毎月の返済額が急激に増えない「5年ルール&125%ルール」があるという話を以前のブログに書きました。もちろん、すべての変動金利型住宅ローンにこのルールがあるわけではありません。そして、このルールがあったとしても、金利そのものの上昇を抑えてくれるわけでもありません。
返済額が据え置かれている間に金利が上昇すれば、毎月の返済額に占める利息の割合が増え、元金が全然減らないという事態に陥る危険性があります。
それ以外にも確認しておきたいのが、自分の契約している住宅ローンの「金利引下げ幅」です。現在の引下げ幅は完済まで維持される契約なのか。一定期間が経過すると変わるのか。基準金利が上昇した場合、自分の適用金利がどのように変わる仕組みなのか。一度、契約書や約款を引っ張り出して確認してみた方がいいでしょう。
長きにわたる超低金利環境のせいで、私たちの頭には「変動金利は上がっても少しずつ」という根拠のない安心感が染み付いています。しかし、それは過去の経験則に過ぎません。
日銀が決めるのは、あくまで「日銀の政策金利」です。あなたの住宅ローン金利がどのように決まり、いつ見直されるのかを決めているのは、あなたがお金を借りている金融機関との契約です。
次の日銀の発表に一喜一憂するのではなく、まずは自分が結ぼうとしている、あるいはすでに結んでいる「契約のルール」を正しく把握することから始めるのがいいんじゃないかと思っている私です。
最後に、いまだに「なぜ住宅ローンを金利4%・10年固定にしたのか?」と聞かれます。
これまで私は、「住宅ローン最後の10年は元金が少ない」「他行への借り換えは手数料がムダ」「60歳目前で新たに団体信用生命保険の審査を通すのは簡単ではない」「将来の金利上昇リスクをこれ以上負いたくない」と説明してきました。それでも、なかなか理解してもらえませんでした。
ところが、最近は次のように説明すると、多くの方に納得してもらえることが分かりました。
「絶対に貸し倒れのない10年物国債の金利が3%近いのに、なんで貸し倒れリスクのある住宅ローンを金利3%未満で貸し続ける必要があるんじゃい?と考えた時に、住宅ローン金利が4%を超える時代が来る可能性は十分にあると思ったから」。それ以上でも、それ以下でもありません。
これまでの日本では「住宅ローン金利は低くて当たり前」でした。しかし、金利がある世界では、お金を貸す側も当然ながら「いくらの金利なら貸す価値があるのか」を考えます。
国に10年間お金を貸して3%近い金利が得られる時代に、民間金融機関が、個人に対して長期間超低金利で住宅資金を貸し続けることが本当に当たり前なのか。私は、そこを考えました。
日銀が次に0.25%上げるのかどうかよりも、「金利のある世界に戻った」という大きな変化の方が、住宅ローンを考える上でははるかに重要なのではないでしょうか。私はそう思っています。
2026年07月19日 08:39
住宅ローンは年収の6倍までと言われることがあります。月の手取り30万円だと額面が36万円。ボーナスが年2ヶ月分だと年収500万円ぐらいになりますので、年収の6倍なら3,000万円ということです。3,000万円もあれば、築40年以内のマンションや一戸建てなら、東京23区内でも様々な物件が選択肢に入るでしょう。リフォーム済みの物件なら、新築マンションに近い感覚で生活できる物件もあると思います。
ただ、今の住宅ローンには謎の「5年ルール」と「125%ルール」ってのがあります。5年ルールとは、金利が上昇しても毎月の返済額を5年間は原則として変えない仕組み。そして125%ルールとは、5年後に返済額を見直す際も、それまでの返済額の125%を上限とする仕組みです。
借り手の返済額が急激に増えないようにするためのルールではありますが、見方を変えれば、金利が上昇しても元金がなかなか減らず、金融機関に長期間利息を支払い続けることにもなります。
なお、すべての変動金利型住宅ローンに5年ルールと125%ルールがあるわけではありません。金融機関や商品によっては採用していない場合もあります。
例えば、3,000万円を変動金利1.2%、35年、ボーナス払いなしの元利均等返済で借りたとします。諸費用は250万円ほど必要なので、本来は頭金と諸費用を合わせて購入価格の2割程度は現金で用意したいところですが、今回は諸費用だけ用意して、物件価格3,000万円はフルローンで借りたとします。
今年は日銀の政策金利が1回もしくは2回上がるとも言われていますので、今年は1回だけ0.25%上昇。来年は2回、再来年は1回、4年目と5年目は2回ずつ上がるという、すべて0.25%ずつ段階的に上昇するケースを想定します。
なお、実際には日銀の政策金利が0.25%上がったからといって、住宅ローン金利も必ず0.25%上がるわけではありません。金融機関によっては政策金利の上昇幅以上に住宅ローンの適用金利が上昇する可能性もありますが、今回は分かりやすくするため、同じ幅で上昇すると仮定します。
・1年目 0.25%上昇でローン金利1.45%
・2年目 さらに0.50%上昇でローン金利1.95%
・3年目 さらに0.25%上昇でローン金利2.20%
・4年目 さらに0.50%上昇でローン金利2.70%
・5年目 さらに0.50%上昇でローン金利3.20%
当初金利1.2%での毎月返済額は約8万7,500円。5年ルールが適用される住宅ローンでは、途中で金利が上がっても毎月の返済額は5年間変わらず、約8万7,500円のままです。
ただし、金利が上がった分が免除されるわけではありません。返済額の中で利息が占める割合が増え、その分だけ元金の減り方が遅くなります。
つまり、毎月同じ8万7,500円を払っているので、本人は「何も変わっていない」と思っていても、実際には住宅ローンの中身が大きく変わっているわけです。
そして6年目に入ると、月々の返済額の見直しが行われます。ここで125%ルールが適用されると、新しい返済額はそれまでの125%が上限となるため、月々の返済額は約10万9,000円になります。当初の約8万7,500円から月約2万2,000円、年間では約26万円の負担増です。
しかし、本来であれば金利はすでに3.2%まで上昇しています。残っている元金を残り30年で返済するためには、月々12万円前後の支払いが必要になる計算ですが、125%ルールによって約10万9,000円に抑えられます。
もちろん、足りない分が消えてなくなるわけではありません。その分だけ元金の返済がさらに先送りされることになります。
そして11年目には、再び返済額の見直しがやってきます。
仮に住宅ローン金利が3.2%で止まり、それ以上上昇しなかったとしても、残っている元金を残り25年間で返済するため、11年目以降の返済額は月12万円前後になります。
つまり、1〜5年目:月約8万7,500円、6〜10年目:月約10万9,000円、11年目以降:月約12万円前後という形です。
この話ですが、元金が3,000万円だから「月8万7,500円から12万円に増えるだけ」で済んでいます。これが6,000万円なら、返済額への影響も単純計算でほぼ2倍になるんですよ。
最近では東京23区内の新築マンション価格が高騰し、共働きを前提に6,000万円から1億円を超える住宅ローンを組むケースも見られます。さらに50年ローンや夫婦のペアローンとなれば、話はもっと複雑になっていきます。
住宅ローンを借りる時、多くの人が気にするのは「今、毎月いくら払えるか」です。「家賃が月10万円だから、住宅ローンも月10万円なら大丈夫」そんな計算をする人もいるでしょう。私もそうでした。
しかし、変動金利の住宅ローンで本当に考えなければならないのは、「今払えるか」ではありません。「金利が3%になった時に払えるか」「金利が4%になった時に払えるか」ということです。
しかも5年ルールがあることで、金利上昇の影響が家計に現れるまでには時間差があります。金利が上がっているのに、毎月の返済額は変わらない。だから危機感もありません。
ところが実際には、毎月支払っている8万7,500円の中で利息の割合がどんどん増え、元金が思ったように減らなくなっている。
そして5年後、返済額が最大25%上がる。さらに5年後、もう一度返済額が見直される。これが5年ルールと125%ルールの怖いところだと私は思います。
5年ルールも125%ルールも、金利上昇による負担そのものをなくしてくれる制度ではありません。あくまで「今月から返済額が一気に増える」というショックを和らげ、その影響を先送りする仕組みです。そして先送りしている間にも、利息は発生し続けます。
だからこそ、住宅ローンは「銀行がいくら貸してくれるか」で考えてはいけないと思います。
年収500万円だから3,000万円借りられる。銀行の審査に通ったから大丈夫。月々8万7,500円だから払える。そう思いがちではありますが、実際には35年間という長い期間の中で金利が上昇しても、本当に返し続けられる金額はいくらなのかを考えることが重要です。
安全を考えるなら、「借りられる金額」ではなく、「金利が上がっても返せる金額」から住宅価格を決めるべきかもなーって思ってます。
最後になりましたが、私自身の話を書いておきます。
私は4棟建てのうちの1棟の新築一戸建てを購入しましたが、これまで約25年間で、外壁塗装に150万円、ユニットバスとシステムキッチンの交換に150万円ほどかかっています。
さらに固定資産税を年間12万円として35年間なら420万円。排水管清掃も1回3万円を5回行えば15万円。これだけで合計735万円です。
さらに来年には、屋根と雨どいの交換で150万円ほどかかる予定です。そうなると、住宅ローン以外の住宅関連費用だけでも885万円になります。
マンションなら毎月の管理費と修繕積立金が必要になりますし、一戸建てなら管理費や修繕積立金を毎月請求されない代わりに、修理や交換が必要になった時には自分でまとめて支払わなければなりません。
家は、普通に住んでいるだけでも結構なお金がかかります。だから住宅ローンの「返せる金額」を考える時には、住宅ローンだけを見てはいけません。
固定資産税、管理費、修繕積立金、そして将来のリフォームや設備交換。そうした「プラスαの出費」が必ずあることを意識した上で、購入を検討することをお勧めします。
ちなみに私は、毎月3万円を自分なりの「修繕積立金」として積み立て、それを投資信託で運用しています。一戸建てだから修繕積立金がいらないのではありません。誰も請求してこないから、自分で積み立てなければならないだけです。
住宅ローンを完済することだけが、住宅にかかるお金のゴールではありません。35年後にローンが終わっても、その家で暮らし続ける限り、修繕費も固定資産税も続きます。
そう考えると、住宅を買う時に本当に見るべきなのは「今、月々いくらなら払えるか」ではなく、「住宅ローンを払いながら、将来の修繕費まで積み立てられる余裕があるか」なのかもしれません。
私が働き始めた18歳(1986年)の頃、外食は今よりずっと圧倒的に贅沢な物でした。例えばしゃぶしゃぶ。40年前は確実に1万円覚悟でした。お寿司も同様です。今のように回転寿司がどこにでもある時代ではなく、安く食べるには小僧寿しチェーンの持ち帰りが定番。お寿司屋さんで夜におまかせを頼んだら1万円以上というのも普通にありました。
鰻が牛丼チェーン店で気軽に食べられるなんて夢のようですよ。昔はちゃんとした鰻屋さんへ行くしかなく、松・竹・梅というランク分けされたメニューから「最低ランクの梅は恥ずかしいから竹にしよう」なんて選択をして、それでも3,500円ほどのうな重を食べたものです。
もちろん駅の立ち食いそばなら200円程度で食べられました。当時は、餃子の王将の餃子が140円、マクドナルドのハンバーガーは210円、吉野家の牛丼は400円。それらを食べに行くのがせいぜいで、ロイヤルホストやデニーズといったファミリーレストランで食事をすると1,000円を超えるため、なかなか行くことはできませんでした。
この40年間で最低賃金は大きく上昇し、社会保険料も増え、電気・ガス・水道代も上がりました。店舗家賃も高騰した地域がありますし、食材価格も何度も値上がりしています。それにもかかわらず、飲食店の価格は長年にわたり激しい価格競争にさらされてきました。
マクドナルドのハンバーガーは当時と同じくらいの200円(五反田店)。つい数年前までは100円マックでした。吉野家の牛丼も値下げと値上げを繰り返しながら現在は500円程度。王将の餃子は363円(関東)。40年という歳月を考えると、今も価格が当時と大きく変わらないことに驚いてしまいます。
しゃぶしゃぶは5,000円前後で食べ放題のチェーン店が無数にあります。寿司も回転寿司チェーンが全国に広がりました。鰻も牛丼チェーン店で1,000円前後で気軽に食べられます。40年前では考えられない世界です。
日本の外食産業は、何十年間も激しい価格競争を続けてきました。私たちが40年前とあまり変わらない金額、あるいはそれより安い価格で食事ができる一方で、お店側(そしてそこで働く従業員)は何十年も利益を削り続けてきたということです。
日本では長い間、「値上げは悪」という空気がありました。安くて当たり前。量も減らすな。品質も落とすな。そんな厳しい要求に応えるため、多くの飲食店は企業努力を続けてきました。しかし、その努力にも限界があります。
表立って値上げをすると客離れにつながるため、多くのお店はステルス値上げを導入しました。少しずつ量が減り、器も小さくなり、「なんだか昔ほど満腹にならない」と感じることが増えました。スーパーやコンビニのお弁当でも、内容量を抑えながら価格を維持する工夫が当たり前になっています。
最近になって「ラーメン1杯1,000円超は高い」という声を耳にすることがあります。でも、私は逆に「今までが安すぎた」と感じています。
美容院なら30分〜1時間で4,000〜6,000円。材料費の割合は比較的低く、技術料が中心です。一方、ラーメン店は何時間もかけてスープを仕込み、お客様は20〜30分席を利用します。さらに原材料費も30〜45%程度かかると言われています。それでも価格は1,000円前後なのです。
現在、多くの飲食店は人手不足にも苦しんでいます。「給料を上げろ」と言われても、価格を上げられなければ原資は生まれません。価格を据え置けば、従業員の賃金も上げられず、人も集まりません。
飲食店の値上げは、お店が儲けるためだけではありません。働く人の給料を守り、お客様へ品質を維持し、これからも店を続けていくために必要なことなのではないでしょうか。
私たちは長年、「世界でも珍しいほど安く外食できる国」に暮らしてきました。しかし、その安さは、多くの飲食店と、そこで働く人たちの我慢や努力によって支えられてきた価格でもあります。
もちろん、値上げは誰にとっても嬉しいものではありません。しかし、適正な価格でなければ、お店は続きません。店が続かなければ、働く人の給料も上がらず、お客様が好きだった味も、街から消えてしまいます。
これからは「安い店が良い店」という時代ではなく、「適正な価格で、長く続いてほしい店を応援する」という考え方が、少しずつ広がっていけばいいなと思います。
40年前には「ちょっとした贅沢」だった外食が、今では当たり前のように楽しめるようになりました。その豊かさをこれから先も守っていくためには、「安さ」だけではなく、その価格の裏側にある努力や価値にも目を向ける時代になればいいなと思っている私です。
2026年07月18日 05:10
(本記事は東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2026年7月21日号掲載予定「WeeklyTopics」の転載です。)コスト高や人手不足などでハウスメーカー(木造建築工事業)の倒産が急増している。2026年上半期(1-6月)は118件発生し、前年同期から約9割増えた。
