自動車(含むレース)

2026年07月28日 05:46

racco本日、中国の自動車メーカー「BYD」が、日本市場向けに専用開発した軽EV「RACCO(ラッコ)」の発売開始となります。

先日のブログでは「最安値で250万の最上級グレードで300万円程度」との予想を書きましたが、実際の価格は、最廉価モデル「RACCO 200」で214万5,000円。最上級グレード「RACCO 300 Premium」は249万7,000円となりました。

しかも、国のCEV補助金は国産車より43万円低い15万円ですが、東京都では国の補助金に加え、東京都独自のZEV補助金制度が利用できます。BYDによれば「条件を満たした場合は実質価格が約120万円になるケースもある」としています。

最廉価グレードでも航続距離は210km。上位グレードは320kmと、日産サクラの180kmを大きく上回るので、これなら遠出をしない条件なら問題なく乗れるでしょう。

とはいえ、約30分の充電時間で約180km分回復するらしいので、東京から新東名を使って鈴鹿へ行くとか、菅生へ行く程度でしたら、サービスエリアにある充電器で途中充電さえ出来れば、問題無いのかも知れません。ここは長距離試乗してみて判断したいと思います。

これが売れたら即座にホンダと日産もハイトワゴンEVを出して来ると思うので、BYDが独走ってことにはならないと思いますが、なかなかの価格インパクトであったことだけ記させていただきます。

すごいぞBYD!

2026年07月27日 06:13

スクリーンショット 2026-07-26 054700昨年から今年にかけて、スズキの商用軽ラインナップが大進化しているのをご存じでしょうか。

メーカーでは「一部仕様変更」「マイナーチェンジ」という位置付けですが、その内容を見る限り、私には実質フルモデルチェンジと言っても過言ではないように感じます。

今回、大幅な商品改良を受けたのは「エブリイ」「エブリイワゴン」「キャリイ」の3車種です。安全装備、快適装備、内外装、さらには走行性能まで幅広く見直され、商品力は一気に引き上げられました。

現行のエブリイ/エブリイワゴン(DA17系)は2015年に登場、キャリイ(DA16T系)は2013年に登場しており、いずれも発売から10年以上が経過しています。普通であればフルモデルチェンジのタイミングですが、スズキは基本設計を活かしながら中身を大幅に進化させるという選択をしました。

その結果、「車の基本設計はそのままでも、使い勝手はまるで別物」と言えるほどの商品へと進化しています。

今回の改良で最も印象的なのは、安全装備の充実です。

・デュアルセンサーブレーキサポートII
・全車速追従式アダプティブクルーズコントロール(ACC)
・車線逸脱抑制機能
・標識認識機能
・前後パーキングセンサー
・発進お知らせ機能

軽商用車というと、「仕事で使えれば十分」というイメージを持たれる方も多いでしょう。しかし今回の改良では、普通車並みの先進安全装備が惜しみなく投入されました。高速道路を長距離移動する機会が多い方にとっては、ACCが搭載されただけでも十分購入する価値があると思います。

内装も大きく進化しました。従来のベージュ基調だったインテリアはブラック基調へ変更され、デジタルメーターやステアリングヒーターなども採用。商用車というより乗用車に近い質感になっています。仕事だけでなく、車中泊やキャンプなどレジャー用途でも満足度はかなり高くなったのではないでしょうか。

そして私が最も評価したいのは、トランスミッションの進化です。今回CVTになったことで、発進から加速までより滑らかになり、静粛性や燃費性能、走りの質感まで進化していることでしょう。

もし私が購入するなら、迷わずエブリイワゴンの両側電動スライドドア/全方位モニター/9インチメモリーナビを装備した最上級グレード「PZターボスペシャル」です。さらに、標準ルーフではなくハイルーフを選択します。

標準ルーフとの価格差は約1万7千円しかありません。それでいてハイルーフは室内空間に余裕が生まれ、荷物も積みやすくなります。さらに運転席上部には大型オーバーヘッドシェルフが装備され、サングラスホルダーも追加。室内灯のデザインもより上質になります。

もちろん全高が高くなるため、高速道路では横風の影響を受けやすくなるというデメリットはありますけどね。それでも収納力や室内の使い勝手を考えれば、そのメリットの方がはるかに大きいと感じます。

今回の改良内容を見ると、スズキは本当によくここまで仕上げたと思います。それでも、将来的にぜひ採用してほしい装備があります。それが電動パーキングブレーキと電動リアハッチです。

ACCを搭載したのであれば、停止保持まで可能な電動パーキングブレーキとの相性は抜群です。また、荷物を持ったままでも開閉できる電動リアハッチが採用されれば、利便性だけでなく高級感もさらに向上するでしょう。

発売から10年以上が経過した商用軽が、ここまで進化するとは正直驚きました。特にエブリイワゴンは、仕事・趣味・車中泊・キャンプ・送迎まで、あらゆる用途を1台でこなせる軽自動車へと進化したように思います。

実は23年前、今の家へ引っ越してきた当時、私は2001年型のエブリイランディ(DA32W)に乗っていました。

この車は13年を超えると自動車税が上がるため、2013年にエネチャージを搭載した新型ワゴンRへ乗り換えましたが、その12年間、一度も大きな故障をすることなく、素晴らしいカーライフを与えてくれました。

また、お隣さんは2005年にフルモデルチェンジされたエブリイワゴン(DA64W)を発売と同時に購入され、20年以上経った今でも大切に乗り続けておられます。

この二つの実例を見ていると、エブリイワゴンという車は、一度購入すれば何十年にもわたって付き合えるだけの満足感と信頼性を備えた一台なのだと感じます。

だからこそ、次回社用車を更新する機会があれば、これまで候補にしていたハイエースだけでなく、今回大幅に進化したエブリイワゴンも真剣に検討してみたいと思っています。

軽自動車とは思えないほど充実した装備と、長く安心して付き合える信頼性。今回の商品改良を見て、「マイナーチェンジ」という言葉では片付けられない、スズキの本気を感じました。

最後になりましたが、この車はエンジンが前席下にあるので、静かだとは言え音はしますし、振動もあるし、熱も伝わって来ます。でもレイアウトがミッドシップFRなので、フロントミッドシップのBMWより遥かにハンドリングは洗練されています。そこだけでも買う価値あるかもと思っている私です。

2026年07月25日 02:38

racco中国の自動車メーカー「BYD」が、日本市場向けに専用開発した軽EV「ラッコ」の発売を間近に控えています。

BYDはEVの基幹部品と駆動用バッテリーに「8年・16万km保証」を設定しており、購入後の高額修理に対する不安は比較的小さいと言えそうです。

軽EV市場で先行するのは、2022年に発売された日産サクラ(兄弟車の三菱eKクロスEV)。そして2025年にはホンダがN-ONE e:を投入しました。航続距離を見ると、サクラは180km、N-ONE e:は295km。

