2026年05月24日 05:26
そのデジタルサイネージって必要ですか?
巨大なLEDビジョンや液晶モニターを街で見かけるようになって数十年の年月が経過しました。今や都会だとエレベーターの内外や電車の車内広告まで液晶化されています。これを総称して「デジタルサイネージ(=光る壁)」と言います。しかし、これについて適正サイズ・適性画質・適正輝度といった指標が無く、都市再開発時やビル建設においては、デジタルサイネージの費用はほんの一部であることから、深く考えることなく設置されたと思われる事例も多く見られます。
温暖化が問題視される今の日本なのに、巨大デジタルサイネージが無駄に激しく熱を発している例を見たこと無いでしょうか。あれなどはまさに無駄を代表する例。ビジョンも熱を発する上に制御ユニットも発するので、通路のエアコン補強を検討中といった例も見られます。
ポスターと比較すると、即時性があり印刷費や掲出費がかからないのは利点です。ただ、そのために即座に何かを映し出せる体制が必要ですし、それなりのデザインされたビジュアルを用意する必要があります。
同時に、費用の一部を広告収入で補おうとする場合、適正とされる広告費設定と販売体制の構築も不可欠です。故障すれば即座に把握して修理する必要もありますし、放映開始連絡や放映終了連絡と言った作業も発生します。
私は一貫してこれらの設置には「情報発信端末としての設置には肯定的」です。例えば空港や駅の発着案内。これは非常に有益ですし、日本語だけでの案内では不足する多言語化対応が必要な案内箇所にも適しているでしょう。
ただ、広告収入をあてにした運営については収益性に大いに疑問がありますし、広告放映のみに絞った運用の物については「経済合理性=絶対に儲かる」物以外はジャマなので設置すべきでは無いと思っています。
広告料金の設定は、そこを通行する人の数と広告面の向きで決まります。人は多く通行するけど通行者と並行する広告は見られる可能性が低く、少ない通行者数でも正対する広告は確実に見られるからです。
羽田空港第3ターミナルに直結した「羽田エアポートガーデン」には通路に多数のデジタルサイネージが設置されていますが、通行者数が非常に少ない上に結構な熱を発していて、逆に人を近づけない雰囲気すら醸し出しています。
しかもなぜか大型ビジョン前にロープパテーションが設置され、通路を狭くしているだけでなく、映像を見えにくくしています。何か映像面を触られると不都合があるのかもしれません。
巨大デジタルサイネージは、都市を近未来的に見せる象徴です。しかしその裏では、莫大な建設費、維持費、電力消費、熱問題、採算性といった大きな課題もあります。
「光る壁」が増え続ける時代。これが設置されるのは常に公共空間です。だからこそ、本当に必要な物かどうかを考え、公共空間に求められる快適性と提供すべき即時性の求められる情報が何かを改めて考える時期に来ているのではないでしょうか。
個人的には導入には否定的ではありませんが、必要性に応じた最低限の数量で、かつ内部で運用できる体制が構築できるかどうかが重要な見極めポイントかもと思っております。
もし設置を検討中で、専門的な知見でのコンサルが欲しいと言う話しがありましたらお知らせください。私自身が動ける範囲で直接対応させていただきます。