コスト増により1棟当たり単価の値上がりが続くほか、住宅ローン金利も上昇。大規模の建売現場ではプロジェクト検討時と販売開始する際のコストや購買層の算定で開きが生じる。また、マンションやリノベーション物件との競合も激しい。仕入も人材も豊富な大手との競争も激化している。
ハウスメーカーの倒産(負債1,000万円以上)を集計した。2026年上半期は118件(前年期比87.3%増)と2倍近くに跳ね上がった。1989年以降では、デフレ期の2004年の198件が過去最多だが、上半期で100件を上回ったのは、2013年(106件)以来、13年ぶり。
118件の原因別は、販売不振が85件(構成比72.0%)、赤字累積の既往のシワ寄せが20件(同16.9%)と業績不振がほとんどだ。
倒産増勢が強まるおそれ
負債34億円を抱えて3月に破産したタイコウハウス(株)(TSRコード:510016626、愛知県)や、負債11億円の(株)ハウスM21(TSRコード:170162168、岩手県、1月破産)など中堅ハウスメーカーの倒産も目立つ。中東情勢の不安定化による住設・資材価格の高騰や納入遅れなどが長期化すれば、倒産がさらに増加する可能性もある。
破産企業の共通項は、長引く業績不振だ。タイコウハウスは20億円を超える年商時期にも最終利益は数百万円に沈み、2024年7月期には耐えきらず17億円の最終赤字を計上。ハウスM21も長らく低収益(赤字含む)に喘ぎ、23年3月期に債務超過に転落していた。
7月16日には中堅ハウスメーカーのアエラホーム(株)(TSRコード:340124466、千代田区)が民事再生法の適用を申請した。2022年5月期以降は最終赤字が続き、金融支援によって資金を繋いでいたが、ナフサ不足による資材高騰も影響した。
ただ、いずれの会社も業績不振は今に始まったことではなく、早期に抜本再生へ舵を切っていれば、結果は違った可能性もある。
ハウスメーカーの倒産時は、先払いした施主(オーナー)も債権者となり工事が止まることも多い。ただ、アエラホームのケースでは弁護士や金融機関、コンサルタントなどがオーナーの権利保護に奔走した。結果、金融や商取引債権者には被害が及ぶものの、施主への波及は防がれた。ハウスメーカーの倒産が急増しているだけに、注目される事例となった。
2026年07月17日 06:10
アエラホームが昨日7月16日、東京地裁に民事再生法の適用を申請したとの報道が出ています。1963年創業で、2003年から「アエラホーム」ブランドで全国展開する中堅ハウスメーカーです。この報道を見て、私は過去のハウスメーカー倒産のことを思い出しました。かつて殖産住宅・日本電建・太平住宅は「割賦三社」と呼ばれる大手住宅メーカーでした。住宅融資がまだ十分に整備されていなかった時代、独自の割賦販売によって「現金がなくても毎月の支払いで一戸建てが建てられる」という仕組みを広げ、日本人のマイホーム取得を支えた会社です。
その中の一社が殖産住宅。「ホーム、ホーマー、ホーメスト」のテレビCMを覚えている方もいるのではないでしょうか。高い知名度を誇った大手住宅メーカーでしたが、2002年に経営破綻しました。その後、事業を引き継いだ別会社も2018年に経営破綻しています。
そして太平住宅。こちらも全国的に知られた大手住宅メーカーでしたが、2003年に民事再生法の適用を申請。その後、再建を断念して破産しています。残る日本電建は、2002年から2003年にかけて大東建託グループ入りし、姿を消しました。
2009年に発生した富士ハウスの自己破産は、大きな社会問題になりました。静岡県浜松市に本社を置き、関東から東海、近畿まで広く展開していたハウスメーカーでしたが、建築中の住宅を多数抱えたまま経営破綻したため、多くの施主が大きな影響を受けました。
住宅という商品は、自動車や家電とは大きく異なります。自動車メーカーが倒産しても、すでに納車された車が突然なくなるわけではありません。家電メーカーが倒産しても、自宅にあるテレビや冷蔵庫が使えなくなるわけでもありません。
しかし注文住宅は、契約してから完成するまでに長い時間がかかります。その間に契約金、着工金、中間金などとして、何千万円というお金を住宅会社へ支払うことがあります。もし2,000万円を支払った時点で住宅会社が倒産したらどうなるのか。
土地はある。住宅ローンもある。しかし家は完成していない。そして支払ったお金が全額戻ってくるとは限りません。別の建築会社に工事を引き継いでもらうために、多額の追加費用が必要になる可能性もあります。
富士ハウスの破綻では、工事の進捗以上に多額のお金を支払っていた施主も存在し、大きな問題となりました。
同じ2009年には、埼玉県を中心に急成長していたアーバンエステートも経営破綻しています。積極的にテレビCMを流し、住宅展示場を展開している会社を見れば、一般の消費者は「これだけ有名な会社なら大丈夫だろう」と思ってしまいます。
しかし、住宅業界の歴史を振り返ると、「大手だから大丈夫」「老舗だから大丈夫」「全国展開しているから大丈夫」「テレビCMをやっているから大丈夫」という保証はどこにもないことが分かります。
今回のアエラホームは、民事再生法の適用申請です。突然会社がなくなってしまうわけではありません。地方や郊外を中心に「クラージュ」や「プレスト」などのブランドで注文住宅を供給してきた中堅ハウスメーカーです。
報道によると、ピーク時の2013年3月期には売上高210億2,250万円だったのが、2025年5月期の売上高は85億5,964万円まで減少したとのことです。実に6割近く売上高が減少したことになります。しかも4期連続の赤字で、債務超過も拡大していたそうです。
幸いなことに、スポンサー候補として東証グロース市場に上場するロゴスホールディングスの子会社として2026年7月3日に設立されたLHD-1が、吸収分割によって注文住宅事業などを承継する予定となっています。
ロゴスホールディングスは、新築請負契約を締結している施主との契約関係についても承継会社が引き継ぎ、グループとして責任を持って完工させる予定としています。
これは現在建築中の施主にとっては非常に重要なポイントです。住宅メーカーが経営破綻した時、最も大きなリスクを負うのは、まさに「契約してから引き渡されるまで」の施主だからです。今回のアエラホームについては、スポンサー企業への事業承継によって工事の継続が予定されています。
しかし、すべての住宅会社の倒産で、このようにスポンサーが現れるとは限りません。だからこそ、これから注文住宅を建てる方には、住宅会社の知名度や規模だけではなく、「万が一、この会社が倒産したら自分の家はどうなるのか」という視点を持っていただきたいと思います。
特に確認しておきたいのが、工事代金の支払い条件です。工事が10%しか進んでいないのに、代金の50%、70%を先に支払ってしまえば、住宅会社が倒産した時のリスクは当然大きくなります。
住宅会社から「今月中に入金してもらえれば値引きします」「決算なので先に支払ってください」などと言われても、工事の進捗に対して不自然に多額の前払いになっていないかは確認した方がいいでしょう。
そして「住宅完成保証制度」の有無も重要です。ここで間違えてはいけないのが、住宅瑕疵担保責任保険と住宅完成保証は別物だということです。瑕疵担保責任保険に加入しているからといって、建築会社が工事途中で倒産した際に、必ず家を完成させてもらえるわけではありません。
また、最近の住宅メーカーは「30年保証」「60年保証」といった長期保証を競うようにアピールしています。しかし、その会社が30年後、60年後まで存続している保証はありません。会社がなくなった場合に誰が保証を引き継ぐのかは、契約前に確認しておくべきでしょう。
住宅は、多くの人にとって人生最大の買い物です。
・数十万円の値引きを交渉する。
・住宅ローンの金利を0.1%でも低くする。
・少しでも性能の高い設備を選ぶ。
もちろん、どれも大切です。
しかし、それ以上に重要なのは、数千万円を支払った住宅会社が、きちんと家を完成させて引き渡してくれることです。
殖産住宅、日本電建、太平住宅。かつて「割賦三社」と呼ばれた巨大住宅会社でさえ、時代の流れの中で姿を消しました。近年も、突然の経営破綻によって多くの施主が影響を受けたケースが出ています。
新築注文住宅の購入や建て替えを検討中の方は、家を建てる会社を選ぶ際に、知名度や価格、住宅性能だけではなく、万が一その会社が倒産した時にも自分を守れる契約になっているのかを確認する。
住宅会社を選ぶことと同じくらい、「その会社に万が一のことがあった時、自分の家とお金をどう守るのか」を考えておくことが求められているのかもしれません。
2026年07月16日 03:57
新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年、在宅勤務・リモートワークの導入によって、日本の働き方は一気に変わりました。当時は「これからは在宅勤務が当たり前になる」「毎日会社へ行く必要はなくなる」「都心の大型オフィスは不要になる」とまで言われ、私どもも3拠点あったオフィスのうち、学習塾拠点以外を閉鎖しました。私は学習塾拠点へ出社し、他のスタッフは完全リモートワークという体制です。
あの頃は、世界中がリモートワークへ向かっていくものだと、多くの人が信じていました。しかし、その流れは2023年頃まででした。
2024年になると週3日程度の出社を求める企業が増え始め、私どもも五反田駅前へ再びオフィスを構えました。そして2026年の現在はというと、まさかの「毎日出社が当たり前」という方向へ大きく舵が切られています。
一方で、逆に大きく普及したものがあります。それがリモート会議です。
どの企業もデジタルツールを導入したことで、取引先との打ち合わせは大半がオンラインになりました。以前なら1時間の打ち合わせのために往復2〜3時間かけて訪問していた仕事も、今では画面越しに済ませるのが普通です。出張も大幅に減りました。
リアルで会う場合は、「なぜ直接会う必要があるのか」「その結果として何を決めるのか」といった目的が以前より明確に求められるようになっています。
つまり、社外の人とはリモート会議。社内の人とはオフィスで仕事。これが現在の働き方になりつつあるように感じます。
さらにデジタル化によって大きく変わったのが、社員の働き方の分析です。社員証による入退館記録、パソコンの稼働状況、アプリケーションの利用履歴、オンライン会議への参加状況など、社員が「いつ」「どこで」「どのように」仕事をしているかを、以前より細かく把握できるようになりました。
こうした中でアメリカで話題となったのが「コーヒーバッジング」という働き方です。
朝だけ会社へ立ち寄り出社記録を残す。デスクでコーヒーを飲み、同僚と少し話をしたら、自宅や別の場所へ移動して仕事を続ける。会社から見れば出社実績は残りますが、実際にはオフィスへ短時間しか滞在していないという働き方です。
しかし、社員証の入退館記録やパソコンの利用状況などを組み合わせれば、このような勤務実態も以前より把握しやすくなりました。
数年前までは、ほとんどのアナリストが「リモートワークは今後ますます増える」と予測していました。ところが現在は、明確な成果や専門性を示せないままリモートワークを続ける社員に対して、企業側の目が急速に厳しくなるという180度の転換が起きています。
その象徴ともいえるのが、X(旧Twitter)です。2022年にイーロン・マスク氏がTwitterを買収すると、それまで導入されていた「希望すれば永続的に在宅勤務を続けられる」という制度を撤廃しました。原則として週40時間以上のオフィス勤務を求め、在宅勤務は特別な承認がある場合を除いて認めない方針へ変更したのです。
Amazonも2025年1月2日から、原則として週5日のオフィス勤務へ移行しました。アンディ・ジャシーCEOは、社員が同じ場所で働く方が、企業文化を強化し、協働、学習、発明を進めやすいと説明しています。
アメリカ最大級の金融機関であるJPモルガン・チェースも、2025年3月から原則週5日の出社を求める方針へ変更しました。ジェイミー・ダイモンCEOは以前から、リモートワークでは若手社員の教育、企業文化の継承、創造的な共同作業が難しいとの考えを示しています。
Appleも現在は原則として週3日のオフィス勤務を求め、社員証の入退館記録によって出社状況を確認していると報じられています。出社義務を守らない社員には、段階的な警告や処分の可能性も示されました。
Microsoftも2025年9月、社員のオフィス勤務を原則週3日とする方針を発表しました。Teamsを提供し、世界中のリモート会議を支えているMicrosoft自身が、社員にはオフィス勤務を求めているのです。
日本で象徴的なのが、GMOインターネットグループです。GMOは2020年1月、国内で新型コロナウイルスの感染が本格化する前から約4,000人の従業員を在宅勤務へ切り替え、日本で最も早く大規模リモートワークへ移行した企業の一つとなりました。
その後、2023年2月には「週3日出社・週2日在宅勤務」の推奨を終了して原則出社へ移行し、残されていた「週1日程度の在宅勤務推奨」も、2026年7月13日付で完全に廃止されました。2020年には在宅勤務の象徴だった企業が、6年後には毎日出社を基本とする会社へ戻ったわけです。
一方で、完全リモート求人がなくなったわけではありません。むしろ2026年には、リモート求人が再び増加しているという調査結果もあります。ただし、その中身は以前とは大きく違います。
リモート勤務を認められるのは、エンジニア、クリエイター、プロダクトマネージャー、コンサルタントなど、高度な経験と専門性を持ち、会社へ来なくても成果を出せる人材が中心です。
「あなたほどの専門家なら、完全リモートで構いません。当社で働いてください。」そんな求人も増えています。つまり、一般社員には出社を求める一方で、優秀な専門職については働く場所の自由を認め、企業同士で引き抜き合戦が行われるという二極化が進んでいるのです。
2020年当時、リモート会議とリモートワークは、同じ「新しい働き方」として語られていました。しかし2026年の現在、その二つはまったく別の方向へ進んでいます。
・リモート会議は定着する。
・出張や取引先訪問は減る。
・電子契約やクラウドはさらに普及する。
・在宅勤務は縮小・制限される。
・一般社員は出社状況や勤務実績を以前より細かく分析される。
・出社比率の少ない人員は評価や処遇で不利になる可能性が高まる。
つまり今後の働き方は、「在宅勤務か出社か」という単純な二者択一ではありません。一般社員にはオフィス出社を求める。一方で、優秀な専門職には働く場所の自由を認める。このような働き方の二極化が進んでいくのでしょう。
私もコンサルティング業務の中で、企業から「週1日から4日しか出社しない社員の人数と割合データ」を見せられる機会が増えました。そのデータをもとに「この人たちを今後どうするか」という議論をするわけです。
中には、「この仕事が出社しなくてもできるなら、このポジション自体が必要なのだろうか」という、かなり厳しい議論になるケースもありました。
AIの普及によって、人材を選別する動きは今後ますます加速していくでしょう。AIで代替できる仕事は、想像以上のスピードで置き換えられていくと思います。かつて「人間でなければできない」と言われていたスーパーのレジ打ちや飲食店の接客でさえ、自動化やロボット化が進んでいます。
