2026年09月22日 03:06
東京で神事に紅白幕を使うのはなぜ?
私はイベント会社にいたこともあり、また広告代理店や旅行代理店でも働いていましたので、普通の方々よりは高い頻度で神事に関わる機会が多い人種だと思います。イベント会社勤務時代は、住宅地開発、地域再開発、マンション開発といった仕事が中心の営業マンでしたので、地鎮祭や竣工式などの会場設営にも数え切れないほど関わってきました。
そうした会場では当然「幕」を張ります。私が仕事を覚えた関西での業界的な常識では、そこで使うのは白黒の鯨幕、あるいは青白の浅黄幕です。そもそも紅白幕なんて張っていたら、お祓いにお越しになる神主さんに怒られますからね。
ところが東京に来て驚いたことがあります。神事に紅白幕を使うのです。かなり大規模な地鎮祭でも祭礼でも紅白幕。最初に見たときは「えっ、神事に紅白?」と本当に驚きました。
園遊会や伊勢神宮で紅白幕なんて使ったら、業界だけじゃなく各種団体から猛烈に怒られると思いますけどねえ。
東京都神社庁のホームページにも、「紅白幕は慶事用、黒白幕は凶事用という通念が広まっている」としたうえで、黒白幕は本来、神事を含めてどのような行事にも使用できる幕であり、古例を重んじる祭礼では現在も使用されている、といった説明があります。
つまり「白黒幕=葬式の幕」という発想が間違い。でも「紅白幕=お祝い幕」は「通念」になっちゃってるのも認めていて、実際、神事へお越しになる神主さんからも、東京で「幕の色がダメ」なんて言われたことはありません。
東京の神様は紅白幕が落ち着くのかもしれませんけどね。「賑やかでよろしい!」ってなるのかもしれませんしね。でも私は、東京の神事で祭壇の周囲に紅白幕があるのは、いまだにものすごい違和感があります。
とはいえ、郷に入らば郷に従え。写真のように紅白幕に囲まれた祭壇の前で祭礼中を過ごすことが、今では私にとっても普通になりました。
それでも、紅白幕を見るたびに「やっぱり神事に紅白なんだよなあ」と、心のどこかで引っかかる。この違和感を持ち続けていることこそが、私が東京に長く暮らしていても、いまだに「東京エイリアン」であり続けるポイントなのかもしれないと思っている私です。