今回発表されるラッコは、この2車種を明らかに意識した構成になっています。バッテリー容量を2種類用意し、航続距離はエントリーモデル「200」が約200km、上位グレード「300」が約300km。ちょうどサクラとN-ONE e:の中間ではなく、それぞれを真正面から狙った設定です。

しかも、日本メーカーの軽EVが比較的背の低いスタイルなのに対し、ラッコは人気の高いハイトワゴン。後席は電動両側スライドドアを採用し、ファミリー層を強く意識したパッケージとなっています。

価格は一番安い「200」が250万円前後、最上級グレードの「300 Premium」が300万円程度と予想されており、「中国車だから安い」というイメージとは少し異なります。

高度運転支援システムを標準装備し、軽自動車としては珍しい4輪ディスクブレーキまで採用するなど、装備面はかなり充実。すでに各所の展示会に出て来ていた量産試作車を見る限り、クオリティは非常に高く、いい意味で軽自動車ならこの程度でいいという割り切りが分かって無い感じです。

BYDはすでに全国77拠点まで販売網を拡大しており、購入後のメンテナンス体制も以前とは比べものにならないほど整備されました。その意味では、日本市場への本気度は十分伝わってきます。

ただし、ここからがBYDにとって本当の勝負でしょう。軽自動車は世界でもほぼ日本だけの規格です。つまり、このプラットフォームは海外へ横展開することが難しく、開発費を回収するには日本国内で一定の販売台数を確保しなければなりません。

一般的に、自動車メーカーが新しい専用プラットフォームへの投資を回収するには、世界全体で50万〜100万台規模の販売が一つの目安と言われています。しかし、軽自動車は日本専用車であるため、設備投資をどこまで抑えられるかが採算性を大きく左右することになります。

仮に軽自動車専用ラインへの投資を2,000億円と仮定し、1台あたり10万円ずつ投資を回収するとすれば、単純計算では20万台の販売が必要になります。

一方で、既存設備を活用するなどして投資額を1,500億円程度まで抑え、1台あたり30万円を回収できると仮定すれば、必要販売台数は約5万台まで下がります。では、日本市場はどうでしょうか。

2025年の軽自動車販売を見ると、年間10万台を超えたのはホンダN-BOX、スズキ・スペーシア、ダイハツ・タント、ダイハツ・ムーヴの4車種のみ。10位のダイハツ・ミラでも約5万6千台でした。

一方、EV市場に目を向けると、2025年のBYD乗用車の国内新規登録台数は3,742台。輸入EVではテスラが約10,600台、一番売れた軽EVの日産サクラでも約14,000台でした。

こうした数字を見る限り、ラッコが年間1万台販売できれば大成功と言えるのではないでしょうか。逆に言えば、それだけ日本市場は簡単ではないということです。

もっとも、私はBYDがこの軽EVだけで終わるとは思っていません。もし日本市場で一定の販売実績を積み、軽自動車の生産・販売ノウハウを蓄積できれば、その先の展開も考えられます。

現時点のラッコはEV専用設計であり、エンジンを搭載するスペースはありません。しかし将来的には、軽自動車市場で得た知見を生かして、ガソリン車やハイブリッド車、あるいはPHEVなど、別のパワートレインを採用した新たな軽自動車を投入してくる可能性は十分あると私は見ています。

これまで日本の軽自動車市場は、海外メーカーがほとんど参入できない「最後の聖域」と言われてきました。しかし、その市場へ世界最大級のEVメーカーが本気で乗り込んできます。

ラッコが成功するのか、それとも日本市場の壁に跳ね返されるのか。その結果次第では、日本メーカーの軽自動車戦略にも少なからず影響を与えることになるでしょう。

まずは発売後の反応を見守りたいと思いますが、少なくとも私は、自宅にも置けるサイズのEVということもありこの1台には非常に興味を持っています。そんなわけで試乗してみます。

2026年07月22日 06:47

スクリーンショット 2026-07-22 054433私の世代から見ると、VW(フォルクスワーゲン)は単なるドイツの自動車メーカーではありませんでした。その昔は、ドイツのクラフトマンシップが感じられる素晴らしい車を製造していた企業でした。

私が初めてVW車を保有したのは1987年のカナダ・バンクーバー。14年落ちの1973年型TYPE1、いわゆるビートルでした。初代フューエルインジェクション車で、ボッシュのコンピューターが壊れまくっていましたが、キャブレターに換えると見事なまでの走りを見せてくれました。

南米ブラジルで生産されたTYPE1は「Fusca(フスカ)」として国民車のような存在になり、TYPE2(バス)のKombi(コンビ)も、人や荷物を運ぶ生活の足として長年親しまれ、メキシコでもTYPE1は「Vocho(ボチョ)」と呼ばれ、タクシーなどで大量に使われました。

VWの強さは、ドイツで作った車を世界中へ輸出したことではありません。VWの凄さは、海外への現地生産対応の早さにもありました。その国へ入り込み、その国で作り、その国の人たちが使う車になったことです。それは中国でも同様でした。

上海汽車と組んでサンタナを現地生産。以前の中国では、タクシーも社用車もVWだらけという時代がありました。「自動車と言えばVW」と言っても大げさではないほどの存在感だったのです。

日本でも同じです。長年、輸入車No.1と言えばVWという時代がありました。その成功を支えたのが、輸入車販売の帝王とも言えるヤナセです。「ヤナセで買った輸入車は安心」そんな時代に「VWはヤナセで一番安い車」として日本市場へ深く浸透していきました。

ところが、VWは日産と組んでサンタナの国内生産に乗り出しました。さらに、ヤナセに依存しない独自の販売網を作った上、あろうことかトヨタ系販売店と組んだDUOという販売網も展開しました。

日産製サンタナは商業的には失敗でした。VWとの関係が薄くなったヤナセは、当時GM系だったオペルの販売へ力を入れるようになります。そして気が付けば、ヤナセで売っていたオペルは日本市場から撤退し、VWもかつてと比較すれば影の薄い存在になってしまいました。

私はビートル以降も様々なVW車を保有してきました。ゴルフ2のDというディーゼル車、2代目ポロ(日本初導入モデル)、ゴルフ4カブリオレなどにも乗ってきました。母は私の2代目ポロを受け継ぎ、その後もゴルフ4バリアント、ポロ4と、現在までVW車に乗っています。

つまり、私は決してVW嫌いではありません。むしろ長年VWを見続け、実際に乗り続けてきたからこそ、最近のVWが気になるのです。

現在のVWグループは、アウディをはじめ、ポルシェ、ランボルギーニ、ベントレー、シュコダ、セアト、クプラなど、多くのブランドを傘下に持つ巨大グループです。一時はトヨタと世界販売台数トップを争うまでの規模に成長しました。まさに自動車帝国でした。

ところが、そのVWが長年大きく揺れています。最初の大きなほころびは、2015年に表面化したディーゼル車の排ガス不正問題でした。VWは排ガス試験時だけ規制値を満たすよう制御するソフトウェアを使用していたことが発覚し、世界的な信用問題へ発展しました。