今後の世界がどうなるかは、正直なところ私にも想像がつきません。
しかし、建設、設備管理、施工管理、ビルメンテナンス、警備、清掃など、現場で状況を判断しながら身体を動かす仕事は、事務職よりも人間の役割が長く残るでしょう。実際、50代以上でボイラー技士や施工管理技士などの資格取得へ動く人が増えているのも、その流れの一つだと感じています。
間違いないのは「今日はリモートで」なんて事を言っていると世の中から置いて行かれるというのとだけ。そんな働き方は伝染病蔓延時代の遺物であり、誰もが利用できる制度ではなく、企業が引き留めたい人材に与える待遇の一つへと変わりつつあります。
脱コロナの時代に必要なのは、在宅勤務か出社かを議論することではありません。2030年も今と同じ仕事をしている保証は誰にもありません。それは私も同じです。AI時代をどう生き抜くかではなく、すでにAI時代での淘汰は進んでいるのです
だからこそ、変化を恐れず、次の一手を探し続けながら、これからも挑戦を続けていきたいと思っている私です。
2026年07月14日 01:50
韓国のKOSPI(韓国総合株価指数)は、昨日7月13日に約9%急落し、一時的に取引停止(サイドカー)が発動されるなど、大きく値を崩しました。今回の急落は、AIブームの象徴だった半導体大手SKハイニックスが1日で15%を超える下落となり、サムスン電子も10%を超える下落し、KOSPI全体を押し下げました。利益確定売りに加え、AI向けメモリー需要の先行きや2027〜2028年の供給過剰への懸念が背景にあります。
そんな韓国では、株式市場だけではなく、小売業界でも大きなニュースが飛び込んできました。経営再建中の韓国の大手スーパー「HOMEPLUS(ホームプラス)」に対し、裁判所による企業再生手続きの廃止決定が出され、資金繰りの悪化から各地で営業停止や一時休業が相次ぎ、事実上の営業継続が困難な状況に陥ったと報じられています。
単に不採算店舗を何店か閉めるというレベルではありません。韓国を代表する大型スーパーが存続の危機に立たされているのです。このニュースを見て、私が最初に思い出したのは、ソウルワールドカップ競技場でした。
2002年の日韓ワールドカップで使用されたソウルワールドカップ競技場は、サッカーを見るためだけの施設ではありません。スタジアムの下や周辺には、大型スーパー、映画館、飲食店などが入った商業施設が整備されています。
最初にここへ入っていた大型スーパーは、フランス系の「カルフール」でした。その後、この店舗はカルフールからホームエバーへ、さらに現在のHOMEPLUSへと姿を変えています。
カルフールは1990年代から韓国へ進出し、大型店を展開していました。しかし、韓国の消費者や商習慣への対応に苦戦し、2006年に韓国市場から撤退します。
ちなみに、日本市場への参入は2000年、撤退は2005年でした。当時は「黒船来航/世界第2位の小売企業が日本へ」と話題になりましたが、日本市場でも成功することはできませんでした。
韓国国内のカルフール店舗を買収したのは、衣料品や流通事業を展開するEランドグループでした。買収後、店舗名は「ホームエバー」へ変更されます。
ところがEランドも、カルフール買収による多額の借金を抱えていました。さらに非正規雇用問題による大規模な労働争議や営業不振も重なり、ホームエバーは巨額の赤字を計上。買収からわずか2年ほどで、再び売却されることになります。
2008年にホームエバーを買収したのが、当時イギリス最大手スーパー「テスコ」の傘下にあったHOMEPLUSでした。こうしてカルフールの店舗はホームエバーを経てHOMEPLUSへと変わっていきました。ソウルワールドカップ競技場の店舗も、その一つです。
ちなみにテスコも日本へ進出しています。2003年に「つるかめランド」を買収して日本市場へ参入しましたが、こちらも2011年に撤退しました。カルフールもテスコも、日本市場では成功できなかったのです。
ただし、HOMEPLUSそのものはカルフールを引き継いで誕生した会社ではありません。1997年にサムスン物産の流通事業としてスタートし、1999年にはサムスンとテスコによる合弁会社「サムスンテスコ」となりました。
テスコは韓国へ資金や小売ノウハウを持ち込み、HOMEPLUSは急速に店舗網を拡大します。さらに2008年には旧カルフール系のホームエバー約35店舗を買収。これによってHOMEPLUSは韓国第2位の大型スーパーへと成長しました。
つまりHOMEPLUSには、
・サムスンとテスコが新規出店した店舗
・カルフールからホームエバーを経て引き継いだ店舗
この2種類が混在していたことになります。
HOMEPLUSは、時代遅れのスーパーだったわけではありません。2011年にはソウルの地下鉄駅に「バーチャルストア」を設置し、世界中から注目を集めました。
駅構内の壁いっぱいに商品棚を再現し、利用者は商品のQRコードをスマートフォンで読み取るだけで買い物ができます。注文した商品は自宅へ配送されるため、会社帰りに重い米や水、日用品を持ち帰る必要がありません。
当時はまだスマートフォンもネットスーパーも現在ほど普及していませんでした。「お客様を店舗へ呼ぶのではなく、駅そのものを売場にする」という発想は非常に斬新で、世界中のマーケティング関係者が視察に訪れました。実は私も、ソウルまでこのバーチャルストアを見学に行った一人です。
当時は「未来の買い物はこうなるのか」と感心したことを今でも覚えています。だからこそ、今回のHOMEPLUSの経営危機は本当に信じられませんでした。
順調に見えたHOMEPLUSですが、大きな転機が訪れます。2015年、テスコは本国の経営再建を優先するため、韓国事業を売却しました。
買収したのは韓国最大級のプライベートエクイティファンド(PEファンド)であるMBKパートナーズです。買収額は約61億ドル。アジア最大級のLBO(レバレッジド・バイアウト)案件でした。LBOとは、企業の資産や将来の利益を担保に、多額の借金をして会社を買収する手法です。
もちろん成功すれば大きな利益になります。しかし利益が伸びなければ、買収時の借金そのものが企業経営を圧迫します。HOMEPLUSは、まさにその状況へ陥っていきました。
もちろん、経営悪化をMBKだけの責任にすることはできません。韓国の流通業界そのものが大きく変化したからです。特に大きかったのはクーパンなどネット通販の急成長でした。
水や米、日用品まで翌日には自宅へ届く。そうなれば郊外の大型スーパーへ車で行く必要は減ります。一方、大型スーパーは広い売場、駐車場、人件費、光熱費、設備更新費など莫大な固定費を抱えています。
売上が伸びている間は店舗数が武器になります。しかし売上が減れば、その店舗網が重荷へ変わります。新型コロナウイルスも消費者をネット通販へ移行させる大きなきっかけとなりました。HOMEPLUSは、重い財務負担を抱えたまま、業態そのものの変化に直面することになったのです。
HOMEPLUSは2025年に企業再生手続きを申請しました。しかし裁判所の調査では、営業を続けるより資産を売却した方が価値が高いという厳しい結果が示されました。
MBKも約2兆5,000億ウォン相当の株式を放棄すると表明し、事実上、投資案件として失敗を認める形となりました。現在は買い手探しが続けられていますが、資金繰りは極めて厳しい状況です。
報道では、商品がほとんど無くなった売場や、撤退準備を進めるテナント、半額セールへ殺到する買い物客の姿が伝えられています。
スーパーは毎日現金が入ってくる商売です。しかし、その裏では毎日、仕入代金、人件費、物流費、電気代が支払われています。資金繰りが止まれば商品は入荷せず、売場は少しずつ空になっていきます。これは閉店セールではなく、企業の信用が失われた結果なのです。
今回のHOMEPLUS問題は韓国だけの話ではありません。日本でも大型総合スーパー(GMS)は苦戦しています。フランス・カルフールは撤退。イギリス・テスコも撤退。アメリカ・ウォルマートも西友を売却して日本市場から撤退しました。イトーヨーカドーも大量閉店を進めています。
一方で躍進した企業があります。それがドン・キホーテです。ドン・キホーテは、総合スーパーとは逆の発想でした。狭い通路、圧縮陳列、宝探しのような売場づくり、深夜営業。
さらにユニーをグループ化し、アピタやピアゴをMEGAドン・キホーテへ転換することで、大型店舗を再生させています。大型店舗そのものが悪いわけではありません。重要なのは、その建物を時代に合わせてどう使うかなのかも知れません。
流通業界では、「店舗を増やせば勝てる」という時代は終わりました。これから求められるのは、大きな店舗を持つことではなく、消費者の生活スタイルの変化に合わせて店舗の役割そのものを変え続けることなのでしょう。
HOMEPLUSの経営危機は、韓国だけの話ではありません。日本の流通業界にとっても、これからの大型店舗のあり方を考えさせられる出来事だと感じています。
2026年07月11日 05:55
ビジネスの世界において、経営悪化による「倒産(破産)」は珍しいことではありません。しかし、今回の「全東信」のケースは通常の企業倒産とは性格が大きく異なるように感じます。報道では長年にわたる粉飾決算が指摘されており、単なる経営不振だけでは説明しきれない異例の事案と言えるでしょう。その異常さは、破産申立書に記載された「債権者リスト」を見れば一目瞭然です。債権者は実に63社。しかも、メガバンク(みずほ・三井住友・三菱UFJ)の名前は一つもなく、りそな銀行も含まれていません。それにもかかわらず、自己破産申立時の負債総額は約1,151億6,400万円に達しています。
また、近畿産業信用組合、ハナ信用組合、成協信用組合、朝銀西信用組合、ミレ信用組合、横浜幸銀信用組合、イオ信用組合など、歴史的に在日韓国・朝鮮コミュニティを母体として発展してきた信用組合も複数含まれています。最大債権者は近畿産業信用組合の219.9億円で、この7つの信用組合の債権額を合計すると358.6億円となり、金融機関向け債権全体の約3割を占めています。
債権者リスト)
・近畿産業信用組合 219.9億円
・東京スター銀行 80.0億円
・東和銀行 80.0億円
・山口銀行 74.9億円
・大阪厚生信用金庫 68.3億円
・ハナ信用組合 45.0億円
・北おおさか信用金庫 40.0億円
・成協信用組合 34.7億円
・第一勧業信用組合 29.0億円
・三十三銀行 22.0億円
・関西みらい銀行 21.0億円
・バンカーズ・クラウドクレジット・ファンディング 20.7億円
・あすか信用組合 20.0億円
・朝銀西信用組合 19.0億円
・百十四銀行 18.5億円
・ミレ信用組合 18.0億円
・きらぼし銀行 / 大光銀行 / マイナビブリッジ 各 15.0億円
・KEBハナ銀行 12.8億円
・愛媛銀行 12.4億円
・永和信用金庫 / 高知銀行 各 12.0億円
・伊予銀行 11.4億円
・大同信組 / 横浜幸銀信組 / イオ信組 各 11.0億円
・四国銀行 10.8億円
・みなと銀行 10.0億円
・枚方信用金庫 9.9億円
・JA三井リース 9.0億円
・イオン銀行 8.8億円
・静岡銀行 8.6億円
・千葉興業銀行 / 信用組合広島商銀 / 島根銀行 各 8.0億円
・大阪協栄信用組合 7.5億円
・京滋信用組合 7.3億円
・信用組合愛知商銀 7.0億円
・大阪商工信用金庫 / 佐賀銀行 / SAMURAI ASSET FINANCE 各 6.0億円
・南都銀行 / 宮崎銀行 / 兵庫ひまわり信用組合 各 5.0億円
・福岡ひびき信用金庫 4.5億円
・韓国産業銀行 / 十六銀行 / 東信用組合 各 4.0億円
・神戸信金 / 但馬銀行 / 鳥取銀行 / 栃木銀行 / 中ノ郷信組 / 京都中央信金 各 3.0億円
・江東信用組合 2.0億円
・肥後銀行 / 中国銀行 各 1.5億円
・中央信用組合 1.1億円
・トマト銀行 / 静岡中央銀行 / 全東栄信用組合 各 1.0億円
・神奈川銀行 5千万円
地方銀行、第二地方銀行だけでなく、信用組合、信用金庫、リース会社、さらにはソーシャルレンディングまで、実に幅広い金融機関・企業が債権者となっています。これほど全国の金融機関から多額の融資を受けていた企業は、極めて珍しいのではないでしょうか。
さらに今回は「準自己破産」という形で申し立てられています。準自己破産は、債務者以外の利害関係人などが申し立てる手続きであり、通常の自己破産とは異なる経緯をたどっています。なぜこの手続きが選択されたのか、会社内部でどのような状況にあったのかについては、今後の破産手続きや関係者の説明によって明らかになることが期待されます。
長年にわたる粉飾決算が指摘され、多数の金融機関が巨額の債権を抱えるという今回の事案は、日本の金融機関の融資審査やモニタリング体制にも大きな課題を投げかけています。今後、破産管財人の調査などを通じて、どのような経緯でこれほど多額の融資が実行され、粉飾が長期間見過ごされてきたのかが明らかになることを注視したいと思います。
2026年07月10日 04:29
クレジットカード決済代行を手がける「全東信」が大阪地裁に破産手続きを申請したとの報道から数日が経過しました。私は「今どきの飲食店はリクルートのAirペイ・三井住友カードのstera pack・楽天ペイのどれかだろう」と思っていたので、最初はあまり気に留めていませんでした。ちなみに弊社は楽天ペイを利用しています。カード払いされた代金は最短で翌日に入金され、今では前述の3社であれば、カード利用から数日以内に現金化されるのが当たり前になっています。
ところが調べてみると、この会社は意外にも多くの飲食店と契約していたそうで、全国の飲食店や小売店から悲鳴が上がっているようです。
全東信は、まだカード売上の入金まで1か月以上かかることも珍しくなかった時代に成長した企業でした。また、大手カード会社と直接加盟店契約を結ぶことが難しい店舗に対しても、決済サービスを提供していたケースが多かったようです。
日本飲食団体連合会は、「全東信の決済端末の使用を直ちに停止すること」「カード決済したにもかかわらず未入金となっている売上代金の回収が困難になる可能性がある」と緊急声明を発表しています。
カード決済の売上が大半を占める飲食店も少なくないでしょう。特に高級店では、その割合はさらに高いと思われます。もしキャバクラやホストクラブで先週分の売上入金が突然止まったら、店舗の資金繰りは一気に悪化し、存亡の危機に陥っても不思議ではありません。
全東信は1987年、大阪南飲食事業協同組合として設立され、長年にわたり飲食店向けのクレジットカード決済代行事業を展開してきました。
しかし今回の件を見ると、決済代行会社は単なる「カード決済の窓口」ではなく、「売上金を一時的に預かり、加盟店へ送金する金融インフラ」でもあることがよく分かります。
飲食店や小売店の経営者は、どうしても決済手数料の安さに目が行きがちです。しかし本当に重要なのは、「確実に、そして速やかに売上金が入金されること」ではないでしょうか。
キャッシュレス化が進んだ現在、売上金が1週間、2週間止まるだけでも資金繰りに深刻な影響を与えます。利益が出ている店であっても、現金が回らなければ経営を続けることはできません。
「どこの決済会社を選ぶか」は、単なるコスト比較ではなく、会社の資金繰りを左右する重要な経営判断です。
正直なところ、私はこのような昔ながらの仕組みを中心に事業を続けている決済代行会社が、現在でも一定のシェアを持っていることを知りませんでした。調べてみると、業界には地域密着型や業種特化型の決済代行会社も存在するようです。
