練習試合も大変だ続く閉店ラッシュ

2021年03月08日

カセットテープは持ったか!?

kaseその昔、音楽を聴くにはレコードかオープンリールテープかラジオしかありませんでした。音楽を外に持ち出すための8トラックという家庭で録音できない大型カセットはありましたが、あくまでも自動車での利用のみが想定されていたので、1本のサイズが5枚切り食パンぐらいあり、テープが頻繁にからむという課題もありました。

音楽を気軽に外に持ち出せるようになったのは、俗にカセットテープと呼ばれるコンパクトカセットがフィリップスによって開発された事。これでカーステレオが8トラック式からカセット式になった。そこにソニーがウォークマンという小型再生専用機を発売します。

これら70年代の発明品が見事に融合したのが1980年代前半。ウォークマン2が発売され大ブレイク、次にカセットサイズウォークマン発売。カセット全盛時代が華々しく幕を開けました。

つまり、80年代にやっと様々な生活に音楽ってのがやって来たんです。大型のステレオでレコードを聴くって時代から一気に変わった。ドライブやビーチやバーベキューに音楽って時代の到来。ただ、そのために世の若者達は涙ぐましい努力をしていました。

それは何かというと。音楽を楽しむ生活に必要な仕込み作業=録音です。

レコードからテープへの録音は等速。レコードの収録時間が43分なら録音は最低43分かかる。しかも、事前に全曲の収録時間を足し上げて、カセットの長さピッタリに入れなきゃいけない。

カセットって表と裏に録音ができるんです。46分テープなら各23分。「表の音が切れたから裏返したのに裏面1曲目の最後だった」って事にの無いようにピッタリ入れるんですよ。

そしてインデックスと呼ばれるラベルを作って完成。家庭用プリンターや10円コピー機の無い時代に、転写式のインスタントレタリングという文字を買ってきて、ガラス棒でスリスリして作るんです。まあ、普通にやってるとレコードの表裏を録音してラベルを仕上げるまで早くて2時間って感じですかね。(完成テープは実際に試聴しての音飛び&ノイズチェックも必要)

このような努力を重ねて、やっととっておきの10本が出来るとカセット収納箱(カー用品店には大量に売られてた)に入れて1箱完成。これをバリエーションに応じて何個も作るんです。サザン、ユーミン、オフコース、矢沢、洋楽、アイドル、銀蝿・・・って感じ。

万全の準備をしたとしても完全は無い。意中の女の子を連れて初ドライブ。サザンをかけながら海辺のドライブ中に「私サザンよりスターダストレビューがいいなー」なんて言われたら一貫の終わり。いや50巻用意してたら50巻の終わりですよ。

企業や組織に対して自身や自社をアピールするプレゼン(テーション)機会ってあるじゃないですか。その時に毎回このカセットテープの事を思い出します。相手の気持ちに寄り添って提案内容はしっかり吟味したか?準備を怠っている部分はないか?独りよがりになってないか?

今は1万曲でもスマホに入れて外に行けるかもしれない。様々な課題は検索で解決するかもしれない。そんな時代だからこそ、心や気持ちの入った提案が求められてるような気がします。(スタレビファンにサザンを聴かすような外し方はアカンですがね)

デジタル全盛の時代だとしてもアナログ時代と同じ心掛けや姿勢は大切だと思うんですよ。何か動こうとする時「カセットテープは持ったか!?」ってのは常に自分に問いかけるようにしないとなーって思ってます。

gq1023 at 04:34│Comments(0)

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