
当時は「特別損失で90億円を見込む」としていて、退職したのが100人にも満たない人数でしたので、一人平均1億円近くの退職金が支払われたのだと思います。世の中には「上積みが1億円以上」との話しも出ていますが、さすがにそこまでは無いでしょう。
営業利益の半分以上が不動産収入で、これがある限りは安泰。動画コンテンツについては地上波放送が中心だった時代は終わり、ネットフリックスやユーチューブが中心となったので「時代を築いた有名プロデューサ・ディレクター・アナウンサーは出て行っていいですよ、不動産の儲けで特別報酬も付けます」といった感じの早期退職制度と個人的には受け止めてました。
不動産の儲けで自社株を買い、東京都から借りていた本社の地べたも購入。オフィスビルのサンケイビルやS-GATEは絶好調。倉庫事業のSANKEILOGIも順調。コロナで厳しかったホテル事業は収益が回復。「グランビスタホテル&リゾート(旧 三井観光開発)」もフジテレビ系列。足柄・佐野・大津といったサービスエリア事業も絶好調だったりします。
お台場にあるフジテレビ本社ビルは1996年の完成で、私もオープン時は大手広告代理店勤務だったので見学会(と称した飲み会)に呼んでいただいたのですが、さすがに完成から30年になるし在京地上波局で最も古い建物なので、建て替え検討も可能な時期だったりします。
今は湾岸スタジオがあるので本社ビルの中に大きなスタジオは不要で、放送設備も小型化が進んでいますし、あんなに無駄なスペースだらけのビルはもったいないので、効率化や最適化を図っていけば、同じ敷地内に商業施設やホテルを加えた複合施設を建てることも可能。
そんな時にまき起こった今回の話題なので、放送系からの役員が総退陣して大手不動産デベロッパーの幹部経験がある人や銀行&証券系人材を新役員に揃え、前回は50歳以上だった枠を撤廃して勤続年数に応じて上積み退職金を払う早期退職制度を導入してスリム化し、不動産と通販(ディノスセシール)に特化した会社になると、かなり収益性の高い企業に生まれ変われるかもしれません。
ぶっちゃけ放送事業を切り離して事業売却したほうが儲かるかと思いますが、今どきインターネットとスマホがあれば世界中に動画配信できるわけで、わざわざ無駄に巨大な放送会社を買う意味無いでしょうし、実際にテレビ番組づくりを経験した社員なんてほぼゼロですからね。作った経験のある人も外部プロダクション丸投げに近いのが大半だったりします。
そんなわけで問題発覚してからも株価は暴落するどころか少し上がってたりします。おそらく放送事業のスリム化による収益性向上を見込んでるのでしょう。下がれば自社株を買い続けているフジ・メディア・ホールディングスには「ラッキー」って感じかもです。
そんな話しはさて置き、大阪では歴史あるコンサート会場にサンケイホールというのがありまして、今はビルごと建て替えられてサンケイホールブリーゼとなっているのですが、昨年鈴鹿市民会館が「サンケイホール鈴鹿」となっていて「ここもフジテレビ!?」とビックリしました。
ただ、あれは「イスのサンケイホール鈴鹿」というネーミングライツだったんですね。これはこれでSNSでは話題にされるでしょうから面白いアプローチだなと感じました。
ここからはあからさまに放送事業のスリム化を図ると思いますが、絶好のタイミングだっただけで、あまりフジテレビ全体には悪影響が無いのではないかと思っております。
この記事はあくまで個人の感想ですので、ご意見などがあればフジ・メディア・ホールディングスへお願いいたします。