これまで決済代行会社の経営状況まで気にして契約していた経営者は、それほど多くなかったかもしれません。しかし今回の全東信の破綻は、「決済会社も取引先であり、その信用力も経営リスクの一つである」という事実を、多くの経営者に改めて認識させる出来事になったのではないでしょうか。
キャッシュレス決済は便利な仕組みですが、その便利さは決済代行会社の信用の上に成り立っています。だからこそ今一度、自社の売上を預ける相手が本当に信頼できる会社なのかを見直す良い機会なのかもしれません。
2026年07月08日 04:40
私が円安について最初にブログを書いたのは2022年4月「円が下落するという意味(リンク)」でのことでした。1ドル=128円と言う局面でした。この中では「総理や日銀総裁も含め日本人は円安について寛容な態度ですが、1ドル105円が128円になるってことは、日本円でしか給料をもらって無い方は給料が4分の3になったこと意味してるの分かってます?」と書いています。
当時から私は「日銀は金利を正常化すべきだ」と考えていました。しかし当時のテレビや新聞では、「円安の原因は日米の金利差による円キャリートレード」「投機筋が円を売っている」「投機を止めれば円安は収まる」といった解説が数多く見られました。
この時点ですでに「120円が防衛ライン」と言っていたのは軽々と突破され、「130円が限界」と言われていましたが、ココも余裕で突破。それでも「135円なら介入」等という経済評論家が大半で、円の価値がドンドン失われていることに気付いている人は少ないようでした。
半年後の2022年10月には「円安が止まらない(リンク)」と書いています。この時点では1ドル=148円となっていて、「150円なら為替介入」との話しが当たり前のように出ていた時でした。
そんな状況でしたから、私は「為替介入があったらドルを買おう」と決めていて、実際に介入があり130円前後になった年末年始に100万円分のドル建て生命保険に入りました。この時、もっと円建ての生命保険をドル建てに変えるべきだったかもしれませんが、まだ良く分かっていませんでした。
私自身「150円はさすがに行き過ぎ」と思っていたのですが、経済評論家やアナリストが言う防衛ラインは何度も引き上げられていき、日銀の利上げもユルユルとしか進みませんでした。その結果が今の1ドル=162円と言う状況なのでしょう。
そもそも、「円安はアメリカの金利が高く日本の金利が低いから円を売ってドルを買っている円キャリートレードが原因」なのでしょうか。
私は「1ドル=200円を突破する可能性もある」と書いたこともありましたが、その時の判断理由はリモートワークの普及でした。突然日本中でZoomやTeamsといったリモート会議システムに課金するようになり、NetflixやYouTubeといった動画サブスクの利用が急拡大したためです。
私を例に挙げると、コロナ禍で「Zoom・Office365・Netflix・YouTube・DAZN・Amazon prime・Disney+」へ課金するようになりました。月額約1.3万円。年間15万6千円です。
そもそもこの他にAdobe Creative Cloud Proの月額1万円を負担していました。今はAIへの課金が月額3万円ほどあります。私一人だけで前述のサブスク分を合わせると月額5.3万円・年間60万円以上が円からドルになっているわけです。
この他にもNISAを活用する人が激増(総口座数は約2,826万口座で国民の3分の1が利用)。利回りで選べばオールカントリーやS&P500といった商品を選ぶ方も多いでしょうから、当然ながらアメリカへ投資することになり、円が着実にドルへと流れるわけです。
仮に3千万人がサブスクへ月額3千円課金するとして900億円/月。年間で1兆円以上。つみたてNISAで月額3万円をアメリカへの投資に回す人が1千万人いたとして年間で3兆6千億円。少なく見積もっても毎年5兆円は普通の日本人が円をドルに流している計算になります。
つまり、私から見ると現在の円安理由は円キャリートレードなんてレベルでは無く、構造的な物に見えるわけですよ。そして私の視点に基づいて、私は全資産を着実にドルへと変えています。経済評論家なんてあてに出来ませんからね。
Temu・SHEIN・AliExpressで買い物をすれば着実に円が外貨に替わります。これも円安要因でしょう。Amazonで買い物したってアメリカ企業です。しかもAmazon商品には多くの越境ECが含まれています。日本人は毎日円を捨てて外貨へと替えているのが現実なのではないでしょうか。
もちろん、為替は日米の金利差だけで決まるものではありません。輸出入、企業の海外投資、観光、エネルギー価格、各国の金融政策など、数え切れないほどの要因が重なって動いています。
ただ、この数年間で私たち日本人の生活そのものが大きく変わったことも事実です。海外のサブスクを利用し、海外企業のAIサービスへ課金し、NISAで海外株へ投資し、海外ECサイトで買い物をする。そのたびに円は外貨へと替えられています。
私は、こうした「生活様式そのものの変化」が、円安の構造的な背景の一つになっているのではないかと考えています。だからこそ、これからも「経済評論家が何と言うか」ではなく、自分自身で考え、自分自身の資産をどう守るかを判断していきたいと思っています。
数年後、このブログを読み返した時に、「あの時から日本の構造は変わっていたのか」と思うのか、それとも「見当違いだった」と思うのか。その答えはまだ誰にも分かりません。しかし、自分なりの仮説を持ち、行動し、その結果を検証し続けることこそが、一番大切なのではないかと思っている私です。
2026年07月07日 06:16
最近よく耳にする残価設定型ローン。動画サイトでは「残クレアルファード」という歌まで流されているそうで、私の知人には「残クレと思われるのが嫌でアルファードを買い替えた」という人までいます。私がこの仕組みを初めて見たのは今から30年近く前でした。当時、「新車が半額で買える」というインパクトのある広告を全国展開していたのが中古車販売チェーンの「TAX」。当時は「残価設定型ローン(以下残クレ)」とは呼ばず、「下取り価格を50%に設定してローンが組める」といった説明だったように記憶しています。
とはいえ1990年代は、そこまでして新車に乗りたいという人も少なく、バブル崩壊でハイソカーブームが終わり、パジェロやハイラックスサーフといったRV車や、エスティマやオデッセイといったスタイリッシュなミニバンが人気となっていて、新車へのこだわりも今ほど強くなかった気がします。
そんなわけで、当時TAXさんが大々的に宣伝していたのは軽自動車が中心。「新車のワゴンR RX(新車価格102.8万円)が51.4万円」といった具合で、「中古車と変わらない価格で新車に乗れる」というイメージを前面に押し出していました。
私が当時乗っていたのは1988年型BMW520i(E28)で、1991年末に走行距離9,000kmの3年落ちを190万円で購入しました。これはイベント会社勤務時代、中古車フェアで音響スタッフが誤ってスピーカーをボンネットへ落としてしまい、格安で譲ってもらったためです。
へこんだ瞬間、車屋さんから「今日売るつもりで出店してるのに・・・」と言われ、まだ23歳だった私は完全にパニック。「私が買うので許してください」と、とっさに口にしてしまいました。すると車屋さんは「現状なら仕入れ値185万円に5万円だけ乗せて190万円でいいよ」と言ってくれ、その価格で購入することになりました。
新車価格500万円以上だった車が、初回車検を迎えただけで200万円以下になることを知ったのは、この時が初めてでした。
その経験があったので、「購入時に下取り価格分を差し引くから半額で買える」という広告を見るたび、「もし実際の査定額が想定より安かったら、その差額を払うことになるのでは?」という印象を持ち、私は手を出しませんでした。
通常の自動車ローンは車両価格の全額を分割で支払いますが、残クレは契約終了時の車の価値(残価)をあらかじめ設定し、その残価を除いた金額だけを分割で支払います。例えば300万円の車で3年後の残価を120万円と設定した場合、毎月支払うのは180万円分です。
この仕組みはディーラー側にも大きなメリットがあります。
毎月の支払額を低く見せられるため、高価格帯の車でも販売しやすくなります。また、ローン金利収入が得られ、契約期間中はディーラーでの点検や車検を利用するケースも増えます。さらに契約満了後には比較的新しい中古車が安定して戻ってくるため、中古車販売にもつなげられます。
つまり、新車販売・整備・ローン・中古車販売という、自動車販売店の主要な収益源を一つの仕組みで循環させられる非常に優れたビジネスモデルなのです。
そんなわけで、今人気のトヨタ車に乗る方法の一つとして、この残クレで買うと言う方法があります。というのも、今トヨタディーラーが一番気にしているのは、購入即売却で利益を得ようとする転売ヤーの存在。残クレやディーラーローン契約を条件に、一般販売より早く納車されるケースもあるようです。
私は車を入手する方法として、残クレを否定するつもりはありません。物を自分のステイタス表現の一つとして考える人は一定数いるでしょう。パテックの時計やエルメスのバーキンを残クレで買う事はできませんが、アルファードならできるのですから。
唯一間違いないのは、この販売手法は以前から存在していて、それを昔から認識していた私は利用したことが無い(現金一括のみ)ってことだけです。
残クレ車には返却までの条件として、走行距離制限(例:年間1万km)、無事故、無改造、車内の著しい汚れNG、タバコ・ペットによる臭いNG、指定された点検・車検等があるそうで、これを守らないと大幅減額もあるとのこと。私の車はイベント現場で不特定多数が乗るし、常に荷物で車内は傷だらけなので、そもそも残クレは無理かもです。
ただ、私の周りの企業経営者や個人事業主で現金一括で買う人は見たことありません。なぜなら、経営者にとって手元資金は最も重要で、車は簡単にローンが組めるというということと、車検やタイヤ交換まで含めてリース契約すれば、支払いを毎月定額化でき、経費処理もしやすいからです。
あと、トヨタには「クレジット一体型保険」という商品があり、保険料をローンと一緒に支払えます。契約期間中は事故を起こしても月々の保険料が変わらず、保険等級の低い若い人は保険料が高額になりがちなのと比較して、有利になるケースもあります。これもトヨタの残クレが支持される理由の一つでしょう。
最後になりましたが、残クレはローン商品です。これには審査があります。スマートフォン端末代の分割払いや各種ローンで延滞があると審査に影響する場合があります。残クレで延滞しちゃうと、その後の住宅ローンを組めない可能性もあります。
車は安く手に入っても、駐車場代や自動車税は必要です。ローンは悪いものではありません。仕組みを理解した上で、自分に合った買い方を選ぶことが大切だと思います。ご利用は計画的におねがいいたします。
2026年07月06日 04:20
昨日、ここ2年以内に制作された住宅ローンに関するYouTube動画をいくつも見させていただきました。内容はさまざまでしたが、基本的に楽観的な見方が多かったことに少し驚きました。日本は1999年、当時の日本銀行速水総裁が「ゼロでもよい」と発言したことで、バブル崩壊後の景気対策としてゼロ金利時代が始まりました。阪神・淡路大震災のあった1995年1月時点では1.75%で「超低金利」と言われていた公定歩合(現在の政策金利)が、0%になったのです。
私がマンション販売やニュータウン販売の企画を担当していたのは1991年から1995年。当時は6%だった公定歩合が4.5%に下がり、「史上最低金利」という言葉を広告で何年も使っていました。それが、わずか数年後にはゼロ金利となり、「史上最低金利」が当たり前の時代に入ってしまったのです。
そんな経験をしてきた私は、2002年に自宅を購入した際、「ゼロ金利なんて長く続くはずがない」と考え、迷わずメガバンクのりそな銀行で3.0%の10年固定を選びました。
ところが、その頃に日本初の住宅ローン専門銀行(モーゲージバンク、現SBIアルヒ)が登場し、2005年には「SBIモーゲージ」として積極的な借り換え広告を展開。周囲でも3%以上で借りていた人たちの借り換えが相次ぎました。
私も借り換えを検討してりそな銀行へ相談したところ、「他行と同じ条件にします」と提案され、借り換えをせずに3.0%の10年固定が、返済開始4年目で1.0%の10年固定へ変更となりました。
そして、それから20年以上が経過。今年5月に再び金利見直しを迎え、私の住宅ローンは10年固定4.0%となりました。この話は以前のブログでも書いたとおりです。
日本銀行は2024年のゼロ金利解除以降、政策金利を2024年7月に0.25%、同年12月に0.50%、2025年6月に0.75%、そして2026年6月1.00%へと引き上げています。
それにもかかわらず、この1年以内に制作された動画でも、
「住宅ローンは変動金利一択」
「政策金利が1.5%になるにはまだ数年かかるし下がる局面もあり得る」
「首都圏マンションはまだまだ値上がりするから借りられるだけ借りるべき」
といった内容が少なくありませんでした。
もちろん、そのような見方が間違いだと言うつもりはありません。実際、その予測が当たる可能性も十分あります。
一方で、金利上昇リスクを警告する動画も複数ありました。その中で印象に残ったのが、楽待チャンネルの「【変動金利の落とし穴】125%ルールで住宅ローンが減らない/金利3%でも耐えられるか」という動画です。
この動画は約7か月前に公開されたものですが、当時は「金利3%」がタイトルに使われていることから、この金利水準はその時点では「あり得ないレベル」だったのでしょう。しかし、政策金利はさらに引き上げられ、私自身も住宅ローン固定金利4.0%という現実を経験しています。
住宅ローンは30年、35年という長い付き合いになります。その間には景気も、物価も、賃金も、金利も必ず変化します。
だからこそ、「金利は上がらない」「不動産価格は上がり続ける」といった一つのシナリオだけを信じるのではなく、「もし予想が外れたらどうなるか」という視点も持っておくことが大切なのではないでしょうか。
私は住宅販売の現場も、超低金利時代も、そして今回の金利上昇局面も実際に経験してきました。その経験から言えるのは、住宅ローンで最も重要なのは「一番得をする借り方」を探すことではなく、「どんな時代になっても返済を続けられる借り方」を選ぶことだと思っています。
参考資料:私の経験)
・購入物件:2002年 新築一戸建て 17坪 4,350万円
・諸費用:150万円
・ローン:4,500万円(35年フルローン/団信付)
・金利:02年10月〜06年5月 10年固定3.05% 月額174,400円
06年6月〜26年5月 10年固定1.05% 月額131,800円
26年6月〜 10年固定4.00% 月額154,700円
住宅ローンは元利均等返済です。そのため、借入当初は毎月の返済額の大半が利息に充てられ、元金はなかなか減りません。つまり、借入残高が最も多い初期に低金利であることの恩恵は非常に大きいのです。
私の場合も、2006年に3.05%から1.05%へ条件変更できたのは、借入からまだ4年しか経っていない時期でした。残高は4,000万円以上残っており、その後20年間も低金利が続いたことで、支払利息を大幅に抑えることができました。
一方で、2026年から10年固定4.00%になりましたが、この時点では残高は約1,500万円まで減っています。金利は大きく上がったものの、借入当初に同じ4%になっていた場合とは家計への影響がまったく異なります。
