
BYDが世界を席巻している大きな理由はPHEVと呼ばれる「プラグインハイブリッド」で圧倒的シェアを確保している事もありますが、何よりも商用電気自動車といわれるトラック・路線バス・タクシーといった市場を寡占化していることにあります。
いま日本で最もEVを活用している企業は日本郵便。都心で見る郵便配達のバイクはほぼEV。集配用の軽バンもEVだらけ。次によく見かけるのはヤマト運輸のEVトラックでしょう。
BYDが日本のEVバス市場に参入したのは10年前ですが、そんなEVバスなんてものは私が神戸市で小学生として生活していた40年以上前から神戸市営バスが走らせていたし、70年の大阪万博でもダイハツの電気自動車バスがバンバン走っていて、私が日本でゴルフを始めた32年前からゴルフ場では普通に電気自動車カートに乗り続けてます。
先日カワサキから電動バイクの発売が発表されましたが、親会社の川崎重工って新幹線まで造っているわけで、壊れないモーターを使った乗り物なんて今までも山ほど開発&製造して来ています。
だから日本には電気自動車の技術なんて50年以上前からあったわけですよ。単純に普及させるのに失敗し続けただけ。ホンダが郵政カブを電動化したのが初の普及事例ではないでしょうか。
日本は世界一電車が普及している国ですから、あとはモーターと充電器さえ設置できればEVやPHEVで世界を牛耳れたハズなのに、そんなタイミングでアニメや初音ミクなんてコンテンツで世界に打って出てしまいました。結果はジャニーズの丸パクリみたいな韓国のBTSにぼろ負けしているのは誰でも知っていると思います。
すでに日本におけるEVバスの世界はBYDがほぼ独占中で、昨年発売された全長9mの「J7」に続いて今年は全長7mの「J6」の発売が発表されました。これでほぼ全国のコミュニティバスやミニバスはこのJ6に置き換わるでしょう。
今回BYDが発表したのは日本のトラック市場への本格参入。普通に考えれば大手運送会社との話しがついたのでしょう。一般的にはヤマト運輸か佐川急便と思われがちですが、私は高速道路の長距離移動が多いので、東名・中央道・東北道等でよく見るアート引越センターや西濃運輸のトラックが全部EVに置きかわるだけでもインパクトが大きいと思ってます。
今やトラックを使う企業の悩みは粉じん対策で、そのために装備された排ガス浄化装置「DPF」が詰まって走れなくなったり、環境対策の「尿素SCR」に使う「アドブルー」のコストもバカにならなくなっています。しかも軽油代も劇的に上がってますから。これらの問題ってEVにすれば全部解決なんですよ。
しかも日本国内におけるトラック&バスの王様メーカーである日野自動車が燃費偽装で自粛中。いすゞのエルフEVがライバルでしょうが全然普及していないので、BYDが本格参入して日本中の高速道路SA・PAや道の駅に独自充電システムを普及させちゃったら、国産商用車メーカーには太刀打ちできないかもです。
今後の動向から目が離せない展開と言えますね。