2026年07月15日 01:41
最低価格のアルファード「X」が廃止に。新エントリーグレード「G」は買いなのか?
トヨタ・アルファードの商品改良で、これまで最も安いグレードだった「X」(2WDハイブリッド・8人乗り)がラインアップから姿を消しました。メーカー希望小売価格は510万円(税込)でした。代わって新たなエントリーモデルとなったのは「G」(2WDハイブリッド・7人乗りまたは8人乗り)。メーカー希望小売価格は559万9,000円(税込)です。つまり約50万円アップとなった形になります。しかもこの価格は、一つ上のグレードである「Z」(2WDガソリン・7人乗り)と同じです。
つまり、「同じ559万9,000円で、ガソリンのZにするか、ハイブリッドのGにするか」という選択ができるようになりました。なお、ハイブリッドのZは639万9,800円(税込)。こうなると、「G」と「Z」のどちらがお得なのか気になるところですよね。
以前の最廉価グレードXは、とにかく価格を抑えることに主眼が置かれていました。シートは手動式、ウインカーは上位グレードのような流れるタイプではなく、リアコンビネーションランプも点灯範囲が狭いため、後ろ姿だけで「X」と分かるほどでした。
さらに、センターコンソールには他グレードなら14インチサイズのディスプレイが収まる大きなスペースが用意されているにもかかわらず、Xは9.8インチのディスプレイオーディオを採用。そのため画面の縁が広く見え、「ちょっと寂しいな」という印象を受ける仕上がりでした。
それに対して新しいGは、内装・外装ともに質感が大きく向上し、「これがエントリーグレードなの?」と思える仕上がりになっています。
何よりもうれしいのは、前席パワーシート、14インチディスプレイオーディオ、12.3インチフル液晶メーター、本革巻きステアリング、フォグランプが標準装備となったことです。価格は50万円アップしましたが、その分、装備も大幅に充実しています。しかも以前のXでは選べなかった7人乗りも用意されています。
なお、「もう少し見た目をZに近づけたい」という方は、13万4,200円のメーカーオプションを選択すると、パワーバックドア、シーケンシャルウインカー、アダプティブハイビームシステムが追加されます。さらに5万5,000円のメーカーオプションで18インチアルミホイールを装着すれば、見た目の印象もかなりZに近づきます。
こんな感じで魅力が増したアルファードGですが、もちろん上位グレードとの差も残されています。
例えば、メーカーオプションのムーンルーフが選べないこと、ボディカラーがホワイトとブラックの2色のみであること。そして何より大きいのが、アルファードの象徴とも言える豪華な電動リアシートが装備されないことです。
そう考えると、リセールバリューまで考慮するのであれば、ガソリンのZにムーンルーフを装着するのが、一番バランスの良い選択かもしれません。
一方で、ハイブリッドとガソリンの価格差は約80万円あります。燃費差を考えると、5年間で年間2万km程度走行する方であれば、その差額を十分回収できる可能性がありますので、そのような使い方をされる方ならハイブリッドを選ぶ価値は十分あると思います。
もし私が購入するなら、東京都に住んでいることもあり、東京都独自の「ZEV車両購入補助金」と国のCEV補助金を活用して、Zのプラグインハイブリッドモデル(PHEV・764万9,400円(税込))を選ぶと思います。補助金を最大限活用すれば、実質約640万円程度で購入できます。
このモデルは、ムーンルーフ、電動サンシェード、19インチアルミホイールが標準装備となるほか、天井には東レの最高級人工皮革スエードが採用されています。さらにシステム最高出力も、通常のハイブリッドモデルの250PSに対して306PSへと向上しており、走行性能にも余裕があります。
通常ならハイブリッドZより100万円以上高いモデルですが、補助金を考慮すると、ほぼ通常のハイブリッドZと変わらない価格で購入できる計算になります。東京都にお住まいで補助金の対象となる方であれば、最もコストパフォーマンスの高い選択肢と言えるかもしれません。
最後になりますが、自動車の中古車価格は国内需要だけでなく海外需要にも大きく左右されます。アルファードも輸出需要の影響が非常に大きい車種です。輸出先や時期によって人気の仕様は変化しますが、現時点では海外市場でガソリンモデルの需要が根強く、リセールバリューという点ではガソリン車が有利になる可能性があります。
今回の改良は、単純な値上げではなく、「価格は上がったものの、それ以上に商品力を高めた改良」と言えるでしょう。
これからアルファードの購入を検討される方は、「一番安いモデル」を探すのではなく、自分の使い方や予算、補助金制度、そして将来のリセールバリューまで含めて比較すると、より満足度の高い1台を選べるのではないでしょうか。