住宅ローンは「現在の金利だけ」を見て判断するものではありません。どのタイミングで、その金利が適用されるのかが非常に重要なのです。
だからこそ、変動金利を選ぶ場合も、「金利が上がるかどうか」だけではなく、「借入残高がどれだけ残っている時期に上がる可能性があるのか」という視点で考えることが大切だと感じています。
2026年07月03日 10:59
いやーしびれますねー。5月に私の住宅ローン金利が10年固定1.05%から同じく10年固定で4%になった記事を書いたばかりですが、もう今日7月3日の東京債券市場で、長期金利の指標となる新発10年物国債の流通利回りが一時2.810%に上昇しました。ぶっちゃけ私は5月末に金利見直しした際、当然日銀は利上げが後手に回らないように0.25%刻みじゃなく0.5%ぐらいの金利上昇させるだろうと思いましたが、政府が6月末の骨太の方針で「日銀は金利を上げるな」的な事を書いたので、こうなっちゃいました。
市場は高市政権がやろうとしている総額370兆円超のお金ジャブジャブ作戦を、財政悪化ととらえているのかもしれません。もう少し様子を見てみたいと思います。
以前ブログに飲食店の経営について相談がある旨を書いたのですが、その時も「飲食店は専門コンサルに頼んだ方が良い」と書いたかと思います。というのも、飲食店には一定の割合で「自宅兼店舗で家族経営」というスタイルの店舗がありまして、さらに「自宅兼店舗は持ち家でローンも無し」というのが結構あるわけですよ。
飲食店の原価は「FLRコスト」と呼ばれる、Food(食材費)/Labor(人件費)/Rent(家賃)で構成されるのですが、自宅兼店舗で家族経営ってお店は、Rが固定資産税だけで、Lも夫婦経営ならほぼゼロ。結果的にFしかかからないわけです。
こういうお店と価格競争したら勝てないのは当たり前だと思うのですが、なぜか多くの飲食店は価格競争に参入します。客単価1,000円以内のラーメン屋とか、客単価4,000円未満の居酒屋等がそれにあたるのですが、そんなの経営コンサルも何もできないわけですよ。
例えば、賃料20万円の店舗で、夫婦2人だけで営業するラーメン店を考えてみます。
・営業:11時〜24時(13時間営業)/定休日週1日(月25日営業)/席数20席
・賃料:20万円
・水道光熱費:20万円
・その他雑費:10万円(通信費・消耗品・保険等)
・目標手取り:夫婦で30万円(税引前38万円)
以上、固定費合計は88万円です。
食材原価率35%(粗利率65%)で固定費88万円をまかなうには、
88万円÷0.65=1,353,846円
つまり月商約135万円、1日あたり約5.4万円の売上が必要になります。
20席でランチ1回転、夜3回転なら1日の客数は80人です。すると必要な客単価は677円。客単価850円なら月商170万円となり、粗利は約110万円。夫婦の手取り50万円も十分見えてきます。一見すると「これなら十分やっていけそうだ」と思える数字です。
でも、現実にはそんなにお客様は来ません。カウンターが常に満席という店はごく一部ですし、4人掛けテーブルが毎回4人で埋まることもありません。2人掛けを1人で使うこともありますし、4人掛けを1人で使われることも普通にあります。
つまり20席あっても、実際に稼働しているのは6割程度という日も珍しくありません。20席の6掛け、つまり平均12席が4回転だと、1日の客数は48人です。
この場合、月商135万円を達成するには客単価約1,125円が必要になります。さらに雨の日や猛暑日、近隣イベントの有無、競合店の出店などで客数は簡単に変動しますから、実際の経営はさらに厳しくなります。
しかも、夫婦2人だけで13時間営業を毎月25日間続けることは、本当に現実的でしょうか。
11時開店なら、仕込みを考えると朝8時には店に入る必要があります。24時閉店後、片付けや売上確認を終えれば帰宅は深夜。通勤時間まで含めると、自宅で過ごせる時間は6時間程度しかありません。これを何年も続けるとなれば、体力的にも精神的にも非常に大きな負担になります。
専門家ではない私には、飲食店の経営相談を受けても、簡単に価格提案や改善提案ができないのです。単なる数字だけなら見れますが、立地・席数・営業時間・客単価・家賃・家族経営or従業員を雇っているのか・・・少し条件が変わるだけで、状況は劇的に変わります。
間違いないのは、持ち家の自宅兼店舗で家賃も人件費もほとんどかからないお店と、テナントを借りて従業員を雇うお店が価格競争をすれば、勝負にならないのは当然です。
そんなわけで、飲食店経営の分からない私には、賃貸物件で飲食店を経営するのであれば、ある程度の客単価を確保できる業態でなければ継続は難しいように思えます。
しかし現実には、新規出店する飲食店の多くはリーズナブルな価格設定で開業します。そして開業する店も多い一方で、閉店する店もまた非常に多いのが現実です。
飲食店は「おいしい料理を作れること」と「経営が成り立つこと」は別問題です。だからこそ、開業前には一度、飲食店専門のコンサルタントなど第三者の視点で事業計画を見てもらうことが、結果的に成功への近道なのではないかと思っています。
2026年07月02日 07:31
「トランプ氏は「Make America Great Again(MAGA)」を合言葉に、「アメリカを世界最強の製造業国家に戻す」と訴え、多くの支持を集めて再び大統領に就任しました。確かに、その昔のアメリカは「世界の工場」と呼ぶにふさわしい製造業大国でした。
航空機ではボーイング、マクダネル・ダグラス、ロッキード・マーティン、ノースロップ・グラマン。自動車ではGM、フォード、クライスラー。さらにキャタピラー、GE、ウェスティングハウス、デュポン、3Mなど、世界を代表する企業が数多く存在していました。
私は1992年、当時のジョージ・H・W・ブッシュ大統領(父)が、アメリカの自動車メーカー首脳らとともに来日した際、忘れられない経験をしました。
奈良県にオープンする日本初のトイザらスのテープカット式典で、私はオープニング演出を担当していました。ところが当日、大統領の来場が決まり、現場は一変します。
シークレットサービスからは「大統領が来るのにハサミを大量に持ち込むな!」「そのくす玉を開けて中身を見せろ!」「見せられないなら撤去しろ!」と次々に指示が飛び、最後はスタッフ全員が現場から追い出されてしまいました。
こちらからすれば、依頼された演出を準備していただけなのですが、それだけ警備は厳重だったということなのでしょう。
当時の来日目的の一つは、日本市場でアメリカ車の販売拡大を働きかけることでした。
一方で、日本へトイザらスを持ち込んだ藤田田さんは、日本マクドナルドの社長でもありましたから、「日本でどんどん店舗を増やしてくれ」という期待も寄せられていたのでしょう。
この来日では、晩餐会でブッシュ大統領が体調を崩し、宮沢喜一首相の膝元で倒れ込むというハプニングもありました。しかし、その一方で現在の日米同盟の礎となる「日米グローバル・パートナーシップに関する東京宣言」が調印された歴史的な訪問でもありました。
私の印象では、共和党政権は安全保障や経済面で日本に費用負担を求めることはあっても、比較的「取引型」の交渉が多いように感じます。
一方、民主党政権では市場開放や通商問題で厳しい要求を受ける場面が少なくありませんでした。
クリントン政権時代には日米自動車交渉が激化し、「100%関税」の可能性まで示され、日本ではトヨタがGMのキャバリエをOEM販売するという、今では信じられないような出来事もありました。
それはさておき、トランプ氏が再び大統領に就任して約1年。
現在のアメリカ製造業はどうなっているのでしょうか。
AIに「トランプ政権下のアメリカ製造業の現状を教えてください」と質問してみると、おおむね次のような整理になりました。
### ■ 航空産業
・関税強化によりアルミや部材などのコストが上昇
・中国との関係悪化で受注環境が厳しくなる分野もある
・一方、防衛・宇宙関連は引き続き大きな市場を維持
### ■ 自動車産業
・メキシコやカナダとのサプライチェーンが関税の影響を受け、生産コストが上昇
・EV投資の見直しが進み、各社とも戦略を再構築
・ガソリン車回帰を歓迎する声がある一方、将来的な技術競争への懸念も残る
### ■ 建設・農業機械
・国内工場への投資や設備更新は追い風
・しかし、各国の報復関税により輸出向け農機は厳しい市場もある
### ■ 化学・エネルギー
・環境規制緩和によるコスト低減効果
・原油・天然ガス開発の促進でエネルギーコストは比較的有利
・一方で、環境基準が厳しい海外市場への対応は課題となる
こうして2026年のアメリカ製造業を見てみると、1992年当時の「世界中にアメリカ製品を売り込む」という時代から、大きく方向性が変わったことが分かります。
かつては海外市場で勝負することを重視していましたが、現在は高い関税や国内投資を通じて、「まず国内の製造業を立て直す」という政策色が強くなっています。
もちろん、その恩恵を受けている企業や業界もあります。しかし一方で、国際競争や技術革新のスピードについていけるのか、海外市場との距離が広がらないかといった懸念も指摘されています。
1992年、私からくす玉を取り上げ、現場から追い払った屈強なシークレットサービスたちは、「アメリカは世界の中心だ」という圧倒的な自信に満ちあふれていました。
あれから34年。
今のアメリカは、再び世界へ打って出るために国内を鍛え直しているのか。それとも、高い壁を築いて自国市場を守る方向へ向かっているのか。
MAGA(Make America Great Again)が本当にアメリカ製造業を「Great Again」にするのかどうか。その答えが出るには、もう少し時間が必要でしょう。
そして、日本の道路を再び巨大なアメ車が当たり前に走る日も……少なくとも今のところは、まだ少し先の話になりそうです。
2026年06月09日 02:21
先日、私が組んでいる住宅ローンの「10年固定金利の期間満了日」がやって来たという話を書きました。思いのほか反響がありましたので、今回は具体的な数字を残しておこうと思います。旧条件)
・10年固定期間満了日:2026年5月28日
・金利:1.05%
・返済月額:138,121円
新条件)
・10年固定期間満了日:2036年5月28日
・金利:4.00%(2.95%上昇)
・返済月額:158,289円(20,168円上昇)
変動金利を選択すれば、当面の返済額上昇を7千円程度に抑えることもできました。しかし私は、今後の金利変動リスクを避けることを優先し、再び10年固定を選択しました。
私は1990年から、長谷川工務店、三井不動産、藤和不動産、積水ハウス、エス・バイ・エルといった住宅・不動産関連企業のマンション販売や、猪名川パークタウン、神戸北町、神戸花山手、サニーサイド倉敷といったニュータウン販売プロモーション活動に長年携わってきました。
だからこそ、自宅を購入する気は全くありませんでした。なぜなら、それまで多くの不動産関係者の方々から、「自分が住む家は賃貸で十分だ」「住むための家を買うのは非効率だ」という考え方を聞き続けていたからです。
ところが、住宅購入に踏み切った2002年。複数の不動産業界関係者から「今が買い時だ」という話しを耳にするようになり、さらに「35年のフルローンを組むなら35歳まで」という当時のルールも私の背中を押しました。それらが購入を決断した大きな理由の一つでした。
「ローンを組んだ時は返済が苦しくても、賃金は年々上がって言うので少しづつ楽になっていく」なんて事も言われましたが、実際には賃金は現在に至るまで24年間1円も上昇しませんでした。ただ、幸運にも超低金利時代が続いたことで、なんとか返済は続けて来られました。
今回の金利上昇局面を経験して改めて感じるのは、住宅購入とは決して気軽な買い物ではなく、大きなリスクを伴う挑戦だということです。
近年のマンション価格高騰局面で「儲かるかも」と購入された方々は、多額の借入額とともに金利上昇リスクも背負っている上、管理費や修繕積立金も年々上昇傾向にあり、マンション所有者の負担は着実に増えています。
金利が変わると返済額がどの程度変わるかを見てみましょう。以下は5,000万円を35年の元利均等返済で借りた場合の比較です。
・金利1.0% 返済月額141,142円 総返済額 約5,928万円
・金利2.0% 返済月額165,631円 総返済額 約6,956万円
・金利3.0% 返済月額192,425円 総返済額 約8,081万円
・金利4.0% 返済月額221,387円 総返済額 約9,298万円
金利が1%から4%になるだけで、月々の返済額は約8万円、総返済額は3千3百万円以上も変わるわけです。借入額がもっと多ければ、この差はさらに大きくなります。
それだけ賃金が上がれば良いのですが、果たしてそこまでの上昇が見込めるでしょうか。しかも世界の主要国は金利上昇が見込まれており、そうなると日銀もこのまま低金利を続けることは出来ないでしょう。
もちろん、持ち家が悪いと言いたいわけではありません。息子の誕生とともに新築一戸建てを購入し、そこで子どもが巣立つまでの時間を過ごすことができました。縁もゆかりもなかった武蔵小山という街にも愛着が湧き、今では「地元」と呼べるような感覚もあります。
しかし、それは今日まで返済を続けて来られたからこそ言えることでもあります。
住宅ローンは「銀行が貸してくれる金額」で組むものではなく、「将来何が起きても返済を続けられる金額」で組むべきものだということを、今回改めて強く感じました。
金利が上がるかどうかは誰にも分かりません。購入した住宅の価格が将来上がるか下がるかも分かりません。しかし、借りたお金は必ず返さなければなりません。
住宅ローン金利は、かつての1%を切るような時代から、変動で1.5%前後、固定で4%前後という水準が現実に視界に入る状況となっています。今後の動向は誰にも分かりませんが、少なくとも「金利のある世界」が戻ってきたことだけは間違いないでしょう。
住宅購入を検討されている方は、ぜひ一度「金利が5%になったら」「管理費や修繕積立金が大幅に上がったら」という前提で生活設計を考えてみてください。その上でも無理なく返済できるのであれば、それは良い買い物になる可能性があります。
住宅ローンとは、家を買うための素晴らしい仕組みであると同時に、一歩間違えば破滅に至るかもしれない人生最大級のリスクを引き受ける決断でもあります。
これが、34歳時に35年もの長期住宅ローンを組み、そのうち24年間を実際に返済してきた58歳の私からの率直な感想です。
PS) 現在借入残高を知りたいとの話しがありましたので、写真を入れ替えました。なお借り換え等は考えておりません。何の信用も無い若き日の私に、とんでもない低金利で大金を貸し付けてくださったメガバンクさんには今も感謝しております。
2026年06月04日 01:50
5月になると、全国の経営者や人事労務担当者のもとへ、次々と「恐怖の封筒」が届き始めます。社員が住む全自治体から届く、バラバラのサイズ、バラバラの様式の封筒。中身は、社員全員分の「住民税決定通知書」と「振込用紙(納付書)」です。
この振込用紙は各自治体内にある金融機関でしか払い込めないようになっています。都市銀行の支店がない自治体も多いため、結果として全国対応できる「郵便局」に会社の担当者が毎月、大量の紙の納付書を持って並ぶ羽目になるのです。
令和の時代に「DX」だの「生産性向上」だのと言っている国が、民間企業にこんな超アナログな労働を強制している。今どき、こんなのあり得ると思います?
