2026年06月24日 05:59

脱低金利時代と我々世代の貯蓄残高

スクリーンショット 2026-06-24 055747「平均貯蓄額〇〇万円」というニュースを見るたびに、「そんなに持っている人が本当にいるのか」と思う方も多いでしょう。総務省の家計調査では、2025年時点の二人以上世帯の金融資産保有額は、平均約1,900万円、中央値は約1,100万円となっています。

私も長年、「そんなに貯金ないけどなあ」と思っていた一人です。ところが改めて計算してみると、意外と多くの金融資産を持っていることが分かりました。その大半は貯蓄型生命保険です。

現在保有しているのは、第一生命の個人年金が約700万円、メットライフ生命の終身保険が12万ドル、日本生命の終身保険が3万オーストラリアドル。為替レートにもよりますが、日本円に換算するとざっくり3,000万円近い金額になります。

私のような58歳世代の場合、就職すると生命保険会社のおばちゃんが会社の事務所にやって来て、「将来のためだから」と半ば当たり前のように貯蓄型生命保険へ加入する時代でした。

今の感覚では信じられませんが、当時の予定利率は5.5%から7%程度。月々1万円の保険料を35年間払い続けると、支払総額は420万円です。それが高い利回りで運用された結果、満期金や解約返戻金が1,300万円から1,500万円になる商品も珍しくありませんでした。

私は途中からドル建て保険も活用していたため、さらに恩恵を受けました。平均1ドル=100円程度で保険料を払い込んでいたものが、現在は1ドル=160円前後。運用益に加えて為替差益まで発生している状態です。

もちろん、誰もがこうした保険に加入していたわけではありません。しかし現在の60代前後には、高金利時代の商品を長期間保有していた人が一定数存在します。

平均貯蓄額の統計を見る際には、「現在の収入から貯めたお金」だけではなく、「高金利時代の恩恵を受けた金融資産」も含まれていることを忘れてはいけません。若い世代から見れば不公平に感じるかもしれませんが、これは投資の才能というより、時代背景の影響が大きいのです。

私もその恩恵にあずかった一人でした。一時は高利回りの生命保険を5本ほど保有していましたが、離婚、再婚、バイクレース、住宅購入、子どもの進学など、その時々の人生イベントで次々と解約して現金化してきました。

振り返れば、あのまま全て持ち続けていたら総資産は1億円を超えていたかもしれません。しかし、それらを取り崩したからこそ今の人生があり、家族があり、思い出があります。資産は残りませんでしたが、お金の使い道としては決して悪くなかったのではないかと思っています。

私の場合、高金利時代の生命保険という「時代の追い風」に恵まれました。もちろん同じ商品は今では存在しませんし、当時のような予定利率が再び実現する保証もありません。

しかし、日本でも長らく続いた超低金利時代が終わりつつあり、金利のある世界へ戻ろうとしています。もし今後、本格的な高金利時代が到来し、魅力的な予定利率の商品が再び登場するのであれば、若い世代の方はぜひ生命保険加入を検討してみてください。

投資信託や株式投資も大切ですが、長期間にわたってコツコツ積み立てる貯蓄型生命保険は、将来の資産形成の有力な選択肢になり得ます。

私が58年間生きてきて実感するのは、「若き日に無理やり生命保険の加入させてくれたおばちゃん達に感謝」ってこと。

当時は「なんで給料も少ないのに毎月こんなお金を払わないといけないんだ」と思っていました。しかし40年近く経った今になって振り返ると、あれは私が人生で最初に行った長期積立投資だったのかもしれません。

「生命保険のおばちゃん達の営業力は、日本人の老後資産形成に大きく貢献したのではないか」と思っている私です。少なくとも私は、あの時に加入を勧められていなければ、今ごろ3,000万円もの金融資産は持っていなかったと思います。感謝!

記事検索
QRコード
QRコード
月別アーカイブ