そして次に中国です。かつて圧倒的な強さを誇った市場で、中国メーカーが急成長しました。昔のように「中国で作ったVWだから売れる」という時代ではありません。中国メーカーが、EV、PHEV、ソフトウェア、運転支援、価格の全てで競争力を高めていて、今の中国には、VWが簡単に入り込める隙間はほとんどないように見えます。

南米も同じです。かつてフスカやKombiで市場を席巻したブラジルにも、中国メーカーが急速に進出しています。VWが得意としてきた「現地生産」と「価格競争力」という戦略を、今度は中国メーカーが使い始めているわけです。

そして日本。私は現在の日本市場を見ると、VWというブランドの存在意義そのものが分かりにくくなっているように感じます。

車好きから積極的に選ばれない、リセールバリューも強くない、輸入車としてのプレステージ性もそれほど高くない。若い人の言葉を借りれば「ビミョー」といった感じでしょうか。

もともとVolkswagenとは「大衆の車」という意味です。ところが、その大衆車が今では決して安くありません。日本で新車を買う場合、ポロでも300万円近い価格帯から、ゴルフなら350万円を超える価格帯からになります。

この価格になれば、日本車ならハイブリッド車やSUVを含めて選択肢は一気に広がります。もう少し予算を増やせば、プレミアムブランドのエントリーモデルも視野に入ってきます。では、その中であえてVWを選ぶ理由は何なのでしょうか。

昔のゴルフには明確な存在意義がありました。「日本車より少し高い」「ベンツやBMWよりは圧倒的に安い」「ドイツ車らしい高速安定性や剛性感がある」。つまり「少し頑張れば買えるドイツ車」という絶妙なポジションにいたのです。

今は大衆車としては高い、しかしプレミアムブランドではない。ここが非常に難しいところだと思います。

そして、さらに大きな問題がEV戦略です。VWは巨額の資金をEVへ投入しました。EV専用プラットフォームを開発し、工場をEV生産へ転換し、ソフトウェア開発にも大規模な投資を行いました。しかし、VWが期待したほどEVは売れませんでした。特に最大市場だった中国では、VWのEVより中国メーカーのEVが支持されています。

巨額の先行投資を行った一方で販売が計画通りに伸びず、VWは今、大規模なコスト削減、人員削減、生産能力の縮小を進めています。

もちろんVWグループは、明日なくなるような会社ではありません。世界最大級の自動車グループであり、アウディもポルシェもランボルギーニもあります。しかし問題は、「VWブランドそのものが、これからどこで成長するのか」が見えにくいことです。

中国では中国メーカーが強い。南米にも中国勢が入ってくる。日本では大衆車としては高く、プレミアムブランドとしては中途半端。そしてEVでは巨額の先行投資を抱えながら、戦略の見直しを迫られています。

かつて世界中で「大衆の車」を作り、その国の生活にまで入り込んでいったフォルクスワーゲン。長年VW車に乗ってきた一人としても、これからのVWがどこへ向かうのか。今後の動向から目が離せません。

2026年07月18日 16:05

hondasuv昨日、「なんとヴェゼルはWR-Vの5倍売れてる!! 同じホンダのコンパクトSUVなのに2台はどこが違うのか?」という記事(リンク)を読みました。2026年上半期(1〜6月)の1か月平均登録台数は、ヴェゼルが6,189台なのに対してWR-Vは1,172台。実に5倍以上の差がついているそうです。

同じホンダのコンパクトSUVでありながら、なぜこれほど販売台数に差がつくのか。記事では、その理由としてヴェゼルにはハイブリッドのe:HEVがあり、2WDだけでなく4WDも選べること、一方のWR-Vはガソリンエンジン+2WDしかないことなどを挙げています。

さらにWR-Vには電動パーキングブレーキやステアリングヒーター、シートヒーターなどが用意されていないことも、販売面で不利に働いていると分析しています。

確かに、それも理由の一つでしょう。しかし私は、ヴェゼルとWR-Vの販売台数にこれほど大きな差がついている最大の理由は、もっと別のところにあるのではないかと思っています。それは「リセールバリュー」です。

今、中古車市場の価格決定権を持っているのは海外需要です。だから、国内需要しかない軽自動車等の車種は値落ちが激しい一方、海外需要の高いハイエースやランドクルーザーの中古車買い取り相場は驚くほど高値になっています。ホンダで言えば、それがヴェゼルです。

一部のホンダディーラーには「日本に居住していない外国人に新車販売しないように」とのお達しが出ているほど。「オプション装備は何もいらないから売ってくれ」という外国人が大量にいるのですよ。

右ハンドル国のインド・インドネシア・タイ等が需要を支えているのですが、人口はインド約15億・インドネシア約3億・タイ約7千万人で、当然ながら人口約1.25億人のうち大人の半数が老人という日本市場とはレベルが違う巨大市場です。

海外需要の主役は日本製の日本車。ここでヴェゼルとWR-Vには決定的な差があります。ヴェゼルは日本製でWR-Vはインド製なのです。現地の新車価格に大きな差があるヴェゼルは中古市場でも価値が付きますが、新車価格が日本と変わらないWR-Vには大した価値が出ないのですよ。

現在の日本の自動車市場では、新車を買う時の価格だけではなく、「数年後にいくらで売れるか」を考えて車を選ぶ人が増えています。特にSUVやミニバンなどの人気車種では、このリセールバリューが購入判断を大きく左右するようになりました。

例えば300万円で購入した車が3年後に150万円になる車と、300万円で購入して3年後に250万円で売れる車。購入価格は同じ300万円でも、実質的な負担額はまったく違います。前者は150万円を失っていますが、後者は50万円しか失っていません。

日本のオートオークションでの主役は海外バイヤー。極端なケースでは、海外需要の高騰や円安、納期の長期化などが重なることで、中古車の買取価格やオークション価格が新車時の購入価格を上回ることすらあります。その車種の一つがヴェゼルなのです。

数年前ならどの車種がリセールが良いかを自分で考える必要がありました。でも今はChatGTP等のAIに投げれば的確な回答を教えてくれます。「年走行1万km以内ならハイブリッドとガソリンのどちらが良いですか?」なんて質問にも、明確に答えを教えてくれます。

ホンダの新車SUVを購入検討中の方がAIに相談したら、ほぼ間違いなくヴェゼルを推してくれます。結局、新車販売動向を決めているのはAIなのかもしれませんね。

ちなみにChatGTPに聞いた5年以内売却予定で新車を買うなら何が良い?の質問に対する回答は、ジムニー・ジムニーシエラ/アルファード(ガソリン)/ランドクルーザー(ガソリンorディーゼルを車種別に検討)/ハイエース(ディーゼル)/ヴェゼル(e:HEV)/フリード・シエンタ(ハイブリッド)が上位でした。

2026年07月15日 01:41

スクリーンショット 2026-07-14 075435トヨタ・アルファードの商品改良で、これまで最も安いグレードだった「X」(2WDハイブリッド・8人乗り)がラインアップから姿を消しました。メーカー希望小売価格は510万円(税込)でした。