本来、国や自治体が自力で全国民から直接税金を徴収しようとすると、莫大な人件費と「取りっぱぐれ(滞納)」のリスクが発生します。そこで国は「そうだ、企業に天引きさせれば、100%確実に、しかもコストゼロで回収できるじゃん!」と考えたのでしょう。
私は現在カナダで働き始めたのですが、あちらでは確定申告(Tax Return)が基本であり、個人が自分の税金に責任を持ちます。給与からの仮天引き(Withholding)は一部のみ。日本のように「会社が各地方自治体の細かい窓口業務まで完全代行させられる」というシステムは、世界的にも極めて異例です。
そもそも住民税の事務負担だけでも怒り心頭なのに、企業には「社会保険料の徴収事務」も義務付けられています。しかも手続きだけでは無く「社会保険料の労使折半」という謎の仕組みによって、企業側は結構な額の金銭的コスト負担まで強いられています。
ここまで国や自治体の徴収事務を肩代わりしているのだから、何かメリットがあってもいいはずですよね。しかし、事務手数料をもらえるどころか、徴収のための人件費(税理士や社労士への報酬、自社スタッフの給与)もすべて会社持ちなのが現実です。
国は「スタートアップ育成」「起業家を増やそう」と口では言います。でも現実は、会社を作った瞬間に「国と自治体の集金係」として、各種徴収事務を延々とやらされる。しかもその業務内容はまったく直感的ではなく結構面倒です。
なんだか悲しいことの連続ですが、こんな不条理を20年以上も続けています。そろそろ本当に、なんとかならないかと思っている私です。
2026年05月16日 05:11
「日本円だけで資産を持っているのは、もはやリスクでしかない」そう感じて、実際に行動を起こす一般の人が今、急増しています。何を隠そう、私もその一人。日銀がなかなか金利を上げない中、資産を守るための「リスク回避」として、また円をドルに換えてしまいました。正しくは「円建て保険」を解約し、「米ドル建て」に乗り換えたのです。
今回私が動かしたのは、すでに保険料を払い終えていた円建ての生命保険。約24年前の加入で運用金利は1.4%。これを最低確定利回り5.4%の米ドル建て保険に乗り換えました。そうすると1ドル=115円でもドル建てのほうがお得なのです。
元金100万円の場合)
・100万円=6,250ドル(1ドル=160円の場合)
・100万円を年利1.4%で10年運用=約115万円弱
・6,250ドルを年利5.4%で10年運用=約1万ドル超
「今後もさらに円安が進む(かもしれない)」と言われているこの時代に、これだけの金利差がある。となれば、生活防衛のためにドルの世界へ資金が逃げていくのは、ごく自然な流れでしょう。
もはや現在の円安は投機筋(プロのヘッジファンドなど)の仕掛けだけが原因では無いと思うのです。「日本人が日本円を信用して預けておくのをやめた」という構造的な円安に入っています。
まだ気づいていない高齢者層が「円建て=損/ドル建て=得」という事に気づいたり、その層を狙って外貨建て運用を提案する組織が出てきたら、日本人が持つ莫大な個人金融資産が一気にドルへと変わる危険性すらあるわけです。
ここで素朴な疑問が浮かびます。「政府は円安による物価高を嫌がっているはずなのに、なぜ日銀は金利上昇をここまで抑制しているのか?」 という点です。
確かに日銀金利の上昇は住宅ローン返済中の方にはダメージです。でも国民における住宅ローン返済中比率なんて25%未満で、残りの75%以上は、すでに完済した人や、ずっと賃貸の人、親の家を相続した人や一括キャッシュで買った人など。いずれにせよ、今まさに金利上昇の恐怖と戦っているわけではない人たちです。
だったら金利を上げて個人資産を増やして、それが市場に回るような仕組みにしたほうが、日本全体を活性化するんじゃないかと思うんですよねー。
先日はつみたてNISAの話しを書きましたが、あれも多くが海外で運用されてます。だってネットで利回りランキングを見るとS&P500やオルカンが良いので、選ぶならそれらになるのは当然。現役世代も毎月ドル建て投資をやってるってことですよ。
私のような一般人ですら円建て保険をドル建て保険に変えている現実こそ、市場からの明確なサインではないでしょうか。引き延ばせば引き延ばすほど、円の価値は目減りし、インフレは加速し、あとから帳尻を合わせるための利上げは大幅な物にせざるを得なくなると思います。
日銀は「できるだけ早く、そして市場の裏をかくような大きめの幅」での利上げに踏み切るべきではないでしょうか。これ以上、国民の資産が海外へ逃げ出してしまう前に、日本の通貨としての価値を守る決断をしてほしいと小さく思ってます。
なお保険についてのご相談は資格の問題でお受け出来ません。(ただし個人的な知り合いには良い営業マンを紹介させていただきます)
でも保険証券をスマホで写真撮影(名前や住所などの個人情報は黒塗りなどで隠して)して、AIに投げれば結構的確なアドバイスがもらえると思いますので、やってみられても良いかもですよー。
2026年05月15日 20:13
昨日、Hondaが「2026ビジネスアップデート」を発表しました。内容をざっくりまとめると、以下の4点を軸とした「現実路線への戦略修正」といえるものでした。・EV一辺倒を修正し、HEV(ハイブリッド)重視へ
・北米・日本・インドへの集中投資
・日本市場へのN-BOX EV投入
・ソフトウェア領域の強化
しかし、今回の発表を見ていて、どうしても拭いきれない懸念があります。それは、「AIによる自動運転革命への危機感が、あまりに希薄ではないか」という点です。
すでに中国では無人タクシー(ロボタクシー)が日常の風景となりつつあり、高度な自動運転機能を備えた車両が500万円前後で手に入る時代です。何より恐ろしいのは、AIによって進化のスピードが加速していることです。
試験走行すらハードルが高い日本に対し、中国勢は「AIも事故は起こす。だが、人間より上手い運転を目指す」という割り切りで、膨大な走行データを食わせてAIを急成長させています。
今回、ホンダは「次世代ADAS」や「ASIMO OS」という言葉でシステム強化を謳っていますが、「いつまでに完全自動運転車を出す」という明確なコミットは見えませんでした。
ホンダは伝統的にエンジンやシャシー、操縦性といった「機械工学(ハードウェア)」には無類の強さを誇ります。しかし、今の自動運転競争は「データ戦争」であり「半導体・電子部品の争奪戦」でもあります。
トヨタですらAI技術で中国企業との連携を模索するなか、ホンダはどこから何を調達し、どう戦うのか。その具体的なグランドデザインが見えてきません。
個人的には、今回の発表を三部社長の「ごめん、やっぱホンダはエンジンで頑張るぜ!」という本音の裏返しだと勝手に解釈しています。
社長は一言も言っていませんが、心の中では「鈴鹿8耐もインディも、スーパーGTもフォーミュラも、そして厳しいF1も、全部勝ちに行くぞ!」と叫んでいる・・・そう信じたいファンの一人です。
ここで小さなお願いなのですが、全日本ロードレース選手権などのホンダ系チームにも、ぜひドカンと予算を投下していただけないでしょうか。モータースポーツでの活躍こそが、ホンダのブランドイメージを最も高めるはずです。
最後になりましたが、私も微力ながら大赤字発表以降に車はN-BOX JOYを、バイクはDio110を購入して応援しています。今は逆風かもしれませんが、ホンダなら必ずV字回復してくれると信じています。
N-BOX EVが発売される日には、即座に予約させていただきますよ!
2日続けてナフサの話をさせてください。今起きていることについて、あくまで私個人の推測で無理やり理解してみました。かつての日本は、世界屈指の石油化学工業国でした。巨大なコンビナートでガソリン・軽油・灯油とともにナフサを精製し、エチレン/プロピレン/ベンゼン/トルエン/キシレンといった基礎原料を連続生産。それをプラスチックや繊維、塗料に変えて世界へ輸出していました。
しかし今や、主役は中国です。世界シェアの3割を握る中国が巨大コンビナートを増設し続ける一方で、日本の石油化学は弱体化の一途を辿っています。レジ袋有料化や廃プラ抑制といった国内需要の冷え込みも、それに拍車をかけました。
現在、日本が強いのは宇宙・航空・軍需向けの「超高純度・高機能」な分野。しかし、これらは需要のパイが小さく、業界全体の未来を支えるには至っていません。どちらかというとじり貧的な感じでしょう。
別の視点です。もし石油会社が原油から何を精製するかが「収益性」で決まるとします。今はガソリンや軽油には政府から多額の補助金が出ていますが、ナフサには出ていません。しかもガソリンや軽油を切らすなとの指示も出ています。ナフサ精製が後回しになるのは当然ですよね。
政府は「ナフサの量は足りている」と言っていますが、塗料&シンナーは不足しています。正確には、塗料メーカーの値上げ発表に端を発した「駆け込み需要」と、それに伴う「出荷制限」が次々と襲ってきています。
私が注目しているのは、ナフサ由来の「トルエン(芳香族溶剤)」の不足です。トルエンは、印刷インク、塗料の希釈、接着剤の粘度調整に不可欠な素材。これが足りないから、シンナーが消え、インクが作れず、包装材が届かないという連鎖が起きています。
カルビーがパッケージを白黒にすると発表した際、政府が即座にヒアリングを行いましたが、事態は深刻です。アルミ包材へのカラー印刷は、下地の白を塗ってから色を重ねます。もっとトルエンが枯渇すれば、パッケージはアルミ下に黒一色となるでしょう。
今回の危機の本質は、ホルムズ海峡閉鎖という地政学リスクへの対応として「ガソリン・軽油」を優先しすぎた結果、ナフサ精製が煽りを食った「トルエン不足」ではないでしょうか。
レース用バイクのカウルを塗るなら、多少色が違おうが、薄め液の質が悪かろうがOKです。しかし、自動車修理工場で板金塗装の色が他の部分と違ったら絶対NG。かっぱえびせんのエビがくすんでいたらNG。質の悪いシンナーなんて使えるわけない。だから現場が止まるのではないでしょうか。
結局のところ、数字上の「在庫」がいくらあっても、それが現場で使える「製品」として適切な価格で流れてこなければ、経済は止まってしまいます。政府が補助金でガソリン価格を無理やり抑え込んでいる歪みが、様々な箇所に出ているようにも感じます。
ただ、今回は政府から各省庁に至るまで必死に対応してくれているのは良く分かります。実際に16リットル缶で頼んだ物が「欠品/入荷未定」だったのに、政府の指示で「4リットル缶で納品可」に変わりました。
今は耐えるしかないのかもしれませんが、全てはトランプ氏のイラン攻撃のせいなので、とっとと終わらせてくれないもんかと思っている私です。
2026年05月14日 04:36
最近、ニュースでよく耳にする「ナフサは確保できているが、流通の目詰まりが問題だ」という話し。また政府はコメ不足の時と同じ説明をしています。ただこれは、そもそもの「経済の理屈」を無視しているとしか思えません。コメ不足の際、私はこのブログでも「コメはあるけど値上がりしたから流通していない」と書きました。発生と解消は以下のような流れを辿ったと思われます。
第一段階:流通量の減少で米価格が上昇して小売店が仕入れを控える。
第二段階:店頭から米が消え、不安になった消費者が「買い占め」に走る。
第三段階:消費者が高くても買うようになり品物が店頭に並び始める。
第四段階:儲かると踏んで買い集めた問屋が在庫を一気に放出し、価格が落ち着く。
ナフサは、私たちが日常で使うビニールやプラスチックの源流です。その価格が500ドル台から800ドル台へと跳ね上がりました。
原材料費がこれほど爆騰したら、製品価格に反映できなければ赤字になるだけですから、各メーカーが買い控えるのは当たり前です。しかもホルムズ海峡が解放されればナフサ価格が下落する可能性があるわけですから、当然様子見という企業もあるでしょう。
なぜホルムズ海峡閉鎖前にあったナフサの価格がすでに上昇しているのか?便乗値上げだ!という話しもよく耳にします。しかしこの意見は「再調達価格」の視点を無視しています。
たとえ手元にある在庫が「安かった時期」に仕入れたものであっても、次に原料を補充する(再調達する)時は、今の高い市場価格です。もし今の在庫を安く売ってしまうと、次に仕入れる高い原料を買う資金が手元に残らず、ビジネスが詰みます。
つまり、今の在庫を高く売るのは「便乗値上げ」ではなく、「事業継続の基本形」なのです。
現状、プラスチック製品が市場から消えつつあるのは、単純な話です。原材料が高すぎるから仕入れない。仕入れないから製品が作れない。高く売れる保証が無ければリスクを負ってまで流通させない。企業は「作れない」のではなく「作らない」という選択をしているのだと思うのです。
これが、政府の言う「目詰まり」の正体。物理的に物が通らないのではなく、「価格の折り合いがつかないから誰も動かない」という、経済的停止状態なのではないでしょうか。物はあるけれど、高すぎて誰も手を出せず、結果として棚から消えると言う状態なわけです。
自動車整備や手術には欠かせないニトリル(ゴム)手袋。製品に占める原材料費の割合は50%以上です。住宅建設には欠かせないビニールパイプもそう。これも原材料費の割合はニトリル手袋以上です。
原材料比率が50%超えという事は、ナフサ価格60%アップなら、これらの製品は理論上は製品価格を30%以上値上げしなければ利益が削られてしまうのです。ただ30%の値上げでは利益率が低下しますので、最低35%アップとなります。
ましてや成分のほぼ100%がナフサ由来原料のシンナーなんて価格が上がって当たり前。だけどただの薄め液だから、塗料メーカーは「値上がりしたら誰も買わない」と思うから、生産調整するのは当たり前。結果として一時的な品不足になりました。
個人的には政府が言う「流通の目詰まり」は言葉のすり替えだと思ってます。流通の流れに何段も問屋があり小売を通じて消費者に届く構造の日本では、「高い原材料を認めて、製品価格に転嫁し、消費者がそれを受け入れる」というプロセスを経ない限り、品不足は解消されないのではないでしょうか。
「原材料はあるのに物がない」のは物流の目詰まりのせいではありません。「適正な価格で取引できない状況下では様々な物が止まる」この原則を政府は理解した方が良いかもねーと思っている私です。
2026年04月28日 05:57
パキスタンが仲介してのアメリカとイランの交渉決裂から2週間以上が経過しました。もはや開戦後からのホワイトハウス・レビット報道官の説明は虚偽にしか聞こえず、トランプ氏のSNSでの強気な発言も、現実を直視できない老人の妄想のように映ります。
2026年2月28日に攻撃開始した時、トランプ氏は「体制転換を促す」「武器を捨てれば免責さもなくば死」「数日、長くても2週間で終わる」と言っていました。
それが数日後「2〜3週間で終わる」に変わり、その直後からレビット報道官は「大統領は最初から4〜6週間と言っている」と言い出しました。戦闘開始直後でこれですよ。SNSアーカイブが残っている現代において、これほど稚拙な情報操作が通用すると思っているのですかねえ。
今回は「停戦交渉のため2週間休戦」といってパキスタンで交渉開始したのに即座に決裂。それに対してトランプ氏は「橋や発電所を全て壊す」と戦争犯罪行為にまで言及する始末。それでもイランが動かないと見るや「休戦を延長する」と勝手な発言。
イランは徹底的にアメリカのメンツを潰す作戦に出ていて、制空権を取ったと言われればF15Eを撃墜し、イランに長距離ミサイルが無いと言われれば4千キロも飛ぶミサイルを発射し、停戦交渉再開と言われれば会話の予定はないと否定されてます。
イランが圧巻だったのは、イラン側が「ホルムズ海峡開放」を発表したのに対しトランプ氏が「アメリカの逆封鎖は続ける」と発表するやいなやに通過船舶を攻撃し機雷を敷設。「アメリカがハーグ陸戦条約で定める停戦の定義を守らないため」と正論で世界中を黙らせました。
うちの近所にある目黒不動尊は毎月28日に縁日が出るのですが、今日がその日なので戦闘開始から2ヶ月=約60日=約9週間なのを思い出しました。トランプ氏もレビット報道官もお話しにならないほどウソを言っていたことは明らかで、しかもレビット氏は産休に入るそうです。
