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2010年10月21日

高張力鋼板(ハイテン)の価値とは!?

march日本の自動車業界では使用されるのが当たり前となっている高張力鋼板(ハイテン/High Tensile Strength Steel Sheets)ですが、海外に目を向けると、使ってない車はうじゃうじゃあります。

普通鋼板ってのは引張り強さ270MPa以上であるのに対し、高張力鋼板は340MPa以上といわれていまして、日本では490材でも簡単に手に入ります。

しかし、アジア各国ではこれが手に入らないのです。だから日本メーカーもアジア各国で製造している車には、日本からの材料を使うか、日本で製造している車とは違う現地仕様の材料を使用して来ました。

ところが、今回発売された日産マーチはタイ製。高張力鋼板を使用している部分でも440材止まりです。そこで乗ってみました。どうだったと思います?意外なことに、ちゃんと走るのですよ。

新型スズキスイフトって、990材と最新鋭の製法によって製造可能になった1500材を使用してます。440材のマーチと比べたら雲泥の差と思うじゃないですか。いえいえ、走る分には変化ないです。マーチでもちゃんと上質感もあります。

これ、もしかすると、技術者が最新材料がある前提で設計してるか、ない前提で設計してるかの差だと思うんですよ。ない前提で考えれば、ないなりに上質な車が製造できるのに、考える前に考えることすらやめちゃう。もったいないですよね。

パソコンなんてマウスなんかなかったのに、今やマウスがある前提で設計されてます。DOSってシステムが動いているDOSVパソコンに、DOSの上で動くウインドウズやマックってOSを走らせて、そのOSの上でオフィスなんてソフト動かしてる人たちもイッパイいます。そりゃ遅いわけです。

単純に新しいシステムに軽いOS入れて動かしたら、iphoneとかアンドロイドみたいなのができちゃう。車も同じような発想で取り組む人が出てくる時代に入ってきたんだなあと実感しました。

常識の殻を打ち破ろう。今目の前にある常識をウソだと疑ってみよう!

gq1023 at 05:34

この記事へのコメント

1. Posted by まう   2010年10月30日 22:41
初めまして。検索でやってきました。ハイテン屋のハシクレでございます。少しコメントさせていただけますでしょうか。
自動車車体の「強さ」というのは「耐久強度」「耐衝突強度」と「剛性」などのことです。
ハイテンが優れるのは耐衝突強度です。つまり同じ衝突強度でも薄い鋼板を使い、軽い車体にすることができるのです。一方でハイテン材の剛性は一般の鋼と変わりません。ですからハイテン材を使ったから走り(=剛性)がしっかりする、というものではありません(むしろ逆です)。
ちなみに「1500MPa材」というのは、炭素が多めに入っている割と普通の材料を加熱して、金型で成形した直後に急冷(焼き入れ)して1500MPaの強度にする、という技術です。日本のように980MPa級のハイテン材が手に入らない欧州ではかなり多用されている「荒技」でございます。
2. Posted by Hippo   2010年10月31日 04:29
> まうさん

そうだったのですか。ハイテンってのは「耐衝突強度」を軽い鋼板で実現するためのものだったのですか。どうりで日産マーチでも十分しっかり感があるわけですね。

1500材が荒技だなんて、全く知りませんでした。とっても勉強になりました。ありがとうございます。
3. Posted by トライボシステム展望   2017年04月29日 22:23
 高炉メーカーのようにいくら研究費突っ込んでも強度上げる研究だけではだめじゃない?日立金属は機械構造材料の現在の問題点は、摩擦にあるとして、境界潤滑の開発モードに移行している。つまり今までと違う異次元の理論(CCSCモデル)を開発し、自動車、産業機械の高性能化のための鉄づくりををしているわけだ。
 ハイテンは軽量化だけだが、これは軽量化、摩擦損失低減、耐久性能向上の3つが同時向上するという。
4. Posted by 人事情報から読み取る科学技術   2018年08月10日 05:49
 まあ高炉メーカーも色々研究開発の方向性があるのでは。ところで、今年の秋、日本鉄鋼協会で、CCSCモデルの全貌が聞かれるという噂。しかもダイセルの人間が。
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