代わって新たなエントリーモデルとなったのは「G」(2WDハイブリッド・7人乗りまたは8人乗り)。メーカー希望小売価格は559万9,000円(税込)です。つまり約50万円アップとなった形になります。しかもこの価格は、一つ上のグレードである「Z」(2WDガソリン・7人乗り)と同じです。

つまり、「同じ559万9,000円で、ガソリンのZにするか、ハイブリッドのGにするか」という選択ができるようになりました。なお、ハイブリッドのZは639万9,800円(税込)。こうなると、「G」と「Z」のどちらがお得なのか気になるところですよね。

以前の最廉価グレードXは、とにかく価格を抑えることに主眼が置かれていました。シートは手動式、ウインカーは上位グレードのような流れるタイプではなく、リアコンビネーションランプも点灯範囲が狭いため、後ろ姿だけで「X」と分かるほどでした。

さらに、センターコンソールには他グレードなら14インチサイズのディスプレイが収まる大きなスペースが用意されているにもかかわらず、Xは9.8インチのディスプレイオーディオを採用。そのため画面の縁が広く見え、「ちょっと寂しいな」という印象を受ける仕上がりでした。

それに対して新しいGは、内装・外装ともに質感が大きく向上し、「これがエントリーグレードなの?」と思える仕上がりになっています。

何よりもうれしいのは、前席パワーシート、14インチディスプレイオーディオ、12.3インチフル液晶メーター、本革巻きステアリング、フォグランプが標準装備となったことです。価格は50万円アップしましたが、その分、装備も大幅に充実しています。しかも以前のXでは選べなかった7人乗りも用意されています。

なお、「もう少し見た目をZに近づけたい」という方は、13万4,200円のメーカーオプションを選択すると、パワーバックドア、シーケンシャルウインカー、アダプティブハイビームシステムが追加されます。さらに5万5,000円のメーカーオプションで18インチアルミホイールを装着すれば、見た目の印象もかなりZに近づきます。

こんな感じで魅力が増したアルファードGですが、もちろん上位グレードとの差も残されています。

例えば、メーカーオプションのムーンルーフが選べないこと、ボディカラーがホワイトとブラックの2色のみであること。そして何より大きいのが、アルファードの象徴とも言える豪華な電動リアシートが装備されないことです。

そう考えると、リセールバリューまで考慮するのであれば、ガソリンのZにムーンルーフを装着するのが、一番バランスの良い選択かもしれません。

一方で、ハイブリッドとガソリンの価格差は約80万円あります。燃費差を考えると、5年間で年間2万km程度走行する方であれば、その差額を十分回収できる可能性がありますので、そのような使い方をされる方ならハイブリッドを選ぶ価値は十分あると思います。

もし私が購入するなら、東京都に住んでいることもあり、東京都独自の「ZEV車両購入補助金」と国のCEV補助金を活用して、Zのプラグインハイブリッドモデル(PHEV・764万9,400円(税込))を選ぶと思います。補助金を最大限活用すれば、実質約640万円程度で購入できます。

このモデルは、ムーンルーフ、電動サンシェード、19インチアルミホイールが標準装備となるほか、天井には東レの最高級人工皮革スエードが採用されています。さらにシステム最高出力も、通常のハイブリッドモデルの250PSに対して306PSへと向上しており、走行性能にも余裕があります。

通常ならハイブリッドZより100万円以上高いモデルですが、補助金を考慮すると、ほぼ通常のハイブリッドZと変わらない価格で購入できる計算になります。東京都にお住まいで補助金の対象となる方であれば、最もコストパフォーマンスの高い選択肢と言えるかもしれません。

最後になりますが、自動車の中古車価格は国内需要だけでなく海外需要にも大きく左右されます。アルファードも輸出需要の影響が非常に大きい車種です。輸出先や時期によって人気の仕様は変化しますが、現時点では海外市場でガソリンモデルの需要が根強く、リセールバリューという点ではガソリン車が有利になる可能性があります。

今回の改良は、単純な値上げではなく、「価格は上がったものの、それ以上に商品力を高めた改良」と言えるでしょう。

これからアルファードの購入を検討される方は、「一番安いモデル」を探すのではなく、自分の使い方や予算、補助金制度、そして将来のリセールバリューまで含めて比較すると、より満足度の高い1台を選べるのではないでしょうか。

2026年07月07日 06:16

image最近よく耳にする残価設定型ローン。動画サイトでは「残クレアルファード」という歌まで流されているそうで、私の知人には「残クレと思われるのが嫌でアルファードを買い替えた」という人までいます。

私がこの仕組みを初めて見たのは今から30年近く前でした。当時、「新車が半額で買える」というインパクトのある広告を全国展開していたのが中古車販売チェーンの「TAX」。当時は「残価設定型ローン(以下残クレ)」とは呼ばず、「下取り価格を50%に設定してローンが組める」といった説明だったように記憶しています。

とはいえ1990年代は、そこまでして新車に乗りたいという人も少なく、バブル崩壊でハイソカーブームが終わり、パジェロやハイラックスサーフといったRV車や、エスティマやオデッセイといったスタイリッシュなミニバンが人気となっていて、新車へのこだわりも今ほど強くなかった気がします。

そんなわけで、当時TAXさんが大々的に宣伝していたのは軽自動車が中心。「新車のワゴンR RX(新車価格102.8万円)が51.4万円」といった具合で、「中古車と変わらない価格で新車に乗れる」というイメージを前面に押し出していました。

私が当時乗っていたのは1988年型BMW520i(E28)で、1991年末に走行距離9,000kmの3年落ちを190万円で購入しました。これはイベント会社勤務時代、中古車フェアで音響スタッフが誤ってスピーカーをボンネットへ落としてしまい、格安で譲ってもらったためです。

へこんだ瞬間、車屋さんから「今日売るつもりで出店してるのに・・・」と言われ、まだ23歳だった私は完全にパニック。「私が買うので許してください」と、とっさに口にしてしまいました。すると車屋さんは「現状なら仕入れ値185万円に5万円だけ乗せて190万円でいいよ」と言ってくれ、その価格で購入することになりました。

新車価格500万円以上だった車が、初回車検を迎えただけで200万円以下になることを知ったのは、この時が初めてでした。

その経験があったので、「購入時に下取り価格分を差し引くから半額で買える」という広告を見るたび、「もし実際の査定額が想定より安かったら、その差額を払うことになるのでは?」という印象を持ち、私は手を出しませんでした。

通常の自動車ローンは車両価格の全額を分割で支払いますが、残クレは契約終了時の車の価値(残価)をあらかじめ設定し、その残価を除いた金額だけを分割で支払います。例えば300万円の車で3年後の残価を120万円と設定した場合、毎月支払うのは180万円分です。

この仕組みはディーラー側にも大きなメリットがあります。

毎月の支払額を低く見せられるため、高価格帯の車でも販売しやすくなります。また、ローン金利収入が得られ、契約期間中はディーラーでの点検や車検を利用するケースも増えます。さらに契約満了後には比較的新しい中古車が安定して戻ってくるため、中古車販売にもつなげられます。