なんとなく世界中の人々がおぼろげながらに分かっているのは、アメリカが完全に状況を把握できない状態になっていること。そして交渉相手と会話すらできず、藁にもすがる思いでパキスタンに仲裁を依頼しているらしいということでしょう。
日本周辺に配備されていたアメリカ軍の強襲揚陸艦が中東へ行っちゃったので、中国海軍と海警局の船がジャンジャン日本近海に出てくるようになってます。台湾有事を始めるなら今だって感じでしょう。何なら宮古島以南で海上封鎖も出来るでしょう。
イランが言っているのは以下のとおり。
・宣戦布告も予告も無く突然攻撃して来たのはアメリカとイスラエル
・攻撃されたら抵抗するのは国家として当然の行為
・イランは中東各地のアメリカ軍基地から攻撃を受けている
・反撃は中東各地のアメリカ軍基地とその設置を許している各国になるのは当然
・長期間の戦いに備える準備はできているし最初からそのつもりである
今週には長崎から向かったアメリカ軍の機雷掃海艇がホルムズ海峡に到着することでしょう。活動を開始すればトランプ氏は「掃海を開始した!海峡の解放は間もなくだ!」と発表し、イランは即座に「機雷敷設は止められない、掃海艇の位置は把握している」とメンツを即潰しするでしょう。
そんなことより私が個人的に分かったのは、日本のメディアに並ぶ専門家という肩書きがいかに空虚かということ。彼らの解説は調査に基づいた現状分析でもなんでもなく、単なる願望や想像の垂れ流しに過ぎないと確信できました。
もうアメリカ軍は弾切れなのでイランへの猛攻撃は出来ないわけで、「攻撃してくれれば反撃出来るのに」って状態で待ち構えているイランがイライラしているように見えます。
今後の落としどころは早期にアメリカがイランの希望する条件を飲んで撤退するか、中国がイランへの全面的な軍事支援を表明するしか無いんじゃないかと思っている私です。
2026年04月22日 07:04
「サクリファイス(Sacrifice)」とは英語で「犠牲」「生け贄」「供え物」といった意味があり、英語で犠牲バントは「サクリファイスバント」といいます。ゲームのチェスでは一般的な手法で、自分に有利な進展を得るため、捨て駒を犠牲にして突破口を開けたり時間稼ぎしたりする事を指す言葉です。
チェスには同じような捨て駒作戦でも、定型化されているのは「ギャンビット」と呼ばれ、戦況に応じて頭脳を必要とするサクリファイスはチェスの華とも言われます。
軍事的なワードとしても昔から使われ、自国が攻撃を受けた場合に反撃をする場所や方法をあらかじめ決めておく「サクリファイスリスト」は、どの国でも用意していると思います。
例えば長距離弾道ミサイル開発前の北朝鮮は、アメリカから直接攻撃を受けた場合、直接狙える沖縄や韓国等のアメリカ軍基地を狙うのではなく、那覇/福岡/横浜/札幌/プサンといった大都市を攻撃し「近くの基地も狙えますよ」というシグナルを発すると言われていました。
武力で仮想敵国を圧倒できない国であればあるほど、このサクリファイスを充実させるのは正攻法で、政治体制で言えば国のトップ一人が倒されても統治体制を維持できる人員を次々と出せるようにするとか、限られた弾薬を有効活用して敵の弾切れを誘うといったのも基本形です。
以前からトランプ氏と周辺にはこのチェスの考え方が欠落しているように感じていました。そもそもアメリカ大統領からの戦闘検討に対し国防総省は圧倒的打撃を中心とした4つの軍事オプションを提示するパターンが常で、大統領(&政権)はそこから一つを選択するだけ。
ところが、攻撃される側の国がサクリファイスリストに「国土・インフラ・資産・兵員・人員を相当数失ってでも抵抗する」を入れていた場合、弾切れと共に窮地に追いやられ長期化する事例が散見されました。まさに今回もそうです。
イランは1発の弾頭に多数の発光体を入れ敵地上空でバラバラの光になる物を今回有効活用しています。一見クラスター爆弾に見えるし、迎撃ミサイルレーダーは無数の熱源と見なして大量の迎撃ミサイルを撃っていますが、これもイラン側の捨て駒でしょう。
日本人にはお馴染みの打上げ花火。あれを夜間の都市部にドローンで運び込んで導火線に火をつけて投下したり、短距離ミサイルで打ち込むだけ。花火がドーン&パチパチと音がするのは音玉を仕込んでいるからで、入れなければ大きな音もしません。
闇夜に空襲警報が鳴り、無数の火花が上空に見え、そこに迎撃ミサイルが次々発射されるのを見る国民からしたら恐怖でしかないでしょうし、花火の一尺(直径約30cm)玉が8万円で買えるので、音玉も入れずデザイン性も無視した一尺玉なんて2万円で製造可能。
これを2億円から30億円の迎撃ミサイルで撃ち落とす(厳密には何もしなくても上空で燃え尽きますが・・・)わけですよ。しかも撃った場所が特定されてレーダーをピンポイントで狙われたりもしてます。金銭的にも軍事的にも大損害。
歴代アメリカ大統領は軍事作戦において基本的にはチェスの思想も持っていたように感じましたが、トランプ氏はポーカーをやってしまっているように見えます。
ポーカーの基本は「強いハンド(手札)でファストプレイ」「負けてると感じたらブラフ(誇張)で相手を揺り動かせ」なのですが、同時に「迷ったら降りろ」「疲労/怒り/イライラを感じたら降りろ」とも言われます。
何よりもポーカーは「開始数十分でカモを見つけられなかったら自分がカモ」と言われ、「相手を過小評価したら負け」は基本中の基本。
今は完全にイランに「攻撃被害の賠償金請求」「ホルムズ海峡の通行料徴収」「戦闘再開なら弾切れ誘引作戦」を突き付けられ、降りるに降りられないテーブルにいるのではないでしょうか。
「橋や製油所を攻撃する」のブラフには、「やれば戦争犯罪者確定だ」のブラフが返って来ます。これで実際に攻撃すれば世界中から一斉に非難が集中するでしょう。ポーカーの負けワードで言えば「ブラフキャッチ」。
誰かトランプ氏に「相手がやってるのチェスですよ」とか「相手側のサクリファイスリストはコレです」とか教えてあげて欲しいなあと思っている私です。
2026年04月06日 05:50
中東各地では核合意へ向け交渉中だったイランをアメリカとイスラエルが騙し討ちした事を発端とするミサイルやドローンが飛び交っています。私は紛争地域や交戦中の場所に行った事はありませんが、不幸にも突然の政変やテロに巻き込まれ、結構な勢いでエライコッチャになったことがあり、そんな時に大使館職員として邦人救助にあたったという方と武蔵小山で飲みに行ったりしたこともあります。
これ説明が難しいのですが、私に経験した政変やテロは国内過激派によるものや軍事クーデターなので空襲警報なんて鳴りません。いきなり街中に迫撃砲が撃ち込まれたり、戦車や軍隊が街を埋め尽くすと言った感じです。
典型的なパターンは高級ホテルへの着弾。高層ビル群の中でも象徴的な建物が高級ホテルだったりするので、迫撃砲が飛んできたりして、ランクの低いホテルや郊外のホテルへ移動する羽目に陥ったりします。
でも3日もすると慣れまして、どうやって日本に帰るの?とか考えなくなるのですよ。だって日本大使館&領事館に聞いても何も分からないわけで、どうせズブの素人の私が何を考えてもムダだから。「今あるお金で何日泊まれるかな?」とか「食べ物って手に入るのかな?」が先に来るようになります。
日本で「Jアラート」というのがミサイル発射の空襲警報として使われるようになって約10年。最初は発せられる度に大騒ぎしていたのに、今や誰も気にしないですよね。私共イベント業界ではマニュアルに「Jアラート対応」というのを常に入れてますが、どのディレクターも無視しています。
Jアラートが出たら「何もない場合伏せろ」とされていますが、過去に本気の政変が発生した場合は伏せ方の説明もあって、「地面の衝撃波から内臓を守るため丸くなる」「脳を守るため手で後頭部を覆う」「爆風の気圧変化から鼓膜を守るため口を開ける」とか言われました。日本は緩いです。
ここからは推測なのですが、中東各地もすでに毎日空襲警報が鳴ることに慣れているのでは無いでしょうか。だって民間人がミサイル飛来にどう対応するかなんて考えても対処法無いですもん。イスラエルやスイスはどの家にもシェルターありますけど、他の国には無いですから。
日本人がJアラートに慣れたのと同じように、中東各国もさすがに1カ月以上もこの生活が続くと空襲警報に慣れていることでしょう。直撃されたらその時考えるってことしかないですよ。
その昔、ソウルでは結構な頻度で「ミンバンウィ(民防衛)訓練」という北朝鮮ミサイルが飛んできた時に訓練をやってました。街中が地下街だらけなのは全てが核シェルターになっているためなのですが、ソウルの人口が増えすぎて全員が訓練時に地下に入れないので、今はまず実施されません。
阿蘇市の方は噴火口に住んだり観光ホテルを置いたり鉄道を走らせて駅まで設置してます。東京の私も、ちょっと東に壊れた原子力発電所があり、活火山が富士山/浅間山/箱根山/伊豆七島/赤城山/榛名山と多数。さらに関東大震災と南海トラフ地震が来るのは確実と言われているのに、バカみたいな数の人々が住んじゃってます。私も同じですがね。
イラン国民だってアメリカの攻撃を恐れないわけじゃないとは思いますが、今さらどうあがいても何も変わらないし、トランプ氏がいる限り終わらないわけで、仕方ないから普通の生活を続けているだけじゃないでしょうか。
ヘンな上司が来ても社員は退職以外に逃げる方法無いですよね。直撃を受け続けるか、上司が移動になるか死ぬのを待つしかない。ドラえもんのジャイアンリサイタル(映画版のジャイアンはいいヤツですが)みたいなもん。
トランプ氏はイランは交渉しろと言っていますが、すでに空襲警報を日常のものとしてしまったイランにとっては、アメリカの交渉を無視しつづけて終わるのを待っているのでは無いでしょうか。ジャイアンリサイタルならぬトランプリサイタル。
自分の経験に重ね合わせると、「大地震や大噴火が来るぞ、原発爆発で被爆の危険性もある、そこから引っ越すかどうかを48時間以内に決めないとどうなっても知らん!」と言われても、「来るなら来い!」としか言いようが無いわけですよね。
空襲警報が鳴ることすら日常になってしまった社会では、「危険だからやめる」「怖いから従う」という理屈そのものが機能しなくなります。
人間は思っている以上に環境に適応してしまう生き物で、その適応の先にあるのは、理屈ではなく「慣れ」と「諦め」と、そしてそれでも続いていく日常なのでは無いでしょうか。
だからこそ、外から見ている私たちが想像するほど単純に「交渉すれば終わる」という話ではないのでしょう。むしろ当事者にとっては、終わらせ方すら見えないまま、ただ日々をやり過ごしているだけなのかもしれません。
その現実を踏まえたとき、この状況がどこへ向かうのか・・・。楽観できる材料は、残念ながらほとんど見当たらないのが実情という気がしている朝です。
以上、原油先物価格高騰理由を自分なりに理解してみました。ふー。

2026年04月05日 06:50
トランプ大統領が「航空優勢(完全な制空権)の確保」を宣言した直後の出来事として、現在非常に緊迫した状況が続いています。事態は 2026年4月3日(金)から4月4日(土) にかけて発生しました。F-15E(ストライクイーグル)戦闘機がイラン南部(あるいは中部)の上空で撃墜され、乗員2名のうち1名は救助されたようですが、もう1名は依然として行方不明で、イラン側が捜索しているとの報道があります。
また空飛ぶ戦車とも呼ばれるA-10(サンダーボルト)近接航空支援機が被弾。クウェート近郊(orホルムズ海峡付近)で墜落したとされています(パイロットは脱出・救助済み)。
UH-60(ブラックホーク)救難ヘリは、行方不明のパイロット捜索に従事中に被弾。自力でイラン領空を脱出し帰還したと伝えられています。
CH-47(チヌーク)大型輸送ヘリは、コックピット部分が完全に消失し、前方ローターがひしゃげ、胴体部分が爆風と破片でズタズタになっている写真がネットに出回っています。どうもクウェートにあるアメリカ軍の物流拠点「キャンプ・ビューリング(Camp Buehring)」のようです。
これらの事実は、まだイランに対空戦をやる能力が残されていることと、アメリカ軍が安全と思っている後方基地でもドローン攻撃がやって来る可能性があり、さらにアメリカには基地であっても防空システムが手薄になっているという現実を見せてくれます。
以前からアメリカ軍が攻撃に成功したとしている映像が不鮮明で、これらは以前からイランが大量に配置しているとの噂があったデコイ(囮の模型や退役機材)なのではないかとの話しも出ています。つまり本当の戦力は叩けていないかもしれません。
イランが大量のデコイを使用していた事例は過去のセルビアやイラクとの戦いでも見られており、そういった方法で弾薬を浪費させたり、破壊したと誤認させたりする手法が取られてきました。今回だけは全部本物だったと言うのは無理がある飛躍にも感じられます。
最近イラン軍が使用を始めた弾道ミサイルは、以前の物と異なり地上に近づくと羽根が出てきてフラフラと進路を変えることが判明しています。これは単に落下してくるミサイルからの迎撃を想定したシステムでは対応不能で、かなりの軍事的脅威となっています。
これも、今まで使用していた各種ミサイルは旧式の物で、イランは最新鋭兵器をまだまだ隠し持っている可能性を表しており、ここまでの戦闘はイラン側の「アメリカ&イスラエルの弾切れを狙った作戦」だった可能性を示唆しています。
華々しい戦果発表の裏で、今この瞬間も、命を懸けて任務に就いている兵士たちがいます。
何より懸念されるのは、現在も行方が分かっていないF-15Eのパイロットの安否です。一刻も早く、無事に帰還できることを心から願ってやみません。また、今回被弾した機体に乗っていた兵士たち、そして予期せぬ攻撃にさらされた基地隊員たちの無事を祈ります。
圧倒的な武力行使の先にあるのは、勝利ではなく、さらなる憎しみの連鎖かもしれません。「航空優勢」という言葉では拭えない多くの犠牲とリスクを前に、私たちは改めて、この戦いの出口を問い直すべきではないでしょうか。
混迷を極める中東情勢ですが、これ以上の流血が止まり、一刻も早く真の平和が訪れることを強く切望いたします。
2025年10月05日 03:58
自民党総裁選挙で高市早苗さんが勝利。この結果、日本は歴史上はじめての女性首相を誕生させることになります。韓国には遅れをとりましたが、アメリカよりも先に女性トップを誕生させられたのは素晴らしいことだと思います。一時は現在の東京都知事である小池百合子さんがその座を射るかに思えた時代もありましたし、それ以前には野田聖子さんがなりそうな雰囲気もありました。ただ、小池さんは民主党をぶっ壊して終わ医、野田さんは郵政選挙で追放されて消えるという憂き目にあっていました。
高市さんはコテコテの関西人ですので、これで総理と東京都知事が女性関西人という奇跡のシフトが組まれることになります。どちらもキャスター出身ですが、小池知事とは異なり学歴には問題無いのでそこもポイント高め(レベルが低すぎるが)ですね。
神戸大学ご在学中の80年代前半はヘビメタバンドのドラム。当時の私の家は神戸大学正門から徒歩5分の場所だったので、ほぼ全ての学園祭に足を運んでいて、ラウドネス/44マグナム/アースシェイカー/ラジャスといった和製ヘビメタ全盛期だったこともあり、多くのヘビメタバンドをみさせていただいて、その雄姿に接する機会もありました。
素晴らしいことにバイク好きの阪神タイガースファン。今までは選挙区が奈良だったので応援する場面はありませんでしたが、総理ともなれば応援しない手はありません。ぜひ来年の鈴鹿8耐はスタートorチェッカーのフラッグを振ってもらいたいものです。
なぜ勝てたかの分析については結果が出てから事前に分かってたフリする報道関係や政治記者&評論家におまかせするとして、国慶節の大型連休で久々に都内にも大量の中国人が来訪されているのですが、その方々が「日本は懐かしい中国の香りがする」とまで言われるに成り下がった日本を、政治的機運を盛り上げて昔のように輝ける国とする第一歩を築いてもらいたいと思います。
