2026年07月13日 06:06
餃子の王将の水ピッチャーとグラスについて
餃子の餃子の王将で使われている水のグラスは、一般的な中華料理店よりも少し小さめ(満水で約190cc)です。これは、スタッフがテーブルへ足を運ぶ機会を増やし、お客様との接点を高めて行こうと言う考え方から採用されたといわれています。ところが、店員側から「何度も水のおかわりで呼ばれるのは大変」という話しになり、多くの店舗でピッチャーを置くスタイルが一般的になって行ったそうです。
この置かれている水ピッチャーなんですが、よく使われている「本間冬治工業 ノンウェットピッチャー」という最大1.7リットルのピッチャーへ氷をパンパンに詰め込んでから水を入れている店舗が大半です。
当然ですが、氷をそこまで入れてしまえば、水は1リットルも入りません。冷たさは長持ちするのでしょうが、すぐに空になってしまい、結局は補充が必要になります。水の補充を頼んでもらって接触機会を維持する戦略なのかもしれませんが、どっちつかずになっている気がします。
こうした変化は、水だけではありません。かつて餃子の王将は、各店舗で餃子を包み、焼くことを大きな特徴としていました。各店舗で餃子を包んで焼くからこそ、「あの店は焼き方がうまい」「この店は少し大きめだ」そんな店舗ごとの個性も、王将の魅力の一つだったように思います。
今はセントラルキッチンで製造された餃子が各店舗へ配送され、店舗では焼くだけ。この方式は餃子だけでなく、さまざまなメニューへと広がり、店舗で行う作業は加工済み食材を調理&盛り付けが中心になりました。以前は人気だった各店独自メニューも減少の一途です。
もちろん、この変化には理由があります。品質を均一に保ち、衛生管理を徹底し、人手不足にも対応できる。全国どこの店舗でも同じ味を提供できることは、チェーン店として大きな強みです。一方で、店舗ごとの個性や味を楽しむ機会は、少しずつ姿を消していきました。
効率化や標準化は時代の流れとして避けられません。大手であればあるほど当然です。しかし、その一方で、かつての「店ごとの個性」や「現場の技術」が生み出していた魅力も、チェーン店の魅力をアピールする上で、決して小さくはなかったのではないでしょうか。
餃子の王将の小さな水グラスや水ピッチャーを見ていると、飲食店の魅力が薄れてきた背景には、チェーンストアの味の統一化や、スタッフの負担軽減・効率化といった時代の変化があるのかもしれない・・・そんなことを感じます。
そして、こうした変化は餃子の王将だけの話ではありません。接客を重視し、口頭注文で食事後の支払いをかたくなに守って来た吉野家もタッチパネル注文に変更。支払いは現金のみを徹底していたサイゼリヤも各種決済方法OKのセルフレジを採用。今後もこの流れは止まらないでしょう。
飲食業界全体が今、大きな転換期を迎えています。夜の営業時間帯を利用する人は減少の一途をたどり、減っていく夜のお客様を巡る競争には、王者マクドナルドまで参入しています。大人数での飲み会は激減し、少人数でお酒を楽しむ機会すらも以前ほど多くありません。
だからこそ、個人経営の飲食店や居酒屋はもちろん、食事中心の大手チェーンであっても「効率化」だけでは物価上昇や人件費高騰によるコスト増を吸収しきれず、価格競争にも限界が見え始めています。
これからの飲食店には、価格や効率だけではなく、「その店だから行きたい」と思わせる個性や体験価値が、これまで以上に求められる時代なのかもしれませんね。
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