つまり、新車販売・整備・ローン・中古車販売という、自動車販売店の主要な収益源を一つの仕組みで循環させられる非常に優れたビジネスモデルなのです。

そんなわけで、今人気のトヨタ車に乗る方法の一つとして、この残クレで買うと言う方法があります。というのも、今トヨタディーラーが一番気にしているのは、購入即売却で利益を得ようとする転売ヤーの存在。残クレやディーラーローン契約を条件に、一般販売より早く納車されるケースもあるようです。

私は車を入手する方法として、残クレを否定するつもりはありません。物を自分のステイタス表現の一つとして考える人は一定数いるでしょう。パテックの時計やエルメスのバーキンを残クレで買う事はできませんが、アルファードならできるのですから。

唯一間違いないのは、この販売手法は以前から存在していて、それを昔から認識していた私は利用したことが無い(現金一括のみ)ってことだけです。

残クレ車には返却までの条件として、走行距離制限(例:年間1万km)、無事故、無改造、車内の著しい汚れNG、タバコ・ペットによる臭いNG、指定された点検・車検等があるそうで、これを守らないと大幅減額もあるとのこと。私の車はイベント現場で不特定多数が乗るし、常に荷物で車内は傷だらけなので、そもそも残クレは無理かもです。

ただ、私の周りの企業経営者や個人事業主で現金一括で買う人は見たことありません。なぜなら、経営者にとって手元資金は最も重要で、車は簡単にローンが組めるというということと、車検やタイヤ交換まで含めてリース契約すれば、支払いを毎月定額化でき、経費処理もしやすいからです。

あと、トヨタには「クレジット一体型保険」という商品があり、保険料をローンと一緒に支払えます。契約期間中は事故を起こしても月々の保険料が変わらず、保険等級の低い若い人は保険料が高額になりがちなのと比較して、有利になるケースもあります。これもトヨタの残クレが支持される理由の一つでしょう。

最後になりましたが、残クレはローン商品です。これには審査があります。スマートフォン端末代の分割払いや各種ローンで延滞があると審査に影響する場合があります。残クレで延滞しちゃうと、その後の住宅ローンを組めない可能性もあります。

車は安く手に入っても、駐車場代や自動車税は必要です。ローンは悪いものではありません。仕組みを理解した上で、自分に合った買い方を選ぶことが大切だと思います。ご利用は計画的におねがいいたします。

2026年06月04日 05:25

rj26今年もWRC(世界ラリー選手権)フォーラムエイトラリージャパンに携わる機会をいただきました。毎年この大きなイベントに関わらせていただけることに、心から感謝しています。

5年間に及ぶラリージャパンの現場でいつも印象的なのは、トヨタの皆さんが口々に「GRヤリスを作って良かった」と語り合い喜び合っている姿です。

その「トヨタの皆さん」とは、決してレース関係だけではありません。ありとあらゆる部署の方々が、自分たちの仕事の成果としてGRヤリスを誇りに思っている。その光景は他のレース現場ではなかなか見ることができないものです。

世界ラリー選手権(WRC)に出るホモロゲーション(競技車両公認)を取得するには、ベースとなる車両が連続する12ヶ月に「2,500台以上」かつ「シリーズ全体で2万5000台以上」製造される必要があり、今までならその台数ギリギリの製造を狙うのが一般的でした。

ところが、当時社長だった豊田章男氏は全車両の基本骨格(プラットフォーム)を、いくつかの基本サイズにグループ化することから着手。その上でフロントに小型車用Bフレームを、リヤに中型車用Cフレームを組合せ、これらを組み合わせて製造できる専用工場まで用意しました。

GRヤリスは単なるスポーツカーやホモロゲーション取得用モデルとしてでは無く、世界中に販売されることで、モータースポーツ活動の屋台骨を支える車両となっているとともに、トヨタのイメージ戦略に大きく貢献している上、ビジネスとしても成立させている稀有な存在なのです。

しかも2020年から現在まで続くGRヤリスの製造ノウハウは、多くのモータースポーツ用車両の量産ノウハウをトヨタにもたらしました。人間の手で接着剤を盛り、人間の手でスポット溶接をする。それが当たり前という工場を作り出し、沢山の人材を育て上げたのです。

このGRヤリスの存在は、部品メーカー/販売店/工場スタッフ/レース関係者/エンドユーザーといった垣根を超え、これに関わる全ての人々が「世界最高峰のラリーにつながっている」と実感できるアイコン的な所まで成長しているように感じます。

WRCは2027年から大きな転換点を迎えます。新しい「WRC27」規則では、現在のRally1カーとは考え方そのものが変わります。

現在は市販車との関連性が重視されていますが、新規則では共通の安全セルを持つスペースフレームシャシーをベースとし、その外側に自由度の高いボディパネルを装着する方式へ移行します。極端に言えば、レース専用フレームの上にどんなボディを被せることも可能になります。

さらにホモロゲーション取得に必要な台数も10台程度と大幅に引き下げられる方向となっています。メーカーにとっては参戦コストを下げることができ、新規参入のハードルも大きく下がるでしょう。競技としては歓迎すべき変化です。

しかし一方で、私は少し寂しさも感じています。

もし参戦資格を得るために必要な台数が10台程度で済むのであれば、極端な話、レース専用車を10台製作すれば条件を満たせてしまいます。10台ならトヨタワークスチームだけで使い切るわけで、理論上はGRヤリスを販売する必要もなくなるかもしれません。

ただ、それでは工場は育ちません。
人材も育ちません。
販売ネットワークも動きません。
街中を走るファンのクルマも増えません。

GRヤリスが凄かったのは、レースカーを作ったことではなく、「モータースポーツを支える産業構造」を作ったことではないでしょうか。

クルマを作る人が誇りを持ち、生産技術が磨かれ、部品メーカーが成長し、ユーザーがそのクルマを購入し、その利益が再びモータースポーツへ還元される。そんな理想的な循環を実現したことこそが、本当の成功のように感じています。

来年以降、GRヤリスがWRCの舞台を走り続けるのか、それとも全く新しい車両へと生まれ変わるのかはまだ分かりません。しかし私が願うのは、GRヤリスによって築かれたこの素晴らしい仕組みが今後も続いていくことです。

モータースポーツは単なる競技ではありません。クルマを作り、人を育て、技術を磨き、産業を発展させる文化でもあります。

来年のラリージャパンでどんなマシンが走っているのかは分かりません。それでもサービスパークのどこかで、今年と同じように「あのクルマを作って良かった」と語り合う人たちの姿が見られることを願っています。

このたびはありがとうございました。

2026年06月03日 02:11

910インターネットもスマホも無い時代、車やバイク好きの人々は、何の知識も無いまま「改造」や「整備」と称する無茶苦茶なチャレンジに挑んだ物でした。

若い人なら絶対に信じないと思いますが、その昔は男なら車やバイクに乗ってるのが当然。だからカー用品店も日本中どこにでもあり、そこでイロイロ調達しては、出たとこ勝負での改造に挑むのが普通と言う時代でした。

