2026年07月06日 04:20

住宅金利の今後動向について

3昨日、ここ2年以内に制作された住宅ローンに関するYouTube動画をいくつも見させていただきました。内容はさまざまでしたが、基本的に楽観的な見方が多かったことに少し驚きました。

日本は1999年、当時の日本銀行速水総裁が「ゼロでもよい」と発言したことで、バブル崩壊後の景気対策としてゼロ金利時代が始まりました。阪神・淡路大震災のあった1995年1月時点では1.75%で「超低金利」と言われていた公定歩合(現在の政策金利)が、0%になったのです。

私がマンション販売やニュータウン販売の企画を担当していたのは1991年から1995年。当時は6%だった公定歩合が4.5%に下がり、「史上最低金利」という言葉を広告で何年も使っていました。それが、わずか数年後にはゼロ金利となり、「史上最低金利」が当たり前の時代に入ってしまったのです。

そんな経験をしてきた私は、2002年に自宅を購入した際、「ゼロ金利なんて長く続くはずがない」と考え、迷わずメガバンクのりそな銀行で3.0%の10年固定を選びました。

ところが、その頃に日本初の住宅ローン専門銀行(モーゲージバンク、現SBIアルヒ)が登場し、2005年には「SBIモーゲージ」として積極的な借り換え広告を展開。周囲でも3%以上で借りていた人たちの借り換えが相次ぎました。

私も借り換えを検討してりそな銀行へ相談したところ、「他行と同じ条件にします」と提案され、借り換えをせずに3.0%の10年固定が、返済開始4年目で1.0%の10年固定へ変更となりました。

そして、それから20年以上が経過。今年5月に再び金利見直しを迎え、私の住宅ローンは10年固定4.0%となりました。この話は以前のブログでも書いたとおりです。

日本銀行は2024年のゼロ金利解除以降、政策金利を2024年7月に0.25%、同年12月に0.50%、2025年6月に0.75%、そして2026年6月1.00%へと引き上げています。

それにもかかわらず、この1年以内に制作された動画でも、
「住宅ローンは変動金利一択」
「政策金利が1.5%になるにはまだ数年かかるし下がる局面もあり得る」
「首都圏マンションはまだまだ値上がりするから借りられるだけ借りるべき」
といった内容が少なくありませんでした。

もちろん、そのような見方が間違いだと言うつもりはありません。実際、その予測が当たる可能性も十分あります。

一方で、金利上昇リスクを警告する動画も複数ありました。その中で印象に残ったのが、楽待チャンネルの「【変動金利の落とし穴】125%ルールで住宅ローンが減らない/金利3%でも耐えられるか」という動画です。

この動画は約7か月前に公開されたものですが、当時は「金利3%」がタイトルに使われていることから、この金利水準はその時点では「あり得ないレベル」だったのでしょう。しかし、政策金利はさらに引き上げられ、私自身も住宅ローン固定金利4.0%という現実を経験しています。

住宅ローンは30年、35年という長い付き合いになります。その間には景気も、物価も、賃金も、金利も必ず変化します。

だからこそ、「金利は上がらない」「不動産価格は上がり続ける」といった一つのシナリオだけを信じるのではなく、「もし予想が外れたらどうなるか」という視点も持っておくことが大切なのではないでしょうか。

私は住宅販売の現場も、超低金利時代も、そして今回の金利上昇局面も実際に経験してきました。その経験から言えるのは、住宅ローンで最も重要なのは「一番得をする借り方」を探すことではなく、「どんな時代になっても返済を続けられる借り方」を選ぶことだと思っています。

参考資料:私の経験)
・購入物件:2002年 新築一戸建て 17坪 4,350万円
・諸費用:150万円
・ローン:4,500万円(35年フルローン/団信付)
・金利:02年10月〜06年5月 10年固定3.05% 月額174,400円
    06年6月〜26年5月 10年固定1.05% 月額131,800円
    26年6月〜 10年固定4.00% 月額154,700円

住宅ローンは元利均等返済です。そのため、借入当初は毎月の返済額の大半が利息に充てられ、元金はなかなか減りません。つまり、借入残高が最も多い初期に低金利であることの恩恵は非常に大きいのです。

私の場合も、2006年に3.05%から1.05%へ条件変更できたのは、借入からまだ4年しか経っていない時期でした。残高は4,000万円以上残っており、その後20年間も低金利が続いたことで、支払利息を大幅に抑えることができました。

一方で、2026年から10年固定4.00%になりましたが、この時点では残高は約1,500万円まで減っています。金利は大きく上がったものの、借入当初に同じ4%になっていた場合とは家計への影響がまったく異なります。

住宅ローンは「現在の金利だけ」を見て判断するものではありません。どのタイミングで、その金利が適用されるのかが非常に重要なのです。

だからこそ、変動金利を選ぶ場合も、「金利が上がるかどうか」だけではなく、「借入残高がどれだけ残っている時期に上がる可能性があるのか」という視点で考えることが大切だと感じています。

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