石橋を叩いて叩いて叩き壊せ!缶みそ汁

2010年12月25日

ビルってどうして…

03fa142c.jpg最新のインテリジェントビルに回転ドアが採用されるブームが来ていたのはいつでしたっけ?確か10年ほど前から数年間続いていたかと思います。気密性が高まり、冷暖房の効率が上がるので、一時人気になりました。

ただ、その時ブームになったのが、写真の自動扉としての使用も可能なタイプ。ところが、商業施設に使用する場合、致命傷な問題点がありました。それは人の通過速度が劇的に遅くなってしまうのです。

回転ドアは、ドアのスペースを広く必要とします。ところが、人の通れる幅は非常に狭い。ただでさえそうなのに、自動ドア付きのタイプは、その利用者収容スペースも狭く、さらに両側の出入り口が封鎖される時間が出来てしまう(写真)のです。

これ、小学校の算数みたいな話し。「毎分○回転で片側には1回につき最高5名が収容できるとして、1時間に通過できる最大人数を求めなさい」みたいな形で簡単に出ます。普通の自動ドアと回転ドアで比較すると、通過算の追い越し問題ですな。

結局は、普通の回転扉よりデッドスペースが大きく、通過速度が遅く、電力を必要とするってことで、急速に下火になって行きました。

10トントラックの高さって3.8メートルです。なのに、3.8メートルの高さがない搬入口もよく見掛けます。最も有名なのは東京国際フォーラムです。なんとコンサート会場なのに機材車は、積み替えないと入れません。

東京ドームなんて電源容量がぜんぜん足りません。だからビッグイベントやる時は電源車が必須です。まわりにホテルも遊園地もあるんだから、当初の必要電源容量計算に問題があったのかも知れません。

4トンロング車で行くと曲がれないカーブのある搬入口もよくあります。超一流の設計事務所と巨大ゼネコンで造り上げても、せいぜいこんなもんなんです。

これ、工事している現場は分かってるんです。「これトラック入られへんなあ」「まあ大先生の設計やから気にすんな。早よ終わらして帰ろ!」なんて調子で施工されてしまうのです。

なんで、こんなことになるんでしょうねえ?一言聞いてくれればアドバイスできるんですけどねえ。いろんなビルの使い勝手を見ながら、疑問に思っております。

これで、プロのイベント屋や運送屋と称する人々が施設の問題点を知ってれば良いのですが、同じように知らないのが多いもんで、運用面でのトラブル続発です。

間もなく、(新)渋谷駅・(新)東京駅・(新)大阪駅・東京スカイツリーなんてのが完成しますが、きっと反省なく、破たんした設計が盛り込まれてることでしょう。机上の空論は、現実になると迷惑なだけなんですけどねえ。

運転手「あれ?4tまで入れるって聞いてたんですけど」
警備員「あー、スーパーロングは無理なんですよ…」
運転手「はー!?このビル最新式なんっすよねえ。この荷物どうするんすか???」

事件は会議室で起きてるんじゃない。現場で起きてるんだ!

gq1023 at 10:22│Comments(0)

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