今はエアバッグが付いているので絶対にチャレンジしないであろうハンドル交換は基本メニュー。ナルディーやモモといったメーカーのハンドルを購入して、良く分からないまま純正ハンドルのセンターパッドを外し、出て来たネジを左に回して力任せにハンドルを引っ張って外し、買って来たハンドルの取り付け方が分からず途方に暮れるというのまでがセットでした。

実際には車種別のステアリングボスという部品が必要で、それを取り付けるネジを締めるにもトルクレンチという特殊な工具が必要なのですが、それも後からカー用品店の人や、詳しい(かどうか怪しい)人に教えてもらって取り付けたりしたものです。

フォグランプもDIYメニューの基本。パッと見でカッコよさそうな場所に取り付けるのですが、車両の鉄で出来ている場所に付けないといけないのを知らず、プラスチック部分に付けちゃってグラグラ明かりが揺れたり、配線にリレーやヒューズを付けるのを知らずにメインヒューズを飛ばすなどもアルアルでした。

もう一つの定番がウインドウフィルム。昔は貼るだけで窓を黒くできるフィルムが普通に売っていて、これを霧吹きで水を吹きながら取り付けるのが定番でしたが、結構な確率で失敗してグチャグチャになり、成功しても黒すぎて運転に支障が出たりとイロイロ問題がおきたものでした。

オイル交換も自分で頑張るのですが、オイルフィルターを回す方法が分からず、手持ちのペンチなどを使って頑張って回したり、ちゃんと締まらずオイル漏れする等もやったものです。

今思えば、よくあんな状態で整備していたなと思います。正しい工具も無い。正しい知識も無い。サービスマニュアルなんて持っている人は少数派。分からないことがあれば、近所の詳しい先輩やカー用品店の店員さんに聞くしかありませんでした。

もちろん失敗も山ほどしました。
・ネジをなめる
・部品を壊す
・配線を間違える
・買ってきた部品が付かない
・組み上げたら余ったネジが出てくる・・・

今ならSNSに写真を載せれば数分で正解が返ってくるようなことでも、当時は自分で考え、自分で試し、自分で失敗しながら覚えるしかありませんでした。

でも、だからこそ身についた知識もあります。どんな時にどんな工具が必要か。どの部品はどんな役割か。自分のお金と時間を使い、自分で痛い目を見た経験はなかなか忘れません。

今はYouTubeを見れば、プロ顔負けの整備動画が無料で見られます。車種ごとの交換方法も検索すればすぐ出てきますし、必要な工具まで紹介されています。昔の私が見たら夢のような環境です。その一方で、少しだけ思うこともあります。

今の若い車好きやバイク好きは、失敗する前に正解へたどり着ける時代になりました。それは素晴らしいことです。無駄な出費も減りますし、安全面でも大きなメリットがあります。

ただ、人間というのは不思議なもので、自分で失敗した経験からしか学べないこともあります。動画で見た知識と、自分でネジを折ってしまった経験は別物です。人は様々な失敗を通じて、「次はこうしよう」という知恵を磨いたのだと思ってます。

その昔はカーナビやグーグルマップなんてありませんでした。だからこそ地図を見て目的地を目指し、道を間違えるたびに何度も地図を開き直しては、必死に道を覚えたのです。

今の若い人達は道を覚えないそうです。それはきっと、最初からカーナビやグーグルマップが正解のルートを指示してくれるから。確かにゴールへは間違いなく近道ではありますが、それは「ナビの指示通りに動いた」だけであって、本当の意味での知識や知恵としては身についていないわけです。

「失敗だらけの人生こそ面白い」これは車やバイク、ドライブだけの話ではありません。仕事もそう。人付き合いもそう。お金の使い方もそう。振り返れば、私の人生も失敗だらけでした。失敗して恥をかき、怒られ、金銭的ダメージも受けました。

それでも、その失敗の積み重ねが今の自分を作っています。成功から学べることは意外と少なく、失敗から学べることは驚くほど多いものです。

だから私は、「失敗しない人生」よりも「たくさん失敗した人生」の方が価値があると思っています。もちろん同じ失敗を何度も繰り返すのは困りますが、挑戦した結果の失敗なら大歓迎です。

何もしなければ失敗もしません。でも、何もしなければ成長もしません。

昔、ハンドル交換で途方に暮れたことも、フォグランプの配線でヒューズを飛ばしたことも、オイルまみれになりながら整備したことも、今となっては笑い話です。そして、その笑い話(経験)こそが、人生の財産なのだと思います。

「失敗は成功の母」と言いますが、私は少し違う気がしています。失敗は成功のためだけにあるのではなく、人間を成長させるためにあるのだと。だからこれからも、多少の失敗を恐れずに新しいことへ挑戦していきたいと思います。

動画の予習やナビのルート案内もいいですが、たまには「出たとこ勝負」のワクワク感を味わうのも悪くありません。どうせなら、人生の最後に「あれも失敗したなあ」「これもやらかしたなあ」と笑いながら振り返れるくらい、失敗だらけの人生の方が面白いですからね。

若いみなさんはAIで失敗しない怒られない人生を送るのも楽しいかもしれませんが、積極的に失敗を楽しむことで得られる素敵な人生があるってことも伝えたいと思っている私です。

2026年05月15日 20:13

f1昨日、Hondaが「2026ビジネスアップデート」を発表しました。内容をざっくりまとめると、以下の4点を軸とした「現実路線への戦略修正」といえるものでした。

・EV一辺倒を修正し、HEV(ハイブリッド)重視へ
・北米・日本・インドへの集中投資
・日本市場へのN-BOX EV投入
・ソフトウェア領域の強化

しかし、今回の発表を見ていて、どうしても拭いきれない懸念があります。それは、「AIによる自動運転革命への危機感が、あまりに希薄ではないか」という点です。

すでに中国では無人タクシー(ロボタクシー)が日常の風景となりつつあり、高度な自動運転機能を備えた車両が500万円前後で手に入る時代です。何より恐ろしいのは、AIによって進化のスピードが加速していることです。

試験走行すらハードルが高い日本に対し、中国勢は「AIも事故は起こす。だが、人間より上手い運転を目指す」という割り切りで、膨大な走行データを食わせてAIを急成長させています。

今回、ホンダは「次世代ADAS」や「ASIMO OS」という言葉でシステム強化を謳っていますが、「いつまでに完全自動運転車を出す」という明確なコミットは見えませんでした。

ホンダは伝統的にエンジンやシャシー、操縦性といった「機械工学(ハードウェア)」には無類の強さを誇ります。しかし、今の自動運転競争は「データ戦争」であり「半導体・電子部品の争奪戦」でもあります。

トヨタですらAI技術で中国企業との連携を模索するなか、ホンダはどこから何を調達し、どう戦うのか。その具体的なグランドデザインが見えてきません。

個人的には、今回の発表を三部社長の「ごめん、やっぱホンダはエンジンで頑張るぜ!」という本音の裏返しだと勝手に解釈しています。

社長は一言も言っていませんが、心の中では「鈴鹿8耐もインディも、スーパーGTもフォーミュラも、そして厳しいF1も、全部勝ちに行くぞ!」と叫んでいる・・・そう信じたいファンの一人です。

ここで小さなお願いなのですが、全日本ロードレース選手権などのホンダ系チームにも、ぜひドカンと予算を投下していただけないでしょうか。モータースポーツでの活躍こそが、ホンダのブランドイメージを最も高めるはずです。

最後になりましたが、私も微力ながら大赤字発表以降に車はN-BOX JOYを、バイクはDio110を購入して応援しています。今は逆風かもしれませんが、ホンダなら必ずV字回復してくれると信じています。

N-BOX EVが発売される日には、即座に予約させていただきますよ!

