自宅待機は3月中旬から結局マスクって必要なの?

2020年04月19日

日本感染症学会のシンポジウムより

shimpo昨日一般社団法人 日本感染症学会のシンポジウム「第94回日本感染症学会学術講演会」がユーチューブのLIVE配信で開催されました。3時間以上にも及ぶ内容でしたので、受け手によって取り方が異なると思いますが、私なりの理解をメモっておきます。

1)薬について(複数の先生による報告)
まだ確実に効果が認められる薬はない。改善の報告例があるというレベル。
インフルエンザ治療薬「アビガン」は、人工呼吸器が必要な重症患者の約6割で2週間後に症状改善が見られたという程度。
ぜんそく治療薬「オルベスコ」は、肺炎になってから投与された75人のうち、人工呼吸器を必要とするまで悪化した方が3人、亡くなった方が2人。症例が少ないので効果は分からない。

2)押谷仁先生(東北大大学院教授/厚労省クラスター対策班)の見解
・感染パターンは3つ
SARSの「重症度が高く感染性は低い」「重症度と感染性が共に高い」に加え、今回は「重症度が低いが感染性が高い」感染者がいて感染症の制御が難しい。

・新型コロナ拡大は集団感染と無症状の若年層から
集団感染は「ホスト因子(年齢・基礎疾患・+α)と環境因子(3密)」で発生する。感染経路の分かっている感染者への調査では10数%の人が1人にだけ感染させている。集団感染の発生を抑えるには3密を避けること。
集団感染を広げた人の多くは「喉の痛み」を訴えていた。「せき」「くしゃみ」「明らかな発熱」は認められない。
医療従事者間には大きな院内感染が発生している。
若年層は重症化する確率が低く、感染者を発見することが困難。

・2月25日に検討した手法
1>すべての人をPCR検査 → 到底できない
2>すべての医療機関でPCR検査 → 簡単な診断キットがないので無理
3>検査の拡充 → 医療従事者の協力と感染防御方法の確立がないと無理
4>検査体制は変えず流行抑制 → これを採用

・2018年3月WHOによる日本の感染症対策評価
1>危機管理センターがない上にフルタイムの専門家もいない
2>リスクコミュニケーション体制が脆弱
3>政府や省庁間の調整メカニズムが不十分
4>地域での感染症実地疫学専門家の養成が不十分

・最後に
長期にわたって向かい合っていくことは明白。医学だけではなく、知恵を合わせて立ち向かっていきましょう。

gq1023 at 05:06│Comments(0)

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