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2012年05月18日

インドネシアの航空業界規制緩和に学ぶ

819441a8.jpg2009年2月に破産したインドネシア・アダム航空。この会社というか、当時のインドネシアが凄かったのは、飛行機の安全性より、規制緩和を優先したことです。行き過ぎた空の規制緩和は、結果的に悲劇を生むことになりました。

2007年の1月1日元旦。アダム航空574便は、インドネシアのスラバヤからマナドへと向かいました。その機材はボーイング737-400。1月下旬には定期検査が予定され、その際に右に傾きやすいというクセを修正することが計画されていました。

しかしこの機は結果的に機体がバラバラになって墜落しました。理由はパイロットの操縦ミスです。そして、そのパイロットが操縦をミスした理由は、会社から正しい飛行技術を学んでいなかったからです。

じつは、今の旅客機は離陸さえしてしまえば、あとは自動操縦です。スイッチを押せば、あとは着陸空港の空域まで勝手に操縦してくれるのです。ところがこの機材は、その航法計器(以下IRS)が壊れました。

IRSが壊れると、もう自力で操縦しないといけません。マニュアルに従って作業しているうち、自動操縦は解除されました。右に傾くクセがあった飛行機は、徐々に右に傾いて行きます。

飛行機の揚力は羽根が水平の時に一番あるのは分かりますよね。傾けばドンドン揚力が失われる。その飛行角度が極端に右に傾いた時、揚力不足の警報が鳴ります。

傾いていることを知らないパイロットは、その警報にビックリし、単純に操縦桿を強く引きました。右側に極端に傾いた飛行機が昇降舵を上げるってことは、ものすごい勢いで飛行機は右に傾くわけです。

その行為は、ほぼ消失していた揚力を完全に失わさせ、きりもみ状態で落下をはじめました。もちろん機材の限界を超えた速度での落下ですので、急激な降下に耐えられなくなった機体がバラバラになって墜落したのです。

これが規制緩和です。タクシーだって、中古車を使えば車両なんて5万円で手に入る。あとは安いスタッフさえいれば、いくらでもOK。教育さえ施さなければ、すぐにでも乗組員に出来る。

航空業界も全く状況は変わりません。海外から安い乗組員を連れて来て、高効率の機材で運行する。コストが下がり航空運賃も下がる。確かに素晴らしいアイデアでしょう。それをさせなかったのは確かに官僚や国交省かも知れません。

ただ、国会議員が旅客機の安全運行に対する意識があるとはとても思えない。やみくもな規制緩和は安全性の低下につながり、安易な料金値下げはデフレの強化になるんじゃないかと感じます。

計器着陸装置(以下ILS)って、日本の空港には全部ついてると思ってません?最新の装置が滑走路両端にあって当たり前と思ってますよねえ。そうでもないんです。羽田ですら全滑走路の両端に装備できてませんからね。古い装置しかない所も多い。

先日のバス事故もそうですが、もう少し公共交通機関の安全運行に対して取り組む国会議員は多くなってもいいんじゃないかと思います。

gq1023 at 07:58│Comments(0)

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