b05トランプ大統領による謎の関税によって窮地に陥ると見られた中国経済でしたが、現実にはすでに不動産バブル崩壊で経済危機に陥っていた中国は、全く違う方向へシフトしはじめていたようです。

その中でも国や地方政府の支援が期待できない自動車分野は驚くほどドラスティックな変化を見せており、中国自動車メーカーは、もともとアメリカで売るどころか売ろうともしていなかったので、この機に舵を一気に欧州へと切ったようです。

実際に先月開催されたドイツ国際モーターショー(WebCG記事)にも多数の中国メーカーが出展し、メルセデス/BMW/VW&AUDIに並ぶ規模のブースを構築して大々的にワールドプレミアを開催していました。

黄色い写真の車はリープB05。世界第5位の自動車メーカーステランティス(クライスラー/ジープ/FIAT/アルファロメオ/プジョー等)も出資している中国企業で、見てのとおりVWゴルフに思いっきりぶつけて来ました。もちろん電気自動車で価格は3万ユーロ以下、生産はスペインを予定しているとのこと。

中国自動車メーカーのTOP5で長安汽車はすでにデビュしている電動SUVのS05(DEEPAL)を欧州で展開するためディーラー網を構築して本格稼働させると発表しました。この車はタイで右ハンドル仕様の製造もおこなわれていて、日本上陸の可能性もあるとされています。

すでに日本上陸しているBYDはEVからPHEVへのシフトを鮮明にし、年内完成予定のハンガリー工場から欧州向け車両のデリバリーを開始すると発表していました。ハイブリッドも中国って時代になるのでしょうか。

来週にはジャパンモビリティショー2025(旧 東京モーターショー)が開幕しますが、気が付けば国内景気の悪化で尻に火が付いた中国自動車メーカーは、EVやPHEVを欧州展開するとともに、アメリカや日本といった市場を無視する戦略のようです。

確かに通貨を見てもアメリカドルは極端に弱い展開となっていて、さらに弱い位置に日本があるという悲しい状態。日本にいる限り世界の常識は見えないという現状に拍車がかかるのかもしれません。

ちなみにドイツ国際モーターショーへの日本自動車メーカーの出展は前回同様なかったようです。欧州から日本車は消える運命なんですかねえ。悲しい現実です。