2012年全日本ロードレース選手権全日程終了携帯端末で放送を見るのが定着しないわけ

2012年10月29日

高杉奈緒子選手の最終戦

強難聴かつ女性にもかかわらず全日本ロードレース選手権にフル参戦を続ける高杉奈緒子選手。今年は大きな成長をとげました。それは対話。レースへ向けて、各スタッフと対話できるようになったのです。

限られた時間と費用の中でセッティングする自費参戦者は、「気合の走りこみで上達!」なんてことはできません。月に何度かしかない走行機会に、何のセッティングをするかを決めて走らないといけないのです。

そのためにはバイクの基本的な挙動を頭に入れないといけない。そうじゃないと、メカニックと対話が成り立たないのです。以前の高杉は、走行して帰ってきても「ええんちゃう」とか「アカン凹んだ」程度のインプレッションでした。これでは誰も味方は増えない。

セッティングをするにも、車体の前傾をどの程度にして、ブレーキをどう強めて、リアサスをどうしてなんて話しなのですが、これをやるとどうなるかが分かってないと、伝えるにも「ぜんぜん曲がらへん」みたいな説明になる。

速いライダーは「ダンロップコーナーフルバンク時にリアが弱い」なんて説明するので、メカも「じゃあイニシャル(初期減衰)上げてみて、ダメなら次の走行でバネ変えよう」なんて話しができる。この差は大きいのです。

私は分からないのですが、きっと彼女とメカニックの間で、相当な話し合いがあったと思います。まずは車体を一番高くして、次に低くする。そうするとバイクがどの姿勢だとどう走るかが分かってくるんですよ。そういう基本的な知識をつけたんでしょうねえ。

今回は、予選の走り方も良かった。走行開始と同時に、速いグループをみつけると、そのグループ後方で周りの走りをみながら一定のタイム出し。それが終わったらピットインしてコースの状況説明とファーストインプレッション説明。次からは5週以内づつ、事前に用意した2〜3種類のセットでタイムアタックして終わる。やっとそんな予選ができました。

じつはピットに入ると、どんなに熱くなっていても一度冷静になれます。ピットアウトして半周は、かなり冷静でいろんな無理もきく。でもほんの数週で無理はきかなくなり、勢いで走ることになっちゃうんです。その意味でもピットインは大切。

ライダーが冷静で、メカニックが何週か走るたびにライダーと会話できると、おのずと一体感が生まれるのは当たり前でしょ。

以前は予選に出て行って30分間フルに走行した後で戻って来て「アカンかった」みたいなのもありました。メカニックは修理担当者ではないので、そういう行動は一番腹が立つのです。まあ仕事における「連絡・報告・相談」はレースでも同じってことです。

シーズン初戦から指が取れそうなアクシデントに見舞われた今年。最終戦では、その時に見た姿とは全く異なる姿を見せてくれました。来年がどうなるかは決まってませんが、我々のNSF250Rはアップデートされることが決まっています。またそれに乗ることになりましたら、ここで紹介させていただきます。

この記事へのコメント

1. Posted by 高杉奈緒子   2012年10月29日 10:52
今年も御世話になり
本当にありがとうございました
今年の収穫は、鈴鹿予選で大野さんが褒めてくれたこと
これが一番の収穫だと思っています(*^^*)
凄く嬉しかった
MOTOGPで、一緒にコース外周りを何回も歩き
勉強させてくれたこと

いっぱいお話出来たこと
川原もうちにわかるように、会話のボジションを下げて教えてくれたこと

今年は本当に勉強になりました

それまでに長い間、無知な自分でしたが
それでも諦めずに切り捨てず長い目で見てくれた大野さんに感謝しています


本当にありがとうございました

もっともっと勉強して
しっかり来年につなげていきます
2. Posted by 大野剛史   2012年10月29日 11:54
> 高杉奈緒子さん

1年間ご苦労様でした。このクラスのバイクでも、みんな1年の間に劇的にアップデートさせて行って、こんなにお金がかかるんですね。お互いビックリすることだらけでしたね。そして、この小さなバイクでも鈴鹿で16秒台出せちゃうんですね。

予選であの集団に飛びついていった時は、「また無理して追いかけて転倒するな」と思ったのですが、ちゃんと冷静に挙動を見て、確認した後でピットに戻ったのは感動しました。

私たちのチームは、町のバイク屋さんチームですから、超スペシャルなマシンづくりはやりません。カリカリにチューニングしてエンジンブローさせて赤旗だらけってのは、もう今の時代のレースじゃないですから、来年もHRC推奨エンジンチューン+αに足回りチューンってことになります。

とはいえ個人のお金も時間も大量に必要なわけですから、来年の事についてはよーく考えてみてください。その上でお話ししましょう。
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