
森永さんは私より10歳年上なので、バブル景気を30歳前後で経験されていて、バブル崩壊体験もお持ちなので、経済が拡大していてもバブルだと思う気持ちはよく理解できます。
私も25年ほど前に中国経済が伸び始めて来た頃に上海でのビジネス展開を始めたのですが、とにかく日本では「これはバブルで崩壊する」と言われ続けました。
ただ、その時に私は「まだ中国は世界平均レベルに達して無いのでバブルではない」と言い続けたのですが、日本では誰も理解してくれませんでした。
そして日本企業や政府は、中国がグングン伸びて来ても「中国バブルはいずれ崩壊するので気にしない」という特殊な手法で心の安定を手に入れようとしました。
結果は今の状態。大なり小なりの違いはあれど、他の先進国も同様の方法で心の安定を手に入れましたが、結果的に中国バブルは崩壊せず、すべての産業で断トツの力を持つに至りました。
今も「中国は不動産バブル崩壊で崩壊状態」等と言っている経済関係者をよく見かけますが、旧正月休みの現在、なんでも中国より格安の元先進国・日本で爆買いはせず、1泊5万円以上の高級ホテルで温泉やスキーといった質の高い旅行を楽しむに至っています。
逆に日本人は東南アジアの吉野家で牛丼が1000円以上することに驚き、ニューヨークのラーメンが3000円以上であることを批判したりしていますが、それは日本人だけが置いて行かれてるだけであって、現実を直視しないといけないことは明らかです。
たしかにバブルを懸念する方がいることも理解できますが、株価も不動産価格も現実の実態経済である以上は肯定するしかない。
そして重要なのは、普通の人にとっては10万円の原資が3倍になれば20万円の利益が手に出来るってことを理解することだと思ってます。
そういう意味では、自宅マンション投資はどうせ買わなくても賃貸住宅で家賃を払うわけで、賃料と同額のローンなら物件価格が暴落しても実質的な損は無いと考えると、「買える時に買って値上がりしたらラッキー」という方がいることも理解できるのではないでしょうか。
同じ20%の値上がり率でも5,000万円の物件が6,000万円になれば1,000万円の儲け。8,000万円の物件が9,600万円になれば1,600万円の儲けです。「50年ローンでもペアローンでもいいから今買える最高金額の物件を買う」という方が出てくるのも分かります。
森永卓郎さんのおっしゃっていた「下がるかもしれない」は事実。ただ「上がるかもしれない」も事実。そもそも経済はつねにアップダウン。いろいろな意味で常に気づきを与えてくださった森永さんには大変感謝しております。
亡くなられる前日まで生島ヒロシさんの生放送に電話出演されていたとのこと。本当にすごい人だったと思うと同時に、謹んでお悔やみ申し上げます。ありがとうございました。