「完成」なんてない「中途半端」しかない頭が痛い・・・

2012年02月09日

レースはカンパとボランティアで成り立ってる

よく「なんでレースにお金を使ってるの?」って聞かれますが、こっちが聞きたいぐらいです。最初は同い年の元同僚という関係で金淳一選手に5万円だったかをカンパしただけです。カンパした人が国際ライダーに昇格したってだけです。

それも前から知り合いだったんじゃないんです。とあるプランニング担当の先輩から広告企画書を頼まれ、その最終チェックに来たのが営業担当の金さんでした。ハイエースにRS250載せてね。

当日は正月明けでねえ、うちの奥さんが実家から帰ってくる運転中もらい事故に遭いまして、その車にぶつけた人がまた偶然にも電通の人。それが金さんの同期で、僕の後輩が金さんと大学が同じ、なんて形で意気投合したわけです。

その5万円カンパした時って、自宅兼オフィスの時代で、エアコンも暖房もなかったんです。でも同い年でしょ、自分は電通辞めて自由業になったけど、彼は多忙なサラリーマンをやりながらレースやってる。もちろん応援するじゃないですか。

8耐はライダーから依頼されたんじゃないですよ。こっちから頼んだんです。「社員研修にお金使うぐらいなら8耐スタッフとして連れて行ってください」ってね。

そこから先は、チーム監督が亡くなられたり、高いバイクを買う羽目になった女性ライダーに出会ったり、バイク屋の社長がご病気されたりで、いろいろ中途半端にかかわり続けてますが、まあそれはキッカケとは異なる理由なので省略します。

ライダーで「資金に困ってます」って方をよく見かけるのですが、「今いくら持ってて、いくら足りないのか」が不明な方が多い。もっというと、初っ端の資金すらない方もいます。それじゃあお話しにならんのですよ。

いいですか、私がレース支援に関わる最初のキッカケは「友人のカンパ依頼」です。彼は明確に「大半の費用は自腹でまかなうのでカンパ下さい。シール貼りますし、俺が走らせてやってるって言っていいです。」って言ってました。

この「カンパ下さい」って全クラスの各ライダーが発言することが、まず大切なのです。テレビや雑誌でとりあげられるよりも、その草の根活動が重要だと思うのです。

ルマン24時間レースなんて、まさにカンパとボランティアで成り立ってる。チーム関係者がピンズやキーホルダー持って、24時間365日営業してますよ。「1万円でいいから応援してよー!」ってなもんですよ。

最初に「カンパ下さい」って声かけられてから最初のカンパまでに1年。そのカンパから実際にサーキットの彼のピットまで足を伸ばすのにかかった期間って6年ですよ。継続してレースをやり続けてくれたから、今のモトバムライダー達は恩恵を受けてる。

彼がモトバムのドアをノックしたのは、雑誌広告を見てのことでした。「チーム員募集」って広告を見て「バイクレースやりたいんですけど」って行ったそうです。

私たちって、広告のプロ中のプロですよ。だからって特別な事は何もしてない。普通のバイク屋に「レースさせて」って行って、周りの人に「カンパして」って言って資金集めしながら、大半は自分の稼ぎでレースやってるだけです。

「お金なんて誰もくれないから全部自腹です」って言うのはもったいない。業界を小さくしちゃいます。小さなポスターやカードを作って、よく行く定食屋にでも貼ってもらいましょうよ。その町のプチスターになれば、応援の輪も広がるじゃないですか。

私たちは、仕事で得られる権利を利用して営業活動するなんて事は、全くもって許されません。大スポンサー様向けに営業しているのは、自分たちのチームではなく、ワークスチーム・ヨシムラ・モビリティランドといった所です。

ちなみに正義のために記しておきますが、金選手に最初にカンパした2000年から彼が2009年に最後のレースに出るまで、私たちの間に仕事の受発注は全くありません。

石垣島に行くと、今も至る所に「石垣島マグロレーシング」って金淳一選手が走ってるポスターが貼られてます。戸越銀座のラーメン屋にまで貼られてる。10円カンパも受け付けてました。行きつけの店全部にポスター貼ってもらうのなんて普通のことでしょ。

夜中にラーメン屋で食事してるのはライダーと同じ貧乏人とは限りませんよ。大金持ちだって深夜になればラーメンぐらい食べる。そこに「若い頃のバイクの夢、オレに託してください!レーススポンサー募集中。」ってポスターあれば、やっぱグッと来る人いると思うんですよ。

みんなで広めていくのがスポーツ。サッカーだって野球だって、みんな自腹です。OBや父兄が必死になってカンパ集めてますよ。バイクもそうしませんか?そうじゃなければダメなんじゃないかと思ってます。

「完成」なんてない「中途半端」しかない頭が痛い・・・