すでにある物を切って目立つ「広告主の非」という視点

2016年10月21日

残業は強要されてやる物という幻想を捨てるべきだ

222dd806.jpg基本的に知的労働は自由裁量ですよ。何時から働くかも何時まで働くかも自由。私も広告代理店社員時代に「今日残業していいですか?」なんて上司に聞いたことないですもん。

当時は全国展開だった電通が分社化して、私のいた岡山支社は電通西日本岡山支社に変わったばかりでしたが、東京や大阪と全く状況は同じでしたね。とにかく上司がいう事は「早く帰れ」と「残業したら出勤簿に書け」だけでした。

企業が従業員に残業をさせるためには「36協定(サブロク協定)ってのを結ばないといけないことになっていて、電通にもそれを守れと言うお達しが出てました。だから上司が言う事はただ一つで「早く帰れ」だったんですよ。

ただ、そんなの守ってたら月に45時間しか残業できない。でも広告代理店って撮影やイベント立合いが常にある。週末に9時集合の22時解散で動けば時間外労働13時間でしょ。土日でやれば26時間。あと19時間しか残業できない。そうなると平日は1日50分しか残業できないんです。

要するに法律がアホ。広告代理店ですからね、広告主のニーズを聞いてきた営業マンが帰って来るのが夕方以降ですよね。だって先方は夕方まで働いてるんだもん。「明日の昼までに新しい提案持って来て」って言われたら、その指示が現場に飛ぶ。電通の残業上限って70時間でしょ。ぜんぜん足りない。

テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・インターネット・交通(中づり等)・折り込み・スポーツといった各部署のメンバーが、夕方から夜にかけて帰って来た営業マンの話しを聞いてプランニングするわけですから、当然夜中までの作業になる。

私の場合、上司が残業つけていいって言ってたから付けてたら、いきなり産業医の面談を命ぜられ、その結果急に休ませられることになりました。ただでさえ回ってない仕事がより回らなくなるから、その後は全部サービス残業にしましたけどね。

バカな国会議員が法律つくるからこうなる。国会議員も平然と夕方以降に事務方に指示出すんですよ。だから各省庁の官僚は徹夜で作業することになる。それ残業の強要ですよ。ただ、やってる側は使命感と責任感を感じてやってるわけです。

自殺した従業員の話しばかり報道されますが、弁護士が入って裁判やってる案件で残業100時間と言ってるってことは、最大限参入しても100時間ってことなんでしょう。もっとあるなら弁護士は戦わなきゃいけない。

20代前半なんて終電や始発で帰るの当たり前でしたよ。経験値も足りないから仕事も遅かっただろうし、朝までかけて仕上げた企画書を全面変更させられるのも日常茶飯事でした。それってブラックじゃない。普通の「社会人あるある」ですよ。

私が広告代理店を退職した17年前でも、電通の上司は「早く帰れ」ばっかり言ってました。支社長も次長も部長もそう。夜も電話取ると半分は管理職からで「もう帰れ」と言われる。だけどもう半分は「変更依頼」とか「トラブル対応依頼」だから余計帰れない。

「明日の広告ですがたまご100円を98円に変えたい」とか「今流れてるCM素材が間違ってる」とか平然と電話がかかって来る。なんだか良く分からんけど即対応ですよ。自分の仕事だけじゃない。36協定通りに帰ってるヤツらの仕事も回って来るわけ。

でも意気に感じてやってましたけどねー。24時まで仕事してるのに、そこから焼肉行ったりしてましたよ。まだ店がボロボロな時代のボクデンね。今は1時で終わっちゃうけど、昔は朝までやってたからね。ウテナバーとか無理やり行ってたなー。

人が亡くなってるのに理由を残業だけに押し付けちゃダメでしょ。もっと残業時間の上限が徹底されたら仕事が回らない人だらけになりますよ。本人がうつ状態になるってことはある程度被害妄想に陥ってる。「私だけ仕事をやらされてる」「私だけ不幸」「みんなは幸せそう」ってヤツね。どうすればそうならないようにできるのかが問題。ちゃんと深く掘り下げないといけないと感じてます。

gq1023 at 06:52│
すでにある物を切って目立つ「広告主の非」という視点