とはいえ男尊女卑の極みといったアメリカ大統領と対峙しないといけないし、衆参共に与野党逆転状態なので連立の枠組みを構築しないといけないわけでイロイロ大変だと思いますが、品川区の関西人かどうかも分からん60前のオッサンに言われることじゃないでしょうから、この件はこのへんで終わりにします。
そんなことはさて置き、私は全日本ロードレース選手権岡山ラウンドをお休みして、地域の親子を引率させていただき、千葉県でキノコ採りと落花生掘りをさせていただきます。
2025年07月20日 06:33
日産が発表した2026年度末までの神奈川県平塚市の⽇産⾞体湘南⼯場と2027年度末までの神奈川県横須賀市の追浜⼯場閉鎖ですが、何年も言われ続けて来た閉鎖の噂がいよいよ現実になったという感じだったりします。1995年に神奈川県座間市にあった座間工場が、2001年に東京都武蔵村山市(一部は立川市)にあった村山工場や京都府宇治市にあった日産車体の京都工場等が閉鎖され、座間工場はバブル崩壊の影響、村山工場はカルロスゴーン氏のリバイバルプランに基づくものでした。
追浜駅周辺に広がる商店街って昔は大賑わいだったのですがシャッター街になってますし、大変な大騒ぎだったお祭りもさみしい感じになって久しいのですが、⽇産⾞体湘南⼯場は真横にららぽーとが出来ていて寂しい感じでは無かったりします。
そういう意味では⽇産⾞体湘南⼯場は座間工場や村山工場の一部がイオンモールになっているように、ららぽーとの増床に使うのもアリでしょうし、商業施設に隣接した住宅用地としてマンション分譲用に売却も可能でしょう。
ただ追浜工場は周辺に日産の研究施設やテストコースもあって商業施設用地や住宅用地として民間企業に売却するのも難しいでしょうし、京浜急行沿線も地価が爆上がりしてるなんてことも無く、どう活用してその程度の程度の効果を見込んでいるかは分かりません。
ただ、私のような昭和40年前後生まれ世代にとって日産は特別な存在で、刑事ドラマの太陽にほえろや西部警察では日産の車が画面を駆け巡っていたし、サーキットへ行けばとんでもないスタイルのシルエットフォーミュラが走り回っていました。
ボタンの掛け違いがおき始めたと感じたのは1985年の東京モーターショーで出て来た「Be-1」というコンセプトカー。当時販売されていた「マーチ」の内外装を可愛く仕上げた物で、こいつが話題沸騰となって1995年に限定1万台で発売されるや一挙に売り切れたのです。
1988年には既存の高級車「セドリック/グロリア」(クラウンの対抗馬)という車の外側だけ拡大して立派そうな顔面を付けただけの「シーマ」という車を登場させ、これが500万円以上の高額だったにも関わらず売れまくったのです。
これでハイソカーブームという高級車ブームを創り出したのですが、シーマ以外の車種ではことごとくトヨタに負けまくったのです。セルシオvsインフィニティ、ソアラvsレパード、クラウンvsセドリック/グロリア、マーク/クレスタ/チェイサー vs ローレル/スカイライン/マキシマ/セフィーロと負けまくり、対抗馬の無かったシーマにマジェスタが出てきて消え去りました。
この間にも我々を喜ばせる車種はありました。少し前に登場した「S13シルビア」もデートカーと言われていたもののFRの素晴らしいドリフトマシンでしたし、1989年には「32GTR」が登場。まだなんとか踏みとどまってはいました。
ただ、西部警察の続編というかあぶない刑事のスピンオフ的なドラマだった「ゴリラ・警視庁捜査第8班」で車両協力が三菱自動車となり少し「ムムム」と思いつつ、ドラマの内容も「ムムム」であったために刑事ドラママニアの日産離れが始まります。
広告キャラクターはオリックスのイチロー選手になりディーラーのオーナーが喜びそうなダジャレ「イチロ・ニッサン」をキャッチコピーとする展開が大々的に行われ、ディーラーへ行くとイチロー選手のテレカがもらえたりしました。ビミョー。
いいブランドだったのに経営陣・マーケティング陣・開発陣が束になってことごとく失敗し、さらにグダグダの労働組合が追い打ちをかけた感じですかね。
個人的には今後の急成長時に即再稼働可能な施設として追浜工場は維持しておいたほうがいいのになーって思っているのですが、エスピノーサ社長はどう思ってるのでしょう。そしてレバノンのゴーン元社長もどう思っているのでしょう。
私は910ブルーバードの時に上級車種に標準装備されていたカセット録音用マイク付き8スピーカーカーオーディオを、自宅用ラジカセとして入手したいと探しております。いつか手に入れたら報告させていただきます。

2025年06月15日 06:24
イスラエルがイラン核施設を攻撃したことに対する報復は、イラン側からの100機以上のドローンと連日100発以上の弾道ミサイル攻撃でした。面積は四国ほどで人口1千万人未満でしかないイスラエルに対し、国土は日本の4倍で人口も9千万人を超えるイラン。国境を接していないので、イスラエルは圧倒的な空軍力&核武装とアメリカとの同盟で周辺国をけん制していたので、イランは徹底したミサイル配備と核開発で対抗していました。
今回のイスラエルによる突然の攻撃は、イランが核兵器開発まであと一歩のところまで達したとの判断によるものだとされていますが、イランは完全にふいをつかれた格好で各開発拠点や軍の司令官を一挙に失うこととなり、引くに引けない状況となったと言えるでしょう。
イランはミサイル技術をすでにもっているので、濃縮イランを自国内で生産しなくてもロシアから買えば簡単に核武装可能。実際にすでにある程度の核ミサイルは自国内にあるかもしれません。
しかも産油国なのでお金はいくらでも用意できる上、ホルムズ海峡に面しているので物流を停止させることも自由自在。中東原油が生命線の国は日本をはじめ何か国もあるので、世界中をパニックに陥れることもできちゃいます。
逆に言えばイスラエルが無いと困ると言う国は少なく、アメリカとの同盟だけが生命線のイスラエルにとっては、アメリカの協力を得ずに周辺国と戦争すると言う選択肢は無いと思っていましたが、トランプ政権下なら何をやっても支持してくれると判断したのでしょう。
ロシアはウクライナとの戦争で疲弊していたので、ここで一気に武器や弾薬をいくらでも買ってくれる産油国が登場するというのは朗報でしょう。
一気に量産体制を整えて大量生産して安定供給すれば、対ウクライナの武器がいくらでも調達できるわけで、イランも今すぐ簡単に調達できる武器があって、数か月後からは持久戦にも耐えられるだけのロシア製ミサイルや武器が手に入るなら、いくらでも資金は用意するでしょう。
いろいろ疑問はありますが、私の住んでいる日本という国は実質的なアメリカの属国ですので、遺憾の意を表しつつアメリカに全面協力するでしょうから、沖縄に駐留するアメリカ軍は中東へと向かい、その隙間を狙って中国が台湾へ攻め込む事態となるでしょう。
そうなると中台国境防衛は日本の自衛隊が中心となるわけで、中国は宮古島と沖縄本島の間or宮古島と石垣島の間を圧倒的な空海兵力で分断するかもしれません。
そんなわけで日本が戦争に巻き込まれる日が刻一刻と近づいてきたようです。まずはガソリン代がリッター200円超えになって、台湾・香港・シンガポール等にいる在留邦人への注意喚起や渡航者への危険情報レベル3以上が発せられたら、次はそのシナリオが現実になるかもです。
こんな状況ではありますが、のんきに都議会議員選挙の応援とか地域ボランティア活動へ行ってきます。平和な日常がもう数十年だけは続くことを祈ってます。
2025年02月16日 06:33
お米が無いという話しが出たのは昨年のいつだったか覚えてないのですが、私が認識したのは昨年7月のこと。品川区の小学生から高校生まで約150名の子供達を引率していくキャンプの資材購入時に「お米が無い」と我々と同じボランティア団体の調達チームが報告したのを聞いたのがキッカケでした。
お米農家の方々には申し訳ないのですが、私自身が自分からご飯を食べるってことは無く、ぶっちゃけ1日3食すべてが焼き鳥や焼き魚でもいい人です。昔からパンorご飯なんてレベルでは無く、炭水化物を食べたいという気持ちはありません。
ただ以前にもこのブログに書きましたが、お米は日本の宝だから外食時はお米の物を必ず頼みます。立ち食いソバ屋でならソバだけでいいけどカレーライスやかつ丼のセットを頼むという感じです。ただ両方とも少しづつ残すんですけどね。
あとは、ぶっちゃけマクドナルドやケンタッキーといったアメリカンジャンクフードが大好きで、一人で食事となると連日それになっちゃう人種だったりもします。
昨年お米を購入したのは2回。石垣島で30kg買ったのと予約していた大潟村からの産地直送米を5kgだけです。そして結論から言うと、石垣島で買った30kgはお米が無いという騒動の際にご近所へおすそ分けし、今も10kgの米びつにお米が3kgはあるので、自宅での年間米使用量は10kgぐらいだと思います。
農林水産省の発表では2024年産米の収穫量が前年比2.7%増の679万2000トンとなっています。前年より増加したのは18年産以来6年ぶり。だけどお米不足が生じたのは事実で、政府が何度も「新米が出回れば解決する」と言っていた話しがウソであることは現状の店頭価格が昨年より高いという事実だけでも明らかです。
今回は政府備蓄米を15万トン放出すると言われています。昨年の生産量が679万トンってことは昨年末に600万トン以上も出荷したのに値段が下がらないわけで、15万トンは対679万トンで2.2%、対600万トンで2.5%ですから、全部無料で市場へ放出されても2%程度の価格押し下げ効果しかありません。
ただ実際には入札方式で売却するわけで、流通価格に近い金額で取引されるでしょうから価格押し下げ効果はないはず。流通量が増えると言っても3%未満なので、5kg100袋を仕入れていたスーパーに103袋が納入されても大差ありません。
昨年スーパーの店頭からお米が消えたのは消費者の買い占めです。コロナ時のマスクやティッシュと同じ。そして今お米が足りないというか値段が高止まりしているのは農家から直接購入する商社やスーパーが増えたから。買い手が増えれば価格は上昇しますもん。
米問屋は昨年のように在庫が切れると仕事にならないので、秋しか収穫期の無い農産物なので当然ですが2年分以上をストックします。問屋が今までの倍以上をストックするわけですから価格は上がる。
では今年の秋に新米が出始めたら下がるのかというと、もう仕入れ側は今年分も予約してるんですよ。それは現在価格がベースになっているので下がる要素はありません。各所でお米がダブついて価格が下がってくるとすれば2年後だと思うんですよねー。
一般家庭で昨年のうちに3年分以上をストックしちゃった方も多いと思います。でもお米って冷やして無いとすぐ虫がわくし味も落ちるので結局は新しいの買うじゃないですか。10kg8千円が7千円ぐらいになるかもしれませんが、1年以内に以前のような4千円未満になるのは無理かもです。
まず今の若者でご飯が無くて困るなんて層は少ないでしょうから、お米価格や在庫騒ぎの中心は高齢者なわけで、その方々に「家にある在庫が無くなったら買いなさい」と言ったほうが解決が近いのでは無いかと思っております。
2024年10月03日 04:32
今回の自民党総裁選候補者の中で「この人だけは絶対にイヤ」という人が圧倒的に多かったのが石破さん。イージス艦あたごの一件でエライ目にあわされた自衛隊関係者ならびにOB達は、石破が総理の間は一切のポスター掲出はさせないとまで言ってます。同じように「あの人との2連ポスターは無理」という話しは山のようにあり、選挙対策委員長の小泉進次郎氏との2連ポスターを作る人が続出中。自民党国会議員票は重鎮に頭を下げれば得られたでしょうが、自民党支持者層からは結構な総スカン状態だったりもします。
総裁選候補者だった高市早苗氏や小林鷹之氏に打診されたポストを断られてることや、過去の総裁選で負け続けたことからも、なかなかに理解者が少ない総理だったりもします。だからどうしたドンマイ石破!
1回目の投票で河野氏を支持し、決選投票で高市氏を指示した麻生氏を最高顧問として冷や飯扱いだけど重用。実際のドンは副総裁の菅義偉前総理と幹事長の森山裕氏(旧森山派)。旧麻生派からお父さんソックリになった鈴木俊一氏を総務会長に起用で面目だけ維持。
政務調査会長は小野寺五典氏(旧岸田派)、国会対策委員長は坂本哲志氏(旧森山派)、幹事長代行に福田達夫氏(旧安倍派)、選挙対策委員長に小泉進次郎氏と、岸田政権下で完全冷や飯状態だった菅前総理と森山はが前面に出て来た形となっています。
恐らく菅さんには「神奈川選出議員を入閣させたい」という思いがあったのでしょう。今回は国家公安委員長&防災大臣に坂井学氏、こども政策大臣に三原じゅん子氏の2名が初入閣しました。菅さんと小泉さんも神奈川なので結構な感じです。
岸田政権下で調子ぶっこいてた茂木敏充前幹事長は蚊帳の外。旧茂木派からは財務大臣で加藤勝信氏が岡山と言うことで石破氏と中四国チームで入り、初入閣で厚労大臣に福岡資麿氏が入りましたが、福岡氏は常に佐賀で原口一博氏とバチバチの選挙戦を繰り広げているので今回の選挙用に知名度アップ的な意味合い的な入閣ですかね。
経済産業大臣の武藤容治氏は旧麻生派ですが、もしかしたら石破氏に投票したかも。旧二階派からも2名が入閣していますが、付録みたいな大臣ポストなので省きます。茂木派と二階派が外されて麻生派がしばらくハウス!って感じですかね。
決まった物は決まったのでやるしかないですからまずは選挙です。10月20日から不在者投票になるので、私のボランティア活動も様々な形で影響を受けてまして、ただいま会場調整中。運動会や秋祭りがぶつかった方々はご苦労様です。
ちなみに私共も自衛隊関係者なので、石破氏が総理の間は自民党関係のポスター掲出は見送らせていただきます。悪しからずご了承ください。
2024年02月29日 04:14
以前、自衛隊員に国から支給される装備(官給品/自衛官は官品と呼ぶ)が貧弱すぎて、私物装備品ってのを買う事になるのですが、スマホゲームと同じで課金派と無課金派に分かれます。快適さを求めるなら靴の中敷きは絶対必要。靴下だって冬は保温性能の高い物が必須ですし、何なら靴ごと買うって人もいます。もちろん服だって洗濯回数を減らしたければ予備を買った方が便利だし、インナーだって夏場は何度も着替えられるほうが気持ちもいい。
背嚢と呼ぶリュックだって各自で使いやすい物を買うのは基本になってます。さらにベルトやリュックに取り付けるマジックテープ式のポーチ等も必需品。ドライバーや缶切りの付いたアーミーナイフや時刻の見やすい腕時計等は大半の隊員が購入します。
もちろん装備を買ったり集めたりが好きな方もいるので、そういう人は給料から支出するのも痛く無いでしょうが、自衛隊員における軍隊マニアなんて一部のみ。ほとんどは普通の人ですから、最大コストパフォーマンスを求めて私物装備品購入することになります。
そこで私はそんな使えない装備品を国費で支給するぐらいなら、全自衛隊員に部隊内コンビニで売ってる装備品を国費負担で購入可能な枠を与えた方がいいんじゃないかと思ってます。制服も支給するのは1枚のみで、あとは欲しいのを自分でチョイス。きっと喜ばれると思うんですよねー。
先日、品川区の青少年育成活動で区の職員さんと100人以上の子供達を引率して長野県まで宿泊研修へ行ってきました。その際に職員さんは装備が自腹だと聞いて驚いたんです。だって雪山ですよ。そんなの引率の仕事が無ければ普通は行かないでしょ。
私達は有償ボランティアなので活動すれば給与(数千円です)をいただけるので、その中から買うだけですけど、もともとの給料からスノーブーツやスキー手袋を買わされるのは「?」って感じ。サラリーマン時代の私なら有無も言わさず購入して領収書を経理に回してましたよ。
凍傷になったら一大事ですよ。しかも凍傷って簡単になるし自覚症状は無いですから。手足の指を切断するようなことになることも少なくありません。そのリスクは伝えておいて「だから温かくする装備は買った方がいいよ」と言われるのって変ですよね。
うちの会社では、イベントで使うレインコート等は会社負担です。安全靴や落下防止帯やヘルメットは会社で用意しています。公務員の皆さんにも各種装備品を公費で購入できる仕組みが導入される日が来るといいのになーと思っている私です。









