2026年06月19日 04:40

F1で遅いホンダの予兆はバイクに出ていたって話し

スクリーンショット 2026-06-18 105114先日、飲食店で隣に座った方から、「レッドブルでチャンピオンを獲ったホンダのF1エンジンって、なんで今年は遅いんですか?」と聞かれました。

私は即座に、「バイクはずーっと遅いっす!」と返したのですが、相手はかなり驚いていました。F1ファンでもない限り、ホンダが現在MotoGPで苦戦していることを知らない人は意外と多いようです。

現在のホンダは、収益面では二輪事業が圧倒的な稼ぎ頭です。世界中で売れるバイクのおかげで高い利益を生み出しており、その利益が会社全体を支えていると言っても過言ではありません。そう考えると、F1で勝とうが負けようが事業への直接的な影響は限定的です。

しかし、二輪メーカーであるホンダにとって深刻なのは、二輪のブランドイメージを形成してきたレース部門の長期低迷ではないでしょうか。

現在、オートバイロードレースの最高峰はMotoGPです。ホンダが最後にチャンピオンを獲得したのは2019年。その翌年にはコンストラクターズランキング5位に転落し、そこから長い低迷期に突入しました。2025年シーズンのコンストラクターズランキングは以下の通りです。

1位 ドゥカティ 768ポイント
2位 アプリリア 418ポイント
3位 KTM 372ポイント
4位 ホンダ 285ポイント
5位 ヤマハ 247ポイント

ホンダは多少持ち直したとはいえ、かつての王者の姿とは程遠い状態です。日本メーカー同士で最下位争いをしているのが現実です。

今年からホンダはF1でワークス体制での参戦を再開しました。MotoGPもF1も実際に運営しているのはホンダのレース専門子会社であるHRC(Honda Racing Corporation)です。つまり、HRCという組織は現在、「F1でも苦戦」「MotoGPでも苦戦」という状況に置かれているわけです。

もちろんレースは勝負事ですから勝つ年もあれば負ける年もあります。しかしMotoGPに関しては、もはや一時的な不振とは言いにくい。気が付けば6年近く低迷が続いています。

バイクメーカーにとってレースとは広告塔です。そこで勝つからこそ「ホンダってすごいな」「次はホンダを買おうかな」というイメージが生まれるのだと思うのです。

逆に言えば、世界最高峰の舞台で毎週のように後方を走る姿を見せ続けることは、少なからずブランド価値を毀損しているはずです。私はまさかホンダがこんな姿を何年も見せ続ける日が来るとは思ってもいませんでした。

ところが6年も続くと不思議なもので、ホンダやヤマハが優勝争いではなく、中団グループで戦っている光景にすら慣れてしまいました。世界中のホンダファンも、ガッカリを通り越して「またか」と思うようになっているのかもしれません。

レースの成績不振が、たちまちバイクの販売台数に影響することはないでしょう。しかしブランドというものは、積み上げるのに何十年もかかる一方で、失うのは驚くほど早いものです。

ホンダが長年築いてきた「世界最強の二輪メーカー」というイメージは、少しずつではありますが着実に削られているように見えます。販売不振になってから慌てて立て直そうとしても、失ったブランド価値を取り戻すにはさらに長い時間が必要になるでしょう。

プロ野球やJリーグのクラブなら、これだけ結果が出なければ監督交代どころかフロントの責任問題に発展してもおかしくありません。

では、6年近く最高峰カテゴリーで低迷を続けるホンダのレース活動について、誰が責任を負っているのでしょうか。

もちろん外部から見える情報だけで単純に判断できる話ではありません。しかし、ホンダが世界最高峰の舞台で勝てなくなった理由を検証し、組織として改善しようとしているのかどうかは、多くのファンが気になっているところだと思います。

F1の不振が話題になるたびに、私は「実はもっと深刻なのはMotoGPではないか」と考えてしまいます。なぜならF1は参戦と撤退を繰り返しても、ホンダという会社の土台は揺らぎません。

しかし二輪は違います。ホンダの原点であり、今なお最大の収益源でもあります。その最高峰カテゴリーであるMotoGPで勝てない状態が6年も続いていることの方が、私ははるかに重い問題だと思うのです。

ホンダは今も世界最大級の二輪メーカーです。四輪のEVシフト失敗で作り出した巨額の赤字も、二輪の利益で消そうとしています。しかし、その地位は過去の栄光によって永遠に保証されるものではありません。

もし最高峰カテゴリーで勝てない状態がさらに続くなら、ホンダは稼ぎ頭である二輪事業そのものを支えてきたブランド価値と収益力を共に失う可能性すらあるのではないかと思っています。

レース無くしてホンダ無し。レースでの勝利無くしてホンダ無し。4月には4代目社長の川本信彦氏(90)が本社を訪れ、現社長の三部氏に辞任を直談判したとの報道も出ています。それだけ強い危機感を持っているのでしょう。

急にホンダの四輪車が売れ出すなんて事は無いでしょう。F1で最後尾を走っていればなおさらです。だったらMotoGPぐらい上位争いできるようになって欲しいなと思っている私です。

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