名手は失策(エラー)が多い大気が不安定なので注意してください

2012年05月29日

国会東京電力福島原子力発電所事故調査委員会

ed093575.jpg昨日の菅元総理の質疑は、相変わらず菅さんの説明不足で終わっちゃいましたが、簡単に言うと「菅さんだけが深刻さを当初から感じていて、あとの人々は楽観的だった」ってことが、よーく分かりました。

今まで出ていた報告書やマスコミの論調で、この事故の責任は菅さんにあったことにしようってのは見えてましたが、どう考えても彼にないことは明らかで、現地視察したのが事故の引き金になったなんて結論には、かなり無理があります。

震災翌朝にヘリで福島第一入りしてるんですよ。あんな大規模な津波被害がおきているのに、真っ先にあそこに行くってことは、誰でも分かるでしょ「深刻な事態が発生している」ってね。

その道中、原子力安全委員会の斑目委員長は「爆発はしません」と言ってる。軍用ヘリだとインターコムで会話しますから、搭乗者全員がその声は聞いてるはずです。さらに原子力安全委員会はSPEEDIのデータ公表もしなかった。

原発のシビアアクシデントの場合、オフサイトセンターから各自治体へ連絡が自動的に行く事になってたのに、それも機能してない。浪江町の町長が菅さんに怒ってるように見える映像ってよく使われてますが、彼が怒っているのは国と東電の現場担当者に対してです。原子力安全保安院からはただの一度も連絡が来なかったとね。

東電が「全員撤退とは言ってない」と言ってる件も、その場に居合わせた全閣僚が「言ってたよなあ」って言うんだから言ったのでしょう。海水注水停止指示を出したのは菅さんじゃなく、東電の武黒さん(東電副社長待遇/国際原子力開発社長)だったのも事実でしょう。

要するに東電・原子力安全保安院・原子力安全委員会は福島第一は大丈夫だと思ってたわけです。事故が発生した後も10km避難で十分と思ってたわけです。菅さんが無理やり30km圏内避難を命令したわけです。誰が住民を見捨てたのかは明らかですよねえ。

「東電から直接正しい情報を入れて欲しい」といった菅さんの発言に対し、原子力安全保安院と原子力安全委員会が東電に「私たち3者の意見統一ができるまで記者会見しないで欲しい」って申し入れしてます。あの深刻な事態の時に何言ってんだって感じでしょ。

まあ、元総理が悪者になって原子力村の人が全く責任とらなければ放射能がグーンと減って、今後は超安全になるのならいいですが、この件については総理大臣が菅さんじゃなかったら、何の手も打たないまま&深刻さが誰にも伝わらないまま、総理大臣は石巻などの被災地視察に出掛け、その最中に原発の壁が吹っ飛んでたと思うんですよ。

あのね、万一間違ったら首都圏どころか東日本が壊滅する事態になってるのに、周囲の専門家と称する人々が「情報が入りません」とか「大丈夫です」なんて言ってたら、誰でもイライラしますよ。

私は菅さんも民主党政権も好きではありませんが、この事故対応に関してだけは、よくぞ成否の責任が全部のしかかる状態に自分を追い込んで、各種対応やったもんだと思ってます。絶対使用済み核燃料プールに水が届かない警察の放水車に出動命令したのは余計でしたがね。

gq1023 at 06:14│Comments(0)

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