2026年05月09日 03:55
サイゼリヤのメニューが次々と販売停止に
「安くて美味しい」の代名詞であるサイゼリヤから、人気メニューが相次いで姿を消しています。今年3月末には、看板メニューだった「若鶏のディアボラ風」と「柔らかチキンのチーズ焼き」が販売停止に。これは国内外で猛威を振るう鳥インフルエンザによる供給不足が原因でした。
そして今度は、人気の「生ハム」までもが販売停止となりました。昨年11月にスペインで家畜伝染病(アフリカ豚熱/ASF)の発生が確認され、農水省が輸入停止を通達したことによるもので、具体的には「生ハム」と「生ハムとバッファローモッツァレラの盛合わせ」がメニューから消えています。
単なる一企業の品切れであれば良いのですが、強力な独自の調達網を持つサイゼリヤですら原材料を確保できないということは、日本の市場で鶏肉と豚肉が圧倒的に不足していることを意味します。
スペイン産豚肉は比較的安価なため、日本の加工肉や外食の支えでした。また、高級な「イベリコ豚」もスペイン産であり、これら全てが輸入停止の影響を受けています。
鶏肉については安価の代表格だったブラジル産が、輸入量の縮小や円安により価格が高騰。かつてスーパーで100g 80円未満が当たり前だった鶏ミンチも、今や100円超えが「普通」の光景になりました。
鶏と豚がダメなら牛肉と思いたいところですが、状況はさらに過酷です。
元々輸入頼みの牛肉は、歴史的な円安によって価格が跳ね上がっています。アメリカ産やオージービーフの価格高騰に加え、中国などの他国との買い付け競争に日本が負ける「買い負け」の状態も続いており、もはや手の届きにくい食材になりつつあります。
今回のサイゼリヤの決断は、飲食業界全体への警告でもあります。圧倒的な購買力を持ち、大量仕入れでコストを抑えられる大手チェーンですらメニューを維持できないわけです。
仕入れ値が数倍になっても、客離れを恐れて簡単に値上げはできない。代わりの食材を探そうにも大手を交えた争奪戦で確保すらままならない。光熱費や人件費の高騰も重なり、経営はまさに「原価の壁」に押し潰されそうな状態にあります。
大手がこれなら中小飲食店が「限界を超えている」というのは容易に理解できることでしょう。個人規模の飲食店レベルだと、光熱費・人件費・油・調味料の高騰に加え鶏・豚・牛価格上昇ですから、廃業を選ぶ方が多いのも分かります。
私たちが通うお気に入りのお店が、明日も同じ価格で同じメニューを出せているのは、もはや奇跡に近い努力の賜物かもしれません。
サイゼリヤのメニュー変更は、決して他人事ではありません。世界的な感染症や社会情勢が、今日私たちが食べる夕飯の内容と値段をリアルタイムで左右しています。賢く食材を選び、代替品を模索する工夫が、これからの家計管理、そして外食の楽しみ方において欠かせないものになりそうです。









