2026年08月30日 04:41

住宅ローンの金利は日銀ではなく金融機関が決める

スクリーンショット 2026-08-30 043846住宅ローンの変動金利について、少し気になる話を耳にすることがあります。「日銀は0.25%ずつ利上げしているのだから、住宅ローンの変動金利も0.25%ずつしか上がらない」本当にそうなのでしょうか。

ここ何度かの日銀による政策金利の引き上げが0.25%刻みだったことから、「日銀が0.25%上げれば住宅ローンも0.25%上がる」と考えている方もいるようです。しかし、これは少し危険な考え方だと思います。

そもそも日銀が決めているのは、日銀の政策金利です。私たちが銀行から借りている住宅ローンの金利を、日銀が直接決めているわけではありません。

もちろん政策金利が上がれば、金融機関の資金調達コストや短期プライムレートなどを通じて住宅ローン金利にも影響します。しかし、最終的に住宅ローンの金利を設定するのは、それぞれの金融機関です。特に「これから借りる人」と「すでに借りている人」は分けて考える必要があります。

新規の住宅ローンでは、金融機関が設定する「基準金利」から「金利引下げ幅」を差し引いて、実際の適用金利が決まる商品が多くあります。

例えば、基準金利3.0%/金利引下げ幅▲2.0%/適用金利1.0%だったとします。基準金利だけ0.25%上がれば、適用金利は1.25%です。しかし新規借入について金融機関が金利引下げ幅を▲1.5%に変更すれば、基準金利3.25%/金利引下げ幅▲1.5%/適用金利1.75%となります。

基準金利は0.25%しか上がっていなくても、新たに借りる人の適用金利は0.75%上がることになります。逆に住宅ローン獲得競争が激しくなれば、金融機関が優遇を拡大して、基準金利が上がっても新規借入の適用金利を低く抑えることも考えられます。

一方、すでに住宅ローンを借りている人については、金融機関がその日の気分で金利を変更できるわけではありません。契約した商品の基準金利や金利見直しのルールに従って変更されます。

つまり大切なのは、「日銀が何%利上げしたか」だけを見るのではなく、自分が契約している住宅ローンが「何を基準に金利を決め、いつ、どのように見直されるのか」を理解しておくことです。

そしてもう一つ注意したいのが「5年ルール」と「125%ルール」です。これは金利の上昇を抑える制度ではありません。金利が上昇しても一定期間は毎月の返済額を変えなかったり、返済額を見直す際の増加幅を一定範囲に抑えたりする仕組みです。

返済額が変わらなくても、支払額に占める利息の割合が増えれば、その分だけ元金の減りは遅くなります。しかも、すべての住宅ローンに5年ルールや125%ルールがあるわけではありません。実際、PayPay銀行は両ルールを採用していないことを明記しています。

長く続いた超低金利時代によって、私たちは「住宅ローンの金利は低いもの」という感覚に慣れてしまったのかもしれません。

しかし住宅ローンは20年、30年、35年と返済していく商品です。その間には金利だけでなく、収入、家族構成、教育費、物価、税金、修繕費など、さまざまなものが変わります。だから住宅ローンを組む時に大切なのは、「今の金利ならいくら借りられるか」だけで考えないことだと思います。

金利が上がっても、多少収入が減っても、予想外の出費があっても生活を続けられる。住宅ローンは「借りられる金額」ではなく、「ゆとりを持って払い続けられる金額」で組む。結局、それが一番大切なのではないでしょうか。

私が自分の住宅ローンについて「10年固定の金利が1%から4%になった」という記事を書いてから数ヶ月が経過しましたが、今や「10年固定で4%はお得でしたね」という状況になりました。今後の金利動向から目が離せない状況であることを意識していきたいと思います。

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