
今発売中のライディングスポーツ1月号に、世界で戦った中野真矢氏の日本GPにワイルドカード参戦した日本人ライダーの話しが出ていますが、とても参考になりました。
だって、J-GP2のトップライダーがMoto2には全く歯が立たないんだもん。J-GP3ライダーもそうでしたが、まるで場外乱闘ぐらいの感じでした。
日本GPって名だたる世界のライダー達に挑戦するスポット参戦の日本人ライダーが、堂々とトップ争いするってのが常識のイメージじゃないですか。ところがそんなシーンは今や全く期待できません。
同じライディングスポーツにブリヂストン(以下BS)のページもあったのですが、確かに日本で勝つにはBSが必須で、BSユーザー同士がタイトル争いしてるような状態ですが、GPにBSが使えるクラスはありません。大問題なんです。
Moto2のトップタイムって1分49秒台ですよ。全日本もてぎのトップって1分52秒台ですからね。そんなタイムじゃレギュラー参戦組最下位ですよ。そんなにレベルが違う。
日本のライダーは「グリップが」と言います。「チャタが出る」とコーナーでの振動を訴えます。でも、全コーナーを気持ちよく走ることなんて無理なんですよ。傾斜も角度も違うし、コーナーの位置取りでも変わる。でもグリップとかチャタじゃない。
フレームもタイヤもルールも違う。それは事実です。でももっと重要なのはライダーが違う。関口太郎選手は決勝後にこう言ってました。「参考になりました。参戦して良かったと思います。」とね。そして全日本最終戦でブッチギリ優勝を見せてくれました。
関口選手はヨーロッパで戦ってましたからね。思い出したんでしょう。目の前にある環境で戦うしかないんだから。同じサーキットを何回も走ってセッティングなんてしても意味がない。突然来てセッティングも決まってないヤツラにブッチギられるだけなんですから。
浦本選手の「もてぎの4コーナーは寝てない」ってのもそのとおりですね。もてぎのGPって3コーナーから4コーナーでのコースアウトが続出するんですが、彼らはバイクを起こして加速してるからなんですよ。日本人は4コーナー立ち上がりまでまだ寝かせてる。
ゆっくり減速して来るけど最後にがっつり減速して車体の角度を変え、ステップを踏んで車体を起こすと一気に加速するって感じです。
日本人は先にガッツリブレーキングしてクリッピングではそーっとコントロールしつつ、まだ曲がり切ってないけどバンクしてる最中にアクセルを開け始める。向きが変わってないからスライドするし、車体が起きてないから加速しない。そして車体が起きるとウイリー。4コーナーから5コーナーのストレートでウイリーしてるのはそういうことですよね。
Moto2タイヤって全然グリップしないですよ。だけど全員タイム出てる。中上選手や尾野選手や長島選手が苦労してるのは、もしかしたらBSからの適応なのかなーって思ってましたが、そんなことじゃなくて、根本的な乗り方なのかもしれません。
まあ車体がKALEXだろうがSPEED UPやTECK3だろうが関係ない。だって全員51秒台には入ってるんだもん。たぶんノーマルフレームでも変わんないですよ。車体のコントロールに関する考え方と技術の話しなんだと実感しました。
写真はネットで拾ったのですが、90年の日本GPって大会スポンサー紀文なんですね。バブルってすごいなーってのを、別の次元で痛感しました。