2012年08月01日
スバルF1プロジェクト
信じないと思いますが、1989年末スバルの子会社スバルテクニカルインターナショナル(以下STI)がF1チームを買い取りました。その名もコローニ。そしてその額たったの1億円。そんな金額でF1チームの50%の株を買い受け、広告プロモーションにF1参戦を企てたのです。
そして迎えた90年春、その企画は中止が決定します。というのもスバルがSTIに対し、F1への資金投入を打ち切ったからです。このF1プロジェクトはアルシオーネという車種に対するものでしたが、もうモデル末期だったんですよ。
この90年、スバルはレガシィという車種で世界ラリー選手権=WRCへの参戦を決定しました。モデル末期のアルシオーネより新車種のレガシィというのは当たり前の事。全社を挙げてWRCプロモーションが開始されました。
が、STI常務の高岡祥郎氏だけは違っていたんです。じつはすでにエンジン製作会社モトリモデルニにエンジン開発を依頼。ここのトップはファラーリとアルファロメオで水平対抗12気筒エンジンを開発したカルロキッティ博士ですから、もちろん水平対抗12気筒エンジンが出来ちゃいました。そしてその資金を、なんと高岡氏が家まで売却して支払い、企画継続させたんです。
まあ、サラリーマンごときが私財なげうった所でどうにもならないんですが、それでも動くエンジンを製作し、チームはF1へと車両を持ち込みます。90年3月から7月の間、彼らは予選前の予備予選に出場し、全戦予備予選落ちしました。
まあコローニは、その後エンジンを変えても予備予選通過しませんでしたから、組んだ相手が悪かったのかも知れませんし、そもそもエンジンも先にカルロキッティ博士が設計してあったのを実物にしただけなので、スバルが開発したわけではないとも言えますが、何とも後味の悪いF1参戦でございました。
ちなみにF1プロジェクトとともにSTIを去った高岡氏ですが、じつはスバル宣伝部の元社員ラリードライバー。国内で敵ナシを誇り、国際ラリーにも参戦経験がある大物でした。その後、電気自動車販売のオートイーブジャパンを設立していたのですが、こちらは一昨年破産です…。
WRC参戦を決めたレガシィは大ヒット。高岡氏はこれの開発もやってました。歴史の歯車を元に戻せるなら、レガシィ発表と同時にWRC参戦を表明し、そこで高岡氏の総監督就任を表明するなんて形にもできたんですがねえ。時に神様は残酷な事をします。
この写真、ネットを探したら出てきました。誰かが持ってるんですね。そして軽トラックの荷台に載せて展示してくれてるみたいです。私はエンジン音すら聞いたことありません。誰か聞かせてくれないかなー!
そして迎えた90年春、その企画は中止が決定します。というのもスバルがSTIに対し、F1への資金投入を打ち切ったからです。このF1プロジェクトはアルシオーネという車種に対するものでしたが、もうモデル末期だったんですよ。
この90年、スバルはレガシィという車種で世界ラリー選手権=WRCへの参戦を決定しました。モデル末期のアルシオーネより新車種のレガシィというのは当たり前の事。全社を挙げてWRCプロモーションが開始されました。
が、STI常務の高岡祥郎氏だけは違っていたんです。じつはすでにエンジン製作会社モトリモデルニにエンジン開発を依頼。ここのトップはファラーリとアルファロメオで水平対抗12気筒エンジンを開発したカルロキッティ博士ですから、もちろん水平対抗12気筒エンジンが出来ちゃいました。そしてその資金を、なんと高岡氏が家まで売却して支払い、企画継続させたんです。
まあ、サラリーマンごときが私財なげうった所でどうにもならないんですが、それでも動くエンジンを製作し、チームはF1へと車両を持ち込みます。90年3月から7月の間、彼らは予選前の予備予選に出場し、全戦予備予選落ちしました。
まあコローニは、その後エンジンを変えても予備予選通過しませんでしたから、組んだ相手が悪かったのかも知れませんし、そもそもエンジンも先にカルロキッティ博士が設計してあったのを実物にしただけなので、スバルが開発したわけではないとも言えますが、何とも後味の悪いF1参戦でございました。
ちなみにF1プロジェクトとともにSTIを去った高岡氏ですが、じつはスバル宣伝部の元社員ラリードライバー。国内で敵ナシを誇り、国際ラリーにも参戦経験がある大物でした。その後、電気自動車販売のオートイーブジャパンを設立していたのですが、こちらは一昨年破産です…。
WRC参戦を決めたレガシィは大ヒット。高岡氏はこれの開発もやってました。歴史の歯車を元に戻せるなら、レガシィ発表と同時にWRC参戦を表明し、そこで高岡氏の総監督就任を表明するなんて形にもできたんですがねえ。時に神様は残酷な事をします。
この写真、ネットを探したら出てきました。誰かが持ってるんですね。そして軽トラックの荷台に載せて展示してくれてるみたいです。私はエンジン音すら聞いたことありません。誰か聞かせてくれないかなー!
