2026年06月09日 02:21

住宅ローンは「借りられる額」ではなく「返せる額」で考えるべきかも

kariire先日、私が組んでいる住宅ローンの「10年固定金利の期間満了日」がやって来たという話を書きました。思いのほか反響がありましたので、今回は具体的な数字を残しておこうと思います。

旧条件)
・10年固定期間満了日:2026年5月28日
・金利:1.05%
・返済月額:138,121円

新条件)
・10年固定期間満了日:2036年5月28日
・金利:4.00%(2.95%上昇)
・返済月額:158,289円(20,168円上昇)

変動金利を選択すれば、当面の返済額上昇を7千円程度に抑えることもできました。しかし私は、今後の金利変動リスクを避けることを優先し、再び10年固定を選択しました。

私は1990年から、長谷川工務店、三井不動産、藤和不動産、積水ハウス、エス・バイ・エルといった住宅・不動産関連企業のマンション販売や、猪名川パークタウン、神戸北町、神戸花山手、サニーサイド倉敷といったニュータウン販売プロモーション活動に長年携わってきました。

だからこそ、自宅を購入する気は全くありませんでした。なぜなら、それまで多くの不動産関係者の方々から、「自分が住む家は賃貸で十分だ」「住むための家を買うのは非効率だ」という考え方を聞き続けていたからです。

ところが、住宅購入に踏み切った2002年。複数の不動産業界関係者から「今が買い時だ」という話しを耳にするようになり、さらに「35年のフルローンを組むなら35歳まで」という当時のルールも私の背中を押しました。それらが購入を決断した大きな理由の一つでした。

「ローンを組んだ時は返済が苦しくても、賃金は年々上がって言うので少しづつ楽になっていく」なんて事も言われましたが、実際には賃金は現在に至るまで24年間1円も上昇しませんでした。ただ、幸運にも超低金利時代が続いたことで、なんとか返済は続けて来られました。

今回の金利上昇局面を経験して改めて感じるのは、住宅購入とは決して気軽な買い物ではなく、大きなリスクを伴う挑戦だということです。

近年のマンション価格高騰局面で「儲かるかも」と購入された方々は、多額の借入額とともに金利上昇リスクも背負っている上、管理費や修繕積立金も年々上昇傾向にあり、マンション所有者の負担は着実に増えています。

金利が変わると返済額がどの程度変わるかを見てみましょう。以下は5,000万円を35年の元利均等返済で借りた場合の比較です。

・金利1.0% 返済月額141,142円 総返済額 約5,928万円
・金利2.0% 返済月額165,631円 総返済額 約6,956万円
・金利3.0% 返済月額192,425円 総返済額 約8,081万円
・金利4.0% 返済月額221,387円 総返済額 約9,298万円

金利が1%から4%になるだけで、月々の返済額は約8万円、総返済額は3千3百万円以上も変わるわけです。借入額がもっと多ければ、この差はさらに大きくなります。

それだけ賃金が上がれば良いのですが、果たしてそこまでの上昇が見込めるでしょうか。しかも世界の主要国は金利上昇が見込まれており、そうなると日銀もこのまま低金利を続けることは出来ないでしょう。

もちろん、持ち家が悪いと言いたいわけではありません。息子の誕生とともに新築一戸建てを購入し、そこで子どもが巣立つまでの時間を過ごすことができました。縁もゆかりもなかった武蔵小山という街にも愛着が湧き、今では「地元」と呼べるような感覚もあります。

しかし、それは今日まで返済を続けて来られたからこそ言えることでもあります。

住宅ローンは「銀行が貸してくれる金額」で組むものではなく、「将来何が起きても返済を続けられる金額」で組むべきものだということを、今回改めて強く感じました。

金利が上がるかどうかは誰にも分かりません。購入した住宅の価格が将来上がるか下がるかも分かりません。しかし、借りたお金は必ず返さなければなりません。

住宅ローン金利は、かつての1%を切るような時代から、変動で1.5%前後、固定で4%前後という水準が現実に視界に入る状況となっています。今後の動向は誰にも分かりませんが、少なくとも「金利のある世界」が戻ってきたことだけは間違いないでしょう。

住宅購入を検討されている方は、ぜひ一度「金利が5%になったら」「管理費や修繕積立金が大幅に上がったら」という前提で生活設計を考えてみてください。その上でも無理なく返済できるのであれば、それは良い買い物になる可能性があります。

住宅ローンとは、家を買うための素晴らしい仕組みであると同時に、一歩間違えば破滅に至るかもしれない人生最大級のリスクを引き受ける決断でもあります。

これが、34歳時に35年もの長期住宅ローンを組み、そのうち24年間を実際に返済してきた58歳の私からの率直な感想です。

PS) 現在借入残高を知りたいとの話しがありましたので、写真を入れ替えました。なお借り換え等は考えておりません。何の信用も無い若き日の私に、とんでもない低金利で大金を貸し付けてくださったメガバンクさんには今も感謝しております。

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