親しき仲に礼儀ありもて耐公開練習会

2010年08月02日

防災ヘリによる2次災害・取材陣による3次災害

cam防災ヘリが5人の命と共に墜落した事故。運航していたのはホンダグループの本田航空で、バイクレースをやってる人ならみんな知ってる桶川サーキットの横にある飛行場から、離発着する姿をよく見ていた機体でした。

最初は滝に1人が転落したことからはじまった救助活動は、ヘリの墜落により5人が犠牲となり、最初の転落者の死亡も確認され、悲惨極まりない状況になっていたにも関わらず、またもや日本テレビの記者とカメラマンが亡くなる事態となりました。

そもそも水泳やダイビングや登山は危険なんです。だからこそ、できるだけ注意を払う必要があるのです。

私も空撮の経験はありますが、昔はウエスカムなんていう振動を制御し、機内から操作可能な機材は値段が高かったため、基本的には機体右側ドアを外して、右足を外に出して、命綱だけで撮影してました。

機体のドアを開けるのですから、非常に不安定な挙動となります。オペレーター(パイロット)は下方と右側を意識しながら、前方も見なければいけません。だから、山に近付くような撮影行為は嫌がられました。

今回の防災ヘリは、山の斜面に人を降下させるわけですから、斜面ギリギリでホバリングして、山に当たらないようにしつつ、山に当たったメインローターの風の影響も受けないようにしなければいけないという、難しい状況だったと思います。(救助ヘリは機体の真下から救援部隊の降下が可能なものも多い)

それを実行できるオペレーターさんですら墜落するような気流や環境が不規則な現場に、亡くなられた報道陣2名はTシャツ姿で向かったそうです。典型的な装備不足による事故。

どの程度の放送時間の映像を撮影に行ったのかは分かりませんが、非常に責任感の強い方々だったのだと思います。そうでなければ、一流企業の安定した職についているサラリーマンが、地上からの映像を撮りに真夏の暑い山へ登るわけがありません。

実際のニュースでは「皆さま行楽地での熱中症にご注意ください」の後に「救助ヘリ墜落の現場にNNN取材のカメラが入りました。現地からの緊急レポートです」って出るような映像なわけです。視聴者は気軽に見ていますが、じつは大変な苦労の上に完成するものなのです。

今後、こういったことのなきよう、報道機関が組織として取材装備についての教育を徹底してくださることを切に願います。

gq1023 at 07:01│Comments(0)

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