gq1023 at 06:59│Comments(4)
この記事へのコメント
4. Posted by Hippo 2012年08月02日 06:41
> ドレン(ユーイックエイブ) さん
コメントありがとうございます。来年の8耐は何とかやろうと思ってます。レーススケジュールが去年&今年はもてぎと連続になってるんで、これを解決してもらうのが先決ですがね。
グループCのアルバですか。全く記憶がないですね。そんな所で使われて、日本で走ってたんですね。うーん、今となっては見たかったなー。
石川県の自動車博物館に、童夢のジオット・キャスピタがあるんですが、これがジャッドV10じゃなくスバル仕様って噂なんで、こいつが走るときは必ず見に行こうと決めてます。
本当はスバル自身が動かしてくれると言いのですが、悪しき過去として封印されてるみたいなんですよねえ。それが一番残念です。
コメントありがとうございます。来年の8耐は何とかやろうと思ってます。レーススケジュールが去年&今年はもてぎと連続になってるんで、これを解決してもらうのが先決ですがね。
グループCのアルバですか。全く記憶がないですね。そんな所で使われて、日本で走ってたんですね。うーん、今となっては見たかったなー。
石川県の自動車博物館に、童夢のジオット・キャスピタがあるんですが、これがジャッドV10じゃなくスバル仕様って噂なんで、こいつが走るときは必ず見に行こうと決めてます。
本当はスバル自身が動かしてくれると言いのですが、悪しき過去として封印されてるみたいなんですよねえ。それが一番残念です。
3. Posted by Hippo 2012年08月02日 06:26
> ぼつ さん
バブルの裏に隠された寂しいストーリーです。もう少し考えて行動すれば、こんな事にならなかったと思うんですけどね。
バブルの裏に隠された寂しいストーリーです。もう少し考えて行動すれば、こんな事にならなかったと思うんですけどね。
2. Posted by ドレン(ユーイックエイブ) 2012年08月01日 19:43
初めまして。
8耐でぐぐって来ました。マグロレーシングの方だったんですね。しばらくお姿が見えず残念です。今でも居酒屋のメニューで炙りマグロを見つけると思い出してしまいます。(スミマセン)
同じエンジンは90年のスポーツプロトタイプカー世界選手権(WSPC)でもアルバと言うチームのAR20に載って走っていました。
F1では日本グランプリ鈴鹿が最終戦でチームがそれまでもたずに日本のファンはエンジン音を聞けませんでしたが、WSPCは鈴鹿が開幕戦だったので音が聞けた人もいたはずです。でも予選落ちなので決勝だけ来た人はダメでしたね。
WSPCでもパッとせずシーズン途中でビュイックエンジンに換えられてしまいました。
8耐でぐぐって来ました。マグロレーシングの方だったんですね。しばらくお姿が見えず残念です。今でも居酒屋のメニューで炙りマグロを見つけると思い出してしまいます。(スミマセン)
同じエンジンは90年のスポーツプロトタイプカー世界選手権(WSPC)でもアルバと言うチームのAR20に載って走っていました。
F1では日本グランプリ鈴鹿が最終戦でチームがそれまでもたずに日本のファンはエンジン音を聞けませんでしたが、WSPCは鈴鹿が開幕戦だったので音が聞けた人もいたはずです。でも予選落ちなので決勝だけ来た人はダメでしたね。
WSPCでもパッとせずシーズン途中でビュイックエンジンに換えられてしまいました。
1. Posted by ぼつ 2012年08月01日 07:57
哀しいエピソードですね
当時は今のような繁栄した姿は考えられなかったでしょうね
ひもじい時というのは心まで落ち込んでしまいますか
当時は今のような繁栄した姿は考えられなかったでしょうね
ひもじい時というのは心まで落ち込んでしまいますか
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