2017年10月18日

人に熱を入れ切れなかったMotoGP日本GP

ebf2ce06.jpgバイクレースの場合、走行前に空ぶかしをして熱を入れます。ものすごくエンジンを回す設定なんで、すごい熱を持つ前提になってます。熱が入れば内部の金属は膨張しますから、外気に触れてる部分とは異なり、ピストンのクリアランスが少なくなります。

そんなことは分かった上でエンジンを組むわけですし、そんな温度域で動くようにエンジンオイルも選定してるので、一定の温度にならないとちゃんと動作しない。だからレース前に一定の温度にまで空ぶかしをして上げて行きます。

タイヤも同様で、高速で走ると路面との摩擦でタイヤ温度が上がるんです。その時に確実な動作ができるようになってるってことは、冷えてるとちゃんと機能しない。だから停止時にはタイヤウォーマーって電熱式のカバーをかけて温めます。

この熱を入れるって行為ですが、人間も同じだと思うのです。熱を入れないと正確に動作しない。火事場のバカぢからって言いますが、やばいと思って熱が入ると思いのほか力が出るってことだと思うんですが、いつも火事場にするコツさえつかめば常時バカぢからが出る。

仕事って他人事だから、なかなか熱を入れるのって難しいですよ。だけど自分のことだと熱入りますよね。どうってことないスマホゲームでも一生懸命になるじゃないですか。あれだって脳に熱が入ってるんだと思うんですね。

スポーツの世界で最近言われる「ルーティーン」ってのもそうですよね。熱を入れる行為。集中力を高めるために、動作に一定の規則性をつけて、脳へ瞬時に熱を入れる。

集中力を高めるための儀式なんですが、バイクレースのトップライダーもやってます。バレンティーノ・ロッシがスタート前にやるバイクの右側でしゃがみ込む姿は有名です。

今回、ワイルドカードでMotoGP日本GPに出場できたんですが、ピットには日本レース界最高峰の様々な人的パワーが結集していました。ただ、みんなが同じ熱になってなかったなーって反省があります。ライダーも含め、なんか冷めてるって感じですよ。

毎走行ごとに、「トップと2秒差だ!」とか「3秒差に広がっちゃった」とかやってなかった。いつもなら1秒も差があったら絶対に差を詰めようと理由をギンギンに詰めるのに、なんか2秒差ならいいやって感じになってた気がします。

難しいなあ。いつもと違うレース、いつもと違うメンバー、いつもと違う環境で実力を発揮する。そのためには、裏方も含めたルーティーンが必要だなーって感じました。

まあライダーが「絶対に表彰台に上がりたいのでみなさん協力してください!」って叫ぶだけでも、周囲が1周1秒落ちでも「23周だったら気が遠くなるほどトップは先だぜ」なんて言うだけでも違ったかもしれませんがね。

今ごろになって、熱が入ってなかったのは関わってた人間なんじゃないかと反省している私です。自分は楽しかったんだけど、楽しんで終わっちゃったかもなー。普通のバイクレースファンはガッカリしちゃったかもなー。

フリー走行が数本あったのですが、1本目がトップと2.3秒差の18番手、2本目が3.05秒差の26番手、予選は25番手。決勝当日のウォームアップ走行が4.2秒差の30位。そこではっと「遅いじゃん!」って気づいたんですよ。

チームの何人にかは伝えたけど、「タイヤの皮むきしてたからいいじゃん」的な感じでした。うーん、いつもなら全員が「なんでタイム出ないんだ」ってやってる感じなんだけどなあ。空気に飲まれたのかなあ。そんなことに気づいた水曜日の早朝です。

gq1023 at 04:37│Comments(0)

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