2026年05月03日 07:19

スクリーンショット 2026-05-03 063256今日、とんでもないことが起きようとしています。なんと2012年の鈴鹿F1で表彰台獲得した小林可夢偉選手が、スーパーGTにそれもGT300で復帰するかもしれないのです!

今年は世界耐久選手権にTOYOTA GAZOO Racingから、スーパーフォーミュラにKDDI TGMGP TGR-DCから出場中。トップドライバーらしく、来週はスパフランコルシャン耐久が、翌々週には鈴鹿でスーパーフォーミュラというスケジュール。

そこに無理やりネジ込んだスーパーGT参戦。マジか!? それもトップドライバーが乗るには意外過ぎるGT300クラス。(スーパーGTは同じレースの中で超速いGT500と結構速いGT300という性能の違う2つのクラスが一緒に走るのが特徴)

乗るのは「TEAM ENEOS ROOKIE」で、本来はベテラン石浦宏明選手とトヨタ育成ドライバーの鈴木斗輝選手ペアで走るはずだったのですが、「運転免許試験不合格」という大失態を犯して走れなくなったそうです。

19歳の鈴木選手は運転免許を持っていたのですが、「免許取得から1年以内に違反点数が合計3点以上で初心者講習」の対象になったにも関わらず、公安委員会からの通知を受けて1ヶ月以内とされる講習を受けず再試験に。

再試験というのは普通に自動車免許を取り直すのと同じ一発試験。そんなの簡単に通るわけも無く、自動車免許を再取得できるまでレース参戦中止という判断が下ったそうです。

普通なら新人ドライバーが失態を犯せば次の若手が出てきてシートを奪うって流れになるわけですが、さすがトヨタのレーシングドライバー支援活動の一翼を担うチームらしく、別の若手を乗せるという判断をせずにベテラン起用となったようです。

実際には、GT300クラスをはじめて走るドライバーは、大会の1週間前までにルーキーテストを受けないといけないのですが、「まあ走れるでしょ」ってことで、今日の公式練習を見て決めると言う大人の判断が下り、急なドライバー変更も昨日の公式通知で公示されてます。

車は「Mercedes AMG GT3」で、先月KCMGからニュルブルクリンク耐久シリーズ第3戦に出ていた車両に近いと思われ、他のレースでも経験しているので大丈夫だろうとの判断ですかね。チームの顔ぶれも知り合いだらけでしょうから問題無いでしょう。

まずは今日の走行でルーキーテストをパスする必要がありますが、公式練習は10:30からなのでココで走れれば、そのまま午後の予選&明日の決勝出場となるでしょう。

それにしても大失態を犯した鈴木斗輝選手ですが、若いドライバーはどんな小さな失敗でもシートを失うことを意識して活動しないとですね。そんなわけで富士スピードウェイへ行ってきたいと思います。

ちなみに小林可夢偉選手は、明日夜の便でスパへ向かうとのこと。ご苦労様でーす!

2026年05月01日 05:31

スクリーンショット 2026-05-01 043749近年東京都内を車で走っていてストレスだったのが、幅が大きい車が増えて行くこと。全く道路幅も駐車場サイズも広がっていないのに、車だけ大きくなるのです。

アルファード/ヴェルファイアが幅1.85m。300系ランドクルーザーやメルセデスベンツGクラスが幅約2m。救急車に使われている巨大なハイエースのワイドボディで幅1.88mですから、アルファードでほぼ同レベルで、もっと大きい車両も増えているのです。

建築基準法で「建物を建てるための道路は原則幅4m以上が必要」となっている日本ですが、東京にはギリギリ4mの道路も多く、接道している道路の中心線から2m無い「再建築時は要セットバック」という路地も多数あるわけです。

そこを幅2m近くもある車が走り回るわけですからストレスフルなのは当然。しかも、運転したことが無いから良く分からないのですが、大きな車は見通しも悪いのか、道路左端ギリギリまで寄せられないドライバーも多く、これもストレスだったりします。

私が住んでいる品川区荏原地区って場所は、そもそも軽自動車でギリギリって路地も多いのに、そこにこの巨大な車が入って来て曲がるだけでも四苦八苦。

対向でやって来てすれ違いに困っても、バックが難しいのか車両感覚がつかめないのかオラオラ気分なのか分かりませんが、後ろにも下がらず、左端に結構寄っても前にも抜けず、何のために最新の360度カメラが付いてるんだ?といった方も多数。

きっと運転している方々のほうがもっとストレスフルだと思うのですが、これらの車種は中古車になっても値落ちが少ないから人気だから売れちゃうと聞き、リセールを気にしてる方々が乗ってるんだと思ってました。

ところが、アメリカのイラン攻撃で中東に売っていた高額な車両が売れなくなり、それらがまさにアルファード/ヴェルファイア/300ランドクルーザー/メルセデスベンツGクラス・・・なので、まあまあ手に入る感じになりそうだとか無さそうだとか・・・。

なんでも良いのですが、さすがに巨大な車は運転しにくいのか、買っても駐車場に置かれたままってのも多く、2人家族でミニバン(私もそうでしたが)とか悪路を走らないのにSUVとか意味ないので、どうせ乗るならリセールなんて気にしないで良い激安中古小型車でいいんじゃね?と思ったりしてます。

かくいう私はこのストレスからN-BOXを買ったのですが、ぶっちゃけ仕事に使うには容量不足。最低でも軽バンで、できればハイエースorキャラバンだったなーと反省しております。

ただ、道路交通法改正で自転車が車道を多数走行するようになったし、側方通過時は車側が1mあけないといけないので、大きい車のドライバーさんは益々ストレスかもです。

知らなかったのですが、一番安い300ランクルやアルファードって新車だと安くても500万円ぐらいするんですね。だったら100万円の新古車軽バンを買って、残りを株や投資信託等で運用したほうがいいんじゃね?と思っている私です。

2026年04月23日 07:06

スクリーンショット 2026-04-15 0259164年前のステップワゴン購入時にも書きましたが、ハイブリッド車を買う方に「その差額はペイできるんですか?」というのを、ガソリン価格が上昇している昨今だけに、再度書いてみたいと思います。

車を購入する際、多くの方が悩むのが「ハイブリッド車(HV)にするか、ガソリン車にするか」という選択でしょう。

「燃費が良いからハイブリッドの方が家計に優しい」と思われがちですが、実は走行距離によっては、高い車両本体価格の差額をガソリン代で取り戻せないケースが多々あります。私が4年前にステップワゴンを購入した際は、それを計算してガソリン車を選びました。

一般的に、ハイブリッド車とガソリン車の価格差は25万円から30万円に及びます。年間1万キロ走行する方であっても、その差額をガソリン代の節約分で相殺(ペイ)するには、5年から10年という長い月日が必要です。

とくに小型車(コンパクトカー)になればなるほど、元々の燃費効率が良いため、ハイブリッド化による恩恵(燃費の差)が小さくなり、元を取るための期間はさらに延びてしまいます。

燃費計算だけで「10年乗ればトントンだ」と考えるのは早計です。ハイブリッド車には、約8年〜10年で寿命を迎える可能性のある高額な駆動用バッテリーが搭載されています。この数十万円におよぶバッテリー交換費用を勘案する必要もあります。

私の年間の走行距離は、平均して7,000km程度です。そして買い替える期間も5年以内なので、この条件でシミュレーションした結果、ハイブリッド車を選んでも経済的なメリットはほぼゼロ、むしろマイナスになることが明白でした。

さらにステップワゴン特有の状況として、ハイブリッドのエンジンが2リッターなのに対し、ガソリン車が1.5リッターのため、自動車税額がガソリンの方が安いと言う特徴もありました。

さらにハイブリッドはギアがボタン式になっていて、乗りなれていない方には操作が難しく、私のようにイベント現場で不特定多数の人が運転する場合、スタンダードなシフトレバー式でないと難しいと思ったのもガソリン車を選んだ理由になっていました。

「環境のためにハイブリッドに乗りたい」「あの静粛性が好きだ」という感性的な理由なら素晴らしい選択です。しかし、もし「節約」を一番の目的にしているのであれば、ガソリン車という選択肢が最強のコストパフォーマンスを発揮するかもしれません。

すでにステップワゴンは売ってしまったわけですが、3年乗って購入時と売却時の車両価格差額は6万円で、月1.5万円で乗れた計算となりました。これもガソリン車だとタイ等での海外需要が旺盛だという理由によるもの。

皆さんも、ご自身のライフスタイルに合った「賢い買いモノ」をしてくださいねー。

2026年04月21日 06:04

yoko1現行ハイエースは2004年から続く200系というモデルで、ずーっと「来年にはモデルチェンジ」と言われつつ現行型が売られています。

昨年のジャパンモビリティショー(旧東京モーターショー)で新型ハイエースのモチーフかも知れないというハイエースコンセプト(記事)が展示されていたので、これと現行型を組み合わせて、新型予想CGをAIのGeminiに作成してもらいました。

それが冒頭の写真なのですが、もはや流出写真ではないかと思わせる完成度です。こんなの自分で作成できませんし、誰かに依頼したとしても数分で完成させられませんよね。

もちろんイロイロ指示は書きましたが、外観は「現行ハイエースのヘッドライトを使って/ドアハンドルとリアウインドウは現実的な形に」ぐらい。

室内は「ダッシュボードは海外モデルの幅を縮める/中央のモニターは12-13インチ/メーターはフルLEDで中央にナビ表示/サイドブレーキは足踏み式/前席左右は行き来できるデザイン/センターミラーはLED/リアシートは7対3または6対4の分割可倒式で中央にひじ掛け」程度。

しかも1回デザインしたのをブラッシュアップも出来るし、最初から考えることも自由自在。同じ写真をアップして同じ指示を出しても違うビジュアルが出来て来るので何案も作成可能。これなら自動車メーカーのデザイナーじゃなくても次々作成できちゃう。すごい時代ですよ。

見ているだけで欲しくなって来ましたが、これは全くのウソです。こんな車は発表も発売もされません。アホなオッサンが早朝から起きちゃったからパソコンに落書きさせてるだけです。期待させてしまった方にはすみません。

こういう遊びを続けているうちに、新時代の活用法がひらめくことを祈っている私です。そう、これは遊びではなく練習なのです。

予想CGアルバム

oil先週末、日本自動車会議所が「中東問題によるディーゼル車用エンジンオイル不足」を報じましたが、現場の状況は想像以上に深刻です。これは決して「煽り」ではありません。

現在、モービル、エネオス、出光といった主要メーカー各社は、出荷停止や大幅な値上げや(昨年同月量までの)受注制限といった厳しい措置をとっています。欠品商品多数で納期回答不可という会社もあり、容器塗装困難で外装変更を検討との表示もあったりします。

これまでの湾岸戦争などの危機でも、「オイルそのものがなくなる」「缶の塗装ができなくなる」なんて話は聞いたことがありません。異常事態です。

ディーゼル車に不可欠な「アドブルー(AdBlue)」の在庫も底を突き始めています。尿素SCRシステムを搭載したハイエース(2017年-)等の車両は、アドブルーが空になると、一度エンジンを切ったら最後、補充するまで再始動できません。

以前はGSやホームセンターで手軽に買えましたが、現在はモノタロウ等のECサイトでも在庫切れ。中大型トラックなら30〜60Lは必要となるため、すでに物流現場では激しい取り合いが始まっています。

影響は車関連に留まりません。シンナーの値上げ&枯渇と塗料の値上げで塗装業者は新規受注を停止せざるを得ない状況です。

ナフサ供給次第では、缶だけでなくプラバケツ容器の供給も危ぶまれています。先日は近所のスーパーが「安ければ催事用に譲って欲しい」と弊社が保有していた弁当容器やスープカップをすべて買い取っていきました。スーパーでも手に入らないなら小規模店は大変でしょう。

政府は「流通の目詰まりが解消されれば解決する」と繰り返していますが、現場ではすでに作業ストップが始まっています。

不安からくる買い溜めを批判するのは簡単ですが、現場を預かる身としては、仕事や生活を守るために在庫を確保するのは当然の防衛本能です。結果として、市場からモノが消え、価格が高騰する負のループに陥っています。

間もなくゴールデンウイーク。私たちは全日本ロードレース選手権で宮城県へ向かいますが、正直なところ「ガソリンをこれほど無頓着に使っていて大丈夫か?」という疑問が拭えません。

現在、ガソリン価格を抑えるために多額の税金(補助金)が投入されています。しかし、無理に価格を抑えて消費を促すより、適正な価格転嫁と「節約」を促すべき局面ではないでしょうか。

世界が「いつまで燃料を入手できるか」と危機感を募らせる中、のんきに資源を浪費し、自らの首を絞めているのは、私たち国民と政府自身なのかもしれません。

世界中を見回しても「アドブルーとエンジンオイルが無い」なんて言ってる国は日本だけ。オイルショックで2度、コロナで1度のデマ起点によるトイレットペーパー騒ぎを起こした国だけに、こういう騒ぎは今後も続くのでしょうね。
スクリーンショット 2026-04-21 052515

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