今年はオリンピック・パラリンピックイヤーだ!野球の指導で野球って好きになるものかい?

2012年05月09日

プロデューサー須藤晃氏のトークイベントに参加してきました

6a09addf.jpg元ソニーミュージックエンタテインメントの須藤晃氏。音楽業界にいて、名前も知らないなんて人はいないと思いますが、その方のトークイベントに参加させていただきました。そして衝撃を受けて帰って来ました。

このイベントは、新潮社から「NOTES」という尾崎豊氏が生前書き残したノートをそのまま書籍化し刊行された記念として開催されたもので、場所は三省堂書店神保町本店という、音楽業界とは程遠い雰囲気で開催されました。

限定100人となっていたので、少し早めに行って整理券をゲット。順番は52番でした。本番は満席。中には高校生の姿もちらほら。尾崎氏生前の頃のファンだけでなく、幅広い年代の人々が集まっていました。

その内容は、1時間の間に須藤晃氏と尾崎豊氏の出会いから2012年の今までが凝縮されたもので、驚くほど熱く自分のことを「客観的」に語る須藤氏が印象的なトークイベントでした。その客観的に描写する姿は、尾崎ファンの方々には、尾崎氏が目の前で須藤晃を語っているかのように見えていたかも知れません。

私は比較的主観的に自分の事を語る人なので、自分を客観的に見るという感覚は素直に「見習わなくては」と思わされるばかりでした。

じつは、衝撃を受けたと最初に書きましたが、大半は衝撃というより学んだという部分です。学んだ部分ついては、尾崎豊の全曲を聴いた上で新潮社の「NOTES」を買ってからじゃないと価値観を共有化できないと思うので、ここでは省きます。

衝撃を受けたのは最後の質疑応答の場面でした。20代前半の参加者の方から「若いけど80年代の音楽が好きな者です。最近売れている音楽を好きになれないのですが、それに対してご意見をうかがいたい。」って質問でした。

それに対し須藤氏は「君は誰かにこれを聞けって強要されて曲を好きにならない人なんでしょ。世の中にはコレを聞けって強要されたい人もいて、最近はそのほうが多いって事だと思うんだけど、それはそれでいいんじゃないか。」って答えられたのです。

私は長らく広告の仕事に関わってますので、誰かに「これを買え!」って強要を全力で頑張ってるわけです。須藤氏は、そのことを否定しませんでしたが、もっと強い心のメッセージをくれました。それは「オレは強要しないけど、つくったものは売れてるぜ」ってもの。前述のコメントってそういう意味ですよね。

ここからは私自身の理解です。須藤氏は、私の中の通訳者を通してこう言って来たんです。「無理やり好きって思わせるより、自然と心に芽生える好きって気持ちを沸きたてるほうがいいだろ?」ってね。これは衝撃でしたよ。

だって浜田省吾や尾崎豊なんて広告全く見ませんからね。浜田省吾を知ったのは、ベーシストが急に休んだライブハウスバンドが、私を1日限りの代理メンバーに選んだためでした。業界でエキストラの一部を取って「トラ」って呼びます。そのバンドがMONEYや東京のコピーをやってたんです。広告なんて見なかった。でもすっかりはまりました。こちらも須藤氏なんですよね。

私の広告領域の仕事って、コンビニやスーパーマーケットの店頭に商品ずらっと並べ、主要駅にポスター貼りまくって、テレビでその時人気のタレント使ったCMをガンガン流すのが仕事ですからね。それを強要って言われたら確かに強要ですよ…。

須藤氏が言ったのは、それを否定したんじゃない。それを理解した上で「(商品を)強烈に認識させる」のではなく「気づきを与える」形にしたほうが、(その商品自体の)「理解も深まり、より深く好きになってもらえるだろ」と言ったわけです。

「お前が尾崎やってたら缶コーヒーのCMソングにされてたぜ」とね。「お前が尾崎やってたら渋谷のトラックに貼り付けられてたぜ」とね。「お前が尾崎やってたらパチンコ台になってたぜ」と言われたような気がしたんです。ひえー、おっしゃるとおりです。

「本当に商品のことが好きで、心からもっと人々に教えてあげたいと思ったら、その手法でやるかい?」って問いかけられたような気がしました。「人気タレントに商品持たせてニッコリ笑わせるのがお前の仕事かい?」ってたずねられた気がしました。

うーん…。ぐうの音も出ない…。須藤氏だけでなく、たくさんいる聴衆とともに私に突きつけられたメッセージ。今日はちょっと自分の仕事を少し顧みて、何かを考え直す日にしたいと思います。

gq1023 